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戦慄怪奇ファイル コワすぎ!劇場版・序章【真説・四谷怪談 お岩の呪い】

2015年01月22日
こわすぎ


シリーズ最高傑作であるFILE-4よりも面白くすることなど可能なのか? 
前作に詰め込まれていた「時空と空間にある異世界」や「霊能者・真壁が工藤Dに伝えようとしていたこと」などの謎に、満足できるような回答が用意出来るのか? 
・・という、わたしが勝手にこしらえた高すぎるハードルを軽々越えてきた驚異の第5弾! 降参じゃー!わしゃ早々とシャッポを脱ぐぞい!

数ある怪談やホラーネタの中でわたしが一番苦手な題材は、何を隠そう「東海道四谷怪談」でありまして。
小学生の頃読んだ「こち亀」のエピソードのせいなのか、うっかり観てしまった映画のせいなのか、はたまた学級文庫にあった都市伝説本のせいなのか・・・。
「お岩さん」という言葉を口に出しただけでも、というか、名前に「さん」をつけずタメ語で呼んだだけで呪われたなんて話もどこかで読んだ覚えがありましたし、とにかく、「四谷怪談」絡みのネタはずっと避けてきたのですよね。
というわけで今回は、
「今までのシリーズと違い、本来の意味でのコワすぎだったらどうしよう・・・」
と、色んな意味で失礼な不安を抱えながら鑑賞に挑んだのですが、もうね、ぜんぜん杞憂だった! 
オレ、初めてお岩さんで笑った! 
ありがとうコワすぎ! トラウマを克服させてくれてありがとう!

なんと、前回あれだけ白熱した異世界でのプカプカルンルンを全く覚えていなかったという工藤Dと仲間たち。
失はれた記憶を呼び覚ますため、彼ら自身がFILE-4のクライマックス映像を鑑賞しながら、「ファー」とか「ウヒョー」なんつって歓声をあげるという、不真面目な真面目さここに極まれり!な展開で本作はその幕を開けます。
もうこのトップシーンでわたしのボルテージは頂点に達してましたもんね。
工藤Dたちが覚えてないという設定もすごいけど、どこまでも「ドキュメンタリー」を貫こうという真剣さがすごい。
レンタル屋さんに並んでいるそのままのパッケージを手にし、我々が前回観たそのままのプカプカルンルンに本気で驚愕する工藤Dを観ていると、テレビと現実世界の垣根などもう存在しないんじゃないかっていう気になる!いや、あるけど!あるけどない!これはもはや、フェイクドキュメンタリーを越えた「何か」なのだ!

で、一通りびっくら仰天したトコロで、異世界の謎と非業の死を遂げた真壁せんせいはさっさと置いておいて、新たに依頼された「お蔵入り映画」についての取材を開始する一行だったのですが、そんな中、観ている者の不安は順当に的中し、AD市川ちゃんがまんまとお岩さんのノロイにかかってしまいます。
謎の解明を妨げる霊障の数々!
『ノロイ』のアルミホイル屋敷を彷彿とさせるようなどっきりハウスに潜む、謎の引きこもり系美女! 
ますます陰気になる市川ちゃん!
さすがに焦る工藤D!
そんな一行の前に、『シロメ』でゲロを吐いていた怪談師・吉田経人さん登場! 
「東海道四谷怪談」を書いた鶴屋南北の出生にまつわる秘話を紹介してくれるだけでなく、きちんと最強の浄霊師・宇龍院道玄さんをも紹介してくれる吉田さんデキる人!いまだにゲロの印象しかないけどデキる人!

そんなこんなで「よかったよかった・・」っつってさっさと浄霊してもらおうと考えた工藤Dたちだったのですが、話はそんなに簡単なものではなく、再び霊体ミミズのたくる異世界やFILE-1の口裂け女編に出てきた呪術師の里、おまけに工藤Dの知られざる過去まで絡み合ってきて・・・ と、本作は怒涛のクライマックスへと一気呵成になだれ込むのでした。

人の話を聞かない工藤Dとめちゃくちゃ我の強いタイプの浄霊師による、市川ちゃんそっちのけの醜い罵り合い! 
そんなめんどくさいおっさんふたりの横で「ウゲ~ウゲゲエエ~」と苦しむ市川ちゃん。という画が醸し出す、ゲテモノ鍋のような魅惑の味わい! 
これはコメディなのか、はたまたホラーなのか。 
真剣にやればやるほどおもしろさに歯止めがかからなくなる摩訶不思議ホラー。 ホントもう最高です!

コンビニやスーパーでお馴染みのケミカルなポリ袋を卒業し、今回新たにオーガニック素材を活かしたズタ袋に収納され、見栄えもパワーも大増幅した例の「毛」を手にした工藤Dが挑む、次なる敵は・・・? というのが続編である『史上最恐の劇場版』でして、そちらに対する感想は先日ベスト100記事にも書いた通り、わたしの中ではいまひとつだったのですが、「コワすぎ」が目指す到達点はまだまだずっと向こう、異世界の先の遥かなる高みに存在していると思っておりますし、わたしの中では「ナシ」だった工藤Dと市川ちゃんの「へんげ」がどうなってゆくのかも大いに気になるトコロですので、今後もコワすぎから目を離しません!

それにしても、自分の命と引き換えにズタ袋をこさえてくれた呪術師さんといい、死んでもなお見守ってくれる霊能者さんといい、どつきどつかれしながらもついてきてくれる市川ちゃんといい、工藤Dが関係する女の人って毎回ひどい目に遭わされてる割に、みんな不思議なほどに献身的だよなぁ・・。
みんな目を覚ませ! 工藤Dはああ見えて、意外にキチンとしたクズだぞ!





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