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『リトル・チルドレン』

2009年04月21日
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★★★★
ナイトオウルとロールシャッハが夢の再競演!(※こっちの方が先なんですけどね)


姉さん、事件です!
かれこれ一ヶ月以上、ホラー映画のレビューを書いていません!


と言うことで、自分の中ではあり得ない事態が起こっていたらしい事に気づいたアガサは、早速 『東京残酷警察』 を鑑賞。

薙刀婦警最高!!

が、そのレビューの前に先日観た 『リトル・チルドレン』 の感想を書くの巻。

あらすじ・・・
サラは年上の夫との生活にズレを感じていた。 3歳の娘も、自分の生活リズムを乱す疎ましい存在でしかなかった。 なんとなくの義務感で通っていた公園でのママ友との付き合いも、彼女のストレスを増幅させるだけだった。 自分が望んでいたのは、こんな生活だったのか・・・? そんな時、いつもの公園に若い父親が息子を連れてやってきて・・・。

リチャードは年下の妻との生活に息苦しさを感じていた。 一流広告代理店での仕事も好調、大きな邸宅も購入、かわいらしい娘にも恵まれ、順風満帆なはずだったが、自分に心を開こうとせず常に陰気な表情をしている妻のせいで生活にはなんの輝きも無かった。 そんな時、たまたま仕事中に見つけたエロサイトの下品な猥褻さに心を惹かれ・・・。

ブラッドはエリートの妻との生活に押しつぶされそうだった。 司法試験勉強中で収入のない彼は、妻に代わって3歳の息子の世話をするが、どんなに愛情を注いでも結局妻には敵わない。 夫としても、父としても、主夫としても、常に劣等感を感じていたブラッド。 自分が理想としていたのは、こんな生活だったのか・・・? そんな時、久しぶりに息子と訪れた公園で一人の女性と出逢って・・・。

キャシーは何もかもに満足していた。 ドキュメンタリーの仕事は順調。 息子は世界一可愛い。 司法試験に落ち続けている夫も、きっと来春の3度目の挑戦で実を結ぶに違いない。 忙しい自分に代わって、何の文句も言わず家事もしてくれる夫。 何もかも極めて満足。 そんな時、試験勉強の為に出掛けていた夫が、勝手にアメフトチームに入っていた事を知り・・・。

ラリーは何もかもに失望していた。 警察官の仕事を天職だと思い、人生の全てを捧げていた矢先に起こった事故。 自らの過失で招いた罪のない少年の死。 退職を余儀なくされ、妻にも見捨てられたラリーは、その正義心の矛先をどこに向ければいいか判らず陰鬱な日々を送っていた。 そんな時、小児性愛者のロニーが服役を終え社会復帰した事を知ったラリーは・・・。

ロニーはどうにも出来なかった。 昔から、性的愛情を感じるのは幼い少女に対してだけだった。 抑えたくても抑えられなかった。 それが罪だと言われたら、罰を受けるしかなかった。 ただ、自分に無償の愛を与えてくれる母だけは苦しめたくなかった。 周りの人間に揶揄されるのは我慢できたが、母の哀しむ顔だけは見たくなかった。 でも、どうすればいいのか判らなかった。 そんな時、刑期を終えて出所した彼を監視する市民団体が結成され・・・。


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久しぶりにいい変態を見ました。
ロニーは可哀想な変態。
でも、リチャードはいい変態! 頑張れ、リチャード!!

どんな変態なのかは実際に作品をご覧になって頂くとして、これホントにいい映画でした。
変態とか関係なく、とってもいい映画でした。
まぁ、変態がからんで来たお陰で、さらに見ごたえがアップしたとは思いますが、それにしてもいい変(以下略


性犯罪者は、一部の愉快犯的な鬼畜を除いて、病気を抱えた人なのではないかと思います。
まぁ、愉快犯的なヤツらもビョーキだと言えばそうなのですが。

小さい子しか愛せない、限定的なプレイしか試せない、特異なシュチュエーションでしか反応しない。
症状は色々でしょうが、自分の中の欲望を抑えられないという点で、彼らはみんなある種の病気なのではないかと。
病気だから簡単には治せない。
欲求が高まって法を犯してしまったら刑務所に入れられるけれど、根本的な病気の部分は治らずに社会に放り出される。
再犯率は、一般に言われているほど高くないとは言え、病気を抱えたままのペドがもし、自分の隣に引っ越してきたら・・・。


以前ブログで、「性犯罪者は去勢すべき」と書きました。
今でもその考えは変わっていません。
病気なのだったら治療してあげるべきですが、その制度が整っていない以上、危険は常に愛する我が子の傍にある訳です。
だから去勢。
全ての根源を断ち切ってしまえ!
なんと非人間的な発言でしょうか。
でも、人間だからこそ我が身(我が子)可愛さで言い切ってしまうのです。

「更正を・・・」「人権を・・・」と言うのなら、具体的な解決策を挙げてほしい。
でなければそう思うあなたが面倒をみてあげればいい。
無責任で乱暴な言い分かもしれないけれど、本人にも抑えられない欲望が性犯罪に繋がるのなら、よっぽど徹底的に管理・サポートしてあげないとその欲望はいつか自分の身近なトコロにも飛び火してくるかもしれない。
そうなった時、一体だれが時間を戻してくれると言うのでしょうか?
誰も傷ついていない状態へと戻してくれると言うのでしょうか?


