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『誰も守ってくれない』

2009年12月14日
だれまも
★★☆
超わるい上司、佐野史郎参上! よし!けっこんしてくれ!!

時にTBSの申し子(「ずっとあなたがすきだった」「青い鳥」等)
時に日テレジェニック(「フードファイト」「ガラスの靴」「凍りつく夏」等)
時にテレ朝の秘蔵っ子(「PS羅生門」「必殺仕事人2007」等)
時にフジっ子(「沙粧妙子-最後の事件-」「WATER BOYS2」等)
そしてまた時に国家の犬(「独眼竜政宗」「あの歌がきこえる」「坂の上の雲」等)と、局をまたにかけた大活躍が目に眩しい佐野史郎。
当然のごとく、テレビ局が製作した映画にも多数出演している史郎なのですが、その中でも特に多いような気がするフジテレビモノを、なぜかWOWOWが放送してくれたので粛々と録画させて頂きました。

なんでも史郎は敏腕刑事役だそうなのですよね!
敏腕刑事て! なんならオレの心も逮捕してくれ!いや、とっくに拘留済みか!(←早くもよくわからないテンション)

一体史郎はどんなスゴ技で、かわいそうな民間人を守ってみせるのか?
佐藤浩市との胸躍る絡みはあるのか?

いざ鑑賞!


あらすじ・・・

(※ 観なくてもわかるように、全部書きました!)



・ 佐藤浩市は敏腕刑事。 渋谷のチンピラからも一目置かれた存在だ。

・ ある日、幼い姉妹を刺殺した容疑で18歳の少年が逮捕される。
・ 当然押しかけるであろうマスコミから、加害者家族を警護する事を指示される佐藤浩市。
指示したのはクールな上司の史郎。 さすがは敏腕!
・ 容疑者を家で職質している段階なのに、自宅を包囲して生中継し始めるマスコミ。
・ 少年は警察署に身柄を移され、残った警察関係者が家族を尋問。
リビングに入り切れないほどの警察関係者。 完全に残りすぎ。 平屋建ての借家だったらエライ事になるよ。
・ リビングに区役所のみなさん登場。
・ 「マスコミに追われるだろうから、加害者家族のみなさんには今すぐ離婚をして貰います」宣言。

ポカ―( ゚д゚)―ン。

・ 一度は断るお父さんだったが、「名前は変えたほうがいいって保護マニュアルにも書いてあります」という敏腕史郎の一声で離婚を承諾。
・ 名前と捺印だけで離婚成立。
・ 今度はお母さんの旧姓に変えるため再婚。
・ 名前と捺印だけd(略
・ 中学校に通う妹に関しては、特例措置で義務教育免除。
ゆとり教育、ここに極まれり!
・ 現場検証に立ち会わなければならない母から離されて、佐藤浩市とホテルに移動する事になる妹。
ここに至るまで、警察や両親から妹に対する事情の説明一切無し。

・ 事態が飲み込めず呆然とする妹ちゃん。
・ マスコミが山盛りの玄関を、妹ちゃんを連れて突破しようとする佐藤浩市。
なんと護衛は浩市ただひとり。
・ 当然のごとく揉みくちゃにされて、写真を取られまくる妹ちゃん・15歳。
容疑者でもない未成年の写真撮ってどうすんだよ。
・ ホテルへ向かう警察車両を激しく追うマスコミ車両。
・ 並走しつつ妹ちゃんの写真を撮りまくるマスコミ。
だから、容疑者でもない未成年の写真撮ってどうすんだよってば。
・ なんとなくカーチェイス。
・ ホテルに辿り着いた妹ちゃんを尋問する警察関係者。
・ 15歳の民間人相手に高度な言葉攻め。
ちなみに、女の子相手の尋問なのに婦人警官出席率ゼロ。
・ 5分も経たないうちにマスコミがホテル突撃。
・ 再び妹ちゃんを連れて正面突破の佐藤浩市。
やはり護衛は浩市ただひとり・・あ、松田龍平もいたので2人。 って、どっちにしても少ないわ!!

