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『ラスト・キング・オブ・スコットランド』

2008年10月09日
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第79回アカデミー賞 主演男優賞 受賞作品

と言う訳で、予告どおり開催中の “秋のマカヴォイ祭り・第2弾”の今回は、ハリウッドのべー師匠ことウィテカーさん主演の 『ラスト・キング・オブ・スコットランド』 を鑑賞。

あらすじ・・・
医者の父を持つニコラスは、無事医師免許を取得したものの家業を継ぐ気持ちにもなれず、とりあえず「日本全国ダーツの旅」みたいな感じで赴任先を選ぶ。
地球儀を回して目を瞑り、一番最初に指差した国で“第一村人発見”を目指すのだ。
しかし、最初に指が示した国はカナダ。
・・・先進国じゃん・・。
そこで、カナダは見無かった事にしてもう一度トライ。

かくしてニコラス青年は、なんとなく「いい事やってあげてる感がたっぷり味わえそう」な発展途上国・ウガンダへと降り立った。
期待通りのド田舎で、病人の8割方は村の祈祷師に頼っているという状況の中、高尚な志を思う存分貫こうと奮闘するニコラス。
しかし、まだ大学を出たばかりの青臭い若造だったニコラスが、その実情に閉塞感を感じ始めるのに、大した時間は必要なかった。
派手なオペも、患者からの尊敬の眼差しもなく、いとも簡単に直面する多くの“死”。
そんな地味で悲惨な現実に、あっという間にやりがいを無くす、ダメ人間のニコラス。
職場に唯一の女性スタッフ・サラに、やる気を見出そうとするものの、人妻だったサラは貞操を死守。
そんな中、フラれてますますやる気減退のニコラスに転機が訪れた。

ウガンダの大統領・アミンの捻挫をたまたま治療したのがきっかけで、彼とドッキドキ急接近。
若さゆえの情熱で、たちまちアミンのカリスマ性の虜になってしまったニコラスは、アミンに求められるまま彼の主治医に就任してしまったのだ。
田舎を離れ、ウガンダの首都へと移ったニコラスは、アミンによって熱烈な歓迎を受ける。
家も高級、車も高級、サラリーも高給という、まさに“これぞ医者”な生活に大満足のニコラス。
アミンからは最上級の信頼を受け、気分は大統領の懐刀。
一方、ウガンダ国内は荒れに荒れていた。
止まらない内乱。
都市部と農村部とで広がる格差。

巧みにアメとムチを使い分け、民衆の心を完全に奪ってしまったハート泥棒アミンはしかし、世にも恐ろしい独裁者でもあったのだという事は、既に多くの国内外の人々が知るところとなっていた。
それでもなお、周りの忠告の声にも耳を貸さず、アミンの指導力に心酔していたニコラス。
そんな中、自らの迂闊な一言が誠実な一人の人間を死に至らしめた事を知り、初めて自分が恐ろしい深淵に入り込んでしまって事に気付くのだったが・・・。


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またもや長々とあらすじを書いてしまいましたが、要するに
アミンかっこえー

アミンおもしれー

アミン怖えぇ・・?

アミン超怖ぇぇぇぇぇぇ!!((((;´Д`)))
という、一人の青年の移り行く心の機微を繊細且つ大胆に描いた、一大人妻ラブロマンだと言う事です。

うそです。


権力に憧れる人、権力者を志す人というのは、どのポイントから私利私欲の坂を転がり始めるのでしょうか。
初めから「金も女もオレのもんだ」てな風に欲望に忠実な人は、そんなにいない筈。(←アホな2世や3世を除いて)
みんなの暮らしをよくしたい。
全ての人が不安を抱えず生きて行ける様にしたい。
そんな崇高な夢を現実にしたいが為に、頂点を目指す筈。 いや、目指していた筈。

なのに人は、“力”を手にするとそれにいとも簡単に溺れてしまう。
金にモノを言わせてねじ伏せる。
言う事聞かないヤツは、社会的に抹殺する。
多数決で決めようとする。
しかも票はきっちり操る。
有り余るほどのお金を手にしても、いつか必ず人には死が訪れる。
なのにそんなにお金が欲しいのか?
いくらでも欲しいのか?

