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信用します! 「Bootleg」感想

2010年01月09日
映画ブログをやっていると、一度は必ず訪れる場所がある。(と思う)

それは、“はてなブログ”である。

映画の感想を書いていると、当然の事ながら他の方の感想や評価も気になるもので、かくいうアガサも映画を観る度あちこちうろついていたのですが、数年前偶然辿り着いたのが“はてなブログ”の「ゾンビ、カンフー、ロックンロール」様
含蓄に富み、文章のリズムが心地よく、程よい毒を孕んでいたそのレビューは、今まで読んできたどんな“映画レビュー”とも違い、アガサはいっぺんにブログの管理人であるsamurai_kung_fuさんの虜になってしまったのでした。
で、その日から、アガサがはてなブログを読み漁る日々が始まり、他のはてなーの方も恐ろしいほど魅力的なレビュー(や記事)を書かれている事を知り、当然の流れで“はてなブログ”をいうモノに対しほのかな憧れを抱くようになったのでしたが、実は同時に、どこか怖さみたいなものも感じてしまったのでした。

なんというか、「頑固親父がいる激うまラーメン店」というか「いちげんさんお断りの名店」というか・・・。
コメントしてみたいんだけど、どうしても怖くて書き込めないオーラが、“はてなブログ”や“はてなー”の皆様にはあったのです。

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(※参考:アガサの中の“はてなー”の皆様イメージ。 声掛けるとか絶対ムリだから!)


ところが、一昨年から始めたtwitterのお陰でそんな状況は一変しました。
“フォロー機能”という人見知り克服ボタンにより、なんと憧れだった“はてな一族”の方々と交流を持つ事が出来、しかも昨年東京に行った際には一緒にお酒を飲んだくれる席まで、ご一緒する事が出来たのです! 

あたし、間違ってた! 
“はてなー”のみなさんって、ホントはとっても気さくで話やすい方々だったのね!


ま、結局今でも、全ての“はてなー”の方にガッツンガッツン話しかけれるような心臓は持っていないんですけども。


そして、ある秋の日。
長年憧れ続けてきた“華麗なるはてなブロガー”の方々が一堂に介し、映画評論本を作られるという情報が、アガサのもとに飛び込んできたのです。
おいかあさん!どうやら盆と正月が一度に来たらしいぞ!

で、なんとか東京在住のお知り合いの方にお願いして送って貰ったブツがこちら。
はい、映画評の玉手箱・bootleg、ドーン!

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薄(うす) っ ! !(←アガサの第一印象)


いえね、完全にアガサの思い込みだったのですけどね、てっきり映画秘宝の別冊ムックくらいの厚みがあると思っていたのですよ。 へたしたら秘宝本体くらいの版で。
普通に考えれば、フリマで売る本がそんな本気の商業誌みたいなサイズな訳ないのですけどね。
ただ、それくらい期待が高かったというか、第一報を知った時から続いていたワクテカ気分がマジ半端なかったというか・・・。

ではここで、文学フリマに出品されたと同時にバカ売れし、僅か一時間ほどで完売してしまった事がアメーバニュースにも取り上げられたという超人気同人誌、「Bootleg」の中身をちょこっとご紹介。

■ 侍功夫(ブログ「ゾンビ、カンフー、ロックンロール」)さん

「ハートウォーミング?ナニそれ喰えんの?~ロバート・ゼメキス~」
・・・『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で一躍ヒットメイカーとなり、『フォレスト・ガンプ』でアカデミー作品賞をかっさらっていったロバート・ゼメキス監督のフィルモグラフィを、わかりやすく解説。
『BTTF』が当初、エリック・ストルツ主演で進んでいた事は聞いたことがありましたが、その裏にこんな事実が隠されていたとは・・・。
当時の事がとても詳しく解説されていて、ゼメキス監督の心の声まで書き込まれた記事は、本当に面白くて貪るように読んでしまいました。

これ、是非ゼメキス監督に英訳したもの送ってあげたいなぁ。
「YOUはとっても鋭いトコ突いてくるアルネ!」って言っちゃうんじゃなかろうか。
すみません、「アルネ」はうそ。

欲を言えば、この倍くらい長くてもよかったと思います。
とにかくページが終わってしまうのが歯がゆかった。

「王と神に戦いを挑んだ男たち~ジャッキー・チェンとハロルド・ロイド~」
・・・喜劇の王・チャップリンと、アクションの神・ブルース・リーと比較される事を運命付けられた2人の天才の軌跡をざっくり解説。
「あー、確かにジャッキーさんの、ぽかぽかと晴れた渡ったような明るさと底抜けな強さは、子供ながら無条件で惹きつけられてたなぁ」と、小学生の頃に観た金曜ロードショーに思いを馳せてしまいました。
あと、アガサも、酔拳のマネした事ない男子は信用できません。


■ とみさわ昭仁(ライター、蒐集家、ブログ「人喰い映画祭」)さん

「ジョーズは全部見ろ!ブロディ一家を執拗に追い続けるジョーズ軍団」
・・・『ジョーズ』シリーズ皆勤賞の警察署長一家ブロディさんちを壮大に解説。
『ジョーズ』は全部観たはずなのに、「はいはい、こんな内容だった!」と言えない自分にもどかしさ百倍。
今年中に観直そう。
エコなパッケージに吹きましたww

「スピード見るなら『1』よりも『2』!」
・・・タネも仕掛けもないバスが空を舞うバカ映画『スピード』を激しくdisり、その数倍バカな、ワクワク船上アドベンチャー『スピード2』を猛レコメンド。
どうでもいいのですが、いくら頭をひねっても『2』に関してはTK編曲のテーマ曲くらいしか思い出せないアガサ。
初めてのデートの時、なぜかこのサントラを何度もリピートしていた○○くんは、今どうしているのだろう。


■ 真魚八重子(映画ライター、ブログ「アヌトパンナ・アニルッダ」)さん

「あぁ、そういえば悪くないねと言われ続ける映画監督、カーティス・ハンソンの世界」
・・・まさに「ああ、そういえば」と言ってしまうフィルモグラフィを持つ映画職人・カーティスさんを、作品レビューを交えつつ解説。
『激流』や『ゆりかごを揺らす手』はカーティスさんだったと記憶していたのですが、『L.A.コンフィデンシャル』もそうだったのかぁ。
エルロイさんの名前ばっかりが印象に残ってしまっていました。
未見だった『ワンダーボーイズ』のレビューが秀逸で、これは絶対借りて来ようと心に誓うと共に、こういうレビューが書けるようになりたいものだと、強く思ったのでした。

■ 伊藤聡(ブログ「空中キャンプ」)さん

「十七歳から遠く離れて~ロミーとミッシェルの場合~」
・・・『ロミーとミッシェル』他、さまざまなスクールカースト映画を、愛情あふれる目線で解説。
冒頭の「かましたい」の一言で、読者をあっという間に空中キャンプさんワールドに引き込んでしまうのがさすがですね!

「『ビッグ』で語る非モテ論」
・・・トム・ハンクスが天から与えられし才能「純粋っぽさ」と、その才能をフルに発揮した名作『ビッグ』に関するミニエッセイ。
なぜトム・ハンクス演ずるジョシュは女性の心を掴んだのか? 信頼を勝ち得たのか?
その理由が、空中キャプさん独特の優しい語り口で解説されていきます。
なので、どっちかというと「非モテ論」というより「モテの極意」ですかね。

それにしても、空中キャンプさんって絶対モテてるに違いないので、「非モテ論」とか言われると「いやいやいや!あなたはきっと本当の地獄を知らないハズ!」とつっこみたくなってしまう。
だいたい、どんなに少年のような純粋さを持っていても、相手の望むトコロをハズすコツを心得ていても、見た目がのんちゃん(フットボールアワー)みたいだったら鼻にもかけられないですものね!
地獄の沙汰もビジュアル次第。
結局、男も女もキレイが勝ちってコトか! くそう! ちょっと泣いてくる!

■ 破壊屋(HP「破壊屋」管理人・)さん

「エンドクレジットの世界」
・・・一癖も二癖もある、エンドクレジット総まとめ。
あなたはエンドクレジットを最後まで観ますか?
私は観ます。
その理由には、ギッチョさんがありえない例として書かれている「スタッフに対する礼儀」も含まれて居ます。

・・・と、今までは答えていたのですが、ホントはぶっちゃけ“意地”なんですよね。
ざわざわと席を立つ人たちに対する“意地”。 
あとは“見下し感”。
「おまえらほんとにわかってねえな! 映画ってのは明るくなるまでが映画なんだよ!」という、遠足の日の校長先生のような偉そうな態度をとりたいが為の“意地”。

最近は長いスタッフロールもあるので、正直いうと“意地”と“生理現象的な問題”の狭間で命の危険を感じるコトもしばしばです。

ただ、そういう本音と共に、あの暗闇を「本編のセリフやシーンが脳裏に焼きついているまま過ごす」という行為には、非現実の世界から現実の世界に戻る為の準備期間みたいな意味を感じているので、私にはやっぱり必要不可欠な数分間なのだと思います。

で、そんなひとときを面白おかしく賑やかしてくれるのは大歓迎ですので、このまとめを参考に、じゃんじゃん未見の作品にトライしてみたいものですね!

「リブート!~繰り返される映画たち~」
・・・今までの作品を“無かった事”にして、再起動(リブート)されてきた映画たちを紹介。
『バットマン』や『ハルク』の仕切りなおしは有名ですが、『仁義なき戦い』もそうだったんですね!
観たのが小学生の頃なので、とにかく「こわいおじさんたちが○○○をハサミでちょんぎられてた」くらいの印象しかありませんでした。 あとは金子信雄の小ズルイ親分。
最近はリブートの期間が狭まってきている気がして、なんだか寂しいですね。(アン・リー版ハルク、結構好きだけどなぁ)

次にリブートされるのはジャニーズ版『男はつらいよ』になるのか、興味津々なわし。

■ マトモ亭スロウストン(馬の骨、赤ブログ「マトモ亭 後だしジャンケン連敗録」)さん

「男はつらいよ全48作を全部見たっす」
・・・最初こそ、マトモ亭さんならではのユニークな文体に「男はつらいよ関係ねえwww!」と笑っていたのですが、いつの間にとらやの現実的な経済状態の推察に変わり、そこから、シリーズの真の主人公ともいえる“赤い職工”・博の半生の考察を経て、最後は下ネタに着地するという、完璧かつ読み応えのある良レビューに。
マトモ亭さんはホントはマトモだったんですね!

