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『新しき世界』

2014年12月31日
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(※ ヤクザな兄貴とシンガーな兄貴)

あらすじ・・・
ミイラ取りがミイラになります。


兄貴が「強く生きろ」と言ったから、11月28日はセメント沼記念日!
もう語呂も字数もむちゃくちゃですが、『新しき世界』と出会った11月28日はセメント沼記念日です。 
えっ? 11月28日ってなんなのか?わたしが『新しき世界』を観た日ですよ! 
日本で公開されてから、既に9か月が経過。 遅すぎた!出会ったのが遅すぎた!でもこのセメントは時間が経っても不思議と固まらないんだナァ!(ゴクゴク)(浴びるように飲みながら)

下っ端のおまわりさんが上司に命令され、ヤクザ組織に潜入するという、別に目新しくもなんともないお話なのに、どうしてこんなに心のやわらかいトコロをえぐっては投げえぐっては投げするのでしょうか。 
物語は薄暗い倉庫でヤクザに疑いをかけれらた男が口にセメントを流し込まれるという衝撃的なシーンで幕を開けます。
とても野蛮で、非情な世界。 
まだこの時点では、わたしは本作に引き込まれていませんでした。 
醜いヤクザの抗争。 容赦ない上司からの指示。 しんどいけれど、まぁそういうもんだろ、ぐらいな感じで。

しかし、ヤクザの親分が亡くなり、そのお葬式が開かれることになった時、しんどい世界に今まで見たことのないほど愛くるしい一輪の花が咲きました。 
殺伐とした空港に現れた、白スーツにサンダルという独創的なファッションの男性。 
そう、組織のナンバー2である兄貴です。 
マッポの手先であり尚且つヤクザの一員という、大変めんどくさいポジションで苦悩していたイ・ジャソンさんが、楽しいことも血なまぐさいことも全て分かち合ってきた親友であり、心のよりどころであり、いつか警察に売らなければならない敵でもある兄貴は、そんなイ・ジャソンさんの心のうちなど知る由もないはずなのに、何もかも受け入れているような穏やかな瞳で微笑みます。  
なんという・・・ なんという・・・!!!(心のおひつを抱えながら号泣)

退路を断たれたジャソンさんと兄貴。 
その果てに待ち受けているのは、逃れようのない「破滅」という現実。 
忠誠と愛情の狭間でもがき苦しむジャソンさんの背中に、兄貴がそっと寄り添います。(そのままの意味ではなく精神的な意味で)
 
「強く生きろ」  

残った命を絞り出すように、しかしやさしく語りかける兄貴の言葉を糧に、ジャソンさんはいつか帰るはずだった故郷(警察)を捨て、誰よりも高い場所へと到達しました。 しかし、そこには信頼できる友も、叱咤してくれる仲間の姿もありません。
誰もいない新世界で、彼は夢を見る。
それは血みどろで、それは拙く、そして甘い。 流血の中にあって、彼は幸せだった。 
からっぽの世界で、そんな日の夢を見るジャソンさん。
うわわーん!!もうわし一生夢だけみて生きてくからもっとその白昼夢おくれよ!! 兄貴とジャソンがただ道歩いてるだけの映像でもいいからレギュラー番組でおくれ! 兄貴とジャソンのぶら散歩、週一でおくれよー!!(隔週でもいいヨ)

兄貴とジャソンさんの姿がかなしくてせつなくてたまらないのですが、そんな彼らを追い詰める警察のえらいさん(カン課長)やヤクザの幹部(ジュング)がただの人でなしなのかというと、そういうことでもなく。 
終着点の無い修羅の世界を生き抜くためには、他人に対する「共感」や「情け」を一切排除しなければならなかったのではないか。 
多くの人がそれ(情)に流されるからこそ、自分だけは鬼になろう。 
カン課長とジュングは、そんな風に心を決めていたのではないかと思うのですよ。 
たとえその決断によって周囲から憎まれようとも。 激しい孤独に苛まれようとも。 
そして、そんな覚悟を理解していたからこそ、彼らの志のために命を懸けた、潜入捜査官たちとヤクザの子分たち。 
もうね!この腹の括り方ね! 

続編どころか3部作としての構想があるそうで、ほんともうありがたい気持ちでいっぱいです!



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