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『死霊のはらわた2』

2006年06月27日
映画史に燦然と輝く傑作B級ホラー 『死霊のはらわた』 を観た訳ですが、熱意や創意工夫は「なるほど」と肯けるモノはあったものの、“出来のいいホラー”の域は出ていなかったような気持ちがありました。
それはひとえに、主人公アッシュに対する物足りなさ・・・。


ホラーファンの間では、知らない者はいないとも言われるアッシュ
2003年の『フレディVSジェイソン』にまで、出演を噂されていた程のカリスマ・ヒーローだった筈なのに・・・
ヘタレだし・・・。
どっから見ても、くりぃむしちゅーの有田にしか見えないし・・・。


しかし、続く 『死霊のはらわた2』 で、そんな浅はかな考えは全て吹き飛ばされたのでありました!


前作では、無事朝日を迎える事が出来、死霊との闘いを制したかに思われたアッシュが森からハイスピードで忍び寄ってきた“邪悪なモノ”に襲われる所で映画は終了しました。

今回はその続きからなのか?

アッシュは生き延びる事が出来るのか?


そんな期待がバカらしくなるほど、『2』と銘打っているくせに『1』とは何にも繋がっていなかった今作。
いや、関係ない訳では無いんだけど・・・。


言ってみれば、『1』を血もグロも特殊効果もスケールアップさせて、そしてなにより
何もかも吹っ切れたのが今作でした。


前作と同じように、ドライブを楽しむ2人。
・・・って、ふ・ふたり?!
いきなりの人員削減で迎えるオープニング。
予算増えた筈なのに・・・。
そして、前作と同じ山小屋に到着する2人。
しかし特に予約とかしていた訳でも無さそうです。
・・・て事は
不法侵入?!

さすがは伝説の男、アッシュ。 
法を破る時も、実に正々堂々としています。
他人の別荘に堂々と入り込んで、飲み食いするわピアノは弾くわ(アッシュ)それにあわせて踊り始めるわ(恋人リンダ)書斎を荒らすわ、やってる事はマルっきり押し入り強盗なのに、いい感じを醸し出している2人。
しかし、そんな2人の蜜月も長くは続きません。
と言うか、かなり端折って進むストーリー。
書斎にあった“死者の書”を斜め読みしながら、傍らにあったテープレコーダーをいじると例のアレが流れ始め、リンダはサッサと死霊に取り憑かれ、テンパッたアッシュがリンダを穴に埋めようとすると、『1』での名シーンリンダのミラクルダイビングアタックもきっちり再現。
アッシュがリンダの首を飛ばせば、蘇ったリンダは自分の首を持ってステキなダンスを披露します。
・・・さっきの不自然なピアノ&ダンスシーンは、この前フリだったんですね。
ストップモーションアニメで繰り広げられる、首なしリンダの優雅な踊りは、まるで『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』です。
って、前回も言いましたね、これ。

古きよき時代の特殊撮影を呑気に堪能していましたが、チョット待って?
リンダが死んじゃったら、山小屋にはアッシュ一人。
ホラー映画が、ほぼ冒頭の時点で生き残り一人で、どうやって話を繋ぐんでしょう?


と思っていたら、ここからこそがアッシュが伝説と言われる証ともいえる、
アッシュ劇場の始まりだったのですね。


山小屋にある剥製の鹿や、本棚や、電気スタンド等と格闘したと思ったら、今度はアッシュの片手に取り憑いた死霊とのパントマイムによる死闘が始まります。

・・・何度も言うようですが、予算・・増えたんですよね?

