FC2ブログ
ブログパーツ

「初めての育児は大変」なんかじゃ全くなかった人に対して抱いてしまう感情について考えてみた。

2017年11月27日



Twitterを見ていたら、この記事に対して「これを読んで腹が立ったのは私だけ?赤ちゃんのために色々調べたり準備したってうまく行かないことも多いのに…こんな風に腹がたつのは間違ってる?」とつぶやかれている方がいたのですよ。
で、もういてもたってもいられなくてですね。 
ブログの編集画面を開いたわけですよ。

間 違 っ て い な い で す よ ! !

と、ひとこと書きたくて。


でまぁ、書いたので終わりにすればいいのですが、なぜそう書きたくなったのかを以下に記してみます。
育児話に興味がない方は、ここでお別れしましょう。
興味はないけど時間を持て余しているという方、もう少しおつきあいください。


とにかく、なにがどうなっているのかと思い、もととなっている記事を読みました。
ざっくりまとめるとこんな感じです。
① 出産前、先輩ママから「大変だ」「なにも出来なくなる」と散々言われていた
② いざ産んだらめっちゃ楽だった
③ 家事も外食も超余裕
④ 生活を赤ちゃんのリズムに合わせればいいだけ
⑤ 子どもが可愛すぎて毎日一緒にいたいから、友だちと遊びたいとか思わない
⑥ 情強なので授乳トラブルとも無縁
⑦ 在宅ワークなので出産前後変わらぬ働きっぷりを実現

まあね、「そりゃよかったね!」って話ですよね! 
全身全霊で祝福したいです!
これ、イヤミでもなんでもないんですよ! ホント、世の中から育児に苦労するおかあさんがいなくなれば、それ以上しあわせなことなんてないですからね!

ではどうして、これを読んだ方の中に「おいおいおい・・・」と負の感情がこみ上げてきてしまう方がいらっしゃるのか。
理由は簡単です。 文章がいちいちケンカ腰だからです。
さきほどのまとめに、それぞれのアンサーを書き足すと
① 出産前、先輩ママから「大変だ」「なにも出来なくなる」と散々言われていた 
→ 「あの謎の脅しはなんだったのだろう」と、もらったアドバイスを脅し扱い

② いざ産んだらめっちゃ楽だった 
→ 「大変大変って言うママさんは自分のペースを貫こうとしすぎだなだけ」と相手の生活を見てもいないのに勝手に断定

③ 家事も外食も超余裕 
→ たまたま泣かないタイプの赤ちゃんだったから実現しているパラダイスを、さも当たり前のように表現

④ 生活を赤ちゃんのリズムに合わせればいいだけ 
→ 主張としては②の繰り返しになるけれど、パワーワード「要領が悪すぎるのでは」が登場

⑤ 子どもが可愛すぎて毎日一緒にいたいから、友だちと遊びたいとか思わない 
→ 遊びたいと思うか思わないかは子育てという現実から逃避したいかしたくないかということとも関連があるので、どっちだろうと責められるいわれなどないのに「こんなに可愛い時期なのに、そもそも友達と遊びたいか? と思う」と余計な呪詛を追加

⑥ 情強なので授乳トラブルとも無縁 
→ 「正しいやり方をしたり、必要な準備や手配をすれば、全然そんなことにはならない」と、暗に「情弱なおまえらがダメなだけ」宣告

⑦ 在宅ワークなので出産前後変わらぬ働きっぷりを実現 
→ 授乳の時間を情報のインプットにあてたり、生産性を高めることは可能、とあくまで手のかかっていない状態だから出来ることを、まるで誰でも出来ることであるかのように突きつける

これですね「おわー!こりゃでっけえ釣り針だなぁ!」と野沢雅子さんボイスで叫ぶことも可能だと思うのですよ。
でもわたしは、炎上目当ての煽り記事ではなく、この方は本当に純粋な気持ちで「なんでみんなこうしないの?」と無邪気な疑問を抱いているのではないかという気がするのです。
たまたま出先で泣かない赤ちゃんだった。 
たまたま夜泣きにも苦労しない赤ちゃんだった。 
たまたまおかあさんのおっぱい具合と赤ちゃんの飲むペースがマッチした。
この方の出産・育児にたくさんの「たまたま」が重なって起こった奇跡。 
その幸運をそうでなかった人に「当たり前」として突きつけるのは、時に、単純な言葉で罵倒するより傷つけることがあるのだと、この筆者さんは気づいていないのではないでしょうか。

「成長する瞬間をもれなく目の当たりにしたい。一つも見逃したくない」? 
もちろんそうですよ! 
赤ちゃんがかわいくないわけがないじゃないですか。 
ずっと見ていたいですよ。 
でもね、耳鳴りがするほどの鳴き声をずっと聞いていると、「あ、やべえ、これ心が壊れるぞ」って瞬間があるんですよ。
ゆるウンの猛攻と肌着の洗濯乾燥とのせめぎ合いに疲れ切る瞬間があるんですよ。
そうそう布団が乾く時期じゃねえぞ?って瞬間があるんですよ。

「自分のペースを貫こうとするのだろう、夜に寝て朝に起きることにこだわるんだろう……」?
そんなのとっくに諦めてますよ!
諦めた上での寝不足って、現実あるんですよ。

「赤ちゃんが眠っている時に自分も一緒に眠れば、最大で20時間近くは眠れる」?
実際に出来ることと、数字上可能なことをごっちゃにして話すとロクなことにならないって、じっちゃん言ってた!

