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『ゾディアック』

2007年06月20日
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↑ 真ん中のメガネは佐藤蛾次郎ではありませんのでそこんトコ4649!

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こんにちは。
劇場で映画を鑑賞出来るなんて、月に一度くらいあれば御の字でさぁ!
・・・でお馴染み、アガサでございます。
ところがどっこい今月は世帯主さまのご厚意により、先日の『300』に引き続きデヴィッド・フィンチャー最新作 『ゾディアック』 までも、劇場鑑賞する事が出来ました。

世帯主さま、ありがとう!
あなたのサポート無しでは、『すきなものだけでいいです』は成り立ちません!!
ついでに父の日、おめでとう!!
(ついでなのか。しかもだいぶ過ぎてるし)

と言う事で、胸を躍らせながら劇場に向かったアガサ。
なにせ 『セブン』 『ファイト・クラブ』 の、デヴィッド・フィンチャー最新作。
しかも実際にあった未解決事件をベースに作られたとあっちゃぁ、期待するなと言う方が無理と言うモノ。
高揚のあまり早めにロビーに着いてしまったので、この夏の大ヒット確定作品 『ハリポタと愉快ななまかたち』 のポスターをしげしげと眺めながら、
しかしいつ見てもヴォルデモート卿の鼻は、なんかこう・・・アレだなぁ・・
などと心を痛めつつ、空き時間潰しに勤しんだアガサ。
お陰で楽しいひとときを過ごす事が出来ました。
ありがとう、メガネと赤毛とガリ勉とサルとブタとカッパさん。
でも、多分、本編を観る事はないだろうけどネ!(特にサルの方)

そんなこんなで『ゾディアック』あらすじ・・・
それは突然始まりました。
独立記念日の花火が鳴り響く中、マイクとダーリーンと言う訳ありカップルが、何者かの銃撃に遭い、ダーリーンは死亡、マイクも重症を負うという事件が発生。
その直後、新聞社に送りつけられた手紙には、犯人と思しき人物からの不敵な挑戦状が・・・。

オレはゾディアック。
人を殺すのって、とってもクール。
何よりイカスのは、殺したオレが死後天国に行ったら、殺された人間を奴隷に出来ちゃうってトコ。
ちなみにゾディアックはペンネーム。
本名を教えたら、おまいらに死後の奴隷作りを邪魔されちゃうから、絶対に教えないんだぜ。
(※アガサの超訳による)

人殺しの分際で、天国行きを高らかに宣言。
そして「死後の奴隷」って・・・。 なんすかそれ?
アホなのか賢いのかよく判らない、しかし高レベルの毒電波を痛いほど感じるこの手紙に、新聞社で風刺漫画を担当していたグレイスミスは異様に惹きつけられてしまいます。
しかし、所詮はイラスト担当者。
ゾディアック事件の取材に深く関わる事も無く、新聞やテレビの報道に噛り付くのが精一杯だったのでした。

そんなグレイスミスをウザイ奴呼ばわりしつつ、その情熱を評価していた敏腕記者のエイブリーもまた、ゾディアック事件に首までどっぷり浸かっていました。
しかし、思うように進展しない事件とハンパない量の仕事に追われ、徐々にアルコールの量が増えてゆくエイブリー。

そんなエイブリーと旧知の中の腕利き刑事・トースキーは、ゾディアックが犯したであろう3件目の事件を担当した事から、本格的にゾディアック事件を先頭切って捜査する事に。
しかしこれまた、使えそうな証拠も証言も無く、地元警察署との連携も上手くいかず、捜査は足踏み状態。

3人は一様に事件を追い、真犯人を突き止めようと試みるのですが、その熱意は裏目に出たり、自身を追い込んだり、家庭不和に繋がったりと、個々の人生を狂わしてゆく事になるのでした・・・。

そして、人生の転落を踏みしめながらも地道に調査を続けていたグレイスミスが辿り着いた真犯人とは・・・。


人はなぜこんなにも、“殺人事件”に惹かれるのでしょうか。

きっとそれは、その(殺人と言う)行為につきまとう、圧倒的な「なんで??」を解消したいからなのではないかと、アガサは思います。

「なんでこんな惨い事を?」
「なんでこんな無情な事を?」
「一体、どんな育ち方をしたの?」
その事件がより悪質で、残酷であればあるほど、私たちは事件の真相を、事件の動悸を、事件の背景を知りたいと思います。

しかし、きっとそんな経緯から作られたであろう『ハンニバル・ライジング』が、蓋を開けてみればただの“青春カニバリズム物語”だった為に観客をガッカリさせた事でも判るのですが、きっとどんなに奇抜な生い立ちや陰惨な背景を見せられたところで、観ている私たちが「なーるほど、そんな過去があったんなら仕方ないか」と、ガッテンボタンを連射したくなる様な事にはならないと思うのです。

