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『プレステージ』

2009年03月11日
プレステージ
漢(おとこ)なら、拳で勝負! うん、間違いないね!!

この映画を語る上で、必ずといっていい程使われるうたい文句があります。
ホント、「え!また?!」と言う程目にしましたので、敢えてアガサが出すまでもないでしょう。
でも出したいので出しちゃいます。

あの、ウルヴァリンと新世紀バットマンが夢の競演!

あ、今チッって言った? 言いました?
見飽きたっつってんだろ! って?
それはないわ~(´・ω・`)ショボン


あらすじ・・・
大人気マジシャンの“偉大なるダントン”ことアンジャー氏が死んだ。
瞬間移動のマジックの最中に、ライバルであるテクニシャンマジシャンのボーデンに殺されたのだ。
裁判は、アンジャーの技術スタッフであったカッターの証言により有罪が確定。
そんなある日、絞首刑を待つだけの身となったボーデンの元に、彼が生涯で編み出した全てのマジックの種を売って欲しいという申し出があった。
返事を一旦保留にしたボーデンは、申し出主のコールドロウ卿から差し入れされたアンジャーの手帳を貪る様に読み始める。
そこには彼らの長きに亘る壮絶な確執の全てが記されていた・・・。


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これ、「すげえ面白い!」と「うはぁ・・微妙」が複雑に絡み合う、非常にセンシティブな作品でしたねぇ。

というか、ネタバレせずには何も書けませんので、ここから盛大にネタバレします。( ´∀`)テヘ


↓  ↓  ↓   以下ネタバレ  ↓  ↓  ↓




ホントにもう、なんと言うかムシャクシャする映画ですねコイツと来たら。
今や世界一のセクシーさんとなったヒュー・ジャックマンと、どっからどう見ても悪人にしか見えないクリスチャン・ベールが、マジックの世界でしのぎを削る様を描いた作品なのだと思っていましたら、この2人が私怨で延々報復合戦をするだけの話なんですもの。
それも、一応マジシャン同士なので舞台上で。(一部に例外あり)
その私怨と言うのは、ヒュー・ジャックマン演ずるアンジャーの愛妻・ジュリアが、当時マジックの助手として一緒に仕事をしていたボーデン(クリスチャン・ベール)に、水中脱出用の手縄を複雑に結ばれたせいで水死した事件。
打ち合わせと違うゴツイ結び方をしたボーデンを、アンジャーは心底恨み、その上マジシャンとしての才能も自分を上回る事から嫉妬し、あるおとな気ない仕返しをしてしまうのですが、相手が当代きっての陰湿野郎だった事から仕返しはエンドレスに繰り返される事になり・・・という展開なのですが、この報復合戦がすごい。

ではその闘いをザっとご紹介。

ROUND1・・・“痛かった方”ボーデン  “痛くしてやった方”アンジャー
ボーデンがマジックで弾丸キャッチのマジックで使っていた銃に、観客に紛れ込んでいたアンジャーが釦を仕込み、ボーデンの手のひらを直撃。 →ボーデン、左手の指破損。

ROUND2・・・“鳩を守りたかった方”アンジャー  “鳩に非情な方”ボーデン
アンジャー陣営のとっておきマジック・鳩の籠脱けが初お披露目されるその日、観客に紛れ込んでいたボーデンが籠の仕掛けを破壊。 →満場の客の前で鳩を圧死させたアンジャー、評判ガタ落ち。

ROUND3・・・“パクられた方”ボーデン “パクった方”アンジャー
ボーデンが、どう見ても超能力を使ったとしか思えない見事な「瞬間移動マジック」を発表。 →悔しかったアンジャーが、セットを豪華にしたバージョンのパクリネタで話題を奪う。

ROUND4・・・“落っこちた方”アンジャー “してやったりな方”ボーデン
パクリネタで大人気を博したアンジャーのステージに、裏口から忍び込んでいたボーデンが乱入。 アンジャーの安全装置に細工をしたり、トリックを潰したりやりたい放題。 →アンジャー、ステージ上から奈落に落っこちて左足骨折。

ROUND5・・・“盗んだ方”ボーデン “盗んだつもりが盗まれた方”アンジャー
相変わらずトリックが解けないボーデンのネタを盗むため、自分の恋人をスパイとして送り込むアンジャー。 →恋人がまんまとボーデンに寝取られてしまう。

ROUND6・・・“死にかけた方”ボーデンの相棒 “殺しかけた方”アンジャーの相棒
なんとか手に入れたボーデンのネタ帳が暗号化されていた為、ボーデンの相棒を浚って生き埋めにするアンジャーとその相棒。 →暗号のキーワードは手に入れるも、アンジャーの相棒が負傷。

