『日本沈没』
2007年02月07日

現実が、想像に追い付き追い越すこの世の中。
地球温暖化による水面上昇で、2100年頃には日本の海面も1メートル近く上昇している予定だそうですね。
そうなると、海岸線の町や港はあらかた水没してしまうじゃないですか!
えらいこっちゃ!!
と言うような内容を、うちの世帯主さまに訴えかけた所、
「一気に水没する訳じゃないんだから、防波堤を作っとけばいいじゃん」
と切れ味鋭いお答えを頂戴しました。
なぁるほどね!その手があったか!!
って・・・
いやいやご主人・・・ そうでなくて・・。
そんな、現実を少しだけオーバーにしたようなパニック大作、『日本沈没』をこの度鑑賞した訳なのですが、なんと言うか、非常に時間の流れが判り難い作品だったのですね。(←私だけでしょうか?)
そこで今回は、本作のあらすじを年表式に書いてみようと思います。
日本沈没年表・・
2050年 3月・・・静岡県沼津市で、大規模地震発生。
草なぎと柴咲コウ、出会う。
4月・・・米科学者が官僚に、「日本ハ後40年デ沈ンジャウヨ」と報告。
草なぎと柴咲コウ、再会する。
6月・・・政府が緊急時対策本部を設置。
トヨエツ、高知県足摺岬沖に出張。
7月・・・トヨエツ、北海道大雪山麓と日本海溝第一鹿島海山水深3803mにまで出張。
8月・・・トヨエツ、南太平洋クック諸島マンガイア島に海外出張。
10月・・・トヨエツのひらめきにより行われた、数々の調査の結果、日本列島は338日後に一気呵成に沈んで行くと言う事が判明。
沈没研究チーム“D-1”が発足。
トヨエツ、草なぎ、ミッチー、失業する。
11月・・・柴咲コウ、レスキュー訓練中に腕を負傷。
12月・・・中国に日本国民受け入れを要請する為、政府専用機で飛び立った総理大臣が、阿蘇山の噴火に巻き込まれ死亡。
熊本県が壊滅的状態になり、避難民続出。
草なぎ、ブラブラする。
2051年 1月・・・北海道で十勝岳が大噴火。
続いて四国でもどこだかの山から噴火。
日本中に被災者が溢れかえり、国外脱出組で空港大パニック。
京都と奈良では、お寺に収蔵されている国宝級の仏像をアメリカと中国に空輸する作業が、急ピッチで行われる。
副総理、国宝を携えてアメリカに脱出。
トヨエツ、日本沈没回避策(トヨエツ案)を、元妻である緊急対策本部長に伝授。
草なぎ、ブラブラする。
2月・・・トヨエツ案を実行する為、世界各国から集められた掘削船が、深海の海底に穴を開け始める。
草なぎ、ブラブラする。
柴咲コウの腕の傷が完治する。
イギリスの潜水会社からオファーがあった草なぎ、柴咲コウを誘い日本脱出を計るも、すげなく断られる。
九州・北海道が沈み、石川県でも被害が拡大。
草なぎ、ブラブラする。
国外脱出組に対する、諸外国からの風当たりが強くなり、中国や韓国ではなぜか日本国旗が焼かれる始末。
草なぎ、ブラブラする。
4月・・・東京にも大規模な地震が起き、緊急対策本部が移転される。
大阪・京都・奈良が沈没。
草なぎ、ブラブラする。
トヨエツ案が終盤に差し掛かり、すご腕(潜水艇)パイロットのミッチーが深海にN2爆弾を仕掛けに行くも、泥流に巻き込まれ死亡。N2は海底をコロコロ。
草なぎ、ついに立ち上がる。
N2を拾いに深海に潜った草なぎが、見事お役目を果たし、トヨエツ案は達成。日本は沈没を免れ、半沈没に止まる。
7月・・・臨時国会で、緊急対策本部長だったトヨエツの元嫁が総理大臣に就任。
9月・・・アメリカ・中国との“国宝返還論争”が難航。
12月・・・本格的な、避難民帰国ラッシュが始まる。
2052年 3月・・・被害の無かった福島県に、首都機能が移転される。
2054年 4月・・・分断された日本列島をつなぐ橋が、各地で続々と完成する。
2061年10月・・・橋作りに際して、大規模な不正入札が行われた事が、週間文春のスクープにより明らかになる。
2065年 2月・・・中国より、最後の国宝が返還される。
注1・・トヨエツ案とは《日本を引っ張って、沈めようとしている地層に多数の穴を開け、その穴に強力爆弾を仕掛けて爆発させる事で地層を分断させ、引っ張らせないようにする》と言う案。 そんなナイスな案があるんなら最初に言え

