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『シンデレラ』

2015年05月15日
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『シンデレラ』に対する極めて局地的な街の声
・ いじわるなおかあさんがじつはむかしおうさまにせなかのはねをとられてたってはなしなのかとおもったらちがった。(いもうとちゃん・10歳)
・ おねえさんたちが足を切り落とされるやつかと思ったらちがった。(ちびっこ・13歳)
・ お供の蜥蜴が結構本格的にトカゲトカゲしてて思てたのとちがった。(おかあさん・42歳)

・ ドレスがきれい!!(いもうとちゃん・ちびっこ・おかあさん)


あらすじ・・・
シンデレラことエラが森で知り合った男の人とお城で結婚します。



【ディズニーが満を持してお届けする最新実写作品 『シンデレラ』 のここがすごい!】



■ 政治的にただしい!
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昔の作品を現代の価値観で作り直すことのよき面といえばこれですよね。
当時は仕方なかったというか疑問をはさむ余地すらなかったのでしょうが、小間使いから来賓客まで見渡す限り白人だらけだった登場人物が今回は一新。
王子がもっとも信頼を置く忠臣を演ずるノンソー・アノジーさんをはじめ、お城の内外を問わず様々な場所で様々な人種を確認することができます。
街の広場に集まる群衆の中にアジア人の姿もちらほら見かけましたので、時代背景とか史実うんぬんでいうとあまり正しくないのかもしれませんが、そこはそれ。ほら、ファンタジーの世界ですし。
アニメ版ではただの裁縫要員だった女のネズミも、家の外に出て男のネズミと共にエラの成り上がりに一役かう、と、これまたただしい配置になっており、ぼかぁディズニーの気の配り方に感銘を受けましたね。
21世紀のディズニーは一味ちがうぜ!



■ 舞台美術がすごい!
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まさか一介のカボチャがここまで派手派手しい乗り物になろうとは誰が予想しただろうか! これアレでしょ、お香焚くやつでしょ!ベルサイユ宮殿とかにあるやつ!
このように、小物ひとつとっても、出来れば手にとってみたい、無理ならせめて間近で見てみたいと思わずにはいられない、煌びやかさの結晶のような美しいものばかりなのですが、それらが飾られている上物がまたすごい!
主な舞台となる、エラの実家と王子の実家のふたつの建物の壮麗なことといったらもうね・・・。
実際にセットを建てたという大広間や王宮の外観の作り込み方なんて尋常じゃないですよ。 昔の人が見たら本物のお城だって思いますよ。現代のわたしも思いましたよ。
あと、ドレスね! シンデレラのドレスはもちろんのこと、ケイト様演じる継母のファッションがえげつないぐらいかっこいい!
通りすがりの町民からお城の衛兵まで、衣装が絢爛すぎて眩暈がします!ここはまさしく夢の国やで・・!

誰もが知っているおとぎ話の実写化となると、みんなが既に頭の中で完成させてしまっているイメージをどこまで壊せるかというのが大きなハードルになると思うのですが、この圧倒的すぎる舞台美術を前には光の速さで頭を垂れるしかないでしょうね。
なんだろうなぁ。お金の掛け方ひとつでここまで出来ちゃうものなのかなぁ。ディズニーおそるべし・・・!



■ 出来レースっぷりがひどい!
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アニメ版と違い、本作でのエラ(シンデレラ)と王子はお互いの身分を打ち明ける前の段階で一度出会っているのですよね。
で、王様から隣国の姫君との結婚を急かされた王子は、舞踏会に国中の独身女性を全員招待すれば、必然的にエラもお城に来てくれるだろうと踏んだ。
身分の違いすぎるいち国民との結婚だから認められないかもだけれど、エラ本人を王様に紹介できさえすれば、すっげえ美人だし、性格も超よさそうだし、きっと気に入ってくれるだろう、と。
もし来てくれなければ、悲しいけれどそれもまた運命と思って縁談を受け入れよう、と。
つまり、どっちに転んでも一般独身女性には一縷の望みもない訳ですよ!おいおいおい!完全に出来レースじゃねえか!
王子は謝れ! そうとは知らず、「ワンチャンあるかもやで!」ってなけなしの貯金をはたいてドレスをこしらえてお城に馳せ参じた全独身女性に謝れ! っていうか、森で出会ったんだからだいたいの住所わかってんだろ! チャチャっと調べて即座に求婚に行けよ!
たとえつらいときも 信じていれば 夢は叶うもの・・・!(※ただしエラに限る)



■ フェアリーゴッドマザーがパルパティーン!
パルパチーン

さてはきさま・・・シスの暗黒卿だな!



■ ブランコに乗せたエラを背後から押すことによって極めて自然に胸元を覗き込むという王子の狡猾な罠がすごい!
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このあとブランコをブンブン振ったため、ガラスの靴が脱げてしまうのですが、それを王子がすかさず拾い、エラに履かせるくだりのフランス書院っぷりがこれまたすごいです。
王子「ほうら、こうすれば・・」
エラ「(ため息)」
王子「フフ・・入ったね・・・」
エラ「(上気した肌)」
ちょっとディズニーさん!これ子どもも観てるんですよ!