ROUND7・・・“渡米した方”アンジャー “イギリスで大成した方”ボーデン
キーワードに従い、アメリカの電気発明博士に逢いに行くアンジャー。 →キーワードはウソで、ネタ帳もアンジャーに対する悪ふざけの一環だった。

ROUND8・・・“複数になった方”アンジャー “元々複数だった方”ボーデン
棚ボタ式にアメリカで仕入れた秘密道具を手に、画期的な「瞬間移動マジック」を披露して、一躍大人気マジシャンになるアンジャー。  そのネタがどうして解けないボーデンは、観客に紛れ込んで舞台裏に潜入。 →目の前でアンジャーが舞台装置に閉じ込められ溺死した為、殺害容疑でボーデン逮捕。

FINAL ROUND・・・“処刑された方”ボーデン “私刑にされた方”アンジャー
アンジャー殺害の罪で絞首刑にされるボーデン。 身分を偽り、安泰な生活を送ろうとするアンジャー。 しかし、目の前にもう一人のボーデンが現れて・・・。 


あのさぁ・・・、もう川原で決闘でもしてりゃいいんじゃないの?(´Д`;)

やですねぇ。 ホントこういう粘着質な輩は相手にしたくないですね。
て言うかさぁ、どっちも観客に紛れ込まれ過ぎじゃね?
アレか? マジックの仕掛けは見抜けるけど、付け髭は見抜けなかったってか?
このヘタレ芸人が!! (←芸人は芸人ですけど)


そもそも、元はと言えばボーデンが出来心からアンジャーの愛妻の事故死のきっかけを作ってしまった事が発端となったこの報復劇。
「ホントにすまん。 マジすまん。 ぶっちゃけ悪かった。 ごめりんこ。」
と、お葬式の時に誠意をもって一言謝れば、ここまでこじれなかったかもしれない不幸な事故。
でもそうはいかなかったのです。
だってきっかけを作ったボーデンと、お葬式に顔を出したボーデンは別人だったから。

別人だったから・・・。

・・・別人・・・

・・・

・・ふ、双子オチだとぉぉぉぉぉ?!(ノ`Д)ノ:・'∵:.┻┻ ガシャーン

そうです、ボーデンが常に行動を共にしていた相棒(ファロン)は、実はボーデンの双子の兄弟で、彼らはマジックのみならず人生全てに於いて交替し合って生きていたのです。
つまり、アンジャーの妻が死んだ時に居たボーデンがいつもアンジャーの目の前に居るとは限らない訳で、いくらアンジャーが「てめぇの血は何色だぁ!」と詰め寄っても、その時に居るのがファロンだった場合「はぁ? 何の事?」ととぼけた返事しか出来ないもの仕方ない事なのですよね♪って仕方なくないぞこんにゃろう!

引き継いどけばいいじゃない!
そこらへんの裏事情も、兄弟なんだからきっちり申告しとけばいいじゃない!
「これこれこんな事やっちゃったから、フォローよろしく☆」 って言っとけばいいじゃない!

・・全くもう・・・ ツメが甘いって言うか・・ これだから悪人面(※ベール)は・・(´-ω-)

で、そんな「ジョリーとぼくとで半分こ」状態のボーデン&ファロンに対し、アンジャーは一人孤独な闘いを挑みます。
どう考えても不利な闘い・・・ 泣けるわぁ・・。・゚・(ノД`)

しかし、アンジャーとてただ手をこまねいて居た訳ではなく、遠いアメリカの地で、不世出の天才発明家・テスラからある装置を貰う事に成功します。
その装置は、今までに無い「瞬間移動マジック」を可能にする、画期的かつ斬新な装置。
タネも仕掛けもなく、人一人を消え去らせた後に出現させる、夢のような装置。

ま、出現の際に同じ人間を一人コピーしちゃうのが玉に瑕なんですけどね。

コピーしちゃうのが・・・。

・・・コピー・・・

・・・

・・え、SFオチだとぉぉぉぉぉ?!(ノ`Д)ノ:・'∵:.┻┻ ガシャーン(本日2回目)

そうです、アンジャーが使用した装置というのは、中に入れたモノを増殖させてしまう、摩訶不思議な装置だったのです。
つまり、アンジャーが「瞬間移動マジック」をする度に、舞台の裏ではもう一人のアンジャーが出現。
別の場所に見事移動を果たしたオリジナル・アンジャーは拍手喝さいを浴び、コピー・アンジャーは秘密保全の為こっそりと抹殺されて行った。
で、丁度その抹殺の場面に立ち会ってしまったボーデンが、殺人の罪で逮捕されたと。
この途方も無いカラクリを、今際の際にファロンに打ち明けたアンジャーは、涙混じりに切々と訴えます。

