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『LUCY/ルーシー』

2014年09月04日
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あらすじ・・・
ルーシーはホテルに来たことを後悔していた。
リチャードに呼び出された時、断るべきだったのだ。
目の前で何度も同じ話を繰り返す彼、たった一週間前にクラブで出会って意気投合しただけの彼を見ながら、ルーシーは徐々に苛立ちを感じ始めていた。
「だから、中身はなんなのよ?」
「オレもよく知らないんだって!」

リチャードの言い分はこうだ。 
実は自分は運び屋の仕事をしている。 今日もひとつ依頼をこなさなければならない。 しかし、今回の届け先であるホテルには過去に何度か足を運んでおり、いろいろとマズいことがある。 だからルーシーにこの仕事を変わってほしい。 ホテルに入り、フロントで依頼主を呼んでもらい、鞄を渡す。 たったそれだけのことだ。 お金なら払う。 どうだ、簡単じゃないか。
しかし、ルーシーは気づいていた。
気軽さを装うリチャードの態度の裏に、尋常ではない不安と焦りが潜んでいることに。

「やっぱり私帰るわ。 ・・こんなこと、出来ないもの」
リチャードに背を向け、ルーシーが拒絶の言葉を言い終わるか終らないかという瞬間、ガチャリという音と共に、ルーシーの手首に不快な金属の重みが加わった。
手錠の先につけられていたのは、鈍い光を帯びたジュラルミンケース。
「なぁ、たのむよ。 これ、もう外れないんだし。 依頼主しか知らないから、暗証番号。  な、頼んだぜ?」

ルーシーはホテルに来たことを後悔していた。
そして、その後悔はすでに、いや、最初から遅すぎたのだ。



(※ 完全にネタバレとなっておりますので、くれぐれもお気を付けください)



キバヤシ

ネタバレあらすじ・・・
スカーレット・ヨハンソンさんことスカ子が、大々的な脳みその覚醒を経て、タタリ神になったり巨神兵になってなぎ払ったり猿人とETごっこしたりします。


・ 観終わった瞬間、「ルーシーwwww ちょwwwwww ベッwwソンwwwwwwww」という感想しか頭に浮かばなかったほどの意欲作です。

・ 予告編がアクション方面に寄せられていた為、「ははーん・・・さてはベッソン、バイオシリーズのポールとミラジョボ観てて“これぐらいボクにもできるもん!もっとすごいのできるもん!”って思ったな~あやつめ~」と決めつけていたのですが、いざ鑑賞してみたら全く毛色の違う作品で、己が偏見を恥じるとともに、ベッソンの底知れなさに畏怖の念を禁じえませんでした。

・ 「取り立てて目立ったところのないごくごく普通の女性が、留学先の台湾で運び屋業に巻き込まれ、未知なる能力に目覚めることとなる・・・」 という内容だけならとっつきやすさ抜群だったでしょうが、なんと驚くことに、スカ子がアクションに覚醒するのはほんの序盤まで。 

・ 覚醒度30%台というさらなる高みへと足を踏み入れたのちは、髪の毛の色を変幻自在に変えたり、パソコンを途方もないスピードでタイピングしたり、超速読したり、遠方のおうちのテレビ画面をジャックしたり、電話もジャックしたり、電気を勝手につけたり消したりするなど、派手なのか地味なのかよくわからない特殊能力をバンバン使い、「あれ・・・これでいいのかな・・ 観にきたのこれでよかったのかな・・・」と観る者の心を揺さぶります。

・ いちおう、肉体の突然の変化に戸惑うであろうスカ子のよき助言者として、名優モーガン・フリーマンさんが用意されていたのですが、よく考えたらスカ子30%に対してフリーマンさんはたったの10%ですから、助言もへったくれもありませんよね。 いや、10%が悪いってわけではないのですけどね。 ぼくらみんな10パーですし。

・ てういか、戸惑ってね―! ぜんぜん戸惑ってねー! むしろグングン吸収してはるー! 

・ で、名優の無駄遣いというと、韓国映画の傑作『オールド・ボーイ』や『親切なクムジャさん』でお馴染みチェ・ミンシクさんも、スカ子を執念深く追いまわすマフィアのドンとして配置されていたのですが、こちらも随分とずいぶんな存在になっておりまして。

・ そもそもリチャードさんは誰に頼まれてミンシクさんにブツを届けようとしていたのか。  ミンシクさんは過去にCPH4を売りさばいたことがあるのか。 見切り発車なのか。 何もかも出たとこ勝負のお仕事なのか。 あと、「1か月もしたら傷跡なんて消えちゃって水着だって着れちゃうよ」とか言ってたけど、あんなふうにでっかく切って縫って、傷跡は消えるのか。 そのあたりも含めて、いきあたりばったりと言わざるを得ませんなぁ。

・ で、いきあたりばったりというと、スカ子がフリーマンさんに全智を授けんと向かったパリに、なぜかミンシクさんも直々に赴いちゃうのですが、ミン男ってば台湾でスカ子さんにフルボッコにされたの忘れたのかな? なぜ勝てると思ったのかミン男。  挙句パリのお巡りさん相手に討ち死に覚悟の銃撃戦まで始める始末。 ヤケクソか。 ヤケクソなのか。 あなたの脳の使用度、10%に届いていますか・・・?

・ ちなみに、スカ子さんを覚醒させることとなったCPH4なるドラッグですが、ベッソンさんのインタビューによりますと「名前は架空だけど、そういう物質は実際あるんだよ!妊婦さんが6週目ぐらいになると分泌する分子で、胎児の骨の形成に一役買ってるんだよ!ホントだよ! 実際の物質の名前? それは申せません!」ということなので、荒唐無稽なストーリーに見えて、実はぼくらの知らないリアリティが織り交ぜられていたのかもしれません。 な、そうことでいいんだろ、ベッソン!

・ 何せ脳の仕組みなんて、まだまだ解明されていない部分が多い訳で、「10%説」こそデタラメであることが広く知られているものの、じゃあホントに今の状態が人間の限界なの?というと、誰にも断言なんて出来ないのではないかと思うのですよね。 もちろん、覚醒したら重力も無視して物体まで動かせるようになるとまでは思いませんが、「もしも・・・」を想像するのは楽しいものです。 だからぼくはベッソンを責めない。 誰にだって、無限の可能性はある。 もっと知識を広げることもできるし、未知の世界へ踏み出すこともできる。 ま、だからっつって脳が100%覚醒した「ヒト」が、最終的に「USBメモリー」になっちゃうのはどうかと思うけどな!

ルーシー
(※ ちなみに70%ぐらいの段階からタタリ神になります)

・ どうしてなのかさっぱりわからないままにスカ子に大抜擢されたフランスの刑事さんが、どことなく杉本哲太さんでした。

・ で、どことなくというと、韓国映画ではあれだけ邪悪なオーラを放っていたミンシクさんも、脳みそ8%設定(←わたしの主観です)にされたからなのか禍々しさが薄れ、どことなく石橋凌さんテイストが。

・ というわけで、ラストは哲太さんと凌さんというふたつのロック魂がぶつかり合い、暑