・ 妹ちゃんを親戚のうちで匿って貰うべく移動する佐藤浩市。
・ 親戚のおうちもマスコミでいっぱいだった。
確かにこういう光景はよく見るなぁ。ワイドショーとかで。
・ 上層部が妹ちゃんの潜伏場所を決めてくれない。
・ 「2人で適当に身を隠しといてくれ」宣言。
いくらなんでも適当すぎる。 ていうか未だに浩市ひとりなのかよ!
・ しょうがないので自宅に連れて帰る浩市。
・ 数時間前に会ったばかりの中年男の自室を前に固まる15歳の女子中学生。
・ 「どうした? 早く入れよ」宣言。
どうしたも何も、倫理的に無理。

・ 妹ちゃんが自宅に携帯を忘れたと言うので、取りに行く間、自分の主治医(精神科)を呼びつけて妹ちゃんを監視させる浩市。
民間人も公務員も守秘義務も、この際一切関係なし!
・ 謎の精神科医・木村佳乃、精神状態が不安定な15歳に「ノンノン」「ウィ」とエセフランス語を連発。
どう考えても余計に不安になる罠。
・ 加害者宅で携帯を発見する浩市。
・ 聴取をうけていた母がトイレで自殺。
ちなみにこの現場にも婦人警官の姿は無し。 やる気ねぇな!
・ 妹ちゃんの元に返った浩市、母親の自殺を伝える事が出来ないチキンハート。
・ あろうことか民間人(佳乃)に丸投げ。
・ さっきまで「ウィ」とか言っていたので、突然シリアスになったら余計に不自然な佳乃。
・ 佳乃がキャラの切り替えにモタモタしている間に、彼氏からの電話で母の死を知ってしまう妹ちゃん。
使えない大人ばっかだなおい。
・ 取り乱す未成年に無理やり薬を飲ませ、前後不覚にさせる刑事と精神科医。
普通の映画だったら、この後妹ちゃんがあんな格好やこんな格好をさせられて写真を撮られ、その写真をネタに悪い大人に強請られるパターン。

普通ってこたぁ無いか。


・ 翌日、再び上司に今後の相談に行く浩市。
上司って史郎ね。
・ 妹ちゃんから犯行の証拠になるような証言をとりつけ、それを土産に出生街道を歩もうというのが史郎のねらいだった。
・ と言う訳で、「他の刑事が妹ちゃんに接触できないよう、しばらく田舎に逃げといて」宣言。
・ 回りくどいのでイヤがる浩市。
・ 浩市の黒歴史をネタに、言う事を聞かせようとする悪い史郎。
ただ今史郎の本領発揮祭り開催中!
・ しぶしぶ承諾し、妹ちゃんと一緒に郊外へ向かう浩市。
・ パーキングエリアで休憩の巻。
・ たまたま食堂にあったテレビで、事件に関連付けて己の黒歴史まで取り上げられていた為、激しく動揺する浩市。
・ 事情が飲み込めずキョトンとする妹ちゃん。
・ 説明もせずに「何見てんだよ!」と逆ギレする浩市。
・ あろうことか、「もういい! 勝手に一人で逃げてろ!」と妹ちゃんを放り出して立ち去る浩市。
こういう大人にはなりたくないものですね。

・ さすがにマズいので、再び妹ちゃんを保護する浩市。
・ 海辺のペンションに身を隠す2人。
・ なんとそのペンションには室井管理官が!浩市の黒歴史の生き証人が!
・ 浩市は昔、上司の命令で街に放り出したジャンキーを尾行していてうっかり見失い、その隙にジャンキーが子供を殺すという痛ましい事件に関係していたのだ。
言うまでも無いが、その上司も史郎。 悪いおひと!!
・ ペンションを経営していたのは、その子供の両親なのだった。
・ つまり、同じように幼い命を奪った犯人の関係者を、被害者の関係者の家に連れてきた訳だ。
大人しそうな顔して、意外とえげつない浩市。
・ 相変わらず口を閉ざし、心も開こうとしない妹ちゃん。
・ 立場は違えど「突然家族を失った」者同士、あわよくばペンションのご主人に妹ちゃんを説得して貰おうという気まんまんの浩市。
かわいい顔して、意外と計算高い浩市。

・ 状況がどんなに変わろうと、頑として口を割らない妹ちゃん。
ていうか、そもそも妹ちゃんにまだ一度もまともに話しかけていない浩市。 コミュニケーションは会話からだよ!
・ 関係者しか知らないはずなのに、ネット上に妹ちゃんと浩市の居場所がリークされてしまう。
・ 続々と現れる2ちゃんねらー風やじ馬たち。
・ ここに至って、初めて浩市が連れてきたのが加害者の家族だと知ったペンションのご主人、激昂する。
至極当然の結果。
・ 追い出されそうになるものの、調子付いたやじ馬が投石を始めたので、ペンションに篭らざるを得ない浩市。
ていうか通報しろよ!
・ 妹ちゃんの口を割らせる為、新たな凄腕刑事がペンションに派遣されてくる。
・ 激しい尋問がスタート。
・ 変わらず知らぬ存ぜぬの妹ちゃん。
・ 突然妹の彼氏が押しかけてくる。
・ さっきまでと打って変わったように、饒舌になる妹ちゃん。
もしかしたら、もしかしちゃってるのかもよ!(大人の階段的な意味で)

