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『ギャラクシー街道』

2015年11月02日
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あらすじ・・・
場末のバーガーショップに集まった生き物が右往左往します。


と、いう訳で三谷幸喜監督最新作 『ギャラクシー街道』 を観てきましたよ。
結論から言うと、これはスペース・コメディではない・・ スペース・デブリだ!と叫びたくなるような、まことにガッカリな作品でした。
鑑賞前、某映画レビューサイトを観た友人から「ここまで評価が悪いコトってある?」 と聞かされ、大いに期待を高めて挑んだわたしだったのですが、なるほど、こりゃサイトも荒れるわなぁ・・・と色々納得しましたよね。
マジですさんでたから。 もう、ぺんぺん草も生えてないから。

予めお断りしておきますが、わたしは三谷幸喜さんの作品がとても好きです。
東京サンシャインボーイズの「ショウ・マスト・ゴー・オン〜幕をおろすな(94年版)」を観た時からの大ファンで、連続ドラマはほとんど見ていますし、舞台も可能な限り鑑賞しています。
劇場映画も、ホントにおもしろかった・・・『ラジヂの時間』なんか最高だったなぁ・・・。
それが、「あれ・・・なんかちょっと・・・ええと・・大物だせばいいってもんじゃ・・・」ってなったのは、『THE有頂天ホテル』のあたりからだったでしょうか。
・・・ ・・って割とすぐじゃん!三作目からじゃん!

そんなこんなで、一瞬首を傾げたものの、劇場映画以外のドラマ作品やお芝居は相変わらず面白かったため、三作目以降「こないだのは何かの間違いやったんや・・三谷さんはまだ・・本気出してないだけなんや・・・」と自分に発破をかけつつお付き合いしてきたわたしが敢えて言わせて頂きます。 三谷さんは今回も本気出さなかっただけ!『真田丸』用に本気をためてるだけ!わしはまだ、あきらめてない・・・!

・・はい。では、希望的観測はこれぐらいにして、以下『ギャラクシー街道』のどこが残念だったかいちいち振り返っていきたいと思いますので、まだ鑑賞されていない方はこのままそっとじをお願いします。
鑑賞されるご予定がない方や、鑑賞後のやり場のない思いを誰かと分かち合いたい方、レッツラゴー!


■ 主人公カップルが残念

・ 主人公・ノア(香取慎吾さん)はアースで劇団員をしていましたが、ある日唐突に交際中だった同劇団の看板女優・レイとの別れを決意します。

・ なんでかっていうと、レイちゃんのハンバーガーの食べ方が気に入らなかったから。

・ で、代わりに同劇団のアシスタントをしていたノエと衝動的に結婚します。

・ なんでかっていうと、ノエちゃんのハンバーガーの食べ方が気に入ったから。

・ で、なんやかんやで退団したノエは、ハンバーガー・チェーン「サンドサンドバーガー」と契約を結び、はるかギャラクシー街道沿いに自分の店をオープンさせます。

・ なんでかっていうと、ハンバーガーがめっちゃすきやから。

・ 人生のいろんな部分をハンバーガーに左右されすぎだろ!(まぁお店開くのはいいとして)

・ ところが、せっかく始めたバーガー屋さんはギャラクシー街道の利用客が年々減少していることもあり、右肩下がりの減収減益。 思ったように事が進まないことに苛立つノアは、ハンバーガーへの情熱を失ってしまいます。

・ 「ハンバーガーへの情熱が無くなった=人生の指針を失った」ノアは、お店存続のための経営努力を放棄し、些細なことでノエを叱責したり疑ったりし始めます。

・ 仕事もせずに自室にこもり、コンピューター相手に管をまいたり、せっかくやってきてくれるお客さんをdisったり、従業員でもあるノエにモラハラを繰り返したり、パート店員のハナに過剰労働を押し付けたりするノア。 生き物としてのクズさ全開です。

