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『スマホを落としただけなのに』

2018年11月09日


「くる~ きっとくる~」 から20年・・・ 新たな三白眼をひっさげて、ついにオレたちの中田秀夫監督が帰ってきたぞい・・・!!






あらすじ・・・
彼氏がタクシーにスマホを忘れたせいで殺人鬼に狙われます。

・ 現代人の分身ともいえるスマートフォン。 市場に出回ってからわずか20年足らずしか経っていないにも関わらず、今では子どもからお年寄りまでまんべんなく普及している生活必需品。 便利さと引き換えに個人情報を明け渡した我々が手に入れたのは、自由なのか、それとも束縛なのか・・・。

・ なあんていうのはよくある話なのでさておいて、そんな我らが相棒・スマホは大事にしろよ~無くしたらおっかねえぞ~という現代人への警鐘が込められた『スマホを落としただけなのに』を観てきました。 おっかねかったです。

・ スマホに限らず、インターネット上に放置している個人情報は、クローズドのように見えて実はフルオープンで、鍵なんてあってないようなものなのではないかと思います。 クラウド上の画像を抜かれたり、ネットバンクに不正アクセスされたり、クレジット情報を盗まれたり・・・。 パスワード設定には細心の注意を払うよう言われているにも関わらず、いまだに生年月日を使う人もごろごろいますもんね。 ママ友のメアドなんてほとんどが自分もしくは子どもの名前プラス誕生日ですよ。 まあねー凝ったのにしても忘れちゃったら意味ないですけどねー。

・ で、本作の主人公・・・・の恋人である田中圭さんもスマホを忘れたまではいいものの(よくないか)、そのパスワードを誕生日にしていたせいであっさり情報を抜き取られてしまい、遠隔操作のえじきになってしまいます。 当然その余波は主人公・北川景子さんにも及ぶことに。

・ 差出人不明のメール、身に覚えのないネットショッピング利用、盗撮、SNSの乗っ取りなどなど、誰の身にもすぐ起こり得そうな危機の連続。 「画像流出つったってハメ撮りじゃなくシーツをはおった程度のものじゃねえか」とか「クレカ不正利用されたらその時点でカード会社から連絡くるだろ」とかそういう細かいことはいいんですよ。 北川景子さんが不穏そうな顔をする、田中圭さんが困り顔をしながらからだを仰け反らせる、それだけで緊急事態っぷりは伝わるではないですか。 「だってポスターに“裸の写真も”って書いてあったから・・」じゃないんだよ!! 北川景子さんが脱ぐわけねえだろ!! そんな高貴なもん都合よく拝めると思うなよ!!

・ 一方、時を同じくして東京近郊の山中から女性の死体が複数発見されます。 被害者はすべて黒髪ストレートの女性。 事件を追う刑事の原田泰造さんと千葉雄大さんは、女性たちが働いていた風俗店に不審な男が通っていたことを突き止めますが・・・。

・ 北川景子さんにつきまとうネットストーカーの正体は? 連続殺人事件との関連は? 黒髪ストレートの北川さんがかたくなに隠そうとする過去とはいったい・・・! 

・ という本筋にうっすらと出口が見え始めたところでした。 『スマホを落としただけなのに』の本当の見せ場が始まったのは。



(※ 以下ネタバレしています)



・ 「火車」でした。 北川景子さんパートの出口は「火車」でした。 一緒に暮らしていた古くからの友人が個人投資に手を出し大やけど。 その友人はあろうことか北川さんの名前で借金を重ね、結局それも溶かした末に電車に飛び込んで自殺。 死の寸前「わたしの人生をあなたにあげる」と言い残した友人の想いに応えた北川さんは、でらべっぴんだった友人の顔そっくりに整形し戸籍を乗っ取ったのでした。 

・ 【結論】 「スマホを落としただけなのに」から得られる教訓 ・ ・ ・ 素人が株に手を出しちゃダメ!!!

・ そうじゃない。 そうじゃないけども。

・ そっちはもういいですよ! 北川景子さんと田中圭さんが修羅場をくぐり抜けて結ばれるのか否か、それはもういいです! 戸籍の乗っ取りとスマホの乗っ取りがかけられたお話、胸に沁みました! それはさておき、本作の真の見どころは、わたしが思うに「連続殺人鬼・成田凌さんと彼を追う刑事・千葉雄大さんの映画の進行具合とは別次元のテンションで語られる数奇な半生」! これなんですよ!! 

