ブログパーツ

『パフューム ある人殺しの物語』

2007年12月13日
パフーム
またの名を「究極の体臭フェチ」。

ご機嫌いかがですか、アガサです。
ずっと前から観たかった 『パフューム』 を、やっと鑑賞しました。
と言うか、さっさと借りてくればよかったものをなんだかんだと回り道。
観終わった今は、人生ちょこっと損したような気持でいっぱいです。

コイツは全くもって最高傑作ですぜ!旦那!!

あらすじ・・・
時は18世紀のフランス。
稀に見る才能と、おぞましい行為で知られた男がいました。
男の名は、ジャン=バティスト・グルヌイユ
史上最強の変態です。

1738年7月17日、当時最高の悪臭を誇っていたパリの魚市場に、ジャンは産み落とされました。
そしてそのまま孤児街道まっしぐら。
丁稚奉公に出された先でスクスク育ち、青年期を向かえた頃にはそりゃもう、立派な変態でした。

生けるもの、死すもの、植物、動物、人間、石、鉄、ありとあらゆる物の臭いを嗅ぎ分ける力。
それがジャンの生まれ持った、天賦の才能。
ただそれは同時に、ジャンをどこに出しても恥ずかしくない立派な変態に仕上げるに充分な才能だったのでした。

ある日、親方について訪れたパリの街で、ジャンは理想の匂いを嗅ぎつけます。
その匂いの持ち主が一人になった所を見計らい、ジャンは一気に接近遭遇。
ステキな赤毛の持ち主であるその女性は、自分のうなじを背後からクンスクンスカ嗅いでいたジャンに対し、当然の反応を。
要するにスクリーミングです。
とっさにジャンは女性の口を塞ぐのですが、女性の扱いに慣れていないせいで力の加減が判らず、なんと彼女を窒息死させてしまいましたとさ。
これだから童貞は・・・(・д・)チッ

さて、赤毛の彼女の一件を、なんとか通り魔的犯行に仕立て上げて事なきを得たジャンは、いよいよ自分の本当にやりたかった事に着手します。
それはつまり、理想の匂いを残す事。
先だって殺めてしまった女性は、死と共にその美しい匂いをドンドン失ってしまった。
ならば何とか留めておく方法は無いものか?
24時間365日、好きな時に好きなだけ彼女の匂いを嗅ぎまくるには、一体どうすればいいのか?


才能はあるものの方法が判らないジャンは、餅は餅屋とばかりに香水職人に直行。
無事弟子入りし、その類稀な才能を惜しげなく発揮する事で、一躍香水界のヒットメイカーに躍り出ます。
しかし、肝心の“人のフェロモン”を留めておく方法は判らないまま。
そこでジャンは、香水のメッカであるグラースという都市で再修業する事を決意するのでした。

あらすじ、後半戦へつづく!にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ ← ←その前によろしければ一押し♪

そんなこんなでグラースに着いたジャン
大きな香水工場に就職し、匂いを抽出する方法も自由に使える機材も手に入れ、ついに長年の夢であった“理想の匂い作り”にチャレンジする事に。
ジャンが思う理想の匂い・・・それはズバリ“処女フェロモン”
穢れを知らない女体から発せられる、純潔の匂いはまさにミラクルってバカ。
これだから童貞は・・・(・д・)チッ (本日2回目)

昔、師匠に聞いた「香水を作るには12の素材から」と言う教えを忠実に守り、次々と街の処女を襲い始めるジャン
1人、また1人と死体があがるのを見た街の人々は、猟奇殺人鬼の影に怯え警備を強化しますが、オヤジの臭いも警察の臭いもおばはんの臭いも全て嗅ぎ分けるジャンにとっては警備など無いも同然。
順調に処女の匂いを収集する事、計12体。
これで師匠の言っていた「ベースの素材」は完璧です。
後はそこに、最も理想的な処女の匂いをプラスすれば、ジャンの香水は他に類を見ない凄まじい威力を放つはず。

“ いい匂い × 13 = すんげぇいい匂い ”
ってあーた、そんな単純な・・・(モゴモゴ
そもそも、いくら処女の女体からとは言え、体臭のみを13種類混ぜると言うのは、想像すればするほど到底いい匂いには思えないぜセニョール。


これだから童貞は・・・(・д・)チッ (本日3回目)

最後の一人を誰にするか、実はジャンはグラースの街に移り住んだ時から決めていました。
街一番の香水商の娘・ローラ。
街一番の美しい処女でもある彼女が、その理想の13人目だったのです。
ジャンが初めて手にかけた、あの赤毛の彼女に似た雰囲気をもつローラの匂いを足せば、間違いなくジャンの究極の香水は完成する・・・。

しかし、ローラの父はそんな不穏なジャンの雰囲気をいち早く察知し、彼女を遠い街に移送する手立てを整えてしまいました。
一方同じ頃、ジャンの同僚が偶然ジャンの部屋から12人分の遺品を発見。
警察の手が迫る中、ジャンは驚異の嗅覚パワーを発揮してローラの行方を嗅ぎ出します。

ローラの父は、変態の魔の手から愛娘を救う事が出来るのでしょうか?
そしてジャンは、無事本懐を遂げる事が出来るのでしょうか?