本作で病気を抱えたまま放り出された人・ロニーは、彼自身とても苦しんでいるように見えます。
自分だって同年代の女性を愛せるものなら愛したい。
大切な母親を安心させたい。
でも、どうにも出来ないのです。
なぜなら彼は病気だから。
そんな彼を必死に守る、年老いた母。
最終的に、勝手な正義心を振りかざし、言葉の暴力で彼の母を追い詰めたラリーによって、親子は悲劇的な別れを迎えます。
間接的な殺人者となったラリーを責めるのではなく、ラリーの暴力を招いた原因である自分を責めるロニー。
全ての根源を断ち切ってしまえ!と言わんばかりに、自ら去勢してしまうロニーの痛々しい姿を見ていると、自分が発した「性犯罪者は去勢」という言葉の浅はかさにハっとしてしまいます。
何か手はなかったのかと、彼の病気に対して何か対処してあげられなかったのかと、どうすれば人は、歩み寄り、一歩前進する事が出来るのだろうか、と、この問題の難しさを前に頭を抱えるばかりでした。

だって、なんだかんだ奇麗事や建前や理想を並べ立てたトコロで、実際自分の近所に性犯罪者が住んでたらイヤですもの。
全力でイヤなんですもの。


行き過ぎてしまったラリーに対しても、「なんだコイツ最低だな」では済まない感情を抱いてしまいます。
心の拠り所は誰だって必要としているハズ。
ラリーの場合は、失った生きがい(仕事と家族)に代わるモノを、元犯罪者のロニーに押し付けてしまった。
勿論それは間違いで、他所に求めるのではなく、自分自身で解決しなければならない問題だったのですが、それが出来る人ばかりじゃないんですよね。
みんな弱いんですよ。

弱いと言えば、自らの望まぬ状況から抜け出したい症候群のバカップル、サラ&リチャード。
子供の居る居ない、仕事が充実しているか否か、結婚の有無、環境は違えど、多くの人が何かの不満や物足りなさを抱えて生きています。
自分の中にポッカリと開いた穴。
そこを埋めれば、何かが劇的に変わるのではないかと夢見る大人たち。
でも実は、その穴には何も当てはまらないのです。
その穴は一生埋まらない。 埋まらないからこそ、求め続けてもがき続けて成長したり後退したりしてゆく。(←後退はアカンやろ)

サラとリチャードは、日常生活の穴を埋める役割をお互いに求め、夢のような逢瀬を重ね、汗まみれの情事に溺れます。
それだけでは満足出来なくなったサラは、
「こんな非現実的な関係はイヤなの」
とリチャードを誘導尋問。
「ならば2人で新しい生活に飛び込もう」
とまんまと誘いにのったリチャードでしたが、その「新しい生活」ほど「非現実的な世界」は無い訳で、2人もその事には気づいているのですね。

だからこそ、寸前に起こったアクシデントをきっかけに、2人の夢は弾けて消える。
現実と非現実の判断がとっくに出来ていた2人だったから、そこに後ろ髪引かれる思いなどは、きっと無いのでしょう。

はたから見れば、「とくダネ!」の後の番組で再現VTRが流されそうな陳腐な不倫関係ですが、たった数ヶ月の蜜月は2人を少しだけ成長させたのではないかと思います。
一歩前進できたかどうかはわかりませんが、少なくとも今自分が立っている足元を見つめなおす事くらいは出来たのではないかと。

濃密な小説を読んでいるような満足感と、自分がこれまでに失ってきたかもしれない色々な情熱への寂しさと、偏見と、自立心と、人生を諦める事と受け入れる事の違いを考えさせられた良質な映画でした。
役者の素晴らしさは言うまでも無い。

ちなみにバカップルのリチャードと、性犯罪者のロニーを演じたのは、それぞれ 『ウォッチメン』 のナイトオウルとロールシャッハ。
ロールシャッハ&ロニー役のジャッキー・アール・ヘイリーは、この作品でオスカーノミネートをゲット。
『ウォッチメン』 を観た今となっては当たり前の話なのですが、ノミネートされた事は決してまぐれじゃなかったんですね。
最高に哀れな変態です。

で、ナイトオウル&リチャード役だったのがパトリック・ウィルソン。
ロリコン制裁映画 『ハードキャンディ』 で、師匠にタマを刈られそうになっていたあの大人ですよ!
今回の役も非常にナイスバディで、腹筋なんかもう割れ割れで、萎びた大根みたいだったナイトオウルと同一人物には、とてもじゃないけど見えません。
役者やのうパトリック・・・ 抱いてホールドオンミー!(←いくらなんでも古すぎる)

大人であればあるほど共感できるのではないかと思う本作。
体が大人の人も、心だけが大人の人も、お薦めです。


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