『華麗なるギャツビー』(2013年版)
2014年12月31日

あらすじ・・・
ディカプリオさんが好きな人のために荒稼ぎします。
絢爛!狂乱!一心不乱!
ということで、戦争に行っている間に別の人と結婚してしまった元カノを取り戻そうと必死にがんばるディカプリオ氏がひたすら気の毒な本作だったのでした!
安泰な生活のためにいい感じの金持ちを選ぶ元カノといい、世間への体面の為にいい感じのお嬢さんをめとりながら愛欲専用の愛人も手放さない元カノの夫といい、「気前のいい金持ちの友達」という恵まれた地位を享受しながらも肝心なトコロでは傍観に徹する友人・トビーさんといい、ほんっとに出てくる人たちは揃いも揃ってクズばっか!
では、ディカプリオ氏だけは根っからの善人なのかと言うと、彼もまた自己中っちゃあ自己中なんですよね・・・。
「自分」が元カノを取り戻したい!
「自分」がやり直したい!
「自分」が満足したい! と我がコトばかりのディカプリオ氏。
もしも本当に、愛する彼女の幸せだけを祈るのならば、彼女に夫と間男(自分)の二者択一を迫るようなことはしないはず。
わざと夫と張り合って、彼女を窮地に追い込むようなこともしないはず。
でも、しちゃうんですよね。 だって、本当に大事なのは「自分の幸せ」だから。
プライドと愛がごっちゃになって、何が一番大切なのかわからなくっているディカプリオ氏と、その心の混乱を表すような空虚なパーティシーンがとてもすばらしかったです。
まぁ、一番すばらしかったのは、元カノだギャツビーの正体はだのとワッキャワッキャしている間につつがなく進行してゆき、最後の最後に究極の信頼関係として精神世界で成就した、ディカプリオ氏とトビー氏の無償の愛なんですけどね! おーいかあさん! 白飯おかわり!おひつで!
ギャツビーも、元カノの夫の愛人も、その愛人の夫も、本作で亡くなっていった人は皆、「真実」を知らないまま旅立ってしまいます。
愛する人の裏切りを、愛する人を死に追いやった原因を、愛はすでに遠く離れていたことを知らず、自分の中の真実だけを抱えてこの世を去った彼らが迎えたそれは、もしかしたら幸せな最期だったのかもしれないなぁ・・と、思いました。

