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『ONCE  ダブリンの街角で』

2009年01月28日
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もうさぁ、つきあっちゃいなよ。

あらすじ・・・
夢はでっかくミュージシャン。
しかし今は諸事情から、しがないストリートミュージシャンでしかない男は、いつもの様にダブリンの街角で歌を歌う。
自作の曲を歌っても、誰も足をとめてくれないので、人通りの多い日中はポピュラーなカバーを。
そして日が暮れると自分だけの歌を。

ある日、いつもの様にギターをかき鳴らす男の前で、珍しく立ち止まった女がいた。
女は男の歌に感動し、歌に込められた裏話を根掘り葉掘り聞き出そうとする。
梨本さんか東海林さんかという喰らいつき様だ。
はじめはそんな女を疎ましく思った男だったが、結構美人だったのでちょっぴりグラっと来た。
話をしているうちに、もうちょっとグラグラっと来た。
女も音楽を嗜むと言うので、近所の楽器屋さんで軽くセッションをしてみたら、この上なく気が合ったせいで、その揺れはもはや大地震並みとなった。

女もまた、男に友情以上の感情を抱き始めていたのだが、その想いを成就させるには様々な問題がありすぎた。
やがて男は、素晴らしい音楽パートナーとなった女と共に、一枚のCDの製作を決意する。
それは男の長年の夢を形にすると言う事であり、同時に夢を本気で叶える為の一歩を踏み出すと言う事でもあった。
最高の楽曲を完成させ、確かな手ごたえを感じた男は、自分の夢に同行して欲しいと女に持ちかけるのだが・・・。


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恋人関係や夫婦関係というのは、曲作りの様なものなのではないかと思います。
それぞれが異なる楽器を持ち寄り、異なる旋律を奏でる。

二つの音は重なり、美しいハーモニーを生み出す事もありますが、時として耳障りな不協和音にもなりうる。
何度も作られてはボツられ、楽譜はまた書き直されて行く。
哀しい事に、相容れないセンスを持つカップルは解散を選んだりもする。
しかし、二人の目指す音楽が同じ場所に辿り着いた時、それは最高の楽曲となり、至上の喜びに導いてくれるのです。
オレがおまえでおまえがオレで。
定めの二人が描いた未来(そら)に、一羽のかもめが飛んで行く。
それでは歌って頂きましょう、 「男と女のダブリン慕情」。

演 歌 か よ 。(※違います)


この作品の主人公である「男」と「女」(※役名はありません)が共に作り出す楽曲は、それはそれは美しく、とてもとても胸に響く調べでした。
2人の声が重なった時に生まれる音の波は、この2人がきっと赤い糸で結ばれたパートナーなんだと思うに相応しい、完璧なハーモニーです。
そんな相手に出会えるなんて、そうそうあったものじゃありません。
絶対逃しちゃいけない。 
絶対離してはいけない。

しかし、男には心から愛していた彼女が、女には遠距離別居中の夫が存在。
どちらもその元(現)パートナーに未練を残しながら、目の前に現れた最高のパートナーにも強く心惹かれて行く。
さあ! あなたならどうする!!
ていうか、どうして欲しい? この2人に!

ここで、普通なら当然のように過去の恋に決別し、新しい人生の再スタートを切るであろうと思われた男と女は、大方の予想(期待)を裏切って別々の道を選びます。
しかも元のパートナーと。

お前ら何してくれてんねん!(`Д´#)ドリャー

安易なハッピーエンドは好きでないアガサですが、ここまで音楽センス(なんていうか・・波長?)が一致する2人が離れてしまうエンディングには、正直ガッカリしました。
ガッカリというか、勿体無いというか。
で、それぞれが元さやに納まると言うオチも納得行かない。
男の元カノは別の男を作って逃げた様な女だし、女の旦那は彼女の音楽性を全否定する様な男。
なのに、時間が経ったからって復縁しちゃうか? そんな簡単な問題じゃないと思うのだけど。

ここで敢えて別々の道を選ばせた理由は、「現実なんて所詮こんなモノなんだよ」というシニカルな視点なのか、それとも「この物語はフィクションであり、実際の人物とは一切関係ありません。また、劇中のマヨネーズはスタッフが責任を持っておいしく頂きました。」ということわりなのか、っていうかマヨネーズってなんだよ。(※マヨネーズは出てきません)

