ブログパーツ

『東京残酷警察』

2009年04月23日
東京
★★★


あらすじ・・・
近未来の日本では、民営化された警察が日本刀やらマシンガンやら持って、気に入らない民間人やミュータントを皆殺しにするの巻!

よろしかったら是非 にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ  ←騙されたと思って是非



もうねぇ、あらすじはあって無きが如しなのですよ。
とにかく流血。
合間に人体改造。
ほんでまた流血。
ほうら~! ご覧なさいな~~~的に流れる赤血球。
それ即ちスライディング・ヘモグロビン。

そりゃねぇ、この歳にもなれば、実に多種多様な流血を見てきましたよ。
時に泣き、時に笑い、時に背中を押され、流血とともに歩んだ幾年月ですよ。
でも、まさか流血で宙を舞う日が来ようとは、たとえハーシェル・ゴードン・ルイスであろうとも思うまいて。
いや、願った事はあったかもしれませんけどね。
でも、まさかヘモグロビンが切り口からドジャーってジェット噴射されて、その水圧で宙を舞うだなんて奥さん。
ペットボトルで作るロケットじゃないんだから。(※好きですけどね、そういうの)


世紀の傑作と名高い 『片腕マシンガール』 と同じ組織から送り出された最終兵器 『東京残酷警察』 。(最終じゃないのか)
各方面で大いなる興奮を以って迎えられた本作がめでたくDVD化されたというので、猛烈にウキウキしながら借りてきたのですが、もしかして期待し過ぎちゃっていたのでしょうか。
なんかこう、はしゃぎ切れない自分が居る感じで。

いや、面白かったんですよ?
勿論面白かったんですけどね・・・ もしかして、自分の中の切株ゲージが壊れていたのかなぁ?なんてセンチになってしまったアガサ。

一番感じたのは、その間合いの長さでしょうか。
1シーン1シーンをじっくり魅せる、その丁寧さが裏目に出た様な気がします。(あくまでアガサ主観)

もうねぇ、所詮バカ映画なんですよ!
堅苦しい挨拶は抜きにして、いきなり宴たけなわで西田敏行が裸踊りをしちゃうような映画なんですよ!
よりしいなえいひ(※ヒロイン)をかっこよく魅せ、
より美少女をグロテスクに変形させ、
より血飛沫を大量消費する。
モアー! モアー! な精神で作られたワガママボディ。 それが本作な訳なんです。

ならば一気に突っ走って頂きたかった。
バカなフェイクCMで笑いを誘い、手作り感溢れるボディパーツをばら撒き、目の前で愛する父親を殺された主人公の壮絶な復讐劇で極上のカタルシスを味あわせて欲しかった。
『片腕マシンガール』 は、そういった点で非の打ち所の無い傑作でした。
が、本作は主人公の復讐劇に「真犯人探し」というサスペンス風味を付け足した事で、若干もたついた印象を受けてしまったのです。
なんというか、『片腕~』の持つ疾走感が中学生精神の賜物だとするならば、本作は大学生が凝りに凝って作りあげた一品というか。
もっと単純でいいのではないか、と思ったアガサは、映画の楽しみ方を見失ってしまっているのでしょうかね・・・(´・ω・`)

もう一つ気になったのは、“エンジニア”と呼ばれるミュータントの描き方。

暴力で市民を支配する東京警察。
その前に突如として現れ始めた“エンジニア”。
体の中に埋め込まれた「鍵型のモノ(体組織)」によって、自らの形体を特異な姿に変え、銃で撃たれようが刀で斬られようが、その「モノ」を破壊されない限り不死の状態である“エンジニア”。
一体なぜ、“エンジニア”は存在するのか?
見た目が異様なだけで、本当は人と共存したがっているのではないか?
彼らに対し、その存在理由も探ろうとせず問答無用で屠りまくる東京警察は横暴そのものなのですが、肝心の“エンジニア”自体も裏事情がよくわからないままなので、あまり感情移入出来ないのです。

いや、説明はされるのですよ。
東京警察の陰謀に嵌められた挙句、無残に殺された父親の仇を討つべく、歴史に名だたる殺人者のDNAを自らに投与したシンガー板尾(※)の中に、突然変異で発生したのが「鍵型のモノ」の原型で、遺伝子工学の第一人者であったシンガー板尾はその「鍵型のモノ」をクローン培養する事に成功。
父親の復讐の為、憎き東京警察を困らせる為、一般市民に手当たりしだい「鍵型のモノ」を埋め込んで行ったらしいのです。
「お前ら、ちょっと警察のご厄介になってこい!」 的な?
「警察ムカつくから、大暴れしてこい!」 みたいな?