アッシュに襲い掛かる、アッシュの片手。
暑苦しさはルー大柴並みの顔を自由自在に操り、必死に片手と格闘するアッシュ。
演技も暑苦しい事が判明しました。
ついには厄介な片手を切り落として、勝利の雄叫びを上げるアッシュでしたが、なんと今度はその手が部屋中を逃げ回り、打倒アッシュに奔走します。
て、これぜーんぶアッシュの一人芝居。
『ジーナと5つの青いつぼ』の北島マヤばりの独壇場です。


アッシュがそんな愉快な一人芝居を繰り広げている頃、山小屋の持ち主の娘であるアニーが、これまた愉快な仲間達を引き連れて山小屋を目指していました。
どうやら、遠方で発掘作業に勤しんでいたアニーは、一足先に小屋に帰った両親(考古学博士)に、自分が発見した“死者の書”の続きの部分を見せる為に帰国したようです。


暖炉にくべられて一巻の終わりとなった『1』よりは、扱いが重要アイテム化されているらしい“死者の書”。
やっぱりねぇ・・・あんなにステキな造形なんだから、しっかり使わないと・・・。


何とか小屋に辿り着いた愉快な仲間達。
メンツが揃った所で、やっとホラーらしい血みどろの展開が始まりそうです。
片手と格闘して、いっぱいいっぱいのアッシュは、小屋の扉をノックした愉快な仲間・その1にいきなり発砲します。
不法侵入に、殺人未遂ですか・・・。
漢ですねー・・。


当然のごとく身柄を確保されて、地下室に追いやられるアッシュ。
主人公にあるまじき情けなさですが、いいんでしょうか?
最初はアッシュを不審者扱い(不審者なんですが)していたアニー達ですが、父親の博士が残したテープを聴き、地下に死霊化した母親が残っている事を知り、やっとアッシュを解放します。


不法侵入の癖に、何故だかメンバーの中で一番偉そうなアッシュ。
次々と死霊に取り憑かれる仲間達と対決するにあたって、何を考えたか無くなった片手の変わりにチェーンソーを装着します。


出ました! チェーンソー。  
出ましたね。
出ました。



これがあの、片手チェーンソー人間の由来なんですね。
人造人間並みの改造を、山小屋の物置部屋で日曜大工程度にやってのけるアッシュ。
そしてカメラに向って一言。
いかすぜ!!


おかしいです。

もう全てがおかしいです。


しかし、チェーンソーを装着した割には大して強くならない所が、これまたステキ過ぎます。


結局最後に頼るのは、アッシュ劇場を前にまたもやおざなりにされていた“死者の書”の続きの部分。
死霊を時空の裂け目に送り飛ばす》呪文に全てを託します。


てことは、アッシュはする事がないと言う事。
だって“死者の書”の字、読めないし。

読めないくせに、アニーには偉そうに「早く読め!」と命令するアッシュ。

典型的な亭主関白タイプです。
でも許してあげましょうね。 それくらいしかする事ないんだもん。


瀕死の状態で呪文を言い終えるアニー。

・・・「ありがとう」ぐらい言おうよ、アッシュ。

自分の彼女以外には、とことん冷たい男のようです。
小屋の外に現れた時空の裂け目に、身の回りの物がどんどん吸い込まれて行くのを見て、勝ち組のような顔をしていたアッシュでしたが、予想外の吸引力になす術は無く、哀れ時空の彼方に飛ばされてしまいます。


ホラーのはずだったのに・・・。

いきなりの急展開。

in中世。


甲冑に身を包んだ兵士達に囲まれて、茫然自失のアッシュ。
普通なら速攻確保される所ですが、丁度襲い掛かってきた死霊を上手いこと退治したお陰で、兵士の態度はガラッと変わります。
「救い主が現れた!」 「天使の使いがやってきた!」
C-3POを前にしたイウォークばりに、ヤンヤヤンヤのお祭り騒ぎです。

ヘタレのアッシュが、ヒーローになった瞬間でした。

めでたしめでたし。


いささか唐突なラストのようですが、途中“死者の書”に《片手に変な武器を付けた天使が現れて、死霊の群れから民衆を救う》と書かれてありましたし、全てはサム・ライミの計算通りなのでしょう。
・・やな計算ですが。


次回完結編、 『キャプテン・スーパーマーケット』!
『スーパーマーケット』?! 中世なのに?!
と言うか、3作目にして『死霊の・・』うんぬん関係ないタイトルとはこれいかに。
果たしてアッシュは無事、現代に帰れることが出来るのでしょうか?
帰ったところで、不法侵入と殺人未遂で送検されるのは目に見えていますが。
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