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『パラノーマル ホスピタル』

2015年03月16日
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あらすじ・・・
廃墟に上半身裸のヒゲじいさんが出ます。


・ 最近めっきり体調を崩していて、映画館に行くことが困難な状態なのですが、いじけていてもしょうがないのでいっちょ景気のいいヤツでも観てみるか! とレンタル屋さんに足を運び借りてきたのがこれです。『パラノーマル ホスピタル』です。 どうしてだろう。どうかしている。

・ ってことで、お久しぶりのパラノーマルですよ。 今回は病院が舞台だそうで、『グレイヴ・エンカウンターズ』にかぶっちゃってるんじゃないの?という不安も無きにしも非ずではあったのですが、そもそも今まで安心して鑑賞できるパラノーマルに何本遭遇したのか・・と自問自答してみたところ、皆無に等しいという答えが出ましたので迷わずプレイヤーにDVDをイン!

・ 物語は1976年にアリゾナ州のコッパークイーンで起きた凄惨な殺人事件で幕を開けます。 閑静な邸宅に押し入る黒い影。 死を覚悟した屋敷の主・ホステドラー医師は2階の自室に逃げ込み、妻の写真に憎しみの眼差しを向け「おまえのせいで・・・」と呟きつつ、顎に押し当てた拳銃の引き金に指をかける。 赤く染まった妻の写真は、夫の変わり果てた姿を静かに見つけ続けるばかり・・・。

・ この冒頭シーンが、映像といいこだわりが感じられる編集といい実によく出来ていまして、ぼかぁ思わず「パラノーマルってだけで低予算&チープ&見切り発車と決め付けるのはよくないなぁ」なんつって己の価値観を省みてしまいましたよね! そりゃ本来、どの作品にだって製作者が万感の思いを込めて名付けた正式なタイトルがあるわけで、ほとんどの「雨後のパラノーマルシリーズ」はあくまで日本のメーカーが勝手につけた邦題ですもんね! 

・ 本作だって、パラノーマられる前に「ANIMUS」という立派な原題がついていた訳でして! どうですか、「ANIMUS」!  良い響きでしょ、アニマス! 意味ですか? 意味を知りたいですか?どうしても知りたいのですか? はい、みんなが気になる意味はコチラ!

1 (…への)敵意,悪意,敵愾(てきがい)心,憎悪((against ...))
feel [have] animus against ...
…に敵意をいだく.
2 意図,意志,志向,生命力,生気を与える[活動的な]魂.
3 (Jungの心理学で)アニムス(⇔anima):特に女性における抑圧された男性的特性
(※ goo 英和・英語辞書より)



・ うん・・・わかるようでぜ ん ぜ ん わ か ら ん(特にユングのくだりが)

・ 「敵意・憎悪」ってそりゃ確かに悪霊のたぐいですから憎しみはありますよね・・。 「意志・生命力・活動的な魂」ってまぁ悪霊のたぐいですからやる気は充分ですよね、まぁね・・・。 「女性における抑圧された男性的特性」はなんだろ・・・反撃するヒロイン・・? でも本作のヒロイン、怖い目に遭った瞬間めちゃくちゃ心が折れてましたけどね・・・ どうしよっか? ねぇ、これどうしよっか? 決め手のない原題どうしよっか?じゃあもう「パラノーマル」でいっか!

・ そんな紆余曲折を経て完成した『パラノーマル ホスピタル』。 冒頭のホステドラ―医師のシーンがさっくり終わったあとは一転舞台を現在にうつし、大学に提出するドキュメンタリーフィルムの題材に前々から興味のあった「心霊現象」を選んだヒロイン・マイヤが、友人たちを道連れにいわくつきの廃病院を目指すこととなるのですが、これがまぁ長いの長くないの。 延々リポート書いてんの。 物憂げな雰囲気を醸し出しながら、キャンパス内でメモとってやんの。 いいから行けよ。 とりあえず出発しろよ。 上映時間80分ちょいしかないんだぞ。

・ で、出発するのかと思ったら、今度は謎の悪夢にうなされるマイヤ。 人気のない建物(たぶん病院)内をさ迷い歩く彼女の前に、無残に口を縫い付けられた少年が現れる。 すると次の瞬間、周囲を医師に囲まれたマイヤはベッドの上でロボトミー手術を施されそうに・・・。 悲鳴をあげるマイヤ。 気が付くと医師たちは消え、少年の口から黒い霧が・・・

・ まぁ、悪夢っていうか要するに夢なんで、霧が出ようが露が出ようとダメージないんですけどね。 っていうかまだ本題に入ってない感すごい。 けっこう尺使ってるわりにはなんも起きてない感すごい。 いいからさっさと出発しろよ。 そのくだり、後で活きてこなかったらDVD燃やすぞ。(借りものなので心の中だけで)