もしかしたらこれは、一種のお伽噺なのだと言う事なのかもしれませんね。
理想の、運命の相手に巡り逢えるという、夢のようなお伽噺。
でも、夢は必ず醒めるもの。
現実は容赦なく訪れ、人は誰もみな、それを受け入れざるを得ないのです。
なんかちょっと胸が痛いですね。
幸せな夢のあとに、いつも訪れる痛みなのかこれは。


さてさて、ストーリーについて書いてみましたが、本作の一番の見所はやはり音楽な訳ですよ。
昨年のオスカーで主題歌賞も獲りましたしね!
主人公のカップルを演じるのは、実際にアイルランドの人気歌手であるグレン・ハンサードと、チェコ出身の歌手マルケタ・イルグロヴァ。
プロの俳優ではないお陰で、より役柄の持つ不器用さを感じる事が出来ました。
と言っても、演技が下手とか言う訳ではなく、いい年をした大人のピュアな恋愛を実に自然に表現していたと思います。
で、専門分野のシーンになると、水を得た魚のように活き活きとして行くのもまた役柄に合っていて良い。
ぎこちなかった2人の距離が、セッションを経てマッハのスピードで縮まる様は、まさに魔法です。
音楽という、共通言語が持つ魔法。

これはミュージカルといってもいいかもしれません。
「PVみたいだ」という評も見かけましたが、そんな野暮な事言うたらあかん。
不自然さの抜けた、大人のミュージカルと言って下さい。
なので、音楽に興味ない方はもしかしたらピンと来ないかもしれませんねぇ。
ただ、音楽(ロック)が好きな方は間違いなくズキュゥゥゥゥゥン!と来ると思います。

それにしても、ここ数年観た映画の中で最も、鑑賞後にサントラが欲しくなった作品でした。
マジ欲しいんだけど~、みたいな。
あと、やっぱり楽器が演奏できる人ってステキだなぁ・・と。
ギターをかき鳴らして歌う姿って、最高にグっときますよね。
これでメガネがあったら、「グ」どころじゃ済まなくなりそうですが。(/∀\*)イヤン


最後にもうひとつ。
物語の中盤に2人が会話するシーンで、チェコ語(?)が登場するシーンがあったのですが、WOWOW鑑賞だったのせいか字幕が無かったのですよね。(DVDにはついてたのかなぁ)
その会話は女の旦那についてなのですが、男が彼女に「まだ彼を愛しているの?」とチェコ語で聞くと、女はチェコ語で何かを呟きます。
その一言がどんな意味なのかが判らない。
物語上でもその意味は明かされず、男は「今のなんて意味?」と聞くのですが女はただ微笑むばかり。
なんですか! 超気になるじゃないですか!

なんかこれって、「あなたを愛してる」とか言ってそうじゃね?
「愛してるのはあなたよ」とか言ってそうじゃね?
“himじゃなくてyou”って言ってそうじゃね? そう思わね?
と気になって仕方ありませんでしたので、鑑賞後調べてみましたら、やっぱりここのセリフは「あなたを愛してる」だったみたいです。

お前ら何してくれてんねん!(ノ ゚Д゚)ノ === ┻━┻ガシャーン

やっぱりやんけ! やっぱりそうやったんやんけ!
好き同士だったんやんけ―――!!
なんですかこの「とっくにお互いの気持ちは通じているのに通じていないフリをしてそれぞれの道を行く」みたいなノリは!(ノリというかそのまんま)
ホントに歯がゆいです。
you、「好き」って言っちゃいなよ! って心の底から叫びたいです。

と思ったのですが、よく思い出してみたらこの2人、リアルで付き合っていたんでした。(※グレンとマルケタさん)

・・・

・・

へいへい、よござんしたね。( #-ω-)y-゚゚゚  (←なんかカチンと来たらしい)


作品自体はとても感じのいい良作でしたし、音楽も胸に残る素晴らしい楽曲揃いでしたので、皆様も是非ご覧下さい。


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