『REC』
2008年12月04日



嫉妬とかヤッカミとかじゃないから。 全然そういうのじゃないから。
最近、アガサのお知り合いの皆さんの間で妙に話題の 『REC』 。
その凄まじい高評価のほとんどが、ヒロイン・アンヘラさんに起因していると思わざるを得ない、皆さんの盛り上がりっぷりに、「これは観ない訳にはいくまい」と思い立ち、早速レンタル屋さんへ。
ところが入荷していた3本が全て貸し出し中と来たもんだ。
そ、そこまで広まっていたのか・・・アンヘラ熱とか言うヤツは・・!!
まぁ、別にアンヘラ熱でなくてゾンビ熱だったとしても、それはそれで嬉しい現象ですよね! って誰に同意を求めているのだろうか。ちくしょう泣いてやる!
という訳で、3日通ってやっとゲットした 『REC』 を堂々鑑賞。
おどおどとレビュー。
あらすじ・・・
・ はい、どうもこんにちは! リポーターのアンヘラでーす!
・ ドキュメンタリーバラエティ「眠らない街」の放送、第3回目は、街の元気な見張り番・消防士さんにド密着でーす!
・ 通報が無い為出動も無くって超ヒマでーす!
・ 消防士さんとバスケでもしてみまーす!
・ て言うか、火事起きませんかねー? 誰か空気読んでー!!
・ やっと通報がありましたー! 現場に向かいまーす!!
・ はい、こちらが現場でーす! このアパートの2階に、お婆さんが閉じ込められて奇声を発しているそうでーす!
・ ワクワクしまーす!!
・ 警官に撮影を注意されましたー! 我々マスコミは、国家権力と断固戦いまーす!
・ ドサクサに紛れて撮影続行でーす!
・ アパートの住人は、お婆さんに怯えてロビーに避難して来ていまーす!
・ なんぼなんでも怯えすぎでーす!
・ ついに消防士さんとポリ公と一緒に、お婆さんの部屋に突入でーす!
・ お婆さんはっけーん!! 血まみれでーす! スクープでーす!!
・ あろう事か、ポリの一人が噛まれましたー!
・ みんなで退散しまーす!
・ 上手い具合に、住人の中に研修医がいたので、早速応急処置にあたらせまーす!
・ テレビ的においしい展開でーす!!
・ とりあえず救急車を呼ぼうとしたのですが、何故かアパート全体が封鎖されてしまってまーす!
・ どうも国家的陰謀の匂いがしまーす! 臭いでーす!!
・ みんなでああだこうだ揉めていると、消防士の一人が階段の上の方から降ってきましたー!
・ 脳ミソだだモレでーす!
・ これはモザイクが必要でーす! ただし放送はゴールデン枠じゃないので、カットまではしなくていいでーす!
・ 住人たちが疑心暗鬼になっていまーす! とりあえずインタビューでーす!
・ そんな事をしているうちに、科学者が送り込まれてきましたー!
・ どうやらこのアパートは、未知の細菌によって汚染されているらしいのでーす!
・ またまたスクープでーす!
・ でもそれって、私も感染って事ですよね・・・。
・ 洒落になんないんですけど・・・。
・ 解毒剤とか・・・ どうなんですかねぇ・・あるんですよねぇ・・ってマジでキツイわコレ・・。
・ もうこうなったら、とにかくこの一切の顛末を記録に収めないと・・・。 で、ほとぼりが冷めたら告発番組作んなきゃだわ。
・ ていうか、それくらいしないと割に合わないし。
・ はーい! アンヘラでーす! 取材を再開しまーす!
・ 感染者は増加の一途を辿り、非感染者の数もどんどん減ってきましたー!
・ 我々は、最後まで諦めませーん!
・ ・・ええと、このアパートから脱出する事をでーす!
・ しかし、頼みの綱だった消防士さんも、ついに感染者の毒牙にかかってしまいましたー!
・ 残るは私・アンヘラと、カメラマンのパブロだけでーす!
・ 行く手を塞がれた私たちは、最上階を目指しまーす!
・ 長年住む人は居ないと思われていた、その最上階の部屋で、私たちは想像を絶する光景を目の当たりにする事に! その驚きの結末とは?! 続きはCMのあとでー!!
もしお手すきでしたら

どうですか? 若干イラつきませんか? このあらすじ。
いちいち語尾に「-」をつける事に、無理というか不自然さを感じませんか?
映画一本を、全編POVで映し切ると言う手法も、これに似た難しさを感じます。
最初は面白いけど、段々ウザったくなったり鼻につき始めたり。みたいな。
う、ウザくてゴメンなさい・゚・(ノД`;)・゚・ウワワーン(←1人SM状態)
とまぁ、今書いていて思いついたみたいな事を、そのまんま書いてしまいましたが、とにかくPOV方式というのは賛否が大きく分かれる撮影方法な訳です。
「アイデア勝負」「出たとこ勝負」「インパクト勝負」「節句にお風呂に入れるのは菖蒲」などなど、色んな言い方はあるでしょうが、要するに体があったまって血行促進ってそれ菖蒲の説明やがな!
・・・ごめんなさい・・こんな人間でごめんなさい・・・
ええと、要するにPOV方式は酔い易いから気をつけろって事ですよ!(なんという乱暴なまとめ方なんだ)
アガサが好きな 『クローバーフィールド』 や 『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』 が、そこで起こっている素晴らしく世紀末な描写にも関わらず批判的な扱いを受けているのは、やはりこのPOV方式につきまとう“不自然さ加減”が大きいのではないかと思います。
なんでこいつ(カメラマン役)は、こんな状況下なのに撮影を止めないんだ。
どんだけ長持ちなバッテリーなんだ。
なんや、全ては大人の事情か? そうなんか?
と、痛いトコロを責められる宿命にある。 それがPOV。
挙句には
なにもPOVでなくても。
とか言われる始末。
確かにねぇ・・反論出来ないトコロもありますけどね・・。
しかし、POVだからこその臨場感や、まさに事件の当事者(や共犯者)にならざるを得ない状況と言うのもあると思うのですよ。
で、この 『REC』 は見事にこのPOVの利点(特徴)を生かして、ブレる映像を通して現場を観ているうちに、いつしか自分も感染渦真っ只中のアパートに放り込まれた感覚に陥ってしまう。
おまけに親切なレポーターつきですし。
気分はまるで 「激録! 警察密着24時!」な訳です。(いや、「消防」か)
“謎の病原体に汚染されているアパート”という閉鎖された空間で、周囲を警察にガッチリ包囲され、逃げ出す秘策も見つからないまま延々逃げ惑うという恐怖。
しかも、あっちのドアから被感染者、こっちの隅から被感染者、そっちの陰からなんかオバケみたいなヤツ、とドッキリイベントも盛りだくさん。
今まで邪険にされていた原因(前述のバッテリーや撮影者に関する不満)も、一般人のホームビデオではなくプロの犯行(テレビが潜入撮影中だった)という設定で華麗にクリア。
まったくもう、お見事としかいいようがありません。
あまりにもお見事過ぎるので、老婆心ながら、
続編の際にどのような設定を使うつもりなのか? いや、もう同じ手は使えないだろうから、思い切って 『ブレア・ウィッチ・プロジェクト2』 みたいに全く別物なノリにしてしまうのか?
と、製作者の行末に一抹の不安を抱いてしまうくらいです。
と言う訳で、概ね好評のうちに鑑賞を終えた 『REC』 だったのですが、アガサが一つだけ気に入らなかった点があるのですよね。
それはズバリ、みんな大好き・アンヘラたんについて。
テレビのレポーター、そして若い、しかもナイスバディ、なんか知らんけど愛嬌もバッチリ☆ なアンヘラたんは、取材先の消防署でも人気者。
男性に混じってバスケなんかしちゃって、ゴールなんか決めちゃって、わいのわいのと大はしゃぎ。
事件が起こったアパートに駆けつけてからも、「我スクープ勝ち取ったり!」とばかりに持ち前の
しかし、一旦感染が広がり始めてからと言うもの、泣くわ叫ぶわ取り乱すわキレるわと、映画に出てくる女がやる行動で一番鬱陶しいと思われるコトを全披露。
何かと言うとカメラマン(パブロ)や消防士の陰にかくれて、「キャーこわーい!!」とかアホか!
何箇所かでは思い出したかの様に奮い立ってみせるのですが、結局直ぐに「いやんばかん」と根性の無さを見せつけるアンヘラたん。
これはダメなパターンですね。
ホラー映画に出る、しかもヒロインとして出てくる女性としては、あるまじきヘタレっぷりですよ。
ホントにもう、同じ女性として見ちゃいられません。
女と生まれて来たからにゃ、ジーナ・デイヴィス大先生みたいに
叫びながら死ね! このマダー○ァッカー野郎!!
くらいの決めセリフの一つも吐かないでどうするんですか?!
そうですよね! 先生!!
あぁ・・・ あたいも実生活で、一度でいいから使ってみたいわぁ・・*:.。.:*゜( n´∀`)n゜*:.。.:*
まぁこんなアンヘラたんの使えなさっぷりも、「バカ言ってんじゃねぇよ!そこが逆に可愛いんだよ!」という事なのかもしれませんがね。
「オレが守ってやんぜ!」とかね・・・ ま、いいんですけどね・・ (´・ω・`)
ラストのラストで登場するクリーチャーっぽい奴が、CGと見紛う程不気味なビジュアルにも関わらず、実は生身の人間だった(メイキングにて確認)事や、オチに使われたのがまたまた“バチカンの陰謀説”だった事が愉快でたまらない本作は、ゾンビ(感染系)ファンやホラーファン、はたまた「タンクトップで可愛いチャンネーが走り回る映画」のファンは必見の快作だと思います。
グロ度もそんなに高くありませんし、クリスマス辺りにカポーでいちゃつきながら観るには程よい映画なのではないでしょうか。
彼氏の家でプリングルスでも食べながらね・・・
「これ、そんなにグロくないから平気だよ」ってね・・
「え~ ホントに~?」とか言ってね・・
案の定ドッキリシーンとかで「キャー」とか言って「もう! 平気じゃないじゃん!バカバカ」「平気じゃないのは俺の方だぜ」とかなんとかってもうアレだ。 叫びながら死ね。
とにかく非常に面白かったです。
是非皆さんも、一度ご賞味下さいませヽ(´∀`*)ノ ・・ネ!