ちなみに、舞踏会のシーンでも、なんだったらもう今すぐココでおっぱじめるんじゃないかというテンションで踊りまくるのですが、正直周りの人が目のやり場に困っちゃうと思うので、せんせーい!エラさんと王子くんはもうちょっと自重した方がいいと思いまーす!



■ オマージュがすごい!


「ビビディ・バビディ・ブー」や猫やネズミの名前など、アニメ版のオマージュがちらほら見受けられる本作ですが、まさか隠れた名曲である「歌えナイチンゲール」まで使ってもらえるとは・・・!
ドリゼラ&アナスタシア姉妹の大ファンであるちびっこたちも大興奮でした。
ただ、シンデレラが口ずさむだけで、ドリゼラが歌うのは別の歌だったのが残念でしたねぇ。



■ センスがすごい!
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舞台美術のすごさは書きましたが、それをどう切り取るかという画面作りが本当に素晴らしい。
どのシーンをとっても、配色といい構図といいカメラのなめまわし方といい、完璧に美しかったと思います。さすがはケネス・ブラナーさん・・・センスの鬼やで!
このケイト様とエラのツーショットなんて、このまま美術館に飾ってもなんら遜色ない・・いや、飾りたい!今すぐルーブルで特別展を企画しよう!そうしよう! わしゃ行けないけど!



■ 出来レースっぷりがやっぱりすごい!
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エラと結ばれなければ隣国の姫と結婚する、という事前の約束を力技で反故にした王子は、現場に残されたガラスの靴を国中の女性に履かせるという壮大な実験を行い、何が何でもエラを探し出すことを決意します。
が、ちょっと思い返してください。
そもそも王子は、森の中であった村娘こそがエラであるということを知っていた。
つまり、エラの住まいに関して、だいたいのあたりはついていた訳ですよね。
現に王子は部下たちがエラの家に向かう時、姿を隠してこっそり同行していました。
ほんでもって、民間人との結婚を快く思っていない大公が、継母と結託してエラの存在をスルーしようとした瞬間、「ちょっとまてコノヤロウ!」と正体を現す王子。
エラの姿を確認した時点で面通しは済んでいるので、もうガラスの靴なんて完全におまけ扱いですよ。
別に履かせなくたって本人だってわかってるし、出会って5秒で結婚するつもりなんですよ。おい!どういうことだよ!またまた出来レースじゃねえかよ!

国民ひとりひとりに靴を履かせてみるという実験に、どれぐらいの日数と経費が掛かったのか。
っていうか、自分の靴かどうかなんて本人が一番わかってるんだから、茶番以外のなにものでもないんじゃねえの。 おい王子。 しっかりしろ王子。 
何度も言うけど、そんなに好きならチャチャっとヤサ調べてガサ入れにいけよ!



■ ここは断じて通さぬ!
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ケイト様が「you shall not go to the ball!」ってババーンって見得を切るシーンで、わたしの頭の中のガンダルフがガラ様に続けとばかりに「you shall not pass!」って杖バシーンってやり始めたので、指輪ファンのみなさんも是非ご覧ください。



■ 裏シンデレラがすごい!
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昔々あるところに、ひとりの女性がいました。
彼女は優しい夫とふたりの娘に囲まれ、何不自由ない生活を送っていましたが、ある日思いもよらない不幸が彼女を襲います。
夫が突然亡くなってしまったのです。
途方に暮れつつも、なんとか女手一つで娘たちを育てる彼女。 
華麗でいて、その実冷徹なところが多い社交界において、それは決して楽なことではありませんでしたが、彼女は自らを奮い立たせ、美しさも気高さも失わないよう必死に生きていきました。

「自分と再婚して欲しい」
遠い国からきた資産家の男性からそんな申し出を受けたのは、娘たちが年頃にまで成長した頃のことでした。

初めて訪れた土地、初めて嗅ぐ空気。 男性の家で新生活を始めた彼女でしたが、都会の暮らしとはあまりにかけ離れた田舎での日々に馴染むことができません。
そして馴染めないもうひとつの理由。 
それは、男性の連れ子であるエラという少女の存在でした。
求婚しておきながら、自分に関心を示そうともしない夫。
それはそうでしょう。だって目の前にはいつも、彼の前妻にそっくりな、若く、美しく、聡明で、慈愛に満ちた愛娘がいるのだから。
彼女は自分を変えるつもりはありませんでした。 そしてまた、エラに勝てるとも思っていませんでした。
再婚前たしかに持っていたはずの自尊心を取り戻すため、邸宅に知り合いを招いて毎夜パーティに興じ、幸せではないという事実から目を背けるしかなかった彼女。背け続ける限りは幸せでいられる気がした彼女。
しかし、程なく容赦のない事実を突きつけられることとなってしまいます。
夫とエラは、いまだに亡き母のことしか想っておらず、哀しみと愛を分かち合うふたりの間には、後妻である自分の入る隙などないのだという事実を。

