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『シン・シティ』

2006年06月24日
ロバート・ロドリゲス
かつてはハリウッドで最も旬だった男。

メキシコからハリウッドに名刺代わりに叩き付けた『エル・マリアッチ』。 
見事映画の都に招かれて作った、フェロモンで窒息状態の続編 『デスペラード』。 
代官山のお洒落ギャル達もこぞって観に行った(であろう) 『フォー・ルームス』。 
前半クライム・ムービー後半スプラッター・ホラーという、前代未聞のカルト映画 『フロム・ダスク・ティル・ドーン』。
撮る映画は次々とヒット。
マニアにも歓迎され、尚且つオサレなデートムービーとしても成立しているという、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだったロバート・ロドリゲスの雲行きが、何だか怪しくなってきた 『パラサイト』。
そして 『スパイ・キッズ』 をシリーズ化した時には、「もう終わったな・・・」と思わざるを得なかったものでした。

それがそれが・・・!
見事に生還です。

朋友のタランティーノが、 『キル・ビル』 で気を吐いているのを目の当たりにして、やっと目が覚めたのでしょうか。

アメコミの映画化モノで、ここまでクールな映像は今まで無かったんじゃないかという、ドラマチックなカット割り。
猟奇的なオヤジたちの純愛ストーリーが、血にまみれて綴られています。

まず1人目はミッキー・ローク(マーヴ役)
主演・ミッキーローク って、これ笑う所じゃないですよ。
『ナイン・ハーフ』 はもう20年も前ですか・・・。
猫パンチだ何て言っても、20代以下の人には判らないのかも知れませんね。
昔いたんですよ~・・・そんな人が。 
猫ひろしじゃないですよ~。

一世一代のオイシイ役どころを手に入れて、ミッキー・ロークが会心の演技を魅せています。

醜い容姿と恐ろしげな巨体(まるでフランケン・シュタイン)から、女性と愛し合ったことの無かったマーヴ。
それがなぜか、美しい女性・ゴールディに誘われ夢のような一時を過ごします。
ところが目覚めると、横で眠っていたハズのゴールディは殺されており、容疑は自分に着せられていました。
生涯でただ一人の恋人の復讐の為に、街を牛耳る権力に立ち向かうマーヴ・・・。

見た目の殆どを特殊メイクで覆われているにもかかわらず、立派にミッキー・ローク臭を残しているのがアッパレです。
そして、なんと言ってもかっこいい!!!
圧倒的な強さで、街のチンピラどもをなぎ倒す・ぶちのめす・拷問する。
車に轢かれようが、銃で撃たれようが大した痛手を受けません。

にっくき敵を演じるのは、 『指輪物語』 のフロド役で世界の人気者になった、THE・ホビット事 イライジャ・ウッド
いい子だったフロドの反動からか、『指輪』以降は変態街道まっしぐらな役選びの様に思えるのは、私の気のせいでしょうか?
今回の敵ケヴィン役は、変態人生の集大成とも言えるような、キング・オブ・ド変態です。
娼婦を殺して食事に使用して、残した首を壁にデコレイティングするんですよ。
アンソニー・ホプキンスだって、そこまではしません。(いや、やりたがるかもしれないけど)

X-MENに出てきてもおかしくないような俊敏な動きと鋭い爪で、マーヴに痛手を負わせます。

2人目はクライヴ・オーウェン(ドワイト役)
オヤジ揃いの出演者の中では、一人中途半端なオヤジ・・・?っぷりで、浮いている感は否めません。
若くも無いけど中年でもない。
ブサイクでもないけど男前でもない。
そんな中途半端なキャラ同様、彼のシークエンスも若干手ぬるさを感じます。
ただし女達の活躍は、問題無しです。

過去に罪を犯し街を追われたドワイトは、整形する事で再び街に帰ってきます。
そこでは、ボンテージファッションに身を包んだ、カモシカのような足のセクシー美女軍団が警官と協定を結び、自警集団として街を取り仕切っていました。
地獄の女囚コマンド達(囚ではないか)のリーダーが、ドワイトの元カノで、今でもお互い未練たらたらの二人。
ふとしたことで自警をやりすぎ、悪徳警官を血祭りに上げてしまった女囚コマンド達。
このままでは警官との協定がくずれ、女達の街が荒らされてしまう。
そこでドワイトはこっそり悪徳警官の死体を僻地の抗に捨てに行くのですが・・・。

殺される悪徳警官役が、ベニチオ・デル・トロ
いまだかつてこんなベニチオ・デル・トロを観た事があったでしょうか?!
便器に顔を突っ込まれ、手裏剣で手首をちょん切られ、お尻に手裏剣を突き刺され、額に銃身を埋め込まれ、首をぱっくりカットされた上、上機嫌でタバコをふかすベニチオ・デル・トロ。オスカー俳優。38歳。

ステキです。
文句なしでステキです。

そしてその仕打ちの殆どを担当した、デヴォン・青木の勇姿と言ったら・・!
もう言う事なし!
比べちゃなんですが、 『キル・ビルVol.1』 の栗山千明がただのお人形さんに見えます。
こちらも無表情のお人形さんなのですが、使い方が上手いお陰でサニー千葉より強く見えます。
トリニティを劇場で観た時以来で、アクションのキメポーズを真似したくなりました。20060624015753.jpg←これ

タランティーノはさぞかし悔しがった事でしょう。


そして3人目は御大 ブルース・ウィリス(ハーティガン役)

退職を数時間後に控えた身でありながら、“権力者の息子”という事を楯に、悪事の限りを尽くす変態バカ息子を追い詰めたハーティガン刑事。
11歳の少女を犠牲にしようとしていた変態バカ息子から、少女を何とか救い出し自らも深手を負ったハーティガンは、父親の権力者によって変態バカ息子の犯した罪を着せられ、8年間独房に閉じ込められる事になります。
その間、変わらず恩人のハーティガンに手紙を送り続けてくれた少女・ナンシー。
ところがある日、ナンシーからの手紙はパッタリと途絶え、代わりに独房に投げ込まれたのはナンシーのものと思われる切断された指・・・。
人生を捨てかけていたハーティガンは、ナンシーを助ける為再び街に戻るのですが・・・。

要するに、ロリコン中年とファザコン少女の純愛と言う事でしょうか?(すみません、野暮な言い方で)
ハーティガンのそれは、時に父性、時に異性、そして正義の心、ただそれだけです。
ナンシーの思いも、幼い時に命を救ってくれた人への感謝、憧れ、それを愛情と勘違いしているのか思い込んでいるのか・・・。
どちらにせよ、ハーティガンとしてはどうしても受け入れる事の出来ない愛なのです。
それをきちんと拒絶するハーティガンの、なんと漢な事でしょう!

孫みたいな相手と恋に落ちる映画を作り続ける、ハリウッドの爺さんプロデューサー達よ!よく見るがいい!!

とにかくハードボイルドです。
ブルース・ウィリスもとっても渋くて、何だかかっこよく思えてきました。
先日テレビで、デーヴ・スペクターが 「ブルース・ウィーリス(デーヴはこう言う)が、今付き合っているモデルに二股掛けられて、必死になっている」 と言っていましたが、そんな彼女にはこの作品を見せるべきだと思いました。

・・・あ、もう見せているんですか?

じゃあ、しょうがないですね。

それにしても、こういうB級ポップカルチャー映画に出る時のブルース・ウィリスの輝きと言ったら、他の出演作を抜きん出ていますね。

白黒画面に部分的にカラーを配した映像は、まさにアメコミの世界そのもので、完成された世界観をそのままスクリーンに映し出しているのですから、どのカットも申し分ない出来に仕上がっています。

ロバート・ロドリゲスの本分も存分に混ぜ込んであり、バイオレンスもたっぷりなので、いたいけな女の子には入り込みにくいかもしれません。
私はその点、申し分ないお年頃ですので充分に堪能させてもらいました。

タランティーノと一緒に撮ったというスプラッター・ホラーが、無事日本で公開される事を祈ります。






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