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『死霊のしたたり3』

2009年06月20日
したたり3
★★★☆
今回も盛大にしたたってます。

参考:
『死霊のしたたり』(第1作) 感想
『死霊のしたたり2』(第2作) 感想


過去に1、2作は観ていたものの、どうしても3作目だけが手に入らなかった 『死霊のしたたり』 シリーズ。
先日、ふとした拍子にうっかり見つけてしまいましたので、仕方ないので借りて来ました。
いや、ホントはね、もういい加減、ホラーとか観るの嫌なんですよね。
そろそろ真人間に戻りたい。
ほら、あの話題の木村大作映画 『劔岳』 なんかを観て、壮大かつ過酷な風景や人間の情景に胸を打たれたい。
でもね、“大作”映画とか言われたら、あっちの“大作”しか思い浮かばないんですよね。
大作、名誉博士号取得にアグレッシュブな男、大作。
いや、あっちの大作とこっちの大作は、無関係なんだろうとは思うのですが。
ただ、したたりのマッドな博士とあっちの名誉博士は、なんとなく同じ匂いを感じますけどね。


ええと、なんだか身の危険を感じてきたのでそろそろ本題に入りたいと思います。
あと、冒頭のくだりは全部嘘です。 
本当はホラーが大好きです。
ではなぜあんな事を書いたのか。
それはきっと、一種のツンデレなんだと思いますよ。
いつも心にツンデレを。 アガサです。


オ チ が 思 い つ か な い (´・ω・`)  (←なら書くな)


という訳で、したたりシリーズ第3弾あらすじ・・・
・ ハワード少年の目の前で、姉のエミリーがゾンビに惨殺される。
・ 初めて見るゾンビになす術が無いハワード。
・ 駆けつけた警官によって処分されるゾンビ。
・ 墓場で運動会蘇生大会を開いていた張本人を逮捕。
・ 彼こそが、“マッド界の貴公子”ことハーバード・ウェスト、その人である!
・ 悲しみと絶望に包まれながら、ウェストくんの乗ったパトカーを見送るハワード少年。
・ ウェストくんがうっかり落としていた、蛍光グリーンの蘇生液入りの注射器を発見。
・ そそくさと着服。
したたり 5
・ こんな目立つモノ見過ごしてんなよ!ポリスメン!!

・ 時は流れて13年後、アーカム重犯罪刑務所。
・ 絶賛服役中のウェストくん。
したたり 6
・ 変わらないデコの輝きと、いささか変わってしまった肌のツヤ。
・ 独房なのをいい事に、ネズミを捕まえては実験し放題のウェストくん。
・ ネズミの体に電流を流し、なにやら収集しているウェストくん。
・ 機材はどっから持ってきたんだよ! とかは野暮なので聞かない。

・ ある日、医大をトップの成績で卒業したエリート新人医師が、刑務所に赴任してくる。
・ 彼こそが、13年前にウェストくんの迷惑行為によって姉を喪った、ハワード少年その人である!
・ この日の為に、念入りに準備してきたハワードは、元医師であるウェストを診療所の助手に使命しておいたのだった。
・ 13年の時を超え、ついに姉を死に追いやった張本人であるウェストくんと対面するハワード。
・ 2人の男の間にみなぎる緊張感。
・ そして姉の仇を前に、ハワードの口元から出た言葉とは・・・!
・ 「ウェストの兄貴! ずっと兄貴の死体蘇生術に憧れてたッス! 助手にして欲しいッス!」
・ 復讐とかじゃないのかよ。

・ いきなりの告白に戸惑いを隠せないウェストくん。
・ だってほら、歳もだいぶ離れてるし・・・。
・ あなたはあたしの事、何も知らないじゃない・・・。
・ そんなウェストくんに、長年に渡るストーキング行為を告白するハワード。
・ 「ぼくはあなたの事ならなんでも知ってるんですよ」
・ こんな愛の形もあったのね・・・。(←ねぇよ)

・ なおも渋るウェストくんに、13年前着服していた蘇生液をちらつかせるハワード。
・ 蘇生実験が再開出来そうな予感に打ち震えるウェストくん。
・ そこにナイスなタイミングで、心筋梗塞の囚人が運び込まれる。
・ 早速蘇生液を注入するウェストくん。
・ 13年使用していなかった割には、ばっちり効果を発揮する蘇生液。
・ 甦った際のお約束として、きっちり暴れる囚人。
・ 騒ぎを聞きつけて、マッドな刑務所所長が乱入。
したたり7
今回の“ヒル教授枠”である所長。 中田カウス師匠ではない。

