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『フォーガットン』

2006年06月19日
演技派女優 ジュリアン・ムーア 主演のサスペンス・ムービー、 『フォーガットン』 を観ました。


1年と少し前に、最愛の一人息子を飛行機事故で亡くしたテリー(ジュリアン・ムーア)は、未だにそのショックから立ち直れず精神科通いの日々です。
毎日のように家族写真やハンディカムの映像を見ては、息子の記憶に浸っていたテリーでしたが、ある日その家族写真の中の息子だけが消えている事に気付きます。


「・・・ヤロウ・・    やりやがったな・・・


てっきり夫が細工して、息子の部分だけを消したのだと思い込んだテリーは、怒りを抑えつつその他の遺品をチェックしますが、何とハンディカムのテープも消されており、想い出のアルバムも全てカラにされているではありませんか。


「・・あのハゲ野郎・・・ 汚い真似しやがって・・・」


そう思ったに違いないテリーは、夫の携帯に怒りのメッセージを残します。
慌てて帰宅した夫は、テリーの精神科医を連れてきますが、彼らの口から出たのは何と、


「君には息子なんていないじゃないか・・・!」


この展開、先日観た 『フライトプラン』にそっくりじゃありませんか。
過去に同じ“クラリス捜査官”を演じたジョディ・フォスターとジュリアン・ムーアが、またまた同じような設定の女性を演じるのか・・・。
不思議な縁よのぅ・・・。
あちらは、性別を超過したジョディのキレっぷりが見ものでしたが、こちらはきちんと女性に見えるジュリアン・ムーアですから、まっとうなサスペンスとして進むのだろうと思っていました。
今となっては 「どうしてそんな事思ったのだろう」 と、その頃の自分にニーキックの一つもくれてやりたい様な気持ちですが・・・。


オープニングのタイトルバックが俯瞰で始まるのが、どう効いて来るのだろうと思うのは思ったんです。


それがまさかねぇ・・・。


アレだったなんてねぇ・・・。


周りから息子の存在を否定されたテリーは、息子の友人の父親で、テリーと同じく娘を飛行機事故で失ったアッシュ(ばんばひろふみ似)の元に向かいます。
「私の息子を知ってるでしょ?おたくの娘さんの友達だったじゃん!」
「・・いや、俺に娘なんていないけど」
「いたじゃん!娘!! うちの息子と同じ飛行機で事故にあったけど!」
「いや、娘なんていないって」
「いたじゃん! ねえ、うちの息子知ってるでしょ?ねえねえ!」
「いや、だから知らないって・・」
「知ってるって!息子だよ?ム・ス・コ!公園でもあった事あるじゃん!」
「いや、知らない・・・って言うか、もう帰って」
「やだ!帰らない!うちの息子をおたくの娘の存在を認めるまで、絶対帰らない!」

見た目は美人ですが、言動がガチできちがい錯乱状態のテリーに脅威を感じたアッシュ(ばんば)は、テリーの話を聞くフリをしながらこっそり警察に通報します。
非常に冷静かつ正しい彼の対応は、私達の日常生活でも役立ちそうです。
手帳にメモしておいて、と・・・。


ところが、無事警察にき○がい人妻を引き渡した直後、ばんばは“やっぱり自分にも娘がいた”事を思い出します。
そんな大事な事を、どうしたら忘れるんでしょう。
・・・と言っても、そこがこの映画の肝なのですが。
なにせアレですからねぇ・・・。


その頃警官とテリーの前には国家安全保証局が立ちふさがり、テリーの身元を預かろうとします。
ただの不法侵入者に国家機関が絡んでくるなんて・・・。
なんだかキナ臭くなってきました。
連行されそうになっていた所を、間一髪でばんばに助けられたテリー。
二人の国家権力からの逃避行が始まります。
解かなければならない疑問は、
 どうして息子の存在証拠(写真など)が消滅し得たのか?
 どうして周りの人(夫・友人)まで息子を忘れてしまったのか?
 どうしてばんばは娘の記憶を無くしてしまったのか?
 どうして国家機関が乗り出して来たのか?
この質問を自分の中のコンピューターに投げかけたテリーがはじき出した答えは一つ。


「うちの息子は宇宙人に拉致されたんだわ・・・!」


恐るべし・・・! テリーの脳内コンピューター。


理性派のばんばは一応否定しますが、その後二人にとんでもない事態が!


