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『ターミナル』

2006年11月26日
こんな世知辛い世の中だから。
たまにはこんな作品もいいかもしれません・・・。
心に響く、声がある。 心に沁みる、唄がある。
年の瀬の迫ったこの夜に、想いを込めて唄っていただきましょう!


トム・ハンクスさんで、『幸せ空港音頭』!

音頭 かよ!!!

紅白に出てくる北島三郎並みに、スピルバーグ作品に当然の如く登場するトム・ハンクス
たとえそれが、トムが演らなくてもいいであろう作品だとしても・・・。
たとえそれが、オスカー狙いには程遠い作品だとしても・・・。

いえ、トムを責めるつもりは毛頭ありません。
もう片方のトム(新婚)は、何らかのきな臭さを感じる“いい人っぽさ”がチャームポイントですが、こちらのトムは100%天然の物だとわかる“いい人オーラ”を放っているからです。
その脚本選びに「打算」と言う文字は無く、「スピルバーグは友達だから」とか「なんか面白そうだから」と言う純粋な心意気のみで、出演作を決めているのが明白だからです。
さすがは、ハリウッドの良心・トム。
トムがいる限り、ハリウッドのクリエーター達はその誇りを保ち続けられる事でしょう。


これぐらい書いておけば、何かの拍子にトムから付け届けが貰えるかもしれません。

さて、そんなMr.安全パイなトム・ハンクスのヒューマン・コメディ 『ターミナル』 を鑑賞した訳なのですが、映画の内容も全く持って安全パイ。
悪人も出て来なければ、毒も無い、ロケも(あんまり)無ければ、現実味も無い、ナイナイ尽くしで感動も心にあまり残らない、毒にも薬にもならない作品だったのでした。

あらすじは、
亡き父との最後の約束を果たす為、クラコウジア国からアメリカにやって来たナボルスキーさん。
しかし、入国審査を受けていたまさにその時、祖国ではクーデターが起こり国は消滅。
パスポートは無効になってしまい、祖国には帰れない、アメリカにも入国出来ない、まことに中途半端な存在になってしまったのです。

空港警備局から、
「上からなんか言ってきたら教えてあげるから、YOU、空港内で待ってなよ!」 (アガサによる超訳)
と言われたナボルスキーさんは、言葉も通じない、お金も使えない中、何とか知恵を絞り空港内でのサバイバル生活に挑む事になります。
カート整理で小銭を稼ぎ、空港従業員間の恋のキューピッドをこなす事で食料をゲットし、特技の大工仕事では親方に認められ、素敵なスッチーのアメリアといい仲にもなり、まさに順風満帆なナボルスキーさん。

でも、空港ですから。 そこ。

徐々に、空港には欠かせないようなポジションに成り上がってゆくナボルスキーさんを見ていて、面白くないのは空港警備局主任のディクソンさんです。
ナボルスキーさんを何とか厄介払いをしようと、何度空港の外に誘導する計画を立てても、頭が弱いのか計算づくなのか、頑として空港から出ようとしないのです。
空港から一歩出てくれさえすれば、空港警備局の管轄外になるので、ナボルスキーさんの事で頭を悩ませなくてすむのですが・・・。

困ったディクソンさんが最後の切り札として使ったのは、ナボルスキーさんが想いを寄せるアメリアさんでした。
「あいつ、ホントはただの浮浪者だぜ。」 (アガサによる超訳)
浮浪者と言ったかどうかは定かではありませんが、とにかくアメリアさんは、まさかナボルスキーさんがいい年してフリーターだとは思ってもいませんでしたので、怒り心頭です。

不倫不倫で婚期を逃してきた自分を、やっと貰ってくれるナイスミドルが現れたと思っていたのに・・・。

「ちょっとアンタ! どうゆう事よ!」 (アガサによる超訳)
と、鬼の形相で詰め寄るアメリアさん。
そんなアメリアさんに、ナボルスキーさんは自分がアメリカに渡って来た理由を話し始めるのでした・・・。

ナボルスキーさんの渡米の理由とは・・・?
亡き父親との約束とは・・?


かなり大胆な解釈であらすじを書きましたが、あくまで私アガサ目線ですので、あしからず。
作品はもっと上品で、空港に投げ込まれたナボルスキーさんと言う純粋な存在が人々の心を解きほぐし、そこに優しさの輪が広がり、小さな幸せで空港が満たされて行きます。

作中で一番の小悪党として描かれているディクソンさんも、ただの出世命のゴマスリ男ではなく、純粋に“空港内の秩序を保ちたい”という熱意溢れる仕事マン(かなり出来る男)だと言うエピソードが盛り込まれている為、憎しみよりは親しみが湧きます。

9.11以来、隣人を疑い、他民族を疑い、国の指導者さえ信じる事が出来なくなったアメリカ。
多人種がごった煮状態の“空港”という狭いコミュニティは、そんなアメリカの縮小版といったところでしょうか。
疑心暗鬼のアメリカ(空港内)が、得体の知れない(言葉も通じない)よそ者を受け入れ、触れ合う事で寛容な気持ちを取り戻すこの物語は、あくまでファンタジーではありますが、「こうありたい」と言う作り手のメッセージがたっぷり詰まっているような気がします。

さすがは、ハリウッドの良心・トムが一枚かんでいるだけの事はあります。

でも、トムでなくても良かったのにね。

帰る国を失ったナボルスキーさんは、100%異邦人。
な筈ですが、トムが演じている以上、それはトム・ハンクスなのです。
オスカー2度受賞の経歴が、こんな所で足を引っ張ろうとは・・。
演技は確かですが、異邦人には見えません。

トムよりも無名で地味な俳優さんが演じていたら、もう少しは説得力が増したのではないでしょうか。
本当はもっと心を打っていい物語だと思いますが、スピルバーグ×トム・ハンクスという看板が眩しすぎて、えらく薄っぺらい作品になってしまったのは、残念と言うか、もったいない事ですね。

あと、アメリア役のキャサリン・ゼタ=ジョーンズは、相変わらず場を一瞬にして我が物にしてしまうスーパーオーラを放っていました。
あいつはカレーパウダーのような存在ですね。
他の味を、一瞬にして消し去ってしまうキャサリン。

こわい子・・・!(by姫川歌子)
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それにしても、『がんばれ!ベアーズ』は、地方ではひどい扱いをされてます。

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