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『リトル・ミス・サンシャイン』

2007年06月18日
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ご褒美なんて無くても、人生はきっと素晴らしい。

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思えば去年の年末。
我が街のミニシアターで、ほんの少しの間だけ上映されていた 『リトル・ミス・サンシャイン』 。
黄色いバスに飛び乗ろうとしている、老若男女が印象的なそのポスターに心惹かれたものの、結局観逃してしまったアガサ。

・・・観に行っときゃあ良かったな・・・這ってでも。

その後、その作品(『リトル・・・』)はアカデミー賞作品賞候補にその名を連ねる事になるのですが、惜しくも受賞の名誉は逃してしまいました。
しかし、そのノミネート5本のうちのどの作品よりも、きっといつまでもアガサの心に残る作品になる事と思います
・・・あ゛ぁ、やっぱり観に行っとけば (以下略)

あらすじ・・・
“勝ち組”である事にこだわる“負け組”の父・リチャードと、
ストレス飽和状態で禁煙からは程遠い母・シェリルと、
ドラッグとエロスに無しでは生きて行かれない祖父と、
“家族である事”をボイコットして声を封印した長男・ドゥウェインと、
ミスコン優勝を目指すリトル・ミス・メタボリックな妹・オリーヴと、
恋人と名声を一度に失って世を儚んでいる叔父・フランク。

互いに想い合ってはいたものの、心はバラバラだった5人は、ミスコンの州大会の出場権を勝ち得たオリーヴの為、アリゾナからカルフォルニアまでを車で旅する事になり、その道中に遭遇する様々な出来事から、“家族”や“人生”について改めて見つめ直す事に・・・。


アメリカという国は、私の予想以上に恐ろしい国でしたヨ!
まだ年端もいかない少女たちに様々なコスプレをさせて、色気を売らせて、それで優劣をつけようってんですから。
そのくせ、小児愛がらみの犯罪は山盛りてんこ盛り状態のアメリカ。
・・・ホント、鬼畜の国ですね!

しかし実は、女という生き物自体が、自分の美(や虚栄心)を満たしたいと言う衝動を抱えているのもコレ事実。
需要(見たい)と供給(見せたい)が一致している限り、ミスコンは輝き続けるのでしょうが、子供となるとやはり話は別のような気も・・・。

自発的に「あたちってキレイでちょ」とお鼻ニョキニョキ女になる事は考えにくく、それよりは親の虚栄心や断念した夢が子に伝染して、いつしかそれが子供の心に刷り込まれる方が多いのではないでしょうか。
この作品の小太り少女・オリーブちゃんも、ミスコンで頂点に輝く事が一大命題となっているようなのですが、その情熱は自然に湧いたモノではなく、父・リチャードの「勝ち組じゃなきゃダメなのさ絶対」と言う洗脳に因るものなのではないかと思います。

で、そんなリチャードはと言うと、営業でも「勝ち組ノウハウ」を売り歩き、そのHow-to本の出版で一山当てる気マンマンなのですが、実際は出版社の担当者からは煙たがられ、本の出版は風前の灯火。
そりゃそうですよねぇ。
「勝ち組説」を唱えているリチャードそのものが、思いっきり負け組の顔をしていますから。

オクレ兄さんに「マッチョになる方法、教えたろかぁ?」と言われるのと同じ位、説得力ゼロです。

リチャードが“負け組”を必要以上に否定するのは、実は自分自身が“負け組”である事に気付いているからなのでしょう。
気付いているから、その事実は余計に認められない。
従って、彼は全力で全否定します。
“負け組”と言う物を。

しかし、リチャードは結局、本の出版が不可能だと言う事実をガツーンと宣告され、自分が“負け組”だと言う事実も受け入れざるを得なくなります。
そして受け入れられた事で、初めて真実に辿り着くのです。
人生には“勝ち”も“負け”も無いのだ、と言う事に・・・。

本作の登場人物たちは、リチャードに限らずみんな“隠れ負け組”です。(いや、隠れてないか)
で、みんな“隠していたつもり”だったイケてない現実に、頭をガツーンと(おじいちゃんに至っては心臓をガツーンと)やられる事で、傷付きながらも前向きに生きてゆく力に気付くのです。

自分は何の為に生きているのか?

こんな人生に、何の意味があるというのか?

そんな風に思った事が無い人なんて居ないハズ。
でも、その答えを見つけられる人もまた、そんなには居ないハズ。

何かの称号を勝ち得たいから、
何らかの評価を受けたいから
“成功”と言う2文字のその先には、誰もが羨むご褒美がきっと待ち受けているから。
そんな答えもあるかもしれません。
しかし多くの人は、目的は無くても、目標も無くても、今、生きているから、この先も可能な限り生きて行くのではないかと思います。

リチャード率いるフーバー家の面々も、「ベストセラー作家の地位」「プルースト研究家全米一の称号」「マブイ女抱き放題の野望」「空軍パイロットの栄光」「ミスコンでの完全勝利」と言う目標をこっぱ微塵に打ち砕かれてしまい、その先の人生に華やかな成功やセレブな生活が待ち受けているとは思えません。

ただなんとなく続いて行くだけの人生。
“勝ち”も“負け”もない人生。
しかしそこに、少しの笑顔や涙や思いやりが散りばめられれば、とても幸せな人生になるのではないかと思うのです。
大きなご褒美が無くても、人生はきっと素晴らしい。
そんな風に励まされたような気がします。

オンボロバスを力強く押す一家の姿がいつまでも胸に残る、心の栄養剤のような作品でした。

さあ、明日からも人生を前向きに頑張るぞ!
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アイスクリーム、ユースクリーム、好きさ~

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