二人を見張っていた国家機関の役人を捕まえて、コテージの一室で問い詰めてみたら、何とテリーの予想が大当たり!
事件の黒幕は、遊星からの物体Xだったらしいのです。
その上、話が核心に迫ったその時、突如コテージの屋根が何者かに吹き飛ばされ、話し中の役人まで空の彼方に吹き飛ばされてしまったではありませんか。


心理サスペンスだと思っていたのに・・・。


せいぜい政府(もしくは巨大企業)の陰謀モノだと思っていたのに・・・。


Xーファイルだったなんて・・・


もうそうなってくると、主役の二人もモルダーとスカリーにしか見えません。
タバコ吸うおっさんは出てこないんですか?


目の前で部屋の屋根と役人が吹っ飛んだ割には、さほどビックリしていないモルダーとスカリー。
それどころか、 
「何か引っかかるのよねー・・・。 何かしら。 ・・・わかった!私達の子供は生きているんだわ!!」と、前後の脈絡全く関係ないドッキリ発言が飛び出します。


この、展開の強引さや脈絡のなさを差し引いたとしても、じゃあ宇宙人が子供をさらった後どこに隠しておくか?と考えた時、普通国外か地球外か、とにかく遠くだと思うのですが、スカリーの推理では “子供達が最後に事故にあった時の飛行機会社が怪しい” となるようです。
途中、自分達を信頼してくれた刑事さんやモルダーまでもがズバコーンと遥か上空に吹き飛ばされても、スカリーの行動力は衰える事を知らず、ついに自分を追ってきた精神科医と共に飛行機会社の倉庫に辿り着きます。


目の前に姿を現した、遊星からの物体X。
演じるのはイギリスの俳優、ライナス・ローチです。
 『司祭』 『鳩の翼』 で繊細な演技を魅せていたのですが、最近めっきりキワモノ臭が強くなっているようで、残念です。


スカリーと宇宙人との一騎打ち。
ではここで謎解きタイム!
ス「どうして子供をさらったの?」
宇「子供と親との間に存在する、見えない絆の強さを実験したかったから」


・・・わかるような判らないような。


宇宙人によると、スカリー以外の親の記憶は全て消去に成功したそうです。


宇「あとはお前の記憶が消せないと、俺が上のものに叱られるんだ」


・・・宇宙人にも上下関係があるようです。


ヒラ宇宙人「息子を忘れろ!」
スカリー「ヤダ!」
「忘れろったら忘れろ!」
「ヤダッたらヤダ!!」
「忘れろったら忘れろったら忘れろ!!!」
「ヤダったらヤダったらヤダ!!!」


・・・なんですか、これは。 小学生の口ゲンカですか?


何とかスカリーを締め上げて、出産時の記憶を引き出す事に成功したヒラ宇宙人。


これで全ての記憶を消した・・ そう思ったとき、スカリーが立ち上がって叫びます。


「まだ妊娠中の記憶があるわ!」


ニャニオー?!


ヒラ宇宙人とは哀しいものですね。
思ったような成果が挙げられなかったヒラリ君も、哀れ上空に吹き飛ばされました。
・・・左遷、と言う事でよろしいのでしょうか。
と言うか、他のさらった子供の親の記憶を消した時は、どの辺まで遡って消したんでしょうか?
スカリーの子供に対する愛情が抜きんでていたのか、他の親がネグレストばっかりだったのか・・・。
宇宙人が“親子の絆を確かめる実験”を行った理由も、今ひとつわかりません。
それが判って、どうしたかったのでしょうか?
世界のアメリカ国家機関を味方につけて、他にはどんな実験をしているのでしょうか?
祝日の外食率とか?
雨の日のレンタルビデオ率とか?
裸で部屋に閉じ込めて、懸賞品だけで暮していけるかどうか、とか?
案外しょうもない事を実験しているのかもしれませんね。


なにはともかく、実験が失敗に終わったと判断したスカリー(ことテリー)は、息子の行きそうな場所を探します。
何をどうすれば“実験終了=息子返却”と答えが出るのか判りませんが、ここまでハズレ知らずだったテリーの脳内コンピューターに計算ミスなどありえないのですね。
行きつけの公園で無事息子とご対面。
ついでにばんばひろふみとその娘とも再会します(ばんばの記憶は消されていますが)。


無傷で戻してあげるなんて・・・。
宇宙人、意外といい奴なのかもしれません。

途中で吹き飛ばされていた刑事さんと国家機関の役人も、無事家に帰れていたらいいのですが・・・。


結局何がやりたかったのかよく判らない映画でしたが、ジョディ・フォスターとは違った意味でキレ気味のジュリアン・ムーアが、精一杯母の愛を表現しているところがステキだと思いました。
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