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『愛しのタチアナ』

2006年05月06日
何ですか、このところホラーだスプラッターだばっかり観ている様な気がしてきました。


・・・すさんでいます。    心も体も。


そこで、気を取り直して、私の心のベストテンに入る名作のレビューをしたいと思います。


フィンランドが誇る素晴らしい名監督 アキ・カウリスマキ1994年の作品 『愛しのタチアナ』です。


私の住んでいる岡山には、シネマ・クレールというミニ・シアターがあり、岡山の映画好き人の心の拠り所となっています。
この映画館が無かったら、この作品ともアキ・カウリスマキとも出会えていなかった訳で、感謝しても感謝しきれない気持ちがします。


それくらい素晴らしく、胸に残る作品です。


ストーリーは、
40過ぎのさえない独身男ヴァルト(コーヒー中毒)と同じくイケてない中年男レイノ(ロックンロール中毒)が、何となく現実から抜け出し旅に出る。
旅先でエストニア女性のタチアナ(ガリガリ)とロシア女性クラウディア(キャシー中島)と出会い行動を共にするが、会話も無く恋が芽生える様子も無い。
と思ったら、実はいつの間にか心を通わせていたレイノとタチアナ。
残されたヴァルトは、やり場の無い感情をどこにぶつけるでもなく、また元の生活に戻ってゆくのであった。


文章で書くと味も素っ気もありませんが、実際作品もセリフが極端に少ない上ラブラブなシーンがある訳でもなく、役者は冴えないおじさんとおばさんばかり。
普段見慣れている映画に比べると、かなり異質な作品かもしれません。


しかし、余計な装飾が無い分、とにかく人間の魅力と言うものが最大限に感じられ、観ているうちにどんどん惹き付けられるのです。


不器用な男(レイノ)の肩に、そっと頭を寄せる女(タチアナ)。
二人が始めて心を通わせるシーンなどは、どんなラブシーンにも優る名シーンだと思います。


ゆったりと進む物語は、観ている私達に色んな想像をさせ、それがまた可笑しかったり哀しかったり・・・。


特別ではない人々の、特別ではない幸せ。(もしくは不幸せ)


“人間”を突き放していない描き方が、とても心地よい作品です。
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