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『パラダイム』

2007年06月24日
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「もしも僕がレンタル屋の店員だったら」

もしも僕がレンタル屋の店員だったなら、『パラダイム』をどこに置こう。
オカルトだろう、と君は言うだろう。
SFだろう、とあなたは言うだろう。
でも、僕は思うのです。
そもそも“パラダイム”って何なのさ?
( → ある時代や分野において支配的規範となる「物の見方や捉え方」の事。・・・三省堂辞書サイトより)


調べてみたら余計ややこしい事にーー!!

と言う訳で、今回は詩的に始めてみましたが、やはり若干無理があったようですので(若干なのか?)、ここからは通常モードでお送りしますね。

ちなみに、我が家の近所のレンタル屋では、ホラー棚に置かれていました。『パラダイム』。
何のひねりもありませんですわい。

あらすじ・・・
宇宙の片隅から、はるばる届いた “超新星の爆発による光線” が、長きに渡る悪魔の封印を解いてしまうかもヨ!!

その予兆に気付いた神父は、近所の大学の先生に協力を要請。
先生は自分ひとりでやるのもなんなので、生徒に協力を要請。
かくして、“先生と生徒と神父”と言う凄まじい「寄せ集め」感を放つ専門家集団が、悪魔が封印されているらしい容器を見張る為、古びた教会に篭る事に。

裏事情(悪魔うんぬんかんぬん)は一切知らされていなかった生徒たちでしたが、容器について色々調べるうちに、ただならぬ雰囲気を察知して行きます。
そしてどこからともなく集まり、教会を包囲し始める浮浪者の群れ。
その間も、緑色した悪魔液が満たされた容器は不思議な周波を発し、ついにはたまたま近くで見ていた生徒の一人に、容器から飛んできた悪魔液が吹き付けられてしまいました。

悪魔液を口に吹き付けられた“生徒その1”さんは、そのまま悪魔チックなモノに憑依され、今度は次々と仲間の生徒たちに、口から悪魔液を発射して行きます。
悪魔液のマウストゥマウスで、悪魔の手先となった“生徒その2”と“生徒その3”は、腕にアンチクライスト的な痣を持つ“生徒その4”を拘束し、悪魔液を容器からダイレクトに“生徒その4”の口に注入。
お腹がタップンタップンになった“生徒その4”は、悪魔液を消化して、見事悪魔の化身へと変身するのでした。

そんな“チーム・悪魔”の精力的な活躍を尻目に、先生&生徒&神父で構成された“チーム・民間人”はなす術もなく、ひたすら、悪魔液を噴射されないよう別室に隠れるばかり。
しかし、悪魔の化身となった“生徒その4”を目の前に、ついに“チーム・民間人”は捨て身の反撃に転じ、鏡を使って悪魔の本体を呼び出そうとしていた“生徒その4”を鏡の中に突き飛ばし、見事悪魔の本体復活を阻止するのでした。


さあ、どうですか?!
内容、判りましたか?!
判りませんか?!

正直、私も書いてみてよく判らなくなって来ましたよ!


まぁ要するに、
“悪魔”は緑色の液体で出来ている
と言う事ですね。 きっと。

で、この液が事あるごとに「ウォシュレット並の威力」でブシューッと飛んできて、生徒たちの口に直撃。
飲み込んでしまった生徒は、とりあえず“手下”になります。
しかし、一人だけ何を基準に選ばれたのかは判りませんが、悪魔液を「消防車の放水並の威力」でザバザバと注入された生徒さんは、液の量が多かったからなのか、“手下”よりランクアップの“化身”デビューです。

ただし、“化身”とは言っても別段変わった悪魔パワーを手に入れる訳ではなく、その役目は鏡の中の世界に封印されている“悪魔の本体”を、鏡のコチラ側に引っ張り出す事のみだったりします。
それどころか、他の“手下”クラスたちはナチュラルメイクで若干ゾンビっぽい歩き方になっているだけの変化だったのに対して、“化身”と言うだけで製作スタッフ総動員の本気メイクを施され、誰が演じているのかも判らない程のエグみを帯びた変わり様。