「赤ちゃんは理由もなく泣いたりしない。理由はある。それがわかれば、そこに対しての対策が打てるから、外食もできるし、人前で泣かれてどうしようもなくなることもない」?
どれだけ対策を講じても、どれだけ必要な準備をしても、どれだけ赤ちゃんのことを第一に考えがんばっても、なにも通じないことってあるんですよ!
言葉の通じない生き物ですから、むしろ対策なんてないと思った方がいいとわたしは思います。 事実、どんな赤ちゃんにでも使える対策なんてないですし。
その子その子に合わせて臨機応変にやるしかないし、社会もそのように理解してくれれば、「出先でギャン泣きされておかあさんが周囲に平謝り」みたいな光景もなくなるんじゃないですかね。
少なくともわたしは、この記事を読んで「対策、できるんじゃないの?」なんていう人がいたら、それがどれだけ間違っているか全力で説明します。 「もういいです」って言われるまで説明します。

「わたしは楽でした!」だけの記事なら、読んだ方も「よかったね!」で済んでいた。 
そこには幸せな世界が広がるはずだった。
けれど、「幸運」を「当然」として紹介し、あまつさえ「要領が悪いだけ」と実際試行錯誤してがんばっているおかあさん方を切り捨てるような言葉をつかってしまっていたこの記事。
腹が立ちますよね。 
わかっているし、やっているし、それでもダメだし、だけど子どもかわいいからしんどくてもなんとか乗り越えてるっていうおかあさん方には、思う存分腹を立てていただきたいです。

すごい他人事みたいな書き方していますが、わたしも10年ぐらい前だったら「おいおいおい・・・・?!!」って前のめりになっていたと思います。
なんだったら泣いてました。 きっとそうです。

これはあくまでわたしの想像ですが、この筆者さんは、妊娠中のたのしさや不安が入り混じった時期に、お知り合いのおかあさん方から苦労話をたくさん聞かされたのですよね。
赤ちゃんが出来てうれしいのに、入ってくるのは「大変だよー乳も詰まるよー自分の時間なんてないよー」というネガティブな情報ばかり。
筆者さんは、経験談の数々を「出産」という一大イベントにかけられた呪いのように感じた。
この記事は、それに対する呪詛返しなのではないでしょうか。
ただし、ネガティブな経験談ではなく、ポジティブな成功談という形での呪詛返し。
モロに喰らわないよう目を背けるか、「よかったね!」と白目をむいて泡を吹くか、「うっせえな!」と毒を吐き、この方のことを忘れましょう。 
それでいいんですよ。 
あくまで一例、それだけの話なんです。


出産・育児の話をするとき、わたしはどうしてもネガティブな内容を大きめのボリュームで話してしまいます。
それは、不幸自慢がしたいのでも、苦労自慢がしたいのでもないのですよね。
きっと、ただ、「よくがんばったね」と言って欲しいのではないかと思うのです。

「陣痛に何日間耐えた」「全然寝ない子だった」「乳が詰まって地獄を見た」「座ったら起きるシステム内臓型だった」「飲んだら吐いた」「なにやっても泣いた」「なんでも拾って食べた」「目を離した瞬間死ぬかもしれないので、コンビニ程度ですら家を空けられなかった」
何時間でも話していられるネガティブトーク。
ポジティブトークを振られても、ボキャブラリーがびっくりするほど貧困になり、「うちのこかわいい!」ぐらいしか発せなくなるというのもあるかもしれませんが、とにかくネガティブトークははかどるんです。
なぜなら、わたしたちは、ただ、褒められたい。
「すごいね、がんばったね」「いつもありがとう」と褒められたい。
おかあさんあるあるで盛り上がりたい。
「そりゃ大変だったね」「わかるー!うちもー!」と傷をなめ合いたい。
そのひとことが次の一日への糧となるんです。



子育てに完璧なやり方なんてないと思います。
要領だって、たしかに経験を積んでコツをつかむということはあるけれど、つかんだ頃には子どもは次のフェーズへと進んでいるものなんです。 
彼らは確実に進化し、要領はじきに通用しなくなります。
それがたのしくもあり、大変でもあり、しあわせでもあるんですよ。 
それが子育ての醍醐味だと、わたしは思っています。

同時に、不幸なことにどこまでいってもしんどさばかりで、醍醐味を感じられないおかあさんもいることを知っています。
だから、どうか、現在進行形でおかあさんをやっているみなさんには、自由に腹を立てて、自由にネガティブトークで盛り上がって、自由に親バカして、時には現実逃避して、ラッキーな体験談や理想的なやり方に振り回されないでいただきたいのです。
そして、もしも誰かが「こんなに大変だった」とつぶやいたなら、「おれたちよくやってるよね・・・!」と肩をたたきあいましょうよ。
みんなえらいじゃん! どこにも正解なんてない中、よくやってるじゃん! 

「わたしにはできるのに、なんでみんなは出来ないの?」という前に、もっと今、お互いがやっていることを褒め合いたいものですね!
わたしも数え切れないぐらい大変な日々はあったけど、うちのこ世界一かわいいですし、子育てさいこうです!
それもこれもみな、しあわせな日々です!!


(※ 文章中の「おかあさん」を、子育て中のすべてのみなさんに当てはめていただけるとさいわいです。 ちいさい存在を守ろうとがんばっている人は、みんなえらいのです!)






     ♪♪どちらのバナーでもどうぞご遠慮なく♪♪ →   にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ


※当ブログで使用しているイラスト等の著作権は、全てはアガサにありますので、転載、二次加工、再配布の際は一言ご連絡下さいませ。