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『天使と悪魔』

2009年05月16日
天使と悪魔
★★★
主演、ユアン・マクレガー。 おまけ、トム・ハンクス。


信仰心というのは、恋心に似ていると思う。

のめり込むと周りが見えなくなる。
それさえあれば、何でも出来そうな気持ちになる。
多少のアバタもえくぼに思えてしまう。
かなりのアバタもえくぼに思えてしまう。
弱った心の拠り所にしてしまう。
上手く生活に活かせば、毎日ハッピーに生きられる。

ただ、大概の場合、それは片道通行である。

・・・え?
・・違う?
大概の場合、片道通行じゃなくて両側通行?

リア充はもげてしまえ!!


この物語は、そんな非リア充だった一人の哀れな青年の物語である。

※ 以下ネタバレしていますので、未見の方は引き返して下さい。※








あらすじ・・・
神様って、いると思うんですよね。
ていうか、いるんですよね、確実に。
いないとか言うやつはアレですよ。 もうアレ。 絶対彼女とかいないやつですよ。
いや、僕もいないんですけどね、彼女。
違う違う、彼女の問題じゃなくて、神様の話ね。

僕って孤児だったんですよ。
で、ヴァチカンの枢機卿だった今の父に引き取られて、途中でお国の為に兵役で空軍に入隊したりしながら色々学んだりして。
今はまたヴァチカンに戻って、教皇に出世してた父のもとで秘書みたいなことやってるんですけどね。
要するにずっと男社会一本で頑張ってきたって事なんですよ。
だから彼女とかはいませんよね、必然的に。
いや、別に彼女とか必要じゃないし。 不必要とも言いませんけど。
違う違う、彼女とかどうでもいいんですよ。 神様の話ですよ。

父は結構ヴァチカンの中でも革新派っていうか、頭固くない方で、物事の見方に柔軟な姿勢を見せてたんですけど、僕はそれはどうなのかなぁって。
確かに、ガッチガチの保守派っていうのも、時代遅れかなぁと思いますけどね。
でも、そのせいで神様の存在を軽視するみたいなのは許せないっていうか。
彼女が一生出来ないって決め付けるのは如何なものかっていうか。
正直彼女は欲しいですよね。 出来れば巨乳の。
違う違う、だから彼女の話は関係ないんですってば。

そんな父が、スイスにある原子核研究所で反物質の研究をしてる神父から、なんか相談をされたみたいで。
その神父が言うには、万物の誕生のもととなる物質を作り出す事に成功したとかなんとか。
で、それを発表しますか、それともしないでおきますか、と。
そんなの発表しちゃったら、天地創造説はどうなるんだって話じゃないですか。
バカ言っちゃいけないよ、って。
この世界は神様が作ったんでしょ、って。
アダムとイヴがいて、そんで今日の僕らがいるんでしょ。
だから当然、いつの日にか僕にもかわいい彼女が出来るはずでしょ。 っていうか、出来ない訳がない。
ホント彼女欲しい。 見方を変えれば、貧乳っていうのも僕はアリだと思う。
違うんですってば。 神様の話なんですってば。

で、何を思ったのか、賛成しちゃったんですよ、父が。
その物質の発表に。
もうねぇ、ダメだと思いましたよね。
このオヤジはもうダメだ、って。
今まで僕を育ててくれた父なんで、こんな事言うのも気が引けるんですけど、マジお前ボケちゃったんじゃねえの、って。
ぼくは本気で神様を信じてるんですよ。
だから、その神様を否定するみたいな化学の進歩とか、ホントもう見てらんないっていうか。
そんな発表、見過ごすわけにはいかないっていうか。
神様はいますよ。
いつもぼくらを見てくれているんですよ。
だから僕にも絶対彼女が出来るんですよ。 これはガチ。
違うの。 聞いて。 もうちょっと聞いてみて。 神様の話に戻すから聞いて。