・ これね、このノアのクズさが一過性のものならいいんですよ。 ハンバーガーへの気持ちが冷めたからクズいヤツになったのならいい。 ハンバーガーさえなんとかなれば、生き物としてもなんとかなりそうだから。 ただ、もし彼がもともとクズいやつだったら悲惨じゃないですか。 女性に対しては高圧的。 自分と違う見た目や特徴を持つ生き物に対して差別的。 自分より容姿が劣る(と判断した)相手は蔑視。 典型的な「自分に甘く他人に厳しい」タイプ。 もしそれがノアの素だったらどうするよ・・・。 大丈夫・・そんなはずはない・・ だってこれはコメディなのだから・・・。

・ で、わたしの杞憂はさておき、そんなノアに見初められて結婚しちゃってお店の切り盛りまで押し付けられちゃったノエ(綾瀬はるかさん)はというと、これまたなんつうか、いい生き物なんですけど若干残念なタイプでして。

・ ノアに内緒でお店の改装を考えたり、ノアに内緒でサンバ教室に通っていたり、ノアの元カノが来店していることをなぜか(どうせ同じお店の中にいるのだから隠しようがないのに)内緒にしようとしたり、結婚して5年も経っている割に胸襟閉じすぎじゃね?

・ まぁ、それもこれもノエが日頃からモラハラを受け続けてきた故なのかもしれませんけどね・・・ これはもしや、「はよ逃げて」物件かもしれんぞ・・・ノエ・・気をつけなはれや・・!

・ そんな主人公カップルが直面する、「閉店の危機」と「離婚の危機」ですが、妻(ノエ)が知らない間に妊娠させてしまっていた赤の他人の出産に立ち会うことで、見事回避します。 他には特にありません。 出産に立ち会っただけです。 ジャスト出産。

・ 驚かないでください。 これが大オチです。


■ 主人公の元カノ夫婦が残念

・ 元カノ夫婦が誰なのかというと、レイとババサヒブのことですよ。  ・・って言ったら余計誰のことかわからないと思いますが、とにかく優香さんと善ちゃんのことですよ!梶原善ちゃん!

・ ノアと3年間付き合っていたレイ(優香さん)は、ある日突然ノアから別れを切り出されます。 まさか自分のハンバーガーの食べ方に一方的にケチをつけられていたとは予想だにしなかったため、ある程度のモヤモヤを抱えた時期はありましたが、その後宇宙学の教授・ババサヒブと結婚したレイちゃん。

・ レイちゃんはひとまずおいておいて、このババサヒブがね、非常に残念なんですよね! ババサヒブが、というよりも、ババサヒブという生き物の扱い方が!

・ 「元カノのイケていない旦那」という、要はお客さんに「なんで優香さんはこんなの選んじゃったんだろ」と思わせるためだけに登場させられた感満載のババサヒブ(梶原善さん)。 

・ 喋りたい時は喋るし、ふざけたい時は前後の脈絡なくふざけるし、口説きたくなれば誰彼構わず口説くし、眠くなれば眠り、脱皮したければする。 その場の空気なんてお構いなしで、落ち着きのない言動を繰り返す彼に悪気はないのだと思うのです。 彼はね、そういう生き物なのですよ。

・ ポテトを鼻に突っ込んでムググ・・ってやった後、優香さんから「食べ物で遊ばないの」と注意されたババサヒブが素直に従うシーンなんて、「わー」って思いましたよ。 「ババサヒブかわいいなぁ」って。 言うこと聞けないタイプじゃないんじゃん。 ただ、衝動に正直なだけなんじゃん。 かわいいじゃん、ババサヒブ。 こういう子がいてもいいじゃない。 まぁ、セクハラはアウトだけど。

・ 問題は、そんなババサヒブの言動が、本作ではただただ「キモく」て「不愉快」で「迷惑」なものとして描かれている所でして。

・ ババサヒブが何かするたびに、コメディらしく目を白黒させるわけでもなく普通に不快感を露わにするノア。 その冷やかな視線は、ノアだけではなく、三谷さん自身の視線でもあるのではないか・・って思ってしまったのですよね。 わたしが穿った見方をし過ぎているのかもしれませんが。