ジャンは変態です。
一目惚れならぬ、一嗅ぎ惚れした女性をつけまわし、後ろからこっそり匂いを嗅ぎまくるのですから、そりゃあもう堂々たる変態っぷりです。
しかしジャンは、恋も愛もいたわりも尊厳も何も知らない哀れな男でした。
その人生の判断基準は、全て匂い。
人間なんてものは、ジャンにとってはポプリみたいなものだったのかもしれません。
自分好みの匂いを収集しているだけで、なんの罪悪感も感じないジャン。
考えれば考えるほど、ジャンが不憫でなりません。

そして、そんなジャンに愛娘ローラを収集されてしまった父・リシ。
自分が眠る場所から壁一枚しか離れていない部屋で、娘は陵辱され、糸の切れた繰り人形の様にされてしまった。
捕らえられたジャンは当然の如く死刑に処されるでしょうが、その刑が執行されたところで、ローラが再び息吹を取り戻す事など無いのです。
リシは、尋問中のジャンに思いつく限りの侮蔑の言葉を浴びせかけ、ジャンの命を完璧に破壊する事を誓いますが、冷徹な言葉を口にすればするだけ、リシの心が虚しさで埋め尽くされて行く様で・・・。
考えれば考えるほど、リシが不憫でなりません。

この2人の不憫な男は、どちらも救いが無いように思えますが、実はラストでその立ち居地に大きな差がでる事に・・・。

究極の香水を完成させ、人々に至上の愛をもたらす事を可能にしたジャン。
しかしそれと同時に、自分は一片の愛の欠片も手にしていない事に気付いてしまう。
初めて嗅いだ理想の匂い。  それを身にまとう赤毛の彼女。
自分が彼女に感じたもの・・・ あれが愛だったのか・・・?

自分が夢中になって追い求め、やっと手に入れたと思った「匂い」は、あの彼女の匂いとは似ても似つかぬシロモノだったのだと、ジャンは気付いてしまったのではないでしょうか。
自分にとって、全く無意味になってしまったグロテスクな香水。
ジャンはその葬るべき場所を自らに見出す事で、人々に祝福され、感謝され、骨まで愛され・・・。
彼の最期は、もしかしたら幸せな最期だったのかもしれません。

それに引き換え、リシ。
娘を奪った憎き犯人は、謎の媚薬で民衆を操り、死刑を逃れようとしています。
根性で理性を保ちつつ、犯人に引導を渡すべく近づくとアラ不思議だわなんだかいい気持。
あれだけ復讐を誓った犯人が、とてつもなくいい男に見えてきました。
これはもう、息子にしたいランクナンバー1!
イヤむしろ抱いて! オレを抱いて!

と、ありったけの憎しみが愛情に変わるのを、なす術なく受容するばかり・・・。
と言う訳で、どこまでも救いが無かったリシが、本作の不憫大賞を堂々ゲットです。(いらないですか?そんな賞)

ちなみにリシを演じるはアラン・リックマン。
どのシーンのどの表情も、すべて素晴らしい。
「アラン・リックマンにハズレなし」伝説に、また新たな1ページが刻まれた事は言うまでもありません。

キャストも音楽も映像もなにもかも素晴らしい、最高に哀しく美しい物語だったと思います。
     ♪♪どちらのバナーでもどうぞご遠慮なく♪♪ →   にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

Trackback
わたしの嗅覚、犬並み{/kaminari/} ナンテいつも豪語?してたけど、犬の嗅覚は人間の1億倍!なんだってー。 猫は人間の10倍らしいから猫並みにしておこ☆ でも鼻が良くてもいいことなんてほとんどない{/kaminari/}(笑) 自分のつけた香水が、ほんのりいつまでも香って
「パフューム ある人殺しの物語」についてのレビューをトラックバックで募集しています。 *出演:ベン・ウィショー、レイチェル・ハード=ウッド、アラン・リックマン、ダスティン・ホフマン、他 *監督:トム・ティクヴァ 感想・評価・批評 等、レビューを含む記事・ブロ
監督 トム・ティクヴァ 主演 ベン・ウィショー 2006年 ドイツ/フランス/スペイン映画 147分 サスペンス 採点★★★★ 嗅覚っていうのは視覚や聴覚よりも記憶に直結されているのか、旅先で撮った何十枚という写真を見るよりも、久々に開けた旅行バッグから香る僅かな残
処刑台で香水を振り撒くグルヌイユのシルエットがエスパー伊東に見えたのは私だけであろうか・・・

※当ブログで使用しているイラスト等の著作権は、全てはアガサにありますので、転載、二次加工、再配布の際は一言ご連絡下さいませ。