仕方ないから、僕は父を殺す事にしました。
ただ殺んじゃあ僕が罪人みたいなんで、その父の死を上手く利用しようかな、って。
最近ヴァチカンの枢機卿の間でも、ちょっと意識にバラつきがあって、ヘンな野心とか色気を出してくるご老体とかに辟易させられてたんで、父の死を皮切りに、大規模なドッキリを仕掛ける事にしたんです。
大昔にヴァチカンと敵対していた秘密組織があったみたいなんですよ。
イルミナティとか言う科学者の集団らしいんですけど、そいつらの残党が父の死の真犯人だったって事にして、ついでに何人かの枢機卿に殉教してもらって。
ヴァチカンに迫る狂った科学者の魔の手。みたいな構図にしたら、もうみんな焦りますよね。きっと。
今こそ信仰心を新たにして、神様を信じよう! みたいな。
絶対いるから、神様は! みたいな。
絶対出来るから、彼女も! みたいな。

彼女、出来るんだよ、絶対出来る。



彼女欲しい。

マジで彼女欲しい。


・・あ、ラングドン教授来ちゃった?
・・・じゃあまぁ、僕の計画を上手く進める駒として、せいぜい有効に活用させて頂くとしますか。


っていうか、ラングドン、女連れだし。


ラングドンもげてしまえ。



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前作の 『ダ・ヴィンチ・コード』 では、

衝撃! イエス・キリストに隠し子が!

という、仏教徒には限りなくどうでもいい真実を追っていた我らがラングドン教授。
そのどうでもいい真実のせいで、日本人のお客さんからは今ひとつ支持を得られなかったと聞きます。
しかも、真実を解き明かす過程が実に判り難い。
お前ら、ちょっとダヴィンチ先生に乗っかり過ぎなんじゃねえの? というくらいのダヴィンチ頼み。
この名画にも、この壁画にも、実はこんな暗号が・・・! って、どこまでも突き進む妄想伝。
ダヴィンチ先生もいい迷惑でしょうね。

で、そんな反省点を活かした本作は、いちおう 「今度はガリレオ先生が隠した暗号を解け!」 みたいな宣伝文句をあるものの、要は単純な犯人探しだったりします。

教皇を殺した真犯人は?
略奪した4人の枢機卿を次々血祭りにあげる犯人を、ラングドンは止めることが出来るのか?
18世紀に暗躍したイルミナティが、ローマの街に隠した“啓示の道”を、無事見つける事が出来るのか?

という謎解きを、美しい景観と共に駆け足で進める事で、ちょっとした観光気分も味わえて、なおかつハラハラドキドキのサスペンスも堪能できると言う、一粒で2度おいしい作品に仕上がっています。
勿論、その駆け足具合は前作とどっこいな部分もありますので、「う~っとえ~っと」と考え込む隙間は与えて貰えません。
ひたすら不自然な生え際をフル回転させるトム・ハンクスと、やたらとやる気のないヴァチカン警察(とスイス衛兵隊)の行動に翻弄されているうちに、物語は一気にクライマックスへとなだれ込むのです。

しかし、その暗号の仕組み(暗号にまつわる薀蓄話)を理解しきれなくても、犯人探しの楽しみは充分に味わえるでしょうし、派手な追いかけっこと地味ながら滅法腕のたつ殺し屋の仕事っぷりもなかなか見ごたえがあります。
また、ヴァチカンの中で見られる様々なコスプレもたまりません。
中世の絵画から抜け出してきたような衛兵の制服は可愛いし、ぽってりとした枢機卿の真っ赤なケープはおしゃれだし、カメルレンゴ(教皇の秘書長)の黒い聖職服もスマートでかっこいい。
こいつはまさにコスプレ天国。