・ わたしは、色々な「自分とは違うタイプの他人」が登場する「喜劇」が成り立つのは、登場人物に充分な愛が注げているか否かにかかっているのではないか、と思います。 彼らを笑いものにするのではなく、彼らと笑い合えるのが優れた「喜劇」なのではないか、と。 だから本作のババサヒブに関するエピソードはホントにつらかった。 マジでクスリとも出来なかったですよ。 せっかく善ちゃんがノリノリで演じているのに・・・あんなおもしろい役者さんなのに笑えなかったんだよ・・・くやしいなぁ・・・

・ レイちゃんはそこまで残念ではなかったのですけども、しいて言えばヅラが残念でしたね! 頭から花が咲いているタイプの宇宙人という設定だったのですが、ヅラの下の地毛が見えるの見えないのって。 途中まで普通にアフロのかつらだと思ってましたからね! 宇宙人がアフロ被ってるんだと思ってた!オシャレだなぁ・・っつって! だって横向いた時見えてんだもん、地毛!

・ あと、せっかく「髪が花」って設定なんだったら、気分に応じて花がパーッと咲くような場面があればよかったのになぁ・・と思いました。 枯れ枝が混じってるトコがよかっただけに、もうちょっと活用できなかったのかと小一時間。

・ そんな元カノ夫婦が直面(というかレイちゃんだけが少しだけ揺れ動く)する「元カレとの再会危機」ですが、「そういやこいつ交際時代から価値観を押し付けてきたり他人を見下したりするトコあったなぁ・・」ということを思い出したであろうレイちゃんがババサヒブと仲良くバーガーを食べることで、見事回避します。 っていうかゴメン、もともと危機なかった。 もともと気の合う仲良し夫婦だった。 レイちゃん、善ちゃん、末永くお幸せに!


■ 妻に言い寄るセールスマンが残念

・ ノエが夫に黙って相談していたリフォーム業者・メンデス(遠藤憲一さん)は、打ち合わせを重ねるうち、ノエに恋してしまいます。 そこまではいい、そこまではいいのじゃよ。

・ ノエもメンデスさんの気持ちに全く気付いていない訳ではなかったのでしょうが、相手は仕事相手(になりうる業者)ですし、悪い人ではなさそうですし、無下にもできなかった。 そんなノエの態度を勝手に「好意アリ」と解釈し、強引に肉体関係を迫るメンデスさん。 普通にヤだ。 っていうか普通に危険なタイプのアレじゃん。

・ ノエからハッキリ拒絶されたメンデスさんは、一旦は引き下がると見せかけて、自らが両性具有であることを活かし、こともあろうにノエを生殖行為に巻き込みます。 「自分の星ではこれが別れのあいさつ(習慣)だ」と偽って。 あーこれアカンやつですわー完全に犯罪の域ですわー

・ 知らない間に種付けさせられていて、知らない間に孕まれていて、知らない間に出産間近になられていて、気づいたら「あなたの子です」って言われるノエってなんなの・・・

・ なんかね、人間の世界でいうと、男の人の言い分でよくありそうじゃないですか。 「これはホントにオレの子なのか」とか「知らない間に相手が勝手に妊娠してた」とか「はめられた」とか。 それをわざわざ女性に置き換えて、しかもホントに「まんまとはめられた」こととして描いているコトに何の意図があるのか、わからないのですよ。 まさかと思うけど、逆にしたらおもしろいと思ったのかなぁ・・・ うそだろ・・

・ そんなメンデスさんが仕掛ける「横恋慕からのつきまとい&妊娠騒動」ですが、「種の保存のための行動」ってことで見事容認されます。 宇宙だから仕方ないみたいです。 

・ ちなみに本作で「宇宙ではそういうこともある」っていう理屈がオチに使われるのはこの一回だけじゃないっていうんだから、ホントにおそろしい映画ですよね。マジで。


■ 西川貴教さんが残念

・ 西川さんが演じるのは、クロローン人のズズ。 顔は人間に似ていますが、手足が若干カエル風味です。 常に体液を流しているので、足元はビショビショです。 歌が上手いそうなのですが、普段の喋り声は歪みがかかり不鮮明。

