ブログパーツ

おかあさんへ

2009年12月30日
10年間と少し、一緒に暮らしたおかあさんが亡くなりました。


人間と言うのは勝手なものです。
一呼吸一呼吸を苦しそうに重ねるおかあさんの姿を見ているのがあまりにつらくて、なんとか早く楽になって欲しくて、
「もういいよ、おかあさん。 もう頑張らなくていいんだよ」
と、何度も声を掛け続けたくせに、その数時間後、呼吸が徐々に小さく、か細くなってゆき、ついに顎の動きが止まった時には、強すぎるくらい力を込めておかあさんの肩を揺り動かし、
「もうちょっと、もうちょっとだけ息しよう! もうちょっとだけでいいから頑張って!」
と、大きな声をあげてしまっていました。
おかあさんは、もう充分すぎるほど頑張っていたのに。
本当に勝手なものです。


私とおかあさんは、決して“いい関係”とは言い切れなかったと思います。
それこそ、「お味噌汁がぬるい」「食事がまずい」といった、橋田壽賀子っぽいやりとりは固より、「あなたみたいな態度の悪い嫁はいない」という厳しい言葉を頂戴した事も何度もありました。
(実際、私は態度が悪かったのです)
私の方も、負けじと「おかあさんは言い方がきつい」と言い返し、最後はお互いが泣くような諍いも、本当に数え切れない程ありました。
裏表のない関係と言えばそうかもしれないのですが、もしタイムマシンがあったなら、過去に戻って自分にビンタを食らわせたくなるような生意気な嫁でした。

だから、私には本当は、おかあさんの死を悼む資格などないのかもしれません。
おかあさんは、私をうらんでいたのかもしれません。


この文章にしても、本当は、読んで下さっている方から同情をかう事で、自分の中の罪悪感をうやむやにしてしまいたい、という姑息な気持ちで書き綴っているだけの様な気もします。
本当に私はダメな嫁でした。
最低な嫁でした。

でも、最後の最後になって、心から思い知らされたのです。
おかあさんの事が大好きだったのだと。
今更気付いても遅いのに。
おかあさんは、私にとっても、大事な大事な家族だったのです。
そんな当たり前な事に、なんで今気付いてしまうんだ。 本当にバカだ。


おかあさんは、とても穏やかな顔で旅立ちました。
私は、涙というのは泣いても泣いても、いくらでも出てくるものなんだという事を知りました。
もう、おかあさんの体は存在しないけど、これからもこの家で一緒に暮らして行きたいと思っています。
どうしようもないバカ嫁なので、お願いだから化けて出てきて欲しいです。
また、「態度が悪い」と叱って欲しいです。
そして時々、ご飯を褒めてもらえると嬉しいです。

今はとにかく、どこか暖かくて気持ちのいい場所で、ずっと病魔と闘ってきた体を休めて、好きなものを沢山食べて、たくさん笑ってくれていますように。

おかあさん、ありがとうございました。




そして、お願いです。
今これを読んで下さった方は、できれば今すぐ親孝行して下さい。
どんな小さな事でもいいのです。
月並みな言葉ですが、親孝行をしたい時には、出来ない事が多いから。
声を掛けるだけでもいいのです。
一緒にテレビを見て、あははと笑うだけでもいいのです。
同じ時を共有するだけでも、それはお互いにとってかけがえのない思い出になるから。



バカな私のようには、どうかならないで下さい。



     ♪♪どちらのバナーでもどうぞご遠慮なく♪♪ →   にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ


※当ブログで使用しているイラスト等の著作権は、全てはアガサにありますので、転載、二次加工、再配布の際は一言ご連絡下さいませ。