・ とりあえずその場は取り繕ったものの、所長に目をつけられてしまったハワードと、元々目をつけられているウェストくん。
・ 一日目の仕事が終わったハワード、たまたま刑務所を取材に訪れていた美人記者ローラと急接近。
・ ていうか、ぶっちゃけナンパ。
・ 実はこの美人記者、所長のお気に入りである。
・ 草食系の様に見えて、実は心にたぎるような上昇志向を抱えていたハワードとローラは、すっかり意気投合し同棲開始。
・ ローラはともかく、ハワードはただのパシリにしか見えない件について。

・ 密かに13年前の事件について調べていたローラ。
・ 死体蘇生術を詳しく調べる為、所長に色目を使って所内に潜り込むローラ。
・ 浅はかな期待にロマンティックがとまらない所長。
・ ウェストくんによって蘇生された囚人に、直接取材を試みるローラ。
・ だ~か~ら~、ただ蘇生しただけのヤツは凶暴なんだってば~。
・ 案の定囚人ゾンビに襲われるローラ。
・ 間一髪で飛び込んでくる所長。
・ 助けに来たと思いきや、取材の為に自分を騙していたローラに折檻しに来ただけだった所長。
・ スーパー“ヒル教授”タイム開始か?
・ と、思いきや、おもしろ変態行為も無しにいきなりローラを絞殺する所長。 ダメだこいつ。 ガチすぎる。

・ 一方その頃、ネズミの蘇生に成功してホクホク顔のウェスト&ハワードコンビ。
・ 蘇生実験の順番、おかしくね?(人間で試した後でネズミって)
・ 実はこの13年間、ウェストくんは蘇生に関する別の研究を重ねて来たのであった。
・ ウェストくんが考え付いた、完璧な蘇生術。 それは、蛍光グリーンの蘇生液プラス、微小プラズマという中性エネルギーを注入すると言う方法なのである!
・ 判るようでさっぱり判らない仕組みだなオイ。
・ 要するに液を注射した後、魂の素をビリビリっと流すのである。

・ そこに運ばれてきたローラの絞殺死体。
・ 突然の出来事に打ちひしがれるハワード。
・ ていうかアレでしょ? どうせプスリって刺してビリビリってしちゃうんででしょ?
・ で、案の定プスリって刺されるローラ。
・ 血色は悪いものの、無事復活するローラと、それを喜ぶハワードの前に現れる所長。
・ 蘇生実験がバレて大目玉のウェスト&ハワード。
・ 18番の逆ギレ術で、所長に鈍器で殴りかかるウェストくん。
・ 見てるだけのハワード。
・ 仮死状態の所長に電極をぶっ挿して、例のナントカズマを抽出するウェストくん。
・ 見てるだけのハワード。
・ 取り出した中性ナントカーをローラにビリビリするウェストくん。
・ 見てるだけのハワード。
・ ハワードの半端無いエアリー(空気)感。

・ ローラの肉体と、所長の魂を合わせ持ってしまったゾンビ・ローラ。
・ 一方その頃、刑務所内ではゾンビネズミを発端に大暴動が勃発。
・ 荒ぶる囚人たちが、ローラに迫る。
・ 一度は看守とともに逃げ出したハワードだったが、ローラを守る為に刑務所にカムバック。
・ そんな最中でも実験スピリットを忘れないウェストくん。
・ さすがは“マッド界の貴公子”。
・ 所長の死体を蘇生させ、ネズミの魂を注入するウェストくん。
・ げっ歯類っぽくなるカウス師匠。
・ 残念ながら、可愛いと認めざるを得ない。

・ 暴徒と化した囚人たちと、哺乳類史上最凶のげっ歯類となったカウス師匠、2つの人格に苦しめられるローラと、それらを冷静な眼差しで見守るウェストくん、あと、・・・なんとなく居たような気がするハワード。

愛憎入り混じった屠り合いが行われる刑務所で、最後まで立っていられるのは一体誰なのか?
狂気に愛された男・ウェストくんの、人生を懸けた闘いの幕が、今、切って落とされようとしている・・・!


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いやぁ! 実にいいしたたりっぷりですね!