注2・・あくまでアガサ責任編集での年表ですので、原作での時間設定や本編での公式な時間設定とは異なる場合があります。
注3・・役名ではなく芸名での記載になっております。
注4・・本年表はフィクションであり、本編と関係ないエピソードもくっ付いていますが、深い意味はありません。
とまあ、このような映画でした。
年表を書くにあたり、公式HPにある“日本沈没災害経過”とやらを見てみましたら、冒頭の沼津市消滅からラストまでは、なんと(設定上)101日しか経ってなかったようですね。
本編を観た感じでは、絶対にありえないスピードだと思うのですが・・。
どれだけ災害起きとんじゃ!?って話ですよね。
まぁ、こんな映画(←失言)で辻褄合わせに本気になるのもなんですので、感想の方に移りたいと思います。
まず、「ショッパイ、ショッパイ、」と評判だったCGですが、邦画でこれなら上出来だったのではないかと思います。
少なくとも『ドラゴン・ヘッド』の20倍は、スペクタクルが感じられるのではないでしょうか。
CGはもういいんです・・。
それ以前の問題の方が、大変な事になっていますから・・。
とにかく、一言で言うとよくぞここまで、緊張感も盛り上がりも無く作れたものですね。
どこかで観た事あるような都市破壊の描写や、典型的な“使えない”官僚や、トヨエツの中途半端にエキセントリックな博士役や、やたらと挿入されるテロップの地名や、各キャラクターのエピソード集が、まとまり無くどんどこどんどこ続いて行くのですが、そのどれもが消化不良。
そして、そんな流れが停滞気味なストーリーの上に、大きな大根が2本ゴロゴロと転がって来ます。
例の無表情なあの人と、ヅカのあの人です。
若手女優の中では抜群の人気を誇り、若い女性の憧れの的(らしい)あの人ですが、私とはとことん相性が合わないようですね。
いえ、この際敵を作る覚悟でハッキリ言わして貰いますが、どう贔屓目に見ても演技力ないですよね?あの人・・。
この作品での彼女は自身にトラウマを抱えており、自分と重なる境遇の少女との交流や、初めて愛した男性との別れなど、とても繊細な演技を求められる役柄だと思います。
それなのに、彼女はと言うとやっぱり眼光鋭い無表情。
そして、もう一人のあの人に関しては、キャスティングの時点で大きな大きな?マークが浮かびます。
なんでこの人が・・? どういう経緯でこの人が・・?
裏で大きな力が働いていたとしか思えない、驚きのキャスティング。
こちらの方も、女性ながらに対策本部の指揮を任されるものの、その矢先にリーダー(総理)を失い、周りを占める男性閣僚には蔑まされ、困難な状況下で苦渋の決断を迫られると言う、これまた確かな演技力を求められる役柄。
なのになんですか? この自然度0%の台詞まわしは。
“失望してため息を漏らす”演技で、ホントに「はぁ~」と声を出してため息つくのを、私はコント以外で初めて観ましたよ。
こんな強力な2大クラッシャーを揃えるなんて・・・。
ある意味、火山弾より破壊力が高いと思います。
とまぁ、クラッシャー・コンビの活躍ばかり書いてしまいましたが、その他の役者さんはとてもステキな演技を魅せてくれていますので、総合的に見るとそんなに悪い映画ではなかった、と言うのがホントのところだったりします。
中でも、潜水艇の中で一人死と向き合う草なぎ毅が、柴咲コウとの最後の別れの際に服に付いた泥を、愛しそうに握り締めるシーンなどは思わず涙が零れそうになりました。(泣いて無いんかい)
情感溢れる、とてもいいシーンだと思います。
色々文句のつけどころも多い作品でしたが、実際の世界でも温暖化による水面上昇や気温上昇、異常気象など不安要素は山積みですし、“こういう話が決して絵空事で終わらない可能性”、と言うものを考えるきっかけにでもなれば、製作した意義もあろうってなモノなのではないでしょうか。
あとはなるべく早いうちに、全国の海岸線に沿って高めの防波堤を作る事を・・
って・・・ だから、そうでなくて・・・。
それと、大きなお世話ですが、日本に何かあった時に国宝を預けるとしたら、やっぱり大英博物館あたりが安全安心なのではないかと思います。
なんとなくですが・・。


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今のうちに海外移住計画を!会津でも大丈夫かも・・・
ネタ切れリメイクブームなのはハリウッドだけではないらしい。こちらは1973年のパニック映画ブーム真っ只中に公開された、小松左京原作、森谷司郎監督の「日本沈没」のリメイク。劇場映画の後、同名のテレビシリーズも作ら
「ちょっとちょっとおみゃあ~さん。この日本沈没って映画のポスター、たんとあるねぇ~」 「本当にねぇ~。北海道、東京、京都、大阪、九州・・・あれ?うちらの在所がないでいかんわ~」 「そりゃいかんがね。うちらの在所は日本の中心。名古屋飛ばしたらそらわや....
あの黒澤明監督が、女性を描くのがヘタというのは有名な話だが、特撮が女性の100倍好きだというオタク監督は、全く女性に興味がないんではないかというくらいの名シーンを描ききりました!!あの柴咲コウに「抱いて」と言わせといて(このセリフ自体もトンデモないが)、草
マリアナ海溝:マリアナ諸島の東側(サイパン島を含む)。世界でもっとも深いと言われているチャレンジャー海淵(かいえん)は深さ10,920(±10)m日本海溝:東北地方の沖合いを南北に連なっている。伊豆小笠原海溝:伊豆・小笠原両諸島の東にある。千島カムチャツカ海溝: