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『8人の女たち』

2007年12月20日
はちにん
世のメイドどもは、ルイーズさんを見てもう一度出直して来い!

あらすじ・・・
雪深い山中の別荘。
そこで暮すのは富豪のマルセル。
そして彼の妻の母・マミーと、妻の妹・オーギュスティーヌと、彼の娘・カトリーヌ。

ある日、クリスマスを祝う為に別居中の妻・ギャビーと長女・スゾンが帰ってきました。
久しぶりの再開を喜ぶ一家。
しかし、マルセルを起こす為にメイドが寝室のドアを開けると、なんとそこには背中をナイフで刺されて死んでいるマルセルの姿が・・・。

慌てて警察を呼ぼうとするギャビー。
電話線が切られている事に気付くのに、そう時間は掛かりませんでした。
ならばと車で呼びに行こうにも、大雪に塞がれて動けません。

閉ざされた別荘内で、疑心暗鬼になる女たち。
一家の5人+シャネルとルイーズという2人のメイド。
そしてそこに、マルセルの妹・ピレットまで現れて、もはや邸内は大暴露大会の様相を呈してきます。
「あんたなんてレズのくせに!」
「なにさこの売女!」
「守銭奴が何を偉そうに!」
「お前こそ淫売じゃないか!」
「近親相姦だぁ?あーやだやだ!」
「無計画妊婦は黙ってな!」

美しい雪景色の下には泥に覆われた大地があるように、美しく着飾った女たちの化粧の下にはどれほどの醜い嘘が隠されているのか・・・。
マルセル殺しの真犯人が明らかになる時、女たちの素顔もまた白日の下にさらけ出される・・・!


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いやぁ、ルイーズさん最高!
高慢ちきな女主人たちが闊歩する邸内で、ソツの無い給仕を全うするルイーズさん。
前半は控え目な態度で、本性がバレる中盤からは堂々と居直る態度で、しかしながら痒い所に見事に手が届くメイドっぷり。
見た目の童顔さ加減とは裏腹な、むせ返るようなフェロモン砲といい、コイツはまさにメイドの鑑なのではないでしょうか。

年末ジャンボが当たったら、真っ先にオファーしたいメイド・ナンバー1ですね。(時給高そうなので)

・・・まぁ、ルイーズさんは一先ず置いておいて。

今やすっかりフランスの人気監督となってしまったフランソワ・オゾン。
昔観た 『ホームドラマ』 と言う作品は、身震いがするほど変態臭たっぷりの傑作でした。
当時短編も観ましたが、これがまた黒い感情を澱の様に沈ませる良作。
その後、アガサは観る機会が無かったのですが、新作する作品が次々に色んな賞を掻っ攫っていくと言う快進撃を続けたフランソワ・オゾン監督(通称フラ夫)。
そんなぱらゲイだと噂されるフラ夫が、フランスの人気女優を一堂に介して撮ったオサレな娯楽作とは一体どんなモノなのか?

どうやら悪意たっぷりの総天然色女優ショーだったようですねぇ。

『シェブールの雨傘』でお馴染み、フランス女優といえばこの人。カトリーヌ・ドヌーヴ (ギャビー)
『永遠のマリア・カラス』でお馴染み、天下のトリュフォーの嫁ことファニー・アルダン (ピレット)
『美しき諍い女』でお馴染み、フランスが世界に誇るフェロモン核弾頭ことエマニュエル・ベアール (ルイーズ)
『ピアニスト』でお馴染み、変態エリカ先生ことイザベル・ユペール (オーギュスティーヌ)
『ザ・ビーチ』で、レオ様をフェロモン漬けにした磯娘ことヴィルジニー・ルドワイヤン (カトリーヌ)
などなど、酸いも甘いも噛み分けたフランスの新旧人気女優が勢ぞろい。

美しい衣装を華麗に着こなし、ヘタウマな歌を愛嬌たっぷりの振り付けで披露してくれる8大女優の皆さん。
メイド頭役の黒人女優さんを除いて、他7人のフェロモン女優陣が均等に見せ場もキメ顔も用意されると言う周到さは、当然と言えば当然なのでしょうが、
ドヌーヴさんはコチラの角度でお願いします!
すみません!ベアールさんのエビアンがぬるいそうなので、至急替わりの物を!!

と言うセット裏で飛び交うスタッフの叫びまで、リアルに聞こえてきそうな気まずさ緊張感を感じさせます。

昔の日本の『オールスター忠臣蔵』モノ(阪東妻三郎・片岡千恵蔵・嵐寛寿郎・月形龍之介)などは、役者の台詞の数まで平等に振ってあったと聞きますが、この作品もかなり隅々まで気を配って作られているのでしょうねぇ。
しかしそんな気配りが逆に、撮影中の女の力関係を想像させて怖いったらありません。

したたかな女たちの、毒っ気たっぷりなセリフの行間にこれでもかと詰め込まれた
女って生き物は、コワイよ~ ホントだよ~
と言うメッセージは、フラ夫のメスに対する挑戦なのか、それともオスに対する警告なのか・・・。
少なくともアガサは心底震え上がりましたね。 自分、女ですけど。

その上、ドヌーブとアルダンが罵り合いの果てにキャットファイトを始めた日にゃあ、セット外でのピリピリとした空気で窒息寸前です。
姐さんがた、自分が腹を斬りますんでココはひとつ・・・

・ ・ ひと・ ・つ ・ ・



・・堪忍してつかあさい・・・・゚・(´Д`)・゚・ 


一見幸せそうだった一家が、主の死によって狂い始めてゆく・・・。
本当の事を言っている人など一人もおらず、何らかの秘密を隠し持っている。
そして、誰もが市原悦子。 誰もが見ていた。
女たちはこっそり目撃されており、秘密が次々と明らかになって行くストーリーは、アガサ・クリスティの小説の様でとてもワクワクします。
カーテンコールのようなラストショットまで、艶やかな女優陣の演技合戦から目が離せませんね!

これで満腹になれないのなら、お代はいらねぇよ! と言う、3つ星シェフ・フラ夫の啖呵が聞こえてきそうな、目にも楽しく口にほの辛い豪華絢爛な女優ショーでした
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