本作の中で、たびたび信仰心(というかキリスト信者)はバカっぽい描かれ方をしています。
バカっぽいというのは失礼かもしれませんが。
例えば、ヴァチカンの内部に爆発物(街一個消滅するくらいの)が隠された為、避難するよう求められた枢機卿が 「大丈夫。 わしらには神様がついてるから」 って聞く耳もってくれなかったり、奇跡っぽい(実は科学がもたらした大惨事)光景を目の当たりにした群衆が 「神様からの贈りものだーハレルヤー!」 って集団催眠みたいになったりと、なんだかちょっとゾっとする瞬間がありました。
信仰心って怖いなぁ、と。
いや、信じる力は尊いですし、その力が人を強くしたり支えたりするのはわかるのですが、ちょっと冷静さを欠いてしまうというか・・・。

所詮、信仰心なんてものは片道通行でしかないと思うのですよね。
神様がいるかどうかは置いておいて、仮に居たとしても困った時に助けてはくれないし、人の命なんて1ミクロンも感心を示してくれない。
一生懸命願って、信じて、その気持ちが結果自分自身を助ける事に繋がる、いわば自家発電みたいなものなのではないかと。

で、なにせ前作でもキリスト教徒をキリキリ舞いさせたダン・ブラウンさんですから、今回もとことんキリスト教を皮肉って終わりなのかなぁ、などと考えながら観ていた訳なのですが、しかし、今回は前作と違ってヴァチカンが作品にああだこうだケチをつけていない。
撮影は許可してくれなかったらしいですが、態度は比較的穏やかだ。
なんでだ?
現ナマ作戦か?(←不謹慎)


と思って最後まで観ていましたら、ずっと頑なな保守的信仰心をみせていた枢機卿の中の偉いさんが、トム・ハンクスにいい事を言っていました。
「たしかに宗教にも欠点はある。 人にも必ず欠点があるように」
あんたいい事言ったよ! それすごく大事な事だよ!

人が作り上げた宗教だから、絶対欠点もあるのですよね。
その欠点を見ないフリしたり、認めなかったりするから揉めるのではないでしょうか。
他人を、違う考え方を認める事が出来たなら、その欠点が少しでも修正され、宗教は本当に人の心を救うだけの素晴らしい手助けになるのではないかと。 そんな事を思った今日この頃。

まぁ、ヴァチカンの公式談話じゃないですけどね。
ダン・ブラウンさんの談ですけどね。


信仰心が篤すぎた為に暴走してしまった哀れな青年(中年?)役のユアン・マクレガーが、とても魅力的でした。
あと、“悪そうな顔で実は悪くない”という役が定着しつつあるステラン・スカルスガルドも渋いわおっさんだわ渋いわで、もうドキがムネムネ状態。
トム・ハンクスはむしろ脇ですね、今回。
ていうか、もうどうでもいい。
あ、いたの? くらいの気持ちです。アガサとしては。
オヤジ、開いてる? くらいの。 暖簾を潜りながらの。 意味は判りませんが。


と言う訳で、前作よりは(キリスト隠し子?!とかどうでもいいもん。って)引かずに、純粋に楽しめる娯楽観光ミステリーだった本作。
つまり、大規模な土曜ワイド劇場って事ですね。
船越英一郎は出てきませんが、似たような生え際のトム・ハンクスが奮闘していますので、曜日を問わず劇場に足を運んでみては如何でしょうか。


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原題 ANGELS & DEMONS (2009年) 鑑賞 劇場 監督 ロン・ハワード 出演 トム・ハンクス、アィエレット・ゾラー 詳細はgoo映画 ハーヴァード大学の宗教象徴学の権威であるロバート・ラングドン教授は、歴史上最も謎に包まれた秘密結社・イルミナティの復活の証拠
映画「天使と悪魔」についてのレビューをトラックバックで募集しています。 *出演:トム・ハンクス、ユアン・マクレガー、アイェレット・ゾラー、ステラン・スカルスガルド、ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、ニコライ・リー・コス、アーミン・ミューラー=スタール、...
『ダヴィンチ・コード』に続く、ラングドンシリーズ2作目『天使と悪魔』を観て来ました。 (原作は、こっちの方が先なんだけどね) あらすじは、 スイスにある科学機関 “セルン” から、“反物質”が盗まれた。“反物質”とは、“物質”と接触することにより、対消滅

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