・ 引きの画で観ると見分けがつかないようなイケメンふたりをキャスティングしたのも明確な意図のもとですもんね! 黒髪ロングの母を持ち、その母から疎まれ孤独な幼少期を送ったふたり。 母の愛に飢えて育った彼らは、奇遇にもIT関連の仕事で才能を発揮します。 そしてその技術を利用し、ひとりは母の面影を重ねた女性を殺すひとごろしへ。 もうひとりはひとごろしを捕まえる警察への道を歩むのでした。

・ 両極を行くふたりが顔芸を駆使し、追いつ追われつする様の異様さよ・・・! 「今それいりますか?」と声をあげたくなるようなワンダフルなシーンの連続にほほえみがとまりません!! 聞き込みに訪れた風俗店で、挨拶もすっとばして黒髪の女性の背中にもたれかかり、お母さんの思い出に浸る千葉雄大さん。 あんなにイケメンなのに「キモっ!!」と言われる衝撃のシーン。 じっさい言われてもしょうがない奇行っぷりですからね。 殺人事件現場に駆け付けて「こういう事件に出会いたかったんです!」とニッコニコになるにも人としてどうかと思います! いいよー千葉くんいいよー ミスリードとナチュラルな薄気味悪さが混然一体としてておいしいよー

・ そしてなんと言っても殺人鬼・成田凌さんですよ!! 中田監督の代名詞ともいえる「貞子」を継ぐ男・成田凌。 犯人が長髪ストレートである必要なんてないんです!普段はショートカットのイケメンなんですから!なのに自宅に帰ったらいちいちかつらをかぶって白いシュミーズを着るんです! なぜって? 『リング』の中田監督だからですよ!!!

・ この文章だけを見ると、「なあんだ、トンデモ映画か」と思われるかもしれません。 イケメンがシュミーズとかつら・・・たしかに出オチ感は否めない・・・ しかし成田さんの演技を観れば、そんな不安は吹き飛ぶことでしょう! さあ、心のシートベルトはしっかり締めましたか? イケメンの仮面を外し本性を現した瞬間、成田劇場はその幕を開けます。 観たことのない成田凌さんが、アクセル全開で観客のハートを駆け抜けますよ・・・!!

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これが
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こうなります。

・ やりすぎなんですよ!全般やりすぎなんです! ロングかつらを暖簾のようにかきわけて、ごろっと上三白眼をのぞかせる成田凌。 けたたましい奇声をあげてくねくねと動き回る成田凌。 ぐふふふ~とよだれをたらして爪を噛む成田凌。 「エキセントリックな役で名をあげるぞい!」という若手にありがちなやりすぎ感とそれによる上滑り。 ともすればそこに陥ってもおかしくない危険な演技プランでしたが、成田凌さんは見事にやりとげました! 

・ 『ギルバート・グレイプ』のディカプリオのような爛漫さと『シャイニング』のニコルソンのような凶暴さと『12モンキーズ』のブラピのような大胆さ。 あと、圧倒的な顔芸力(りょく)。 成田さんに触発されたのか、北川さんも負けじととんでもねえ絶叫顔を見せてくれました。 すべて成田さんのおかげです。 ずっと観ていたかった。 もう、本筋どうでもいいから成田凌劇場をずっと観ていたかった・・!!

・ 成田さんが自分で作り上げたのなら天才だと思うし、中田監督の演出だったのなら鬼才だと思います。 じぶんという人間のコインの表側みたいな千葉さんの存在を知った時の、憑き物が落ちたようなはかなげな表情もよかった。 引き出しが多いってすばらしいですね。 

・ ただ単にきもちわるいストーカー役を押し付けられた(なりすましだったので文字通り押し付けられていた)バカリズムさんもおいしい役どころでしたし、ゲスなイケメン枠の要潤さんも少ない登場ながら鋭利な印象を残しました。 いっときドラマに重宝されていた頃の鈴木紗理奈さんをほうふつとさせる、(高橋メアリー)ジュンジュンのけたたましさもよかった。 ジュンジュン登場シーンにおける、音量の周囲とのなじまなさ具合は絶対わざとですね。 気はいいけど厚かましくて空気が読めないというキャラクターを絶妙に表現していたと思います。 

・ 予告編の作り方もうまかったですね。  ミスリードの刷り込み方が自然で、本編を観た時いろいろ勘ぐってしまったのはあの予告があったからこそ。 おかげで気持ちよく振り回されました。

・ あと、直接知り合いじゃなくても、知り合いとつながっている人、というだけで信用してしまうネット胸襟のゆるさが、個人的には一番刺さりましたね。 わかる~~ あるよね~ そして怖い目にあうよね~

・ みんなもインターネッツにころされないよう気をつけようね!!! あと、素人が株に手を出したらダメ!ぜったい!!!




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