よく犯罪者の生い立ちとして「幼少期の虐待」とか「親の愛情の欠如」とかが聞こえて来ますが、そういった不幸な成長期を越えてきた人たちが全て殺人鬼になる訳では、もちろんありません。
最近の少年犯罪の傾向としては、「発達障害」と言う単語もよく聞かれますが、これもまたそういう子供たちがみんな危険な行動を起こしている訳でもありません。
結局、快楽殺人を犯すような人間は、決定的に私たちとは違う頭の作りをしているのではないでしょうか。
身も蓋も無い言い方をするならば、「き○がいなんだもん!」という事です。

ハンニバル・レクターが、気付いた時には人肉大好きっ子だったように(まぁあれはフィクションですが)、快楽殺人鬼も気付いた時には人を殺したくてウズウズしているのではないでしょうか。
動機は「殺したかったから」。
私達には納得できない理由が、きっと彼らにとっては真実なのです。

犯人と言うものが捕まれば、殺人事件の背景や、生い立ちや、動機を知る事は出来るでしょう。
でも、知る事は出来ても、絶対に理解は出来ないのです。
それが、殺人事件の一番恐ろしいトコロなのだと思います。

さて、この作品に話を戻しましょうか。(ここまで前置き。ギャフン!)

やはり実際の事件を元にしているだけに、さすがに最後まで真犯人が断定される事はありません。
「限りなくブラックに近いグレー」
と言う容疑者を、殆ど犯人扱いでクローズアップしていますが、それももちろんあくまで仮定。
仮定なので、一応他にも怪しさ満点の容疑者を数人登場させて、作品の緊張感を高めてくれていますが、製作者陣の視線はその「ダークグレーの容疑者」にズバっと定められています。
従って、「その他の容疑者」のくだりは若干中途半端な終わり方のようにも見えますので、もしかするとそれがモヤモヤしてヤダ!と言う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、そのモヤモヤこそが、事件を追っていたグレイスミス、エイブリー、トースキーたちが味わい、抜け出せなくなっていたモヤモヤであり、本編を観ながら「こいつが怪しい」「あいつが臭い」と堂々巡りをしていた観客の状況こそが、事件当時の主人公たちそのものだった、と言う見事な深淵作り。

あっぱれです。
おいらもう、フィンチャーに完敗です。


同じ様な連続殺人モノという事で、 『セブン』 な感じを予想して観に行かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、この作品には『セブン』のようなスタイリッシュなカメラワークも、スタイリッシュなオープニングタイトルもスタイリッシュな美形俳優も登場しません。
疲れが蔓延していそうな濃い顔がうじゃうじゃと出てきては、「あーだこーだ」と右往左往するばかり。
しかし、スタイリッシュと言うよりは地味すぎる画面に映し出される男たちの迷走や苦悩は、いつしか観客を釘付けにし、その深い闇に引き釣り込んでしまう事でしょう。
そして映画を観終わった時、明らかなっていないこの事件の真相に思いを馳せる自分に気付いた時、そこはもう、ゾディアック事件と言う深淵の入り口なのかもしれません。

・・・言いすぎですか?
と言うか、アガサはすでにバッチリ(深淵に)片足突っ込んでいる感がありますが、何か?

『エターナル・サンシャイン』のメガネ男子役で、アガサのハートをキャッチしたマーク・ラファロが、同一人物とは思えない程おっさん臭くて、役者としての力量を存分に見せ付けてくれたり、
これまたアガサが高校時代首ったけだったロバート・ダウニー・Jrが、目力120%アップで「酒に溺れる元有能記者」を熱演していて、このパートだけノンフィクションなんじゃないかと思うほどの、まさにネイティヴな呑んだくれ状態だったり、 
主役のジェイク・ギレンホールが、今や鉄板とも言える「ネクラで真面目な青年」役を、ここでも説得力ばっちりに演じていたのですが、『ブロークバック・・』の時と同じ様な“ネルシャツ姿”“小鹿のような濡れた瞳”でしたので、いつロバート・ダウニー・Jrを口説き倒すのかとドキドキ出来る特典つきで、そちらの(どちらの?)方面の方々にも満足いただける仕上がりとなっていた本作。

ちなみにグロ映像は無いのですが、唯一カップルがナイフで襲われるシーンでは、こんかぎりリアルなメッタ刺しが映りますので、そういうのが苦手な方にはかなりキツイかもしれません。
そういうのがちゃんちゃら平気なアガサも、余りにリアルな痛みと恐怖を感じてしまった程ですので

フィンチャーの今までの作品とは一線を画すテイストで、やっとこの人のホンキを観れたような気がしました。
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Kの文字が怪しいだって?それについてはコッシーに聞け。K・O・S・S・Yだ!
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監督 デヴィッド・フィンチャー 主演 ジェイク・ギレンホール 2006年 アメリカ映画 157分 サスペンス 採点★★★★ 次から次へと湧き出てくる怒りと欲望がその凶行へと導いてしまっている分だけ、ある日突然「やーめた!明日からは真人間にでもなろーっと」とはならない連
デビッド・フィンチャーはお好きですか?彼の監督作としては「パニック・ルーム」(02)以来です。「セブン」「ゲーム」「ファイトクラブ」で私はフィンチャーさんの虜になりました。待ちに待った本作

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