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『スラムドッグ$ミリオネア』

2009年05月28日
スラムドッグ
★★★★☆
走れ! 死に物狂いで走れ! そして自分で掴み取れ!!


あらすじ・・・
たとえ貧乏人だろうと、知識と運で一攫千金を目指せる「クイズミリオネア」。
そこでの出場権を得たラッキーなお茶くみボーイ・ジャマールは、大方の予想に反して着実に正答を積み重ねて行く。
そしてついに、優勝賞金2000万ルピーまであと一問と迫った時、無情にも番組の収録時間は終了。
次の日に持ち越されたジャマールの2000万ルピー獲得権は、警察による不当な逮捕によって阻まれる。

頭からインチキを疑ってかかる警官に対し、ジャマールが語り始めたコトの真相とは・・・。



人は愛だけで生きて行けますか?
LOVEだけでお腹は膨れますか?
あなたは“運命”という言葉を信じますか?

今となっては鼻で笑い飛ばされそうな甘っちょろい問いかけですが、本気で「YES」と答えていた時期って誰にでもありますよね。 いや、アガサは今でも信じていますよ? 勿論ですとも!
ただ、勿論「愛」だけでも充分満たされるのですが、出来ればそこに、なんて言いましょうか、スパイス?とでも言いましょうか、紙に印刷された偉人像みたいなモノも付け足して貰えるとモアベターですよね。
平たく言うと日本銀行券?みたいな?
そのなんとか券が山盛りあればね、「愛」だけでも問題なく生きて行けると思うんですよ。
ホントに。
「愛」って最高!


で、そんな荒みきったウルトラ現実主義者なアガサの心をも、優しく溶かしてくれるような素晴らしい作品だったのが、この 『スラムドッグ$ミリオネア』 。
アカデミー賞8部門受賞は伊達じゃありませんでした。

小汚いインドの貧民街を、風のように走り抜ける子供たち。
画面から滲み出てきそうな、すえた体臭やドブの臭い。
肌にまとわり付くような紫外線を感じさせる、灼熱の太陽。
ハっとするような美しさを魅せる、原色に彩られた人々の輝き。


本当のインドをアガサは知りませんし、実際に暮らしている方に言わせれば「こんなもの絵空事」なのかもしれませんが、しかし、この作品からは生きた人間の汗や涙、痛みや叫びや渇望が伝わってきました。
それって、映画という架空の世界に於いて、すごく大事な事だと思うのですよね。

超貧乏な生活の中での、犯罪スレスレ(というか完全に犯罪)の生き残り作戦というのは、どこの国でもあり得るモノでしょう。
警察の目を掻い潜っての詐欺、窃盗、恐喝、そして最悪の場合人身売買まで。
人間生きて行く為にはお金が必要なのであり、その手段が犯罪しかない、という状況も事実存在する。
だからこそ、この作品で描かれたそれらの悲惨な現実や、そこから「愛」だけをエネルギー源に起死回生を果たす主人公の姿が、世界中で受け入れられたのだと思うのです。
各国で抱える状況は細かく異なっているにせよ、そういう“夢”だけは万国共通だから。

で、その「愛」なのですが、主人公は幼少期に出会った孤児の少女・ラティカに恋をし、その恋を心の支えにして辛い現実を乗り越えて行きます。
幼かった「恋」は、様々な試練にさらされる度に、主人公の中でステップアップして行き、いつしか強い「愛」へと形状を変えてしまう。
そりゃもう盲目的な程の「愛」に。

そして、対するラティカ自身も、何年経とうと、どんなに姿を変えようと、キッチリ自分を探し出してくれる凄腕ストーカースナイパーのような主人公に「愛」を抱き、その「愛」を守る為に奮闘します。

この2人の長年にわたる「愛」が、クイズ番組という舞台の上でついに結ばれる瞬間の幸福感といったら!
ここに至るまでは、本当に長く曲がりくねった道だった。
何度も生死の危険にもさらされた。
もうダメだ、と思った事は数え切れない。
でも2人はやり遂げたのです。 強い想いだけを糧に。 
いやぁ、「愛」って最高!

と、思えればよかったのですが、アガサは、身も蓋もない言い方になっちゃいますけど、なんつーかこのバカップルたちの姿よりも、主人公のお兄ちゃんの生き様に心を打たれてうたれて、エンディング近くから涙が止まらなかったのでした。

ヒンズー教徒との衝突から、目の前で母を喪ってしまった主人公と兄。
まだ幼く、現実を完全に受け入れる事の出来ない弟を、とにかく必死に守る事を心に誓うお兄ちゃんは、どんなヤバイ仕事にも果敢に挑戦。
怪しいギャングに「子供の目を潰す手伝いをしろ」を言われれば、吐き気に見舞われながらもなんとかこなす。
ただし、その矛先が弟に向けられれば、たとえギャングを敵に回すことになろうと守りきる。
何かにつけ「ラティカが」「ぼくの初恋が」と色ぼけ発言を繰り返す弟を叱咤しながらも、共に生きて行く事に精一杯のお兄ちゃん。

たしかに途中から、その「お金第一主義」に取りつかれたようになり、弟の心を踏みにじったり、道を踏みはずしたりもしました。
でも、弟の為なら人を殺める事も厭わなかったお兄ちゃん、
不仲になっていた弟と再会出来た時の心の底から嬉しだったお兄ちゃん、
「オレ・・汚れちまったんだ・・・」と寂しそうだったお兄ちゃん、
弟の「ミリオネア」での頑張りを見て、最後の贈り物をすることを決めたおにいちゃんの姿は、それこそが最も純粋で、最も掛け替えのない愛だったのではないかと。

「愛」さえあれば生きて行けると信じ込んでいた弟。
「愛」だけでは食って行けないと悟っていた兄。
弟の「愛」を成就させる為、自らの命を引き換えにしたお兄ちゃんの姿は、主人公とラティカが歌って踊るハッピーなエンディングの最中にも、否応なしにアガサの涙腺を直撃し、破壊し、久しぶりに頭がボーっとするほどの涙を流したのでした。
きっとそんなに泣く映画じゃないと思うのですけどね。
まぁ、アガサがリアルにシスコンだと言う点も大きいと思いますけどね。

ていうかホントお前、少しはおにいちゃんの気持ちも察してやれよ!

バカ! バカ弟! この腐れ愚弟!!ヾ(゚Д゚*)ノ



という訳で、荒みきった結構現実的なアガサの心をも優しく溶かしてくれた、至上の兄弟愛を観る事が出来る本作。
ついでに“運命の愛”かのような思い込み突進型の恋愛も観られますので、ちょっぴりお得な気持ちが味わえるのではないでしょうか。


うそです。

ひねくれ者でどうもすみません。 「ついで」じゃないです。むしろそっちが本筋です。


とにかく、生命力と推進力と支えあう気持ちに満ちた、素晴らしい作品だった本作。
運命を信じる人も信じない人も、「愛」を信じる人もそうでない人も、何がしかのパワーを受け取ることが出来るのではないかと思いますので、いっちょ元気になりに劇場へと足をお運び下さい。
もしくはDVDが出たら、駆け足でレンタル屋さんにね。どうぞどうぞ。


映画を観る事の幸せを、しみじみと感じられる、とてもいい作品でした*:.。☆..。.(´∀`)



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