そんな中、問題山積の母娘たちを置いて遠方へ貿易の仕事に出かけた夫の従者から届いた知らせ。
彼女は再び夫を亡くしてしまいました。

結局夫は彼女とエラの溝を埋める努力をしようとしなかった。
彼女と娘たちには金だけを与え、エラには惜しみない愛情を注いだ夫。
残されたものは、血のつながりの無い3人とひとりの女性。
たったひとつの共通点である男性の死を哀しみ合うこともできない、あわれな同居者。

彼女にとってエラは、もはや家族ではありませんでした。 いや、最初から家族ではなかったのかもしれません。
生活してゆくために利用するだけの存在。 
水をくむ桶のような、スープをすくう匙のような、暖炉にくべる薪のような存在、それがエラ。
彼女はそう思おうとしたのです。
これ以上自分を憐れまないために。
しかし、どれだけ意地悪な仕打ちをしようと、エラは微笑みを絶やさず反抗的な態度などおくびにも出しません。
エラが彼女に親切にするたび、エラが彼女の娘たちを思いやるたび、彼女の心はズタズタに切り刻まれるのでした。
エラが高潔であればあるほど、彼女の醜さが彼女自身を苛んでゆく。
わかっている。わかっているけれどやめるわけにはいかない。
エラを否定しなければ、彼女は、自分と、自分の娘たちを受け入れられなかったのです。
せめてエラが彼女を憎んでくれたなら。
口汚くいじわるな継母を罵ってくれたなら。
自分と同じ人間だと思えたなら、彼女は救われたかもしれません。

これ以上ないほど理想的な結婚相手を見つけ、家を出ることを決めたエラから彼女に告げられたのは、「あなたを許す」という言葉でした。
勇気と優しさにあふれる天使のようなエラは、永遠に手の届かないところへ行ってしまいました。

最後まで謀略と非情さという心の鎧を脱ぐことが出来なかった彼女の名はトレメイン夫人。
彼女はその後国を追われ、いつまでもいつまでもつらい日々を送ったのでした。

要 約 す る と 親 父 が ク ズ 。



■ おまけ!


・ 同時上映された 『アナと雪の女王/エルサのサプライズ』 も、こじんまりとまとまっていてとても面白かったです。 おたかさん(松たか子さん)バージョンばかり観ていたので、久しぶりにイディナ・メンゼルさんの歌声を聴いたらめちゃくちゃ艶っぽくてソウルフルで、「エ・・ルサ・・?」ってなってしまいました。

・ 長編映画の時からそうでしたけども、エルサとアナの姉妹は「どちらが姉でどちらが妹」という縛りがなく、無性にお互いを支え合っているトコロがいいですよね。 「姉妹」という役割の押し付けはよくないヨー。

・ 『シンデレラ』ですが、アニメ版からストーリーを大きく変えることはなく、でも説教臭くならない程度にキャラクターの背景の補強もしてあって、大人から子どもまで楽しめるバランスのいい作品だなぁと思いました。

・ それにしても、結婚初日から再婚相手の連れ子が実子の悪口を言っているのに、注意もせず聞かないフリするなんて父ちゃんはどうかしてるぜ!

・ ケイト様が本当の母親になろうと思っていたのかどうかわかりませんが、それでもいちおう「家族」として一緒暮らしているエラから、ことあるごとに「義理のお母さま」、すなわち「わたしとあなたは他人ですよ」という扱いを受けるのは、決していい気持ちではなかったのではないかなぁ。 いきなり「ママ」って呼ばれても戸惑うかもだけども。 っていうかホント父ちゃんが彼女たちに何のフォローもしてなかった感すごい。 何のための再婚なんだ・・・。

・ 「エラが謎のプリンセスだということを隠す魔法」がケイト様に効かなかったのは、それだけケイト様が常日頃からエラの一挙手一投足に過敏に反応していたということなのでしょうかね。 パーティ帰りで興奮している娘たちにクスクス笑いをもらすエラ・・・ こいつなんで含み笑いしてるんだ・・・ ・・もしかして・・・もしかしたら・・・ (屋根裏部屋の床下収納を探りあてて)はいダウトォ!!!

・ なんかもうね、この瞬間のケイト様を想像しただけで胸が痛いですよね。 きっと嬉しかったんだと思いますよ。 「ああ・・シンデレラも悪巧みするんだ!」って。「私たちに隠れて王子を転がすなんていい度量してんな!」って。 やっと自分と同じ土俵に立ってくれたんですから、「じゃあこっちもシビアに行かせてもらいまっせ!」ってさぞかしテンションもあがったことでしょう。 ところがシンデレラはあくまで純愛を主張して、交渉にも乗ってこない。 「ならば権力でねじ伏せてくんのか?やってみろコノヤロー!」と腹をくくっていたら「あなたを許します」宣言ですよ。 完膚無きまでの敗北ですよ。 かわいそう!ケイト様かわいそう!!

・ 要約すると親父がクズ。

・ ケイト様はエラのそばにいるべきではなかったのだと思うので、縁を切られて正解だったのではないでしょうか。 この後は、ステラン・スカルスガルドさん演じる安定のクズキャラ・大公さまと一緒に、どこか別の国で悪巧みしながら幸せに暮らしていただきたいものです。もちろん、ありのままのトレメイン夫人として。





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