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『クリスティーン』

2007年02月04日
20070202224910.jpg  カッチャ~ウ!!  ・・と、言ったとか言わないとか・・。


ホラーの帝王スティーブン・キングのベストセラーを、男気溢れるSFアクションでお馴染みジョン・カーペンターが華麗に映画化!
アメ車と非モテの車オタクとの、せつなくも儚い恋物語です。
これはもう、アメ車界の『ロミオとジュリエット』と言っても過言では無いのではないでしょうか!!

・・と、このブログを何度も訪問して下さっている方なら、もう察しが付いていらっしゃるかも知れませんね。
先日の『カーズ』レビューは、この映画のレビューを書く為の 壮大な前フリに過ぎなかったのだ・・・!

ワ ハ ハ ハ ハ!!

・・・ごめんなさい。壮大は言い過ぎでした。

ホラー嗜好が強いこのブログで、ハッピーなファミリームービー(『カーズ』)のレビューだなんて・・・。
アガサらしくないわ・・・。
と、思って下さった方もおられるかもしれませんね。
でも実は、ハッピーな映画も好きだったりするアガサを、これからもよろしくお願い致します。

それはさて置き、車の知識が全くと言っていい程無い私には、クリスティーンとマックイーンは同じ車に観えてしまいました。
“車なのに人っぽい”という所も似ていますし・・。
どちらも赤い車ですし・・・。
だから、と言う訳では無いのですが、この『クリスティーン』は『裏カーズ』というか『成人向けカーズ』というか・・。
とにかく、ラセターさんの『カーズ』と、表裏一体のように感じたのです。(勿論ストーリーに全く共通点は無いですが)

『裏カーズ』あらすじ・・・
メガネ、運動オンチ、ガリガリ、と、いじめられっ子の条件を全てクリアしているような高校生・アーニー。
しかし、彼には一つだけ、他の誰にも負けないモノがあったのです。
それは車。
本物の女性には相手にしてもらえない(そもそも相手にして貰いたがっていない)アーニーは、決して自分を裏切らない無機物に情熱の全てを注いでいたのです。
昔、ちょっとした知り合いで、
「女は俺を裏切るが、馬は俺を裏切らない」
と言う理由で、失恋のショックを乗馬にぶつけていた非モテの男子がいましたが、アーニーの心理もそれに近いものなのでしょうか。
まぁ、その知り合いの失恋の元は“片思い”でしたので、裏切る裏切らない以前の話だと思うのですが・・。

ある日学校の帰り道で、ボロボロの'58年型プリマスに一目惚れをしたアーニーは、親友のデニスが止めるのも聞かず、有り金を全部はたいてそのポンコツを購入します。
そのポンコツをクリスティーンと名付けたアーニーは、昼夜を問わず彼女の整備に明け暮れました。
そんなある日、学校のフットボール大会に颯爽と現れたアーニーの傍らには、新車同然に光り輝くクリスティーンと、学校一の美女・リーの姿があったのでした。
その後も、周囲の困惑をよそに、順調に交際を続けるアーニーとリー。

しかし、そうなってくると面白くないのがクリスティーンだ。ゲンダイネット風

自分に愛を捧げてくれた筈のアーニーが、生身の女と付き合うなんて許せるはずも無いクリスティーンは、嫉妬からリーの命を狙い始めます。
車(クリスティーン)のシートから、ただ事ではない妖気を感じたリーは、アーニーに自分と車のどちらを取るのか詰め寄ります。
正直言って、本命は100%クリスティーンだったアーニーですが、さすがに今それを言うのはマズイと判断。
何とかその場を誤魔化す事に成功します。
しかしその直後、以前からアーニーをいじめていた不良グループが、車工場に停めていたクリスティーンを襲撃。
クリスティーンは再びボロボロの状態に・・。

打ちひしがれるアーニーを前に、心の中ではガッツポーズを取っていたに違いないリー。
しかし、邪魔者(クリスティーン)は抹殺されたのでは無く、むしろその逆。

極限の状況を分かち合ったアーニーとクリスティーンは、究極の愛に辿り着いたのでした。

今、二人の愛を邪魔するものたちに、愛のいかづちが振り落とされる・・。


かなり私視線でのあらすじとなっておりますが、本当はもっとデニスが活躍します。
と言うか、きっとデニスが主役です。

元々クリスティーンは気位の高い女で、自分を作ってくれた工場のおじさんにも感謝の念すら抱きません。
むしろ、見下しています。
退屈しのぎに、整備していたおじさんをボンネットで挟み打ちにしてみたり、たまたま車内にタバコの灰を落とした別のおじさんなどは、そのままお手打ちにしたりと、大奥総取締役も真っ青のやりたい放題。

そんな彼女は、最初のオーナーと恋に落ち、彼の家族を巻き込んで破滅的な愛を全うしたのですが、再び出会ってしまったんですよねぇ・・ 運命の人に。

有機物(人間)より無機物(車)。
3次元(生身)より2次元(印刷物)。

と言う、オタク道の極みのようなアーニーと出会った事で、クリスティーンは生涯最後の激しい恋に目覚めてしまったのです。

そして、アーニーもまた、絶世の美女・クリスティーンと出会った事で自分を磨き、自信も付け、立派なき●がいモテ男に成長してゆきます。

私がこの作品の中で一番心を打たれたのは、不良グループの手によってムチャクチャに破壊されたクリスティーンと、そんな彼女に優しい労わりの言葉をかけるアーニーのシーンです。
クリスティーンは、それまでもリーにねちねちとした嫌がらせなどはしていましたが、ハッキリとした超能力(超自然的な能力)は発揮していませんでした。
しかし、スクラップ同然にまで破壊された自分になお、変わらない愛情を与えてくれたアーニーを目の当たりにした事で、ついに彼女は自らの隠れた超能力を発揮させるのです。

潰されても立ち上がり、へこまされても元通り。
火だるまになっても走り続け、狙った獲物は絶対逃さない。
そんな、ゴルゴ13のような精度を誇るクリスティーン・・。
素敵過ぎます。

愛しいアーニーの前で、悩殺ダンス(自己修理)を披露するクリスティーン。
車とは言え、なんと官能的なんでしょう。
そして、そんな小悪魔的な可愛さ全開のクリスティーンに、うっとりと見とれるアーニー。

こんな相思相愛の二人に分け入ろうなんて、どう考えてもリーの方が分が悪いでしょう。

ハッキリ言ってしまうと、「リー、空気読め!」と言うことです。

そして終盤、不良グループはともかく、親友だったデニスや恋人のリーにまで狙いを定めるクリスティーンに、さすがのアーニーも愛想をつかしてしまうのではないかと思いました。
が、最後の最後まで、アーニーのクリスティーンへの愛のベクトルはブレる事がなかったのです。
それどころか、クリスティーンと自分の中を邪魔する奴を、とことん排除する為命がけで闘い続けるアーニー。

あんた・・、漢だねぇ・・!

キングの小説を読んだのは随分昔なのですが、ここまで2人の恋物語になっていたようには思えません。
映画化ならではの脚色なのでしょうが、キング原作モノの中では、かなり上手にまとまっている作品だと思います。
やっぱり脚色は、本人にさせないのが一番ですね。
(キング本人にやらせると、どうにもこうにも面白味が無くなる恐れ有り)

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