否、欲しい!  オラももっとお金欲しいなぁ!!!(←ダメ人間)

じゃなくて。

本作の“食人大統領”ことアミンも、最初はウガンダという国をなんとかしたいと言う理想を持っていたはずです。
貧しい農村部に生まれ、辛い幼少期を送っていたからこそ強く抱く様になった、滾る様な野心。
それが実を結び、国のトップの座を奪い取った時も、まだ“民衆が餓えや病気に苦しまない様な生活”の事は考えていた筈。
それが、政敵によるテロ活動や暗殺の罠を掻い潜るうちに、どんどん猜疑心に蝕まれ、正常な視点が持てなくなって行く。
オレが死なない為に・・。
オレが殺されない為に・・。
その為に形振り構わず、あらゆる悪い芽(と思い込んだモノ)を潰そうと決意した、殺戮者アミン。
でっかい体のクセに、とんでもない臆病者だったのですね。
まぁ、“力”を持つと、同じだけ“力”に怯えるのは仕方ない。 
何故なら誰よりも“力”の恐ろしさを知っているのだから。

卓越した演技力で、そんな“気は小さいが力持ち”な狂人・アミン大統領を説得力たっぷりに演じたウィテカー師匠が素晴らしい。
ユーモアのセンスも抜群だったらしいアミンの魅力が、ウィテカー師匠の屈託の無い笑顔のお陰でひしひしと伝わってきます。
で、その後の鬼畜っぷり。
さすがは師匠です!
よっ! オスカー俳優!!
『バトルフィールド・アース』の事は、この際無かった事にしちゃえばいいと思うよ!

ただし、本作の監督さんはなんでも、
「ウィテカーがアミンそっくりでびびった」
などと語っていたらしいのですが、どう考えても当時のウガンダにこの監督さんが居たとは思えないので、今度会ったら「お前ホントに実物見て来たのかよ」と軽くシメておきたいと思います。

そして、そんな圧倒的なパワーを誇る師匠に優るとも劣らない存在力と演技力を魅せてくれたのが、言うまでも無く我らがマカヴォイ。
ビックリするくらいカメレオン俳優なんですね!
『ウォンテッド』 とも 『ペネロピ』 ともタムナスさんとも違う、女好きで情けなくて意志の弱い青年がそこに居ました。

物語の中の役割としては、
人妻にちょっかいかけたり、余計な事をしたり、人妻に色目使ったり、余計な事言ったり、人妻に手をつけたり、人妻を孕ませたり、人妻☆危機一髪になったり・・
と、かなりイラつく人物なのですが、実際私たちが同じ様な状況にあったら、案外こんなものかもしれません。
自分には無い魅力(しかも圧倒的)を持つ人物から、「オレにはお前が必要なんだ」と求められたら・・・。
その瞬間、相手の魅力(やパワー)に自分が同化した様に感じてしまうのではないでしょうか。
そしてその“力”を手放す事は、そう容易い事では無いのでは・・。
人間とはかくも弱い生き物なのだと、ニコラス青年の悲惨な結末を観ていて痛感させられました。


・・・ええと、本当はもっと言いたい事や書きたい事があったのですが、とんでもなく長くなってしまいそうなのと、頭が全く纏まらなくなって来ましたので、本日はこの辺で切り上げたいと思います。

ちなみに、『ラスト・キング・オブ・スコットランド』 と言う題名について。
ウガンダの独裁者なのに、何故“スコットランドの王”なのか?
と、散々頭を絞ってみたのですが、本編中にも説明らしい説明はなかったのですよねぇ。
アミンとニコラスの初対面シーンで、ニコラスがスコットランド人だと判った瞬間に破顔するして、
「俺、スコットランド大好きなんだ! マウマウ団の粛清の時も一緒に戦った仲だしな!」
と言うアミン。
そう言う裏事情にプラスして、英国の植民地から独立したものの監視下に置かれ続けているウガンダ(我が身)の状況と、嫌々UKに併合させられたものの心はいつも独立国家なスコットランドの状況が、ダブって見えたせいもあるのかもしれませんね。
つまり、「なんとなく他人な気がしない」・・・みたいな!

まぁ、だからと言って自分を“スコットランドの最後の王”呼ばわりするのはどうかと思いますが。
おまww そりゃちょっと言い過ぎだろwww
スコットランドの皆さん、コレちょっと怒ってもいい所かもしれませんよ。(大人だからいちいち怒らないのかなぁ)

後半にとびっきりの残酷描写がありますので、その点だけはご注意(&心の準備)頂く方がいいかと思いますが、映画としては申し分ない傑作だと思いますので、未見の方は是非一度ご覧になってはいかがでしょうか。
『ペネロピ』 の記事に本作のお薦めコメントを下さった皆さま、本当にありがとうございました!

“秋のマカヴォイ祭り・第3弾”は 『つぐない』 を鑑賞予定ですので、よろしかったらまたお付き合い下さいませ♪ (ちょっと先になりそうなのですが^^;)

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