土台になっていた女優さんには、「お気の毒」としか言い様が無いですね。

古今東西、ハイウッドでは多くの“悪魔モノ”が作られてきました。
基本・キリスト教の国家ですので、基本・仏教(&神道)の日本では「あまりピンと来ない」の一言で片付けられる事が多いのですが、実は一番「ピンと来ない」のは、その肝心の“悪魔的なモノ”が、ちっとも怖そうでない、と言う点なのではないでしょうか。

アガサが最近観た中でも、 『リーピング』 という世紀末イナゴ少女伝説が、
「もうじき悪魔の生まれ変わりが現れますぜ」
と言う、まさに“悪魔モノ”の基本形だったのですが、明らかになった悪魔の使途たちが何をしていたのかと言うと、ちっさい村で細々と黒魔術パーティをしていた程度で、国家を揺るがすには程遠いスケールのお話でした。
“悪魔モノ”の古典ともいえる『オーメン』にしてみても、結局の所悪魔の子が就任できたのは一企業の社長レベル。
商売ガタキを抹殺したり、気に入らない奴を殺したりと、悪魔の子と言うよりはただのあくどい経営者でした。

前々から思っていたのですが、そもそも悪魔がこの世を支配したがっていたとして、その最終目的は何なのでしょう。

悪魔がこの世を支配したところで、
「ヌハハハ! 地上のお金は全部俺様のモノだー!」
とか
「ヌハハハ! 地上のマブイ女たちは皆俺様のモノだー!」
とか
「ヌハハハ! 地上の高級食材は全部俺様のモノだー!!」
とか、スケールちっちぇ感が否めない内容にしかならない様な気がしてならないのですが。

そしてきっと、この手の映画を作る人も同じどん詰まりに行き着くのでしょう。
因って、映画の中の悪魔はたいがい何処かの小さい町に現れ、町民をパニックに落とし込もうとして、神の僕の返り討ちに遭う、と。
残念ですが、悪魔くんにはそれくらいの道しか残されていないんですよね。
で、別パターンとしては、悪魔そのものを復活させようとする信者たちが、復活の段取りを踏んでみるが、結局神の僕の返り討ちに遭う、と。

たまーに神の僕を出し抜いて、まんまと逃げおおせるパターンもありますが、きっとその後見事復活出来た悪魔くんも、とんとん拍子に行ってもせいぜい会社の社長程度でしょうし。

・・・悪魔・・恐るるに足らず・・!(仏教徒ならではの暴言)

で、本編に話を戻しますと、こってり手間を掛けて、やっとこさ復活のめどが立った悪魔くんですが、未来から来たタイムパトロールの活躍によって、復活の先延ばしを余儀なくされてしまいます。

そうそう、未来から・・・

・・・未来から?

ここまで来てエスエフ転向か!!
Σ(゚Д゚;)


やるなぁ、カーペンター。
伊達に、主役が大学生の設定なのにどこかの中間管理職にしか見えないだけの事はあるなぁ。(そこはあんまり関係ない)
脇役が、見事に見分けが付かない無個性派俳優ぞろいだったのも、SFの伏線だったのか。(そこも多分違う)
物語のキーパーソンである大学教授が、物理学者のはずなのに「科学なんてあてにならん」と支離滅裂な講義を行っていたのも、SFの伏線だったのか。(そこはそうかもしれない)

しかし、散々オカルト方向で「憑依」だの「怪奇現象」だのとやってきた揚句にタイムワープを差し出された日にゃあ、さすがのアガサもひっくり返りましたねぇ。
そう来たか! と膝を叩きたくなりました。
で、その唐突とも言えるSF要素が実に違和感無く物語と合致して、一気に純愛ストーリーになだれ込むと言う怒涛の展開。

キライじゃない・・・
キライじゃないよ・・・! ちょっとビックリしたけどネ!!


純粋にホラーを求めて鑑賞されたら、この展開は納得行かないかもしれませんが、よっしゃ!“ジョン・カーペンター作品”を観るぞ!と言う意気込みのもと鑑賞すれば、何ら問題ない結末かと思われます。
むしろ、「やっぱなぁ・・。一筋縄で行く筈ないと思ったよ。」と大いに納得できる、和洋折衷な結末なのではないでしょうか。

もしもアガサがレンタル屋の店員だったなら。
まずは「ホラー」と「SF」の間に、「ジョン・カーペンター」というジャンルを設置する事から始めたいと思います。
それでいいじゃない・・・。
・・いいじゃない・・・それで・・・。
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