・ 本作の中でズズがすることは、ハンバーガーを買いにきてノアに「キモい」とうざかられ、110分かけてハンバーガーを食べて、エンディングで歌をうたう。 それだけです。

・ うそでしょ?って思いますよね。 マジでそれだけ?って思いますよね。 わたしも思いましたよね。 体液ビショビショなのは、なにかの伏線だろ?って。 そしたら後半、産気づいたメンデスさんが水分が少ない体質だったせいで難産になっちゃうってくだりがはじまった訳ですよ。 「これか」って思いましたよね。 「冒頭ノアから酷い仕打ちを受けたエピソードはここにつながるのか」って。 「よしよし、ここで西川さんの体液が活かされて、ノアの中にあった差別意識も変えられてゆくのか」って。

・ メンデスさん「痛いよー!もういっそ殺してくれー!」
  ノアたち「もうちょっとヌメり気さえあれば・・・」
  西川さん「(モグモグ)」
  メンデスさん「もう無理だよー!」
  ノアたち「どこかにヌメり気のあるものは・・・」
  西川さん「(モグモグ)」
  ノアたち「そうだ!昆布だー!」
  西川さん「(モグモグ)」
  ノアたち「この昆布をこうやって・・こうして・・・」
  メンデスさん「やったー!生まれた―!」
  西川さん「(モグモグ)」

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・ 客商売としてマジレスすると、宇宙のハンバーガー屋さんでいろんな種族がくることなんてわかってるんだから、背の高い椅子とか低い椅子とか幅広い椅子とか湿り気のある椅子とか、客席のバリエーション用意しとけよ。 っていうお話。


■ コールガールと客が残念

・ サンドサンドバーガーは色々な生き物が食事処や休憩所、はたまた待ち合わせ場所や打ち合わせ場所として活用しているようなのですが、中には打ち合わせ内容を大っぴらにできないような利用客も。 そう、春を買いに来るお客さんです。

・ ということで、アースで医者をしているムタ(石丸幹二さん)もまた、その筋からの紹介を経てサンドサンドバーガーでコールガールのイルマ(ミラクルひかるさん)と待ち合わせることとなるのですが、このムタさんの描写がですね、どう見ても「海外に春を買いに来る日本人」なんですよね。 「社会的地位があり愛する家族もいるんだけど、性的な刺激に対する欲求も抑えられないから後腐れのない海外に来る」中年なんです。 真面目そうに見えて性欲は旺盛、でも病気を過剰に恐れる小心者。 金さえ払えばなんとかなると思っているすけべじじい。

・ 石丸さんはコミカルに演じていらっしゃるのですが、全然笑えないんだもんホントどうしたらいいの・・・

・ たぶんね、わたしの印象ですけどね、設定がリアルすぎるんですよね。 ムタという金持ってそうな社会人の、遠慮したりガッツいたりの度合いがすごくリアルに見えるんです。 そんでまた、相手のコールガールが典型的な「シャッチョーサーン」タイプでね・・・

・ 初対面から「アナタ、オカネアルカ?」みたいな鼻息荒い感じで、「オトート、ナゲットスキネ!アナタ、ナゲットカウネ!」ってたかりにかかるイルマ。 その後も、やたらと横柄な態度はとるわ、ムタが最初にポン引きから聞いていた料金の何倍もふんだくろうとするわ、三谷さんはコールガールに何か嫌な事でもされたことがあるのか?という雑な描かれ方で、ムタに対してもイルマに対しても、わたしはまったく面白さを感じることができませんでした。 過去の作品にコールガールを登場させた時はこんなことなかったのになぁ。 やっぱり三谷さんはこの数年の間に何か嫌なこ(ry

・ いよいよイルマとムタがコトに及ぼうという場面でも、サガミオリジナル的な小袋からサック的なものを取り出して指にはめたり、「そこのディテールそんなリアリティいるかぁ?」と頭の上にハテナマークが浮かぶような描写があったり、新たな性の可能性に目覚めたムタが隙を狙って店内の女性相手にコトをしでかそうになったりと、クスっとなるどころかドン引き必至なシーンが織り込まれ、初の三谷組でこんな役を割り振られた石丸さんが気の毒になってくる始末。 

・ 三谷さんは「ちょっぴりエッチな笑い」を目指したらしいのですが、たぶん三谷さんにそっち方面を期待している人あんまりいないと思うし、三谷さんとエロスって相性悪いんじゃないかという気がするのですよね・・・勝手な感想ですけどね。 どうか今回のこれでエロは懲りてほしい・・・すけべなおっさんの感性は封印してほしい・・・。 三谷さんの、もっとスマートで小粋なコメディが観たいなぁ。


■ スペース警備隊のマドンナ隊員が残念

・ 付き合っていたハトヤ隊員がなかなか結婚してくれないからっつって、交際期間ゼロのトチヤマ隊長からのプロポーズをさっくり受けちゃうマンモ隊員(秋元才加さん)がマジ残念。 「わたしは結婚がしたいのよ」って、頭の中「結婚」の二文字しかないスペース警備隊マジ残念。 べつに結婚願望はいいですよ。 そこは否定しないですよ。 ただ、他の部分が全く描かれないので、マンモ隊員がすごく薄っぺらい生き物に見えるのですよね。 「結婚できればなんでもいいのかよ」って。 女って・・・三谷さんにとっての女って・・・


■ スペース国土交通省の役人が残念

・ ただの客を装いながら、実は老朽化著しいスペース幹線道路(ギャラクシー街道)の現状視察をしていた役人・ハシモト(段田安則さん)。 上司に提出する報告書に「ギャラクシー街道を閉鎖すべき」理由を書き連ねていたハシモトでしたが、気づくとその足元にはアニメの犬がじゃれつき、頭上には鳥が舞っていました。 そしてさらに、赤い風船を持つ道化師姿の男が・・・

・ そろそろ感想を書いているのもしんどくなってきたので結論から言うと、犬も鳥も道化師も、スペース国土交通省に自分を閉鎖させないためギャラクシー街道自身が具現化させた、ハシモトさんの「すきなもの」だったのですけどね。 はい、いいですよ。 今「ファッ?!」って思いましたよね、それでいいんですよ。 みんなで言いましょうよ、「ファッ?!」って。 思い切り声をあげましょうよ。

・ 宇宙学の教授であるババサヒブ曰く、「ただの幹線道路だったギャラクシー街道が長年多種多様な生き物に使われてきたことで生命を宿すようになった」らしく、しかも「生き物たちのすきなもの、願ったものを具現化させる力を持つようになった」んだそうですよ。 もう一回言っときますか、ファッ?!って。 でも、しょうがないですよね、「宇宙ではそういうことがある」んだから。 もういいよ。 ぼくはもう疲れたよパトラッシュ・・・

・ 設定はいいとして、全くよくないのは、ハシモトのリアクションが「自分がすきなものが目の前に現れている」ように見えない所。 犬に向ける眼差しも、鳥を追い払う仕草も、道化師を追いかける時の表情も、とてもじゃないですけど「わー!ちょっとマジでー!オレがすげえすきだったあのキャラじゃん!なんでこんなとこに!」という感じじゃないのですよね。 いるはずのないものが見えて困惑しているにしても、全然すきそうに見えなさすぎ。 説明があるまで純粋に迷惑がっているのだと思っていました。 もうちょっと・・・もうちょっとだけでいいから嬉しそうな一面もみせてほしかった・・・


■ ビジュアルが残念

・ 過去の三谷作品にも、「見た目」のすっとんきょうさで笑いを誘う傾向はありましたが、今回はなんかもう「三谷さんよっほど自信がなかったのかな?」と思う程にビジュアル頼りがひどかったです。

・ 綾瀬さんのヘルメットヘア、山本耕史さんの長すぎる鼻、スポック船長を不真面目に誇張したような善ちゃんの容姿、エンケンさんのボンテージ姿、西田さんのハゲヅラ、とっちゃん坊や的なずんぐりむっくり体型のキャプテンソックス。 どれかだけならまだしも、ここまで「あれもこれも」って詰め込まれたらね・・・ ちょっと胸やけしますよね・・・。 

・ 突飛なビジュアルは、ここぞという時の出オチぐらいの扱い方にしてほしかったなぁ。

・ あと、ポン引きがムタに見せるコールガールのカタログも、わたしのツボには全くはまりませんでした。 グロテスクな見た目はいいけど、これあくまでコメディですよね?シュワちゃんが火星に行くやつじゃないですよね?ガチのやつじゃないですよね? なんでこんなユーモラスさのないデザインなの?

・ まぁ、そこはね、それこそ好みの問題ですからね、わたしがコメディに不似合と思っただけで、本作に出てくるコールガールの写真を気に入る方もいらっしゃるでしょう。もちろんそうでしょう。 そういう方が一人でも多ければ、三谷さんをはじめ『ギャラクシー街道』に関わった方もさぞかし本望なのではないでしょうか。 多ければいいな。 だって、せっかく映画館に足を運んだんだから、少しでも楽しめる方がいいじゃないですか。

・ わたしに関しては、コールガールの顔もさることながら、その首から下が揃いも揃って人間と同じタイプだった点がものすごく不快で、「一般的な美醜観にとらわれない多様性を表したいのかと思ったら、結局体はおまえらおっさんがのぞむエロの結晶なんじゃねえか」ってガッカリしちゃいましたので、どこまで行っても残念でした。 顔が色々なんだから、身体だって色々にすればよかったのになぁ。 それこそおっぱいが三つあったって全身が鱗に覆われていたっていい訳ですし・・・


■ しかし、残念ではなかった

・ とまぁ、さんざん残念に感じた点を挙げてきましたが、小栗旬さん演じるハトヤ隊員と阿南健治さん演じるトチヤマ隊長のやりとりはおもしろかったですよ。 ビジュアルに頼ることのない会話劇のおもしろさを素直に楽しめました。 小栗さんのコメディセンスはすばらしいと思いますし、阿南さんもさすがの演技。 困っている人を演らせたら阿南さんは天下一品だなぁ。

・ とにかく、ちょっとずつズレているなぁという印象が強かったです。 もう少しキャラクターの性格が違っていたら、もう少しテンポがよかったら・・・最低でも香取さんのキャラクターが「いつもの三谷作品」のような「気のいい人」だったら、もっとおもしろく感じたのではないかと思います。 あえてのクズキャラだったのでしょうが、クライマックスのカタルシスがなかったせいで最後まで魅力あるキャラに転じることがなかった。 

・ なんだかんだで、わたしの周りの少なくない人たちが本作を観ているのですが、鑑賞後話していると、ほとんどの人が「三谷さんどうしちゃったんだろうね」と、怒りではなく、なんだったら心配していてですね。 「ホントに完成品観たのかな?」とか「忙しくて映画にかかりっきりになれなかったのかな」とか「真田丸だいじょうぶかな」とか、「まさかこれが三谷さんの本気なはずがない」と思っている人がホントに多くて。 かくいう私も同じですし。

・ もしも本気で三谷さんが本作を「オレの最高傑作!ちょうおもしろい!」と思っているのなら、わたしは今後の三谷作品とも相性が合わないのかもしれない。 そんな寂しさすら感じた『ギャラクシー街道』でした。 でもまだあきらめてないですけどね!

・ あと、本作で残念じゃなかったもうひとつの点は、予告編にあった「三谷さんと謎の着ぐるみがすれ違うシーン」が本編にはなかったことです。 皆さん、安心してください!本編に三谷さんは出ません! 繰り返します!本編に三谷さんは出てきません! (だからどうしたって言われても困るけど)







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