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『ベニーズ・ビデオ』

2007年10月13日
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Q.何故少女を殺したのか?

ハネケ祭り第2弾 『ベニーズ・ゲーム』 です。
第3弾があるかどうかは定かではありません・・○| ̄|_OTLorz.....。

あらすじ・・・
たそがれ中学生・ベニーが、たまたま出逢った少女を部屋に連れ込み、何となく殺害。
その事実を知ったベニーの両親は、死体を闇に葬る事を決意。
母とベニーを海外に旅立たせ、残った父が死体を解体処理。
見事に完全犯罪成立! ・・と思っていた両親でしたが、思わぬ所に裏切り者がいた! それはベニー!!

お前・・何故・・?
・・無事やり過ごせるハズだったのに・・?


一家の行く末・・それは全てベニーの匙加減一つ。
判断理由は 「それやったらどんなかなぁ・・」 と思ったから。


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先日の 『ファニー・ゲーム』 に引き続き、ミヒャエル・ハネケ監督の初期作品にレッツチャレンジ!

映画は、とある農家での豚の屠殺シーンで幕を開けます。
末期の叫びを上げ続けるブタさん。
無情に額に当てられた屠殺用の銃。
大きな爆発音と共に、四肢が死後の痙攣を繰り返す。
このシーン、実際の屠殺映像を使っているので、観客は不快感のどん底です。

いきなり冒頭から、人の神経逆撫でしまくるこの映像とは・・・!

さすがは不愉快帝王・ハネケさん!

ハネケは最初からクライマックスだぜ!!

ただし、その後ブタさんを捌くトコまでは見せない辺りに、ハネケさんの良心を感じました。
これギャスパー・ノエだったら、絶対最後までノーカットで映しきってますよ。
アイツはそれくらいやる人間です。

鬼畜帝王・ノエさんの話題はさておき、『ベニーズ・ビデオ』

無表情・無感動・無興奮、と、何の感情の起伏もないベニー少年は、モニターに映し出された映像に囲まれて暮しています。
テレビ局によって編集された「現実の」ニュース。
固定されたファインダーで区切られた中だけの「実際の」風景。
それはホンモノのようで、実は虚構の世界でしかなく、そんな中にどっぷり使って生きているベニー少年もまた、リアルな物など何も持たない、カラッポな人間に思えてなりません。

で、そんなカラッポなベニー少年は「ただなんとなく」行きずりの少女に銃を向け、「どんな感じかなぁ・・」と思って引き金を引いた。
しかし、予想外に人間と言うのは死なない生き物で、「ブタは一発で死んでたのになぁ」と多少焦りつつも、泣き叫ぶ少女を黙らせる為にベニー少年は何度も引き金を引くのです。

なんなのでしょうか。
この空虚さは、一体なんなのでしょうか。
人が一人死んでいると言うのに・・・。


恐ろしいほどの無感情で支配されたベニーの部屋。

“魔が差した” とよく聞きますが、まさにこの瞬間ベニー少年は悪魔そのものだったのでしょう。
無表情の、まだ面影に幼さを残す悪魔。

そんな悪魔な子供の親の顔が見てみたい! と思っていたら、ベニー少年の両親もやっぱり魔が差した様で、被害者の事より加害者の将来(もしくは保身)を最重要課題として家族会議を徴集です。

この親にしてこの子あり なのか・・・?
はたまた、人とは極限状態においては、悪魔になり得る生き物なのか・・?

小銭程度の金額の為、躊躇無く人を殺す人間。
正義の名を振りかざして、ゴミの様に人を始末する人間。
憎かった訳でも必要に迫られた訳でもないけど、ただ何となく煽られたから銃を撃ったベニーが、その行為に正義も悪も感じていない事が何より恐ろしい。
ついでに、息子が陥っている(無感情と言う)地獄に正面から向き合おうとせず、表面上を取り繕う事だけに一生懸命なベニ父も何気に恐ろしい。

唯一、家族の中で壊れた様な笑顔を見せ、自分たちが為した非道な行為に慟哭するベニ母の姿だけに、少し救われた様な気持ちになりました。

こりゃ更正出来るのベニ母だけだな・・きっと。

と言う訳で、ハネケ祭り第2弾 『ベニーズ・ビデオ』 は派手な展開も惨たらしい死体も何も無いものの、心底リアルな「ある殺人」を描いた、ある意味 『ファニー・ゲーム』 より数倍恐ろしい“どん底映画”だったのでした。
本当は 『隠された記憶』 もチャレンジしたかったのですが、若干心が折れてしまいましたので、またの機会に・・と言う事で。

ヘタレでスンマセン。・゚・(*ノД`*)・゚・。
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