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『イングロリアス・バスターズ』

2009年11月22日
inglourious_basterds.jpg
★★★★☆
鬼畜VS鬼畜。

あらすじ・・・
第1章「ナチ占領下のフランスで」
ナチス親衛隊のハンス・ランダ大佐は、今日もきびきび仕事をこなす。
今回訪れたのは、丘の上の一軒屋。 
酪農業を営むラパディットさん一家です。
「こんにちは~。 ちょっとお邪魔しますよ~」 「は、は、はい、ど、どうも」

・・・あやしい。
どう見てもあやしいですよね。
それもその筈、実はラパディットさん、フランス人のくせにユダヤ人を匿っているらしいんです。
しかし、優れた探偵としての才能をも持つランダ大佐には、すべてお見通しなのです。
という事で、あっという間にラパディットさんから自供を引き出し、軒下のユダヤ人は皆殺し。
少女を一人見逃してやりましたが、ま、それはランダ大佐の器の大きさって事で。
かっこいいですよね。 ランダ大佐。


第2章「名誉なき野郎ども」
圧倒的乱暴さで、ヨーロッパ全土を統治下に置こうとふんばるナチスドイツ。
しかし、最近とあるアメリカ人特殊部隊がそんなナチスに揺さぶりをかけてきているのです。
彼らの名は“バスターズ”。
ナチスのメンバーを人間と見なさず、ありとあらゆる残忍な手口で殺しまくる、非道な集団です。
なんでも殺しの締めとして、必ず頭の皮を剥ぐとか剥がないとか。
おっかないですね。 “バスターズ”って。

あ、ランダ大佐はたぶんどこかでユダヤ人を殺してます。 出てきませんけど、間違いないです。
ホントできる男ですよね。 ランダ大佐。


第3章「パリにおけるドイツの宵」
第1章でランダ大佐に見逃してもらっていた少女ですが、今ではすっかり大きくなって、パリで映画館を営んでいます。
なにもそんな目立つトコロで働かなくても、と思うのですが、ま、仕方ないですね。
どこに出しても恥ずかしくない身分証明書を持っていたお陰で、堂々と商売していた彼女なのですが、ある日映画好きの若き兵士に見初められてしまいます。
兵士はペーペーの下っ端だと思いきや、連合軍兵士を300人以上も殺した英雄でした。
おまけに空気の読めない童貞でした。
女心を知らない童貞兵士は、自分で主演したプロパガンダ映画のプレミア試写会を、彼女の劇場で行う事を上層部に掛け合っていました。 
喜ぶとでも思ったのでしょうか。 
さすがの童貞クオリティですね。
ユダヤ人の彼女にとっては迷惑千万な申し出だったものの、よく考えたら皆殺しにされた家族の復讐ができるいい機会なので受けることにしました。

もちろんラブラブな彼氏と相談の上ですよ。

あちゃー。 お気の毒ー。

そうそう、ランダ大佐ですが、ちゃっかりパリに戻ってきて、上層部の護衛を任されています。
さすがに彼女があの時の少女だと言う事までは気づきませんでしたが、そんなのわかりっこないですよ。 
いまや完全にメスですからね。
どんまいどんまい。 ランダ大佐。


第4章「プレミア作戦」
ナチスの上層部が大集合して、新作プロパガンダ映画の試写会を開く事は、連合軍にも知れ渡っていました。
もちろんこんな好機を逃すはずも無く、連合軍は“バスターズ”とドイツ人人気女優スパイを使って、映画館の爆破作戦を行う事に。
フランスの奥地で落ち合う段取りだったイギリス人中尉と“バスターズ”たちだったのですが、運悪く、待ち合わせのお店でナチスがパーティを開いていたからさあ大変。
あっという間に正体がばれ、激しい銃撃戦の末イギリス人中尉やドイツ系“バスターズ”は死亡。
なんとかドイツ人女優は生き残ったものの、プレミア上映会に同行出来るメンバーはドイツ語が話せない“バスターズ”のみ。

果たして“バスターズ”は無事任務を遂行することが出来るのでしょうか?!

・・え? ・・・ランダ大佐?
あー、えっとね、さすがは名探偵ランダだけあって、銃撃戦の跡からドイツ人女優が絡んでいる事を推理し、そこに“バスターズ”が噛んでいる事まで探り当ててしまいました。
マジ半端ないですよね。 ランダ大佐。
もうあれだ。 抱いてホールドオンミー。


第5章「巨大な顔の逆襲」
時は来る。
プレミア試写会の日が、ついにやってきたのです。
童貞兵士は、彼女をモノに出来る事を期待して。
ナチスの上層部は、ヒトラーに満足して貰える事を祈って。
“バスターズ”は暗殺作戦が成功する事を確信して。
彼女は復讐が果たされる事を願って。
ヒトラーは面白い映画が観れる事を楽しみにして。
そして、ランダ大佐は、ある思惑を胸に秘めて。

様々な想いが小さな映画館に集まった時、はたして歴史はどう変わるのでしょうか・・・。
そして、ランダ大佐の思惑とは・・・。


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早速で恐縮ですが、以下ネタバレです。





今まで、ナチスが題材の映画はそこそこ観てきたものの、鑑賞後にどこか煮え切らないというか、モヤモヤするというか、歯切れの悪さを感じていた。
その理由はきっと、
「どれだけ映画の中の登場人物が頑張っても、ヒトラーは暗殺されないし、戦争も簡単には終わらない」
という事実がわかってしまっているからだろうと思う。
そして、きっとタランティーノもそう感じたのだろうと思う。

で、「だったらヒトラーぶっ殺せばいいじゃん」と。

そうかぁ・・・

そうだよね!!(゚∀゚)ナットク!