なんや、坊主憎けりゃ今朝まで爽快MAX! てか。
ウェインツか? ウェインツの歯は白いなぁ! ってか。 
(←意味不明)

このミュータントの描写が、もうちょっと哀しみとか苦悩とかを感じさせる作りになっていたら、真実を知ったヒロインが東京警察を叩き潰す件での爽快感が増したと思うのですが。

そう言うのともちょっと違うのかなぁ。
ヒロインの復讐劇と、警察がやっちまうデビルマン的粛清と、ミュータント誕生秘話が、なんだかばらけた印象だったと言えばいいのかなぁ。


まぁしかし、要するに、五感で楽しむべき映画だと言う事なのかもしれません。
四の五の言わずに、この人体改造ショーをご堪能しやがれコノヤロー! と。

それならば、反論の余地は見当たりません。
しいなえいひはどのシーンのどのカットも完璧な美しさ。
黒髪さらさらロングに皮のミニスカ、親衛隊っぽい制服と腰に差した日本刀のミスマッチに痺れるのなんのって。
わかっていらっしゃる! この西村さんという監督さんは、(なんだかんだ色んな嗜好を)よおくわかっていらっしゃる!!
グロテクスに改造された“エンジニア”は、下半身ワニだったり、片腕がカッターナイフだったり、○○○が意味も無く巨大化してたりと、悪趣味の真骨頂といった装い。
どこのデパートからくすねて来たのかと言う程の山盛りボディパーツは壮観ですし、邪悪な大山のぶ代みたいなバーのママや、警察の無線担当婦警のスーパービッチっぷりも 「あぁ・・いいキワモノ映画だなぁ・・」 という感動を誘います。
キチガイ警察署長が飼う人犬(メス)がまた、その忠犬っぷりといいパンクなビジュアルといい、観る者のハートを鷲づかみにする事必至。
男の征服欲というモノに嫌悪を抱いてしまうアガサは、人犬に性的奉仕活動(つまりアレ)を強いる署長のシーンだけは胸クソ悪くて受け入れられませんでしたが、最後に人犬はヒロインと新たなタッグを組んでいた様なのでホっと一安心しました。

そうそう。 
婦女子たるもの、すべからく牙を剥くべし。
小汚いエロオヤジなんか刀の錆にしてしまえ!
あと、○○○は噛み切るのが基本なんじゃねぇの?! (※作中で一度披露されますが)

しかし、そんな錚々たるキャラクターの中でもアガサが一番グっときたのは、何の前フリも無く突如現れるなぎなた婦警!
説明もない。 伏線もない。 ないない尽くしで颯爽と登場、なぎなた婦警。
そんな彼女は、アガサの永遠の憧れである前下がりボブ。
ヘタすると板倉亮子(国税局査察官)になってしまう前下がりボブ。
小顔でないととんでもない大惨事を引き起こしかねない前下がりボブ。
ボブの意味はわからんが、多分発案者の名前がボブさんだとかそういうオチなんだと思うよ前下がりb(略)

警察を襲うミュータント(片腕カッターナイフ女子高生)を相手に、互角の勝負をみせる薙刀婦警に、風雲急を告げるアガサのハート。

恋に落ちる、音がした。(←アホ)

ところがこれは所詮、ちょっと強い一般人と不死身のミュータントの闘い。
幼稚園児と保育園児くらいの違いがあるんですよね。(←そんなに無さそう)
残念ながら、なぎなた婦警はミュータント女子高生の粘液攻撃に遭い、ドロドロのペースト状になってしまったのでした。
まさしくメルト。
溶けてしまうとはなさけない。


この部分が非常に勿体なかったです。
もしも願いが叶うなら、そのうち製作されるかもしれない続編で、ヒロイン&人犬コンビに頼れるスーパーサブとして絡んで欲しかったなぁ。
ええと、なんだったらもう 『バイオハザード2』 のジル程度でも構いませんので。


という事で、前半色々といちゃもんをつけましたが、実際非常に見ごたえのある切株映画でしたし、こういった作品はもっともっと沢山作られるべきであると強く思います。
ここまで血を噴出させる必要はない(本作のはあくまで娯楽用)けれど、痛みの感じられない映画なんて必要ない。
なぜなら人生には常に痛みが伴っており、その痛みを意識して過ごす事は他人への配慮にも繋がって来ると思うから。

ただし、血糊とかグロいのとかエグいのとか頭パーン!みたいな描写に息も絶え絶えな方は絶対に避けて通って下さいね。
好きな人だけが思う存分ほくそ笑むべき作品だと思いますので。


(※)わからないお友達はグーグル先生に聞いてみよう!


     ♪♪どちらのバナーでもどうぞご遠慮なく♪♪ →   にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ


※当ブログで使用しているイラスト等の著作権は、全てはアガサにありますので、転載、二次加工、再配布の際は一言ご連絡下さいませ。