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『ストレンジャーズ/戦慄の訪問者』

2009年11月05日
the_strangers.jpg
★★
タイラー! うしろうしろ!!

ゾンビ手帖さんでその存在を知ってから、かなり興味をそそられていた『ストレンジャーズ/戦慄の訪問者』が、いつの間にかレンタル屋さんに並んでいたので、迷う事無くカウンターに直行。
で、鑑賞してみるとその名(タイトル)に違わぬ戦慄っぷりでしたので、今回はいかに戦慄していたかを数字に表してざっくりご紹介してみようと思います。


戦慄のあらすじ・・・※ すみませんが完全ネタバレですのであしからず。







戦慄指数 20 ・・・ イケてるアラサー女性のリブ・タイラーが、大した理由も無く恋人の求婚を却下し、そのくせ悲劇のヒロインぶってメソメソ泣く。
戦慄指数 90 ・・・ 自分が袖にした彼氏を何故か色気攻めにする、セックスマシーン・タイラーのどすこい節。
戦慄指数 70 ・・・ 夜中の4時に、突然ガイキチ女が訪ねてくる。
戦慄指数 85 ・・・ というのに、怖がるタイラーさんを置いて気分転換のドライブに出かける彼氏。
戦慄指数 88 ・・・ 案の定、一人ぼっちのタイラーさんを襲うドアノック攻撃。
戦慄指数 40 ・・・ の、割には、なかなかおうちの施錠確認をしないタイラーさん。
戦慄指数 32 ・・・ やっと電話という文明の利器に気づくタイラーさん。
戦慄指数 10 ・・・ と思ったら充電が切れていたタイラーさん。
戦慄指数  8 ・・・ 携帯は充電器に差しといて、固定電話で彼氏を呼び出すタイラーさん。

そうそう、携帯はこまめに充電器にってマメすぎるわ!! どあほう! 
ていうかなぜ充電しながらかけないのか。 大人の事情か。 ならしょうがねえな! 


戦慄指数 60 ・・・ 予想通り、電話線を切られて用を成さなくなる固定電話。
戦慄指数 89 ・・・ 窓から覗き行為を繰り返す覆面男。
戦慄指数 40 ・・・ 彼氏がダラダラと帰宅。
戦慄指数 30 ・・・ 家が荒らされているのに、タイラーさんの訴えを信用しない彼氏。
戦慄指数 20 ・・・ 車が動く事を確認しながら、それを使って逃げようとしない彼氏。
戦慄指数100 ・・・ ダメだ! この現場バカばっかりだ!!
戦慄指数 60 ・・・ やっとこさ車で逃げる選択をしたものの、犯人グループにピックアップトラックで衝突され、また家に逃げ帰るタイラーさんと彼氏。
戦慄指数 25 ・・・ ライフルを持って犯人が現れるのを待ち伏せするバカップル。

愉快指数120 ・・・ ホモっぽい親友登場!
愉快指数180 ・・・ 親友、タイラーさんにフラれて傷心であろう彼氏の携帯に、励まし留守電を入れる。 やっぱホモっぽい! 「何なりとご用命を」とか言ってる! 超ホモっぽい!


戦慄指数 90 ・・・ 物陰から覗いた親友を、犯人だと勘違いしてうっかり瞬殺する彼氏。
戦慄指数 50 ・・・ 自棄になった彼氏が、無線で助けを呼ぶ為離れの納屋に向かう。
戦慄指数 40 ・・・ そしてやっぱりタイラーさんは危険な一軒家に置き去りの巻。
戦慄指数 12 ・・・ 彼氏、瞬殺。(※この段階ではまだ気絶状態)
戦慄指数 18 ・・・ 彼氏が帰ってこないので、自ら戦地(納屋)に赴くタイラーさん。
戦慄指数 70 ・・・ なぜか裸足のまま庭先に走り出るタイラーさん。
戦慄指数 80 ・・・ 足の裏に小枝やら松ぼっくりやら撒菱やらが刺さりまくり、挙句地面のへこみですっ転ぶ、ドジッ娘タイラーさん。
戦慄指数 75 ・・・ なんとか納屋にたどり着く。
戦慄指数 80 ・・・ 納屋の中が真っ暗で、普通に視界が悪い。
戦慄指数 81 ・・・ 納屋の外でガサゴソ物音がするけど姿が見えない。
戦慄指数 82 ・・・ 機械の使い方を知らないハズのタイラーさんなのに、誰かと無線が繋がってしまう。
戦慄指数100 ・・・ それはきっと、冥界とのファーストコンタクトに違いない!(←違う)
戦慄指数 20 ・・・ すったもんだの末、結局納屋から出て家に戻るタイラーさん。
戦慄指数 16 ・・・ 覆面犯人団と対峙するタイラーさん。
戦慄指数 10 ・・・ 生きてはいたものの、全くもって使えない彼氏。
戦慄指数  9 ・・・ まんまと捕まるバカップル。
戦慄指数 11 ・・・ 翌朝、いよいよ処刑の瞬間を迎えるタイラーさん。
戦慄指数 90 ・・・ 殺戮の理由を尋ねるタイラーさんに「お前らがたまたま家にいたから」と答える不条理な犯人団。
戦慄指数 50 ・・・ 事を終えて、次回への抱負を語り合いつつ現場をあとにする犯人団。
戦慄指数120 ・・・ たまたま戸別のチラシ配りをしていた宣教少年に発見された瀕死のタイラーさんが挙げる叫び声。


指数はアガサ独自の基準に基づいておりますが にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ  ま、こまけぇこたあいいんだよ!


