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『ディセント』

2006年12月12日
20061212013146.jpg   ※エキストラは前張り着用の事!


アメリカのホラーは判り易い。
サイコ野朗ジャジャーン! 
大きい音バーン!
悲鳴ギャー!!
血糊ドバー!

・・・アホ丸出しです。
たまに例外もありますが、まぁ8割方はアホです。

そんなアメリカ産が“エンタの神様”レベルだとしたら、この 『ディセント』 を作り出したヨーロッパ産ホラーはさしずめ、“花王名人劇場”と言ったところでしょうか。

ジャパニーズ・ホラーほど陰気臭くない。
J・ホラーほど単調でない。
日本産ホラーほど黒髪も出て来ない。

格調高い一本がそこにはありました。

あらすじ・・・
訳あって心に傷を負ったサラを励まそうと、洞窟探検に訪れた6人組。
しかしそこは、当初予定していた観光スポットではなく、地図にも載っていない前人未到の怪しい洞窟だった。
その事に全員が気付いた時には、すでに入り口への道は閉ざされ、真っ暗な洞窟内からは謎の物音が聞こえていた・・・。
彼女たちを待ち受けていたものとは一体・・・?



事故で夫と最愛の娘を失ったサラは、毎夜娘の夢にうなされており、まさに出口の無い洞窟にはまり込んでいる様です。
そんな失意の彼女を、リアル洞窟探検に誘ったジュノは、サラの夫と深い関係にあったらしいのですが、サラはその事に気付いていません。
近しい友人に裏切られ、大切な家族をも失ったサラが、洞窟の中で遭遇した最大の恐怖・・・。
ストーリー上、それは地底人の群れなのですが、本当の恐怖は信頼できる何もかもを失う事なんじゃないでしょうか。

そしてサラと共に探検にやって来た、特攻女郎Aチームの面々も、地底人に遭遇する事で己の本性剥き出しの、本当の恐怖と向き合う事になります。

男のサバイバルモノだと必ず
「仲間を置き去りにはしないぜ!」
と啖呵を切る、松岡修造レベルのアツイ男が出て来るのですが、悲しいかな女の友情と言う物は男と地底人には弱いらしく、仲間を連れるどころか各自一目散に逃げ出します。

いやいやいや、女を見損なわないで貰いたいものですな!
わしらはそんな薄情じゃないっすよ?  
え、なに? 監督は昔なんかヤな事でもあったの? 

と、監督に詰め寄りたい気も無くはないのですが、残念ながら女ってそういう所もあるんですよね・・・。
痛い所を突かれ、グウの根も出ません。

ただ、危険な洞窟に仲間を連れてきた張本人・ジュノだけは、自責の念からか、元々責任感が強いのか、友達を助けに向かいます。
既に事切れていた友達と、その遺体を食しようとしていた地底人くん。
ジュノは遺体を取り戻そうと、地底人くんと睨み合い。
20061212105832.jpg   こっちに返したらんかい

20061212105900.jpg   いやや!うちらの貴重な蛋白源なんや!


互いに一歩も譲ろうとしない、ジュノと地底人。
もはや、どっちがどっちの何人なのか良く判りません。

遺体の争奪戦には勝利したものの、背後から近づいてきたもう一人の友達を間違って刺し殺してしまうジュノ。
友達を助けようと頑張った事が全て裏目に出てしまう彼女は、なんと可哀想な女なのでしょう。

そんな彼女が地底人に狙われていても、他の仲間達は観て見ぬフリ。
(あたし達をこんなトコに連れて来たんだから)自業自得よねー。」
そんな彼女を地底に置き去りにしておいて、サラも観て見ぬフリ。
(あたしの旦那を寝取った罰よ)ザマアミロ。」

女・・・ コワイ!!!

いや、だからね! あんま女ナメっと承知しねえぞ!って。
わしらもっと、情に厚くてちょっぴり甘くて時々ほろ苦い、ビタースイートなハートを持ってるんだぞ!って。
そんな残酷でもないし、男が絡むととことんシビアになったりもしないんだからね!!
え、なに? 監督は昔なんかトラウマになるような事でもあったの? クラスのこわいスケバンに「おめえの席ねえから!」って言われたとか?


・・と、監督に物申したい気も無くはないのですが、残念ながら女ってそういう性質も持っているんですよね・・・。


この作品を観て、男性の方々は女性の恐ろしさに背筋を凍らせる事でしょう。
そして女性の方々は己の内面と向き合う事になるのかも知れません。

地底人モノというとびっきりのキワモノ映画でありながら、本当に描かれているのは、生きるか死ぬか、食うか喰われるかの瀬戸際に追い込まれた人間(女)の本質という、とても深い物語になっています。
控え目ながらも、グロ描写もきっちり抑えてあり、人間ドラマとパニック・ホラーが同時に観られる、大変お得な作品でした。

出来れば、頑張った地底人たちの事も鑑賞後にチョッピリ怖がって貰えたら、全裸で頑張った甲斐があったと言うものでしょうね。

20061212113048.jpg  
※人里離れた場所で、細々と生計を立てていたのに、思わぬ闖入者からひどい目に遭った地底人くん(勿論ノーパン)



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