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『グエムル -漢江の怪物-』

2007年01月27日
20070126224446.jpg  見切れてますが、私が怪物です。


新発見です。
「銅メダル取ったんだ」
は、韓国語でも
「ドウメダルトッタンダ」
だったんですね。

何だか、韓国に渡っても暮して行けそうな気がしてきました。
日常生活で銅メダルを取る機会が、どれくらいあるかは判りませんが。

去年、韓国はもとより日本でも大ヒットを記録した(ハズの)『グエムル』のDVDがやっと出たので、早速借りて来ました。
給料日でもないのに、TSUTAYAで新作を借りるなんて・・・。
私って、贅沢やなぁ。
(←by変ホ長調)

・・・去年のM-1グランプリに出ていた、変ホ長調のネタなんて、一体どれくらいの方が判ってくれるのでしょうか。
1人いらっしゃれば御の字でしょうね。
そんなあなた、このネタは、あなたの為に・・!!

判らない方の為に、さっさとあらすじ行きますね。
※ネタバレ全開です※
2000年。
駐韓米軍基地の霊安室内で一人の傲慢アメリカ人が、部下の韓国人医師に長年使用される事無く埃まみれだったホルムアルデビド(猛毒)を、排水溝に捨てるよう指示します。
部下は渋々、猛毒をドボドボ洗い場に流しました。

時は流れて2006年。
下水が流れ込む漢江の流域では、シックハウス症候群の人は見当たりませんが、代わりに世にも珍妙な突然変異が誕生していました。
長いシッポと何層にも重なった口を持つ、その怪物(グムエル)は、ある日突然人を襲う事を決心します。
そうと決まれば実行あるのみ。
川岸でピクニックを楽しんでいた市民に突如乱入したグムエルは、手当たり次第に体当たり。
当て逃げ→踏み逃げ→呑み込み→当て逃げ→呑み込み→踏み逃げ→呑み込み→呑み込み、とやりたい放題呑みたい放題のグエムルは、最後に女学生・ヒョンソを一人尻尾に巻き付け、漢江の中に消えて行きました。

その場に居合わせながらなす術が無かった、ヒョンソの父・カンドゥと、叔父・ナミル叔母・ナムジュ祖父・ヒボンは、一度はヒョンソの生存を諦めていましたが、カンドゥの携帯電話に生き延びていたヒョンソから助けを求める電話があった事で一念発起。
収容されていた病院から脱走し、ヒョンソがいる可能性のある下水を闇雲に探し回ります。
しかし、何の計画性も無く無駄に探し回った為、一家は疲労困憊。
揚句、突如姿を現したグエムルに、果敢に立ち向かった祖父・ヒボンは無駄死にし、うろたえるばかりの父・カンドゥは逮捕、叔父叔母も散り散りになってしまいました。

グエムルの血を浴びていたカンドゥは、収容先の施設で散々検査をされます。
その間にも、懸命に娘が生きて捕らえられている事を訴えますが、き●がい扱いされるばかりで誰も本気で聞く者はいませんでした。
一方、ヒョンソから掛かってきたSOSの着信記録から、ヒョンソの居場所を調べる事に成功した叔父・ナミルは、それを叔母・ナムジュにメールで連絡。
ナムジュカンドゥに携帯で連絡。
一時は米政府の陰謀で、実験台にされかけたカンドゥでしたが、娘の居場所が判った事でパワー全開。
施設を抜け出し、ヒョンソの居場所に向かいます。
得意のアーチェリーを片手に握り締めたナムジュと、得意の火炎瓶を片手に握り締めたナミルも現場に急行。

カンドゥたちは、兄弟パワーで無事ヒョンソを救い出す事が出来るのでしょうか・・・?


後味が悪かったです。コレ。
なにせ、ラストでヒョンソが死んでしまいますから。

余りの後味の悪さで、私までグエムル並みに骸骨をゲボゲボしてしまいそうです。
勿論うそです。

主人公カンドゥは、真性のバカ。
叔父ナミルは、大卒のくせに「コネを使って着信を調べる」と言う裏技を、最後の最後まで思いつかない程の隠れバカ。
叔母ナムジュは、アーチェリーで銅メダルを獲る程のスゴ腕ですが、「考える前にまず行動」という体育会系バカ。
そして祖父ヒボンも、カンドゥのバカさ加減を親バカ全開で庇いつつも、そのバカさ加減が仇となりグエムルの犠牲になってしまったりと、一家揃ってバカばっかり。
こんな家族に救出して貰わないといけない、ヒョンソの心情を思うと涙が止まりません。
なんという不憫な娘なんでしょうか。

結局、各種のバカがちんたらしているうちにヒョンソは衰弱し、揚句グエムルのお腹の中で窒息死してしまうのですから、こんなことなら最初に一思いにバックリ食われてしまった方が、苦しみも少なかったのではないでしょうか。

少女をこんな風にネチネチと苛めるなんて・・・。
監督はウルトラ級のドSに違いありません。


そんな真性バカのカンドゥを、カンドゥの父親であるヒボンは庇い続け、カンドゥをバカにしているナミルとナムジュを前にカンドゥの生い立ちを話し始めます。
もしかしたら、カンドゥの白痴っぷりには隠れた感涙エピソード(幼少期に大病をしたとか)があったんじゃないか? ・・・と思いましたが、その生い立ちは「小さい頃貧乏で栄養が足りなかったから頭が悪くなった」と言う、ただの貧乏自慢でした。

また、終盤ではカンドゥがアメリカさんの陰謀に嵌り、頭に穴を開けられて脳細胞を採取されるくだりがあります。(※グロ描写は無し)
そこに至るまでのカンドゥが、余りにも不甲斐なく頼りなく心強く無かったので、もしやその手術でカンドゥの隠れた才能が解き放たれるのではないか? ・・と思いましたが、何と手術後もバカはバカのまんまでした。

物凄く痛そうだった手術の意義が、さっぱりわかりません。
やっぱり監督がメガトン級のドSだったと・・(略)

この作品で、アメリカさんは結構ひどい扱いをされています。
そもそもの原因を作ったのもアメリカさんですし、グエムルが出現した後に「細菌感染の恐れあり」とガセ情報を垂れ流し、韓国の方々を混乱させたり、そのニセ情報が露見する事を恐れて、無理やり細菌を抹殺する為の劇薬を散布しようとしたりと、悪い事は全部アメリカさんのせいにされています。
ひょっとしてこれも、太陽政策の一環なのでしょうか?
ジョンイルさんが観たら、スタンディングオベーションしそうですね。

しかしその反面、最初にグエムルが食料確保に現れた時、逃げ惑う韓国の方々に背中を向け、一人果敢にグエムルに立ち向かおうとしたのもアメリカ将校だったりしますので、ブッシュさんが観たら親指を挙げそうですね。

良くも悪くも、アメリカさんの特徴をしっかり捉えていると思います。

ただのパニックアクション、と言い切れないひねくれたストーリー。
笑えるかどうかは微妙な、脱力感たっぷりなシニカルな会話のやりとり。
緊迫感があまり感じられない、ゆっくりとしたテンポの展開は、登場人物のキャラクターを伝えるにはとても効果的ですが、観ているこちらはその間にもお腹をすかせて待っているであろうヒョンソが、気になって気になって仕方ありません。

色んなヤキモキ感や後味の悪さをひっくるめても、確かに面白い映画でした。

漢江を前に臨み、これからの生涯を第2のグエムル出現の阻止に捧げる決意をしたカンドゥの眼差しが、真性バカとは思えないような凛とした眼差しだったのが印象的だったラストは、心に残る素晴らしいシーンだったと思います。
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