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『クローバーフィールド/HAKAISHA』

2008年04月11日
クローバー
魚派というよりは肉派。

早い段階から殆どの情報がひた隠しにされ、この春一番の話題作だったハズなのに、いざ公開されてみると街の話題になっているようないないような、なんとも微妙な雰囲気が漂い、観終わった方々の感想も、「う、うん・・ いや、面白かったよ・・と、・・思うよ・・?」となんとも歯切れの悪い返答が多かった為、『大日本人』的状況最悪の事態をも覚悟した上での鑑賞となった 『クローバーフィールド』 。 (←長!)

いや、もう面白かったですよ ・・と、・・・思いますよ・・?たぶん・・ 

あらすじ・・・
アレな感じの主人公と愉快な仲間たちによる、「栄転おめでとうパーティ」が催されていた大都市・NYに、アレみたいな怪獣が現れ、アレかよ!という程気紛れな破壊行為を繰り返す。

特記事項・・・
驚異のバッテリー。
修羅の鬼というべきカメラマン魂。
驚愕の耐久性を誇るハンディカム。(※たぶん日本製)
エンドクレジットが興奮の坩堝。
犯人はドナルドダック。


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まず最初に、徹底的に隠し通されてきた「アレな怪獣」の一部(下顎付近)をイラストに描いてしまいました事を、そういうのが許せない皆様に謝罪したいと思います。
小出しにして、どうもすみません。
じゃなかった、
ちょこっとネタバレしちゃって、どうもすみません。

ま、判った所で大した怪獣ではありませんので。(←暴言)

あまりに気を持たせるような戦術は、かえって自らのハードルを上げる結果になる。
と言うのは、恋愛において最も気を付けないといけない点ですが、『クローバーフィールド』に於いても同じ現象が起きてしまった様な気がしますね。
どんなすごい怪獣なのか? どんな斬新なデザインなのか? 
と、そればっかりが気になってしまった為、せっかく満を持して画面いっぱいに現れた怪獣を観ても
うわぁぁ・・・・  微妙だぁ・・
と、絶賛しにくいったらありゃしない。
そもそも、全体的に可愛げが無いですし。
ヤケになったおじいちゃんみたいなビジュアル、とでも言いましょうか・・・(余計に判りづらいか)

しかし、アメリカ野郎が作ったゴジラもどきに比べれば、まだギリギリ“オリジナル”な分だけ愛着が湧くであろう事は確かでしょう。
尚、当方肉食の為、より精力的に壊しまくりますがそこら辺はご了承下さい。

で、実は本作で、怪獣以上に厄介な存在だったのが主人公・ロブ。
なにがしかの優良企業に勤めるロブは、副社長として日本へ転勤する事になります。
で、
転勤 → 遠距離恋愛 → 彼女が浮気 → ドロ沼 = 破局
と言う素晴らしくトンチの効いた脳内方程式に則り、最愛の彼女との別れを(一方的に)決めたロブは、送別会にこれまた「あからさまにどうでもよさそうな新恋人」を連れてやって来た彼女を見て激しく動揺。
というか、別に嫌いになった訳でも喧嘩した訳でも親の反対があった訳でもないのに、勝手に別れを決意してウジウジしたり動揺したりのロブは、副社長とは思えない決断力不足ではないかと小一時間。

そしてその後、NYに突如現れた我らがおじいちゃん怪獣による破壊行為が始まる中、やっと自分の本心に気付いたロブは、危険を承知の上で数駅離れた彼女のアパートを目指すのですが、選ぶ道選ぶ道が間違いだらけのケモノ道と言う、破格の選択眼の無さ。
コイツ・・・どんな手を使って副社長の座を掴んだのやら・・・(ノ_-;)

ただそんなロブは、普通の人だったらとっくに命尽きている様な絶望的状況をも、殆ど無傷で生き延びるスーパー副社長だったりもしますので、“運”に関しては抜きん出ているのかもしれません。

・・・そうか・・! クジかなんかで(人事を)決めたのか! (←たぶん違う)

ま、ロブの裏人事の件はこれくらいにしておいて。

この作品の全ては、
「人は無力だ」
という一点なのではないかと思います。
圧倒的な力や、いわれ無い暴力の前で、私たちに出来る事などない。
それを回避する事も、打ち砕く事も。
明らかに9.11を意識して作られたシーンの数々は、それに対して感じる思いさえも同じにさせてしまいます。
「なんで?  なんでこんなことを?」 という一心に・・・。

あまりにも大きすぎる破壊(暴力)に、納得できる理由などありません。
人を傷付けたいのなら、ほんの少しの言葉でも充分だからです。
だから私たちは、戸惑うしかない。
「なんで? どうして?」 と。

本作の怪獣は、出所は勿論のこと、急所、好物、生態、何で怒っているのか、何に喜んでいるのか、何を憂いているのか、全くわかりません。
ただ突然、普段の生活に乱入してきて、何もかもを破壊する。
今までの怪獣映画にあった「共感ポイント」を全て排して、大切な日常をひたすらに踏みにじり打ち捨てる存在に仕立て上げた製作者には完敗です。
この設定だったからこそ、怪獣映画を観たのではなく、私たちが直面している現実を見せ付けられたような気持ちになれたから・・・。
続編も作られるそうですが、私はその続編をヘタに「解決編」にして欲しくはありません。
こういう恐怖は、説明されればされるほど馬鹿馬鹿しくなってしまう様に思うので・・・。

心配していた “オール手ぶれ” の映像も、限界を感じる頃合を見計らったかの様に安定した映像に切り替わりますので、危惧していた程ではありませんでした。
むしろ、こういった状況下での私たちのリアルな姿を想像させてくれ、より強力な絶望感に誘ってくれましたし。
これはこれでいい。
次をどうするつもりなのかは、他人事ながら気になりますが。

あと、エンドクレジットで流れるいかにも怪獣映画っぽい仰仰しいテーマ曲が、何より素晴らしいと言う点も付け加えておかないと><
否が応でも興奮がクライマックスに導かれる名曲です。
ま、エンディングで興奮してしまっても、その後収まりどころが無いのが難点ですが^^;

と言う訳で、アガサは歯切れよく断言させて頂きます。
クローバーフィールド』 はイイ! と。
(最初の「・・たぶん・・・」は勿論冗談ですとも、ええそうですとも。)

追記:
特記事項の「犯人はドナルドダック」について気になる方は、是非劇場でお確かめ下さい。
というか、鑑賞された方にお聞きしたいのですが・・・ アレの声ってドナルドダックでしたよね?ね?
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