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『過去のない男』

2007年03月31日
20070328153605.jpg  第55回カンヌ国際映画祭・グランプリ&女優賞受賞


なんだかここ最近、拷問だの流血だのばっかり観ているような気がして来ました。
心なしか、世帯主さまからの目線も以前に増して冷たくなって来た様な・・。

・・いいのか? 私。
・・・いいのか? 家庭崩壊。

・・い く な い ! !

そこでこの度、“アガサ更正プログラム”を発動する事を、閣議決定致しました。
流血より恋愛を!
グログロよりエロエロを!
(ちょっと違うか)

心暖まる癒しの映画で、春らしく装いも新たに生まれ変わった“新生アガサ”を、とくとご覧あれ!!

アガサ更正プログラム NO.1 『過去のない男』
あらすじ・・・
とある駅に降り立った、一人の男がおりました。
男は、ベンチで休んでいた所を暴漢に襲われ、一切の記憶を無くしてしまいます。
名無しの男に温かい手を差し伸べるのは、貧しくもつつましい生活を送る夜間労働者の家族。
周りの人々に助けられて、名無しの男は人並みの生活を送るように。

ある日男は、貧困層に食料の配給を行う“救世軍”の女性メンバー・イルマに、電撃的な一目ぼれをします。
恋の力で、男はどんどん行動的になり、周りの人々にまで影響を与えるような、生命力に満ち溢れた男性へと変身して行きます。
そして、イルマとの愛も日に日に深まって行くのでした・・・。
偶然巻き込まれた銀行強盗事件から、男の過去が蘇ってしまうまでは。

男はどこから来て、どこへ向かうはずだったのでしょうか・・?
イルマと男の恋は、無事成就するのでしょうか・・・?


過去のない男の過去が明らかになる時、そこには衝撃の真実が・・・
・・・・・・

・・・ない!!!


記憶を無くした男”、と言うと、“その過去はとってもドラマティック”である事が映画として欠かせないと思うのですが、そこはさすがはアキ・カウリスマキ作品。
記憶を失っている間と、取り戻す間の緊張感が、同じくらい皆無な所が素晴らしい。

登場人物の中の誰も、男の過去にこだわらない。
と言うか、みんな関心が無い。

と言う訳で、観ているコチラも当然興味が湧きません。
この作品は、ただの男が一人の女性に恋をして、人間的にどんどん自信を付けて行く、ただそれだけの物語なのです。
ただそれだけの物語が、とても可笑しく、とても切なく、とても温かい。

計算し尽くされた独特の“間”と、ゾロゾロ出てくる無表情な登場人物。
くすぐったいような、ささやかな笑いで、心がホッと和むのを感じます。

そして、主人公の男(推定年齢47歳)と、彼と恋に落ちるイルマ(推定年齢42歳)。

加齢臭カップル、ここに見参!!

恋を知らない行き遅れのおばちゃんと、お金も職も名前も無いダサイおっちゃん。
そんな2人は、お互いに意識しながらも愛を口にする事も出来ず、マゴマゴと戸惑うばかり。
「一緒に帰ろう」、その一言が言えなくて、マトモに目を合わせる事すら恥ずかしい団塊の世代。

ダサイですか? カッコ悪いですか?

でもそんな2人を観ているだけで、もうどうにもロマンティックが止まらないアガサ。

震えるぞハート!
燃えつきるほどヒート!!
(意味なし)

観ているコチラがテレビの前で一人テレテレモジモジしてしまう様な、不器用な行き遅れ達の真っ直ぐな恋物語。
月9の3倍はトキメクこと請け合いです。

ドラマティックな出来事も、大ドンデン返しも、当然ながらグログロも無い、クスっと笑えてジーンとする大人の御伽噺に、スプラッターで毒されたアガサの心が、少し癒されたようなそんな気がしています。

とても地味ですが、何だかとてもホッとするとてもステキな作品でした。







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