・ 久しぶりの再会に、配慮しまくる大人たち。
・ 部屋で大はしゃぎの中学生カップル。
・ 階下で不貞寝を決め込む大人たち。
・ その間に窓から脱走する翔んだカップル。
・ 朝起きてビックリする浩市。
なんかもう、色んな意味でダメなんじゃないかと思う。

・ 彼氏が自分を売ったとも知らず、どこぞのホテルで盗撮され放題の妹ちゃん。
・ 単独で妹ちゃんを探す浩市。
やっぱひとりなのな!
・ 偶然妹ちゃんを見つけ出し、盗撮道具一式も発見するも、持ち主のキモオタに襲撃される浩市。
・ リュック、メガネ、ストーンウォッシュのジーパン、紙袋、といったステレオタイプのキモオタが、強そうな刑事である浩市をタコ殴り。

ね え よ ! (ていうかこの製作者は何をどうしたいんだ)

あと、クドイようだけれども通報しろよ!


・ 自分を守ってくれた浩市に、お兄ちゃん(犯人)に関する重要証言を始める妹ちゃん。
・ やっと心を開いた妹ちゃんに、「ま、それはさておき、これからはチミが家族を守りたまえよ」と宣言する浩市。
いやいやいや! 段階飛ばしすぎじゃね? ていうか重いよ! 15歳に背負わす内容じゃないよ! 
・ ペンションに戻り、改めて別の刑事の尋問を受ける妹ちゃん。
・ つらい証言を頑張って続ける妹ちゃんを尻目に、さっさと帰り支度を始める浩市。
・ ホントに帰っちゃう浩市。

下の下の浩市。


証言も得、やじ馬騒動も治まってきたので、東京に送り戻される事になった少女。
浩市と交わした約束を胸に、ペンションを後にする少女は、浩市にある包みを手渡す。
それは浩市が娘に買っておいたプレゼントだった。
自らの黒歴史や仕事の忙しさから崩壊寸前だった浩市の家族。
色んなものを失ったものの、再び家族の絆を取り戻す事を誓った少女と、同じ決意を固める浩市は、リボンのかかった包みを片手に歩き始める。
自分の、かけがえの無い家族のもとに・・・。

・・・

・・

あれ?

史郎は? ポカ-( ゜д゜)-ン



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容赦ない現実を映し出しながらも、「人生の途中でどんな致命的な傷を負っても、人はそれを乗り越え、再び立ち上がる事ができる」という希望を感じさせてくれる本作は、とても興味深い作品でしたし、やさしいラストにトゲついた心が癒されました。

が、そうなんですが、なんかモヤモヤしてしまったのですよねぇ・・・。
なんでだろう・・なんなんだろう、このモヤモヤは・・・と考えていたらアガサ気付いちゃいました!

後半以降、佐野史郎全然出て来てねえじゃねえかコノヤロー!!

『誰も守ってくれない』の「誰」って、どう考えても史郎の事だと思うのですよ。
だって他人の事なんか全く守ってなかったもん!ま、自分の立場はガンガン守っていましたけどね!
この「人をあてにしないで自分の身は自分で守れ」というのは、まんま本作が放つメッセージな訳ですよ。(←かなり意訳)
だからつまり「誰」の部分は史郎であると。
要するにタイトルロールな訳ですよ!史郎は!
「ハリポタ」でいうトコロの逆ギレ丸メガネ野郎にあたる部分が、総出演時間数分ってどう言う事だよ! 責任者ちょっと表でろ!!

まぁしかし、その数分で消そうにも消せない程の悪印象をバッチリ観客に与えてしまう所が、さすが我らの史郎なんですけどね。
よし、久しぶりに言っとくか! 史郎けっこんしてくれ!!


先日、逃亡の末逮捕された市橋容疑者の両親が自宅前で記者会見を開いた時、それを見たコメンテーターが「自分の息子なのに冷静すぎる」とか「他人事のような話ぶりはいかがなものか」などと苦言(笑)を呈していましたが、世の中には色んなタイプの人間がいるもので、みんながみんな感情を表に出すタイプとは限らないと思います。
全ての事を冷静にみてしまう人もいるだろうし、取り乱して泣き崩れる人もいるだろう。
カメラの前だからこそ感情を押し殺して淡々と語ろうという人もいるだろうし、土下座して一回りも二回りも小さくなってしまう人もいるだろう。

もちろん加害者の家族(親)に何の責任も無いとは思わないし、むしろそれは大きいと思うけれど、直接責める事の出来ない犯人の代わりに家族を攻撃するのは間違っているのではないでしょうか。
誰よりも苦しみ、傷つき、悩み、哀しむのは被害者とその家族であり、加害者の家族です。
加害者やその家族に対して「お前のその態度は許せない」「死んで償え」と声を上げていいのは被害者だけで、マスコミにも私たちにもその権利は無い。

しかし、マスコミは凄惨な事件も飯のタネとしか考えず、バカみたいに扇情的な取り上げ方をする。
沢山の「通りすがりさん」たちは、傍から見ているだけな為思い切り無責任で感情的な声を上げる。
事件とは無関係な一般市民は、犯罪者の家族にまでヒステリックな目を向ける。

この作品が観客に投げかけるテーマはとても重く、簡単に答えの出せるような問題でもなく、しかし私たちがもっと真剣に向き合わなければならない事だと思います。
“無関心”ほど残酷な態度は無いし、“他人事”がいつか自分の事となって降りかかる可能性も、常にあるのだから。

ただ、そんな「意義のある」テーマを手持ちカメラで臨場感あふれる映像と共に描いた本作なのですが、真面目なテーマとは裏腹に、突っ込みどころが多すぎるのですよね。
お陰であらすじもこの長さだよ! まったくもう!(←それはいつもの事か)

実際に日本の警察や行政がどこまで加害者の家族に関わっているのかは知りませんが、まだ立件もしていない段階で「強制離婚」て!
ねえよ!!(いくらなんでも)

それに、加害者の家族(しかも未成年)を過去に問題を起こしている刑事と二人きりにさせたり、まだ自供も証拠も揃っていないのに完全に犯人扱いだったり、尋問する相手(容疑者の妹)に何の説明もしなかったり、婦人警官が全く出てこなかったり、人権派の弁護士が聞いたらドえらい事になりますよ。
っていうか、どれだけ格好のネタ用意してんねん!

多少オーバーな設定で少女を囲い込む方が、話に引き込まれやすいし、観客の感情を動かしやすいのはわかりますが、それにしてもちょっとやり過ぎだと思います。

あと、「少女と刑事」に対する悪役として配された、マスコミやネットユーザーの描き方にもちょっとモヤモヤ。

確かに序盤はマスコミの過剰な報道手法を描いているのですが、中盤以降は悪意あるネットユーザーの暗躍が中心になってしまうのですよね。
掲示板を使った誹謗中傷は当たり前、加害者でもない妹の個人情報は張り付けまくるわ、誘拐(というか騙して軟禁)してライブ中継するわって!
ねえよ!!(全く無いとも言えないけれど、誘拐だけは無い)

マスコミの代表として登場する新聞記者の佐々木蔵之介も、一度ばかし突撃取材をしただけで、あとはただぼーっとネットを眺めるばかり。
しまいには、少女に粘着するのに飽きて次の事件で盛り上がる掲示板を見て、憂いの表情なんか浮かべちゃってますからね。
なにその傍観者っぽい冷めた目線・・・ていうか、とりあえずお前仕事しろよ!

完全に「諸悪の根源はネット」みたいな流れになっているのが、所詮テレビ局製作、という事なのかなんなのか・・・。
残念というか、チキンというか、とにかく無性に居心地が悪かったです。


加害者家族、被害者家族両方の気持ちを理解しようとする柳葉敏郎の存在と、複雑な状況に突き落とされて困惑するヒロイン・志田未来の眼差しは、とても強く心に残りました。
それだけに、ここまで荒唐無稽な設定にしなくても、充分メッセージは伝わった様な気がしてなりません。

ま、史郎の部分はどれだけムチャな設定にしてくれてもいいんですけどね!
だって史郎はどんな状況でも最高に輝くから!!(※むしろ悪ければ悪いほど)

かあさん、史郎によって確保されたぼくの心の拘置期限は、まだまだ終わりそうにありません:*:.。.:*(´∀`*)*:.。.:*: (←アホ)


あー・・・ やっぱ『アマルフィ』行っとけばよかったなぁ!


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