死体を蘇生させる事に人生を懸けた男ハーバード・ウェストが、周りの迷惑を顧みず我が道を突き進む『したたり』シリーズ。
の、割には、脇で灼熱の太陽の如く輝く変態王・ヒル教授の存在があまりに強く、あんまり主役っぽくなかったウェストくんなのですが、今回はヒル教授が不参加の為に、思う存分変態パワーを魅せつけてくれました。

たとえそこが牢獄だろうと、決して挫けず、ネバーギブアップ・ネバーサレンダーの精神でマッドな実験を繰り広げるウェストくん。
ネズミから抜き取った中性エネルギーを所長に注入してみたり、所長から抜き取った中性エネルギーを美人記者に注入してみたり、思いつくまま着の身着のままに、とりあえずなんでもやってみます。
そもそも中性エネルギーってなんやねん。
微小プラズマ抽出装置って、どんな仕組みやねん。
そんな私たちの素朴な疑問を笑い飛ばすかのように、相も変わらず「まずは実行あるのみ」のウェストくんは、よく言えばアホ、悪く言えばアホ。

・・・

・・あれ?

どっちにしてもアホじゃね?

ま、いっか!
小さい事は気にしない。
大きい事はもっと気にしない。
失敗は成功の母と言いますように、きっとこんなポジティブな発想が、科学の進歩を支えてきたのだから・・・。

うそ! 全部適当!
ないない、そんな進歩ない!
ていうか、蘇生しないから。 死体はねぇ、たぶん蘇生しない。 
だからしないんだって! 蛍光塗料注射したくらいで蘇生するかっての!( ゚∀゚)・∵ブフー!!
 (←まさかの全否定)


それはともかく、『したたり』のキモである変態描写が、今回少し控えめだったのが残念でしたね。
やはり変態王・ヒル教授の不在が落とした影は深すぎたのでしょうか。
今までは、エロとマッドのバランスが絶妙な変質者感を醸し出してくれていたのですが、今回の刑務所所長は、ちょっと狂気が過ぎましたからねぇ。
なんかもうこわい。
伊達にカウス師匠に似てる訳じゃない。(←失言)


で、その代わりと言ってはなんですが、程よく頑張っていたゴア描写。
冒頭のアゴなしゾンビ(『呪怨』や『ミラーズ』でもお馴染み)に始まり、上半身だけで走り回る囚人ゾンビ(ちょっぴりサビーニ似)や、ヤクの打ち過ぎで体が爆発し、『ヘルレイザー』のフランクおじさん状態になったジャンキーゾンビなど。
全体的に見ると、ゴア配分は決して多く無いのですが、その出来栄えが実にしっかりしているので見応えは充分です。
それもそのはず、特殊メイク担当は日本が世界に誇る変態アーティスト“スクリーミング・マッド・ジョージ”!

もうねぇ、名前にマッドって入れませんって。 普通。
そこを堂々と入れちゃってる時点で、もう間違いが無いじゃないですか。
100%信用出来ますもの。 
なんだったらもう、このブログのタイトルも 「すきなマッドだけでいいですマッド」 か何かに変えちゃってもいいくらいの信用度。
ま、ウソなんですけどね。


あと、前半はかなり空気感たっぷりだった、ウェストくんの新相棒ハワードなのですが、改造ゾンビになってしまった彼女に喪った姉の面影を重ね、「今度こそは救いたい!」とばかりに奮闘する様が、なかなかどうして涙を誘ってくれました。
で、その彼女もまた、ハワードへの愛と、体の中でのたうつ狂気に苦しみ、引き裂かれそうな自我をなんとか保とうと、必死にもがき続ける。
この“ゾンビと人間の悲恋”のくだりは、『バタリアン・リターンズ』に似た切なさを感じさせて、とても面白かったです。

と思ったら、同じ監督なのな!(※ブライアン・ユズナ)
侮れない! 「B級ホラー監督だろ」なんつって侮れないわ! ユズナったらもう!!


劇場未公開作品として、ひっそりとこの世に送り出された 『死霊のしたたり3』 。
今までのようなユーモアも少なく、大したエロも無い事から評価はあまり高くないのかもしれませんが、確かな“したたり精神”に満ち溢れた隠れた珍品として、これからも是非レンタル店の片隅で輝き続けて頂きたいものです。

あと、「ユーモアが少ない」と書きましたが、本編終了後のエンドクレジット時に流れる対決映像があまりにもアレな映像なので、アガサはそれだけでもう充分満足でした。
というか、もう最高。

したたり 8
(※本編には全く関係ない、ネズミと○○○の対決。)


お前(ユズナ)はホンマにアレやなぁ!。+゚(*´∀`*)。+゚(←褒め言葉)


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