と言う訳で、今までに無い爽快さを味わうことの出来る傑作映画 『イングロリアス・バスターズ』 を鑑賞して来ました。
悪いナチスのやつらが沢山ぶっころされて、とっても痛快な作品です。

地球の歴史上、ここまで問答無用に「殺されてもよさそうな人たち」はいないですよね。
あまりにむごい事を行った連中だから、あまりに人道に反した事を行った連中だから、みんな心置きなく叩くことが出来る。
もちろん映画の中の“バスターズ”たちも、そんな世論を背に受けやりたい放題し放題。
「ユダヤ」というだけで、人間扱いせずに虫けらのごとく抹殺したナチスと、
「ナチス」というだけで、老いも若きも上官も新人もなぶり殺しにする“バスターズ”。

ほんと、ここらへんのタランティ-ノの容赦ないさじ加減ときたら、安っぽい感情移入や同情心を台無しにしてくれて最高だと思います。
復讐も野望も無為な殺戮も、大きな爆発と共に塵となって吹き飛んでしまう儚いもの。
“暴力”は、マジでやるものじゃないんだよ、と。
シャレでやるもんでしょ、と。
タランティーノにそう笑われているようで、とても心地よかったです。


個性あふれるキャストも最高だった本作。

終始ウケグチで、無骨だったりぶこつだったり時にブコツなアメリカン中尉を演じたブラット・ピットが素晴らしい。
バカっぽいのは演技なんですよね。 ていうかなんでウケグチ? 
アンジェリーナさん、おたくの旦那さん、アゴ出てますよ、アゴ。
基本的に天邪鬼なアガサなのですが、このブラピは好きにならずにはいられませんね。
首に掻っ切られたあとがあったり、謎な過去を匂わしているのも魅力的。

みんな大好きイーライ兄貴も、自身の生い立ちを最大限に反映させた魂の演技を披露しています。
兄貴にヒトラーを蜂の巣にさせたのは、とても大きな意味がありますね。
タンランティーノの師弟愛(友情)も強く感じさせた、いいシーンだったと思います。
「ユダヤの熊」としてバット片手に登場するシーンの異常にテンションが高まる演出も、タランティーノなりの愛の表れだったのではないでしょうか。
ていうか引っ張りすぎじゃね?(※そこがいいんですけどね)

そして何より本作の一番の目玉はランダ大佐。
ちっちゃな体におっきな能力を兼ね備えているランダ大佐が、近年稀に見る好キャラクターなのです。
別に残忍な性格を持ち合わせているでもない、ユダヤが憎くてかなわないわけでもない、ヒトラーに心酔しているのでもない。
ただ自分の能力を信じ、その高さに酔っているだけのランダ大佐。
なので、ナチスが危うくなったら即座に鞍替えを決意するランダ大佐。
なんて潔いんだランダ大佐。
なんと連合軍に、ナチス上層部の暗殺を黙認する事と引き換えに、自分の命はもとより、地位の保証や年金の保証、終戦の立役者としての勲章、土地つき一軒家などなど、思いつく限りの安心材料を要求。

ちいさ!!(人としての器が)


いや、やろうとしている事(ナチスの壊滅)は大きいんですけどね。
スケールの大きい小ささとでも言うのでしょうか。 ようわからんな。

もう、このランダ大佐のキャラクターが完成した時点で、本作の成功は保障されたも同然だったのではないでしょうか。
それくらい面白くて、狭量で、非情で、有能なランダ大佐。
ティム・ロスが喜びそうなこの役を演じたのはクリストフ・ヴァルツさん。
まったく知らない俳優さんでしたが、今後はしっかり注意して観てゆこうと思います。


ということで、先にも書いたように、まったく史実には沿わない創作劇なのですが、悪いやつが情け容赦なく殺されて、最後は別の悪いやつが高笑いをするという、とても現実的な素晴らしい作品でした。

タランティーノはホント外さない人だなぁ。

最高の2時間32分を、ありがとうございました!( ´∀`)



追記:
そういえば、本作の予告でブロンドの女の人が頬に赤い線を引くシーンがあって、アガサはそれを見ててっきりゲリラ作戦か何かのペイントなんだと思っていたのですが、本編を見てみてたらその赤い線はのちに薄くぼかされてチークになったようです。
ていうか元の線引きすぎじゃね?(女子のみんなはこんなに引いてるの?チーク?)
やはり普段からお化粧しないと、疎くなってダメねぇ。 と、心にも無いつぶやきを漏らしつつ劇場をあとにしたアガサなのでした。
すっぴんばんざい。



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