『男はつらいよ』の大ファンで、シリーズ全作のソフトを持っているうちの父にも読ませてあげた・・いや、やっぱやめとこう。
そんな父に半ば強要されて鑑賞していた幼少時代は、寅さんのことを「大人のクセにメロンくらいで大騒ぎして、みっともないなぁ」と好きになれなかったのですが、案外今見直すと違った印象を持つのかもしれませんね。 バタァ~。

「XXX」(シークレット・コラム)
・・・実はBootlegを手に入れて、一番最初に読んだのがこのコラムだったのでした。
そして、「無理にお願いしてでも買ってよかった!」と実感。
やっぱりマトモ亭さんはおもしろいなぁ!!
もう最後の辺はビックリマークを見ただけで笑ってしまいました。
先生! 突き抜けるってすばらしい事なんですね!!


■ 古澤健(映画監督、ふるにゃん、ブログ「にゃんにゃんゾンビ村」)さん

「80年代のこと」
・・・世紀の大傑作『オトシモノ』の古澤監督が、自らの幼少~青春期と映画との関わりを情感たっぷりに著したエッセイ。
ここに描かれているのは「東京」の事なのですが、昔は岡山にもこんな「東京」があったような気がします。
怪しげで、魅力的で、怖そうで、楽しそうで、美しいものやモンスターが一緒くたに存在していた「東京」。
『ネバーエンディングストーリー』のファルコンが躍る看板と、「人妻の淫らな昼下がり」というエロいフォントと身悶えするおっぱい丸出しの女性のポスターが混在していた、古き良き岡山の中の「東京」。
古澤さんのエッセイを読みながら、そんな「東京」が今は何処にも無いのかもしれないと思い、チリリと胸が痛みました。

「僕に影響を与えなかった映画~ニンジャリアン~」
・・・あったといえばあったけど、特に記憶にも残らない“誰得”映画の中から、『ニンジャリアン』をピックアップ&レビュー。
って、知らねー!!
今ではDVDはもとより、ビデオも出回っていない本作ですので、当然アガサも観た事はありません。
なのになんでだろう。 初めて会った気がしないのですよね。(パッケージに)
きっと昔、まだレンタル店がビデオ一色だった頃、見かけてスルーした事があるのでしょう。
ま、借りないわな、これは。
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(※参考:『ニンジャリアン』パッケージ。 そこはかとなく漂う地雷臭。)

しかし、古澤さんのレビューを読むと、どうしようもなく観てみたくなるから不思議。
文章の力なのか、それともB級を求める本能なのか・・・。
ま、観ませんけどね、きっと。(機会もないだろうし)


■ 永岡ひとみ(イラスト得意女子、ブログ「とかくめも」)さん

「出張とかくめも~Living in Films~」
・・・濃い執筆物の合間で、一服の清涼剤の如き爽やかさを醸し出す、かわいらしいイラストエッセイ。
「衣・食・住・獣」という4つのキーワードをさまざまな映画のイラストと共に語るページは、シャレオツな女子雑誌の真ん中辺りに挟みこまれていてもおかしくない程読みやすく、穏やかなひとときを与えてくれます。
なんだろう・・ビーバップ・ハイスクールの中のミポリン的な存在とでも言いましょうか。
(真魚八重子さんは宮崎ますみ的イメージ)

全部のコラムの合間にあってもよかった気がします!


上記の読み物の他に、侍さんおすすめの鉄板映画リスト(コメディ・モンスター・アクション・サスペンス)や「見たハズなのに記憶に無い映画たち」(『ショートサーキット2』『プロジェクトX飛べ!バージル』など)のミニコーナーなどがついて、お値段驚きの900円!

や す っ ! !


で、実は本誌には侍さんによる裏話という名の“犯行声明分”もついてきたのですが、それを読んでアガサは先ほどの自分の第一印象を深く恥じ入りました。
この一冊を完成させるまでに、侍さん(と、その他の執筆者の方々)がそれだけ苦労されたか・・・。
簡単に「ひとつの読み物」と思って目にしていたページが、どれだけの文字数とデザインによって構成されているか・・・。

ほんとすみませんでした! 薄(うす)っ!とかナマ言ってすみませんでした!!
そして面白い本をありがとうございました!



今回は買ってきてもらうしかなかったのですが、もしまた次回があるようでしたら、その際はなんとかヘソクリを駆使して、文学フリマに直接お邪魔したいと思います。
ま、怖いので声とか掛けるのはムリなんですけどね!


最後に、その次回発刊時には、新たな執筆者として「俺の邪悪なメモ」の罪山罰太郎さんが加わる可能性が大なのではないか、と予想しつつ、「Bootleg」の感想を終わりたいと思います。

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