と言う訳で、全編通して一番戦慄したのは、首から下がふとましいタイラーさんが挙げる野性の雄叫びだったという、何とも腑に落ちない結果となった本作。

「実在に起きた事件がベース」
「動機なき通りがかり殺人」
「最後まで顔を見せない犯人団」
など、心を惹きつける要素はありますし、実際タイラーさんと冴えない彼氏が覆面犯人団に翻弄され、どんどん疲労してゆく様は程よい緊張感に満ちており、かなり心拍数を上げつつ鑑賞させて頂きました。

特に、タイラーさんの背後にひっそり、覆面犯人が佇む瞬間。(ポスターに使われているシーンですね)
分厚い扉が外の世界から身を守ってくれ、本来は安心なハズの家の中。
そこに、自分の知らない間に部外者が闖入し、そしてまた、知らない間に出て行っているという恐怖。
もう、安心な場所などどこにも無いんだ、という絶望。
扉。 そして窓。
家の中と外とを隔てるそれらに、私たちは何故か過分な安心感を抱いてしまうものなのですよね。
でも、どんなに頑丈な木の扉もぶつかれば壊れるし、窓だって割られたらそれでおしまい。
「ここなら大丈夫」という自己暗示を鼻で笑い飛ばされている様な、本作での闖入シーンは、扇情的なアップを使うこと無く、ただ淡々と描かれる為、本当に背筋がゾゾっとして、胸の中にイヤ~な塊を流し込まれたような、とても不快な気分を味わうことが出来ます。
その気になれば、いつでも止めを刺せそうなのに刺さない。みたいなもどかしさもいいのですよ。
まるで意地悪なネコみたいな。


しかし、全てがこんな感じにいい按排に進めばよかったのですが、本作は徐々に雑になってくると言うか、「それは無いだろ」というツッコミ心がニョキニョキと盛り上がってくると言うか、なんだか残念な展開になってしまうのです。

スーパーヒロインも無敵のヒーローも、現実世界には存在しない。
理不尽な暴力の前では人は無力であり、頭がナイスなブービートラップを思いつく事も無いし、出来る事と言えばただ怯えて震えるくらいしかない。
それは勿論判っているのですが、どうしても期待してしまうのですよね。
観ているのが、「映画」という虚構の世界だからこそ。
主役を張っているのが、「リブ・タイラー」という、手相の生命線がマッキーの太い方くらい濃そうな有名女優だからこそ。
マッキー
(※ 参考資料:ゼブラ油性ペンマッキー。 太い方はあんまり出番がない)

劇的な反撃が無くてもいい。
しかし、もう少し気の利いた攻防があってもよかったのではないでしょうか。 ていうか純粋に見たかった。
ラストの情け容赦ないなぶり殺しっぷりの後に、何故か息を吹き返すタイラーさんのカットを付け加える余裕があるのなら、その分
「電気スタンドに火薬を詰めて、そこから電気コードを伸ばして、足を引っ掛けた犯人の耳元で火薬がバーン!」(※)
みたいな効果があるんだか無いんだかよくわからん反撃を入れればよかったのに・・・なんて思ってみたりなんかしちゃったりして。(※エルム街の悪夢参照)

「充電が切れていた携帯電話」でハラっとさせておきながら、バッチリ充電器を持っていたタイラーさんが、固定電話が切れた瞬間充電中の携帯に手を出さない理由がわからない。
知らない人の家で不審者攻撃にあった時、真っ先に警察に電話しない理由もわからない。
せっかく動く車があっちこっちに転がっているのに、さっさと逃げ出さない理由もわからない。
駆けつけた親友くんが、荒らされ放題の家に入ってきて、まず友達を呼ばない(おーい!どこだー!的な)理由も、
彼氏が事あるごとにタイラーさんを置き去りにする理由も、
クローゼットに隠れるタイラーさんが包丁ひとつ持たずに手ぶらな理由も、
犯人がわざわざ朝まで2人を放置していた理由も、
もっと言うならば、そもそも順調に交際していたらしいタイラーさんが、折角のプロポーズを断る理由もわからないので、危険に晒される2人に感情移入がし難いったらない。

不快王ハネケ風のリアルな作品づくりを目指したのでしたら、その辺の突っ込みどころをもう少し整然として貰いたかったですね。
あと、この手の作品にはビッグネームは必要ありません。 むしろ邪魔。

メイキングで
「オレはアレだよ。 怖がらせる事にはとことんこだわったよね!」
と、自信満々だったブライアン・ベルティノ監督の顔を見ていたら、なんとも言えないイライラがこみ上げてきた事を明記して、今回の残念な感想はおしまいにしたいと思います。

お前・・・ 次はもうちょっと謙虚な姿勢で臨めよな!

次があるかどうかは判らんがな!!


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