・ その後、撮影器具のレンタル屋さんでの無駄な小芝居を経て、やっとこさ出発してからも、メンバーのどうでもいい体験談やら町民への聞き込みやらメンバー同士の乳繰り合いやら、まったく盛り上がらない珍道中がそこそこ続きます。 っていうか、乳繰り合いのシーンにおっぱいはおろかおさわりすらないってどういうことだよ。 「車内から聞こえてくる喘ぎ声にヒロインたちが呆れ顔」という100%声だけのシーンで、サービスショット一個入れたつもりにでもなってんの? どうしてこのくだりを使おうと思ったのか、責任者からの簡潔な説明を早急に求めます。

・ なんやかんやの末、最後の砦とばかりに登場する「こっから先は行かんほうがええ」タイプの地元民をかわし、ついにくだんのホスピタルに到着する一行ですが、廃病院として登場するのはまったく病院に見えないただのおんぼろマンション。 せめてベッドなり手術道具なりをちょこちょこっと置いてくれさえすれば、こちらも心眼を全開にして「ここは病院・・・ここは病院・・・小汚い配管しか出てこないけどここは病院なのれす・・・」と、そういうテイに付き合う覚悟はあるというのに、なんなのだこの後ろ向きな態度は。 ホスピタルなだけに、最低限のホスピタリティはご用意願いたいものですな。ホスピタルなだけに。(ダメ押し)

・ しかし、再生開始から55分を過ぎた頃、我々は製作者の真の心根を知ることとなる。 そう、彼らが限りある資金を投じたかったのは、そのような無駄な舞台背景ではなく、あくまでゴア。手が飛び首が舞う、汁気たっぷりなゴア描写だったのだということを・・・!

・ 裏を返せば・・・
_人人人人人人人人人人人人人人人_
> 55分過ぎまでなにも起こらない! <
 ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄


・ 「パラノーマル ホスピタル」がすごいのは、80分ちょいの上映時間のうちたっぷり55分をかけ張りまくった伏線を残りの25分ですべて回収するのではなく、残りの25分が先の55分とほとんど関係ないただのゴア祭りという大胆さなのでありまして、やっとここで登場するヒゲじいさんも、一体誰の縁故者なのかさっぱりわからないのですよね。

・ 会話から想像するに、マイヤの悪夢に出てきた少年のなれの果てがヒゲじいさんらしいのですが、病院内にはその少年自体も出現するので、こいつらが悪霊なのか生霊なのかじいさんなのか子どもなのか混乱必至な展開に。

パラ1
(※ かわいそうな少年)

パラ2
(※ さむそうなヒゲじいさん)(統一感ゼロ)

・ マイヤの仲間をひとり、またひとりと血祭にあげるヒゲじいさん。 冒頭でホステドラー家を襲っていたのもじいさんらしいのですが、大学生を片っ端から襲っているところを見ると、誰かに恨みがあっての凶行というわけではなさそうです。 マイヤには過去に心を病んでいたという過去があり、少年との共通点がありそう(だから夢にも出てきていた?)なので、彼女だけは別格扱いするのかと思いきや、殺す気全開で追いかけていましたし。 

・ っていうか、ホント先ほども書きましたけど、病院感がまったくない場所なんですよね、この舞台が。 ほんでもって途中からはなぜか病院が潰れた炭鉱に繋がっていて、埃っぽい洞穴の中を女の子がワーワー逃げ回ったりつるはし持って闘ったりするものですから、なんかもうホスピタルっていうよりディセントなんじゃねえの?って。 そういう気持ちに、オレはなった。

・ ということで、もしも続編が作られた際は、「パラノーマル・ディセント」という邦題にしてしまっても問題ないのではないでしょうか。 だいじょうぶ、どれがどの作品と繋がっているのか判別つかなくても、「パラノーマル」さえつけておいてくれればおまえたちの骨はオレが拾ってやる。

・ 伏線は放りっぱなしだし、録音が悪かったのかセリフの音量はバラついてるし、冒頭のシーンはなんだったのかっていうぐらい途中から雑な映像になっちゃうし、ただただゴアをやりたかったにしてはエンジン掛かるの遅すぎだし、なんかもう支離滅裂を絵にかいたようないつものパラノーマルだったのですが、手作り感あふれるヒゲじいさんの造形や狭いところでがんばるキャストのみなさんの姿に胸を打たれたので、やっぱりまだまだパラノーマルから目が離せないな! とキレイにまとめておこうと思います。 現場からは以上です。


― おまけ ―

パラ4
(※ ヒロインの親友がYOSHIKI)




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