想像出来るか・・・? マジックを披露するたびに、「抹殺されるのは自分かコピーの方かどっちなのか?」と死の恐怖に晒される事の怖ろしさを・・・ ・・と。

想像かぁ・・・ o(゚∀゚*o)←想像中

・・・想像・・・ o(゚ー゚*o)←想像中

・・・ o(`ー´;o)←想像中

想像出来るかぁ ボケェェェェェ!(ノ`Д)ノ:・'∵:.┻┻ ガシャーン(本日3回目)

単純に、クローン的な(身体的特徴だけを模した)人間が作成されると言うのではなく、記憶から声色から性格からはたまた服装までもをコピーした人間が生み出される仕掛けが、とてもじゃないけど受け入れられない。
ここまではタネも仕掛けもある魔術を描いてきた人間同士のドラマだったのに、突然サイエンス・フィクションを物語の肝に持ってこられるだなんて心外だ。
いや、面白いんですけどね。
別にそういうトンデモネタはキライじゃないんですけど、でもなんか釈然としないと言うか・・。

カラクリに釈然としないので、アンジャーが訴える「死の恐怖」にも共感出来ないのです。
で、また、自分と待ったく同じコピー人間を無情に殺し続けるアンジャーの鬼畜っぷりもおぞましいですし。

なんだろうなぁ・・。 要するにどっちもどっちなんですよね。(←荒っぽいまとめ方)

ホント、回りくどい事してないで、カチンと来たんだったら拳で勝負すりゃあいいんですよ! 拳で!
思いっきり殴り合って、そいで疲れて倒れこんで、「お前・・やるな・・」「お前だって・・」「・・彼女の事・・ごめんな・・」「もういいんだよ・・ おれの方こそムキになって悪かったよ・・」「アンジャー・・」「ボーデン・・・」なんつって。 ・・あると思います!(←ねぇよ)

まぁ、そんな冗談はさておき。
このビックリ仰天のSFオチも、ラストシーンでズラリとならんだアンジャーの水死体のグロテスクな美しさの為ならやむを得ないのかなぁ・・、なんて思いますし、何よりそこに至るまでの、数年間に渡る2人の男の身を削った応酬にはワクワクさせられます。
つまり、面白かったんです。 アガサの中ではかなり高評価です。
さりげなく出ていたデヴィッド・ボウイやアンディ・サーキス(ゴラム)にもドキムネでした。

華麗なマジックの舞台。
観客は見事に騙される事を期待して、美しい嘘の世界を見る為にやってくるのですが、その上で繰り広げられているのは常に真実なんですよね。
目の前に差し出された真実を、観客は自ら進んで歪めようとする。
マジシャンが使う目くらましの数々は、冷静になったり少し角度を変えれば見破れるものばかりなのかもしれませんが、観客は敢えてそうしないのです。
だって真実は娯楽にならないから。 
真実なんか見たって、ちっとも楽しくないから。

アンジャーもボーデンも、お互いのステージに秘められたトリックを解こうと躍起になりますが、その答えは常に、いとも簡単に目の前にあったのですよね。
で、敢えてその答えから目を逸らし、「もっと違う答えがあるはずだ」と探り合い、ちょっかいを出し合う。
まるで、そうしなければ生きてゆけないかの様に。
惜しいなぁ・・。(どちらも優秀なマジシャンだっただけに)

ボーデン役のクリスチャン・ベールがくどいようですが悪人面。
しかも自分の過失で殺してしまった女性に対して反省の色も見せない鉄面皮っぷり。
一方、アンジャー役のヒュー・ジャックマンは、男前だわ、感じはいいわ、温和そうだわ、嫁は大事にするわ、まるで出木杉君状態。 助けて~ド~ラえも~ん!!

この様に、感情移入度がガラリと違う2人ですので、必然的にヒュー・ジャックマンに肩入れしてしまう事は避けられないでしょう。
その為、ヒュー・ジャックマン頑張れ!状態で迎えたラストは賛否両論かもしれませんね。
(ちなみにアガサは否の方でした)


史実と虚構を旨くミックスした、大いなるハッタリの世界。
堅苦しい事は言わずリラックスして、その騙しのテクニックに身を委ねれば楽しめると思いますよ^^


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