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『アメリ』

2007年04月17日
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※ 美容院でアメリになる筈が、板倉亮子マルサの女)や片桐はいりになってしまう、と言う罠。


夢みる乙女の、胸キュンラブストーリー 『アメリ』 でございます。

公開時には世界中の恋する乙女がアメリに憧れ、街中のカフェはそんな乙女達がクリームブリュレの表面をスプーンでコンコンする姿で溢れかえったと言う・・。

そんな都市伝説を持つ、 『アメリ』 でございますよ。(都市伝説じゃないか)

『ロスト・チルドレン』が大好きなアガサにとって、ジャン=ピエール・ジュネ監督の大ヒット作『アメリ』は、取るものも取り敢えず鑑賞していた筈の作品でした。
それが、今日に至るまで避けて通っていたと言う。
一体何故か?

簡潔に言うと、天邪鬼だからなのです。
以上です。
余りに大ヒットして、余りに雑誌でも特集されて、余りに「恋する女の子必見」みたいなノリになっていると、逆にテコでも観たくなくなるのが女心と言うもの。
・・言わないですか?

そんなアガサの呪われたサガの為、長らく未見だった『アメリ』を、この度やっと鑑賞しましたので、今回は万感の想いを込めてレビューをお送りしたいと思います。

あらすじ・・・
幼い頃から、両親の愛を受けずに育ったアメリ。
飛び降り自殺者に激突された母が即死してからは、一層陰気になった父親とひきこもり生活を余儀なくされていたアメリ。
その唯一の娯楽は、ムカつく隣人にちょっとした嫌がらせをする事と、空想の世界に羽ばたく事。
そんなアメリも成長し、今はモンマルトルのカフェでバイトをしながら、一人暮らしを満喫していました。
満喫とは言っても、相変わらず半ひきこもりで、空想だけがオトモダチ状態だったアメリ。
しかしある日、自室の壁の中から偶然見つけた、40年前の住人の持ち物を何とか本人に渡し、その本人の幸せそうな笑顔を見た事から、現実の人生と触れ合おうと言う気持ちが芽生え始めます。

自分の周りのチョッピリ不幸せな人々に仕掛けを施し、その結果として皆がチョッピリ幸せになれるよう手配したのです。

そして、みんなが微妙に笑顔になって行く中、アメリが出会った一人の男性。
それは初めての恋であり、運命の恋だったのです・・。

果たしてアメリの元にも、小さな幸せは訪れるのでしょうか・・?


変質者の魂を、オシャレなファッションと小粋なフランス雑貨に包み込み、
妄想特急アメリ、ここに見参!!


これはかなりギリギリの所で踏み止まっているようですが、なかなかどうして結構な変質者ですぞ。
どれだけクリームブリュレや小洒落たフレンチファッションを纏おうと、このアガサの眼は誤魔化せぬわい!!

アメリが周りの人々に仕掛ける内容はと言うと、
あの八百屋の店長は、いつも店員をバカ扱いしてムカツクから、家のスリッパを小さいサイズに入れ替えてやろう。
あの体の弱い老人は、いつも部屋に篭りっきりだから、アメリ特別編集の「人生賛歌ビデオ」を送りつけちゃおう。
あの寂しい大家さんは、昔捨てられた夫の事を今でも引きずっているから、偽の手紙で励まそう。
あの元カノに付きまとうストーカー男には、新しい恋を与えるのが一番だから、ウチの店で彼氏の居なさそうなおばちゃんとくっつけちゃおう。

などなど。

つまり、不法侵入器物損壊文書偽造ストーカー幇助、などなどのプチ犯罪を何気なく散りばめながら、お節介を焼いてくれている訳ですね。
何人かはホントに有り難がっているので、まぁ良しとしますが、自宅を荒らされ放題の八百屋さんとか、知らないうちにストーカーと縁結びされていたカフェのおばちゃんとか、洒落にならないパターンもちらほら・・。
しかも、みんなには判らぬ様、コッソリやっているから更に悪質。

いいぞアメリ! 今、おれのハートにはビシビシ来ている・・!
お前の変質者っぷりがな!!(興奮の為、若干意味不明)

まぁ、これくらいを変質者とは呼ばないかもしれませんが、アメリがスタイリッシュなエビちゃん&もえちゃん的なアチラ側ではなく、あくまで奇人変人大集合的なコチラ側だと言う事は、まず間違いないと見ていいと思います。

そんな可愛げのある変人・アメリが、一目で運命の恋に落ちてしまう男性・ノニ。
これがまたガッチガチの変人で、勤務先はポルノグッズの専門店とお化け屋敷(骸骨役)で、趣味は証明写真集め。
人目もはばからずスピード写真の機械の下を探ったり、ゴミ箱を漁ったりしては、捨てられた見知らぬ誰かの証明写真を収集するニノ。
アメリがなぜ、こんな変質者変わり者を好きになったのかは判りませんが、とにかく何かがピーンと来たのでしょうね。

きっと類が友を呼んだんでしょう。
私に言えるのはそれだけです。

と言う訳で、プチ変人同士のアメリとノニの恋は、誰も間に入れない(入りたくない)相性バッチリの恋の筈だったのですが、いかんせんアメリもノニも「半ひきこもり」の「コミュニケーション能力不足」なものですから、必要以上に回りくどいやり方でしか、関係を進展させる事が出来ません。
暗号、尾行、除き見などを駆使してのデート大作戦は、まさにオシャレなゲームのようで、そのお茶目な仕掛けに夢見る乙女達はドキドキワクワクです。

やっぱりいつの時代も、恋と言う物には尾行が付き物なんですよね!!

・・私が言ったんじゃないですよ。
私の友達の友達が・・ (モゴモゴ)

映画全編を彩る、カラフルな装飾の数々。
アメリやカフェの店員さんが何気なく着こなす、華麗なるフレンチファッション。
雑誌から抜け出たようなセンス溢れるインテリアに、絵画のようなフランスの街並み。
そしてその上で繰り広げられる、不器用な男女の恋物語。
完璧なマーケティングの元に作られたような、女受け要素タップリの舞台装置を備えた『アメリ』が、世界中で大ヒットしたのは至極当然のように思います。

しかし一方、そのオシャレ地獄の裏側では、
「アメリの目の前で、教会から飛び降りた自殺者が母親に直撃」
したり、冒頭一発目のシーンが
「呑気に浮遊していたハチが無残に車に踏み潰されて車道にはらわたをぶちまける」
シーンだったりと、さりげないエゲツなさが散りばめられており、上辺の“キュートさ”と奥底の“ドス黒さ”のさじ加減がとても絶妙に仕上げてあり、さすがはジャン=ピエール・ジュネと言った感じです。

数ある胸キュンシーンの中でも、アガサの心拍数が一番ハネ上がったシーンは、“骸骨マスクを付けたノニとアメリの接近シーン”でした。
2人の距離感から、尋常でない色香がギュンギュン伝わって来る、映画史上に輝く名シーンだと思います
きっと、ジュネ監督も気合入りまくって撮ったに違いありません。
そうなんでしょ、ジュネ。素直におっしゃいよ。(←何様?)

それにしても、ここまで楽しい作品だとは思っていませんでしたので、観終わった時は自分の天邪鬼さを恨んでしまいました。
ただ、、もしもリアルタイムで鑑賞していたなら、人一倍成りきり体質のアガサですので、間違いなくその後の美容室で「アメリっぽく。」とリクエストしていたであろうと思いますので、少なくとも生涯2度目の“マルサ体験”を回避出来た事は嬉しい限りです。

※一度目・・「学園天国」の小泉今日子を目指した結果、板倉亮子調査官が誕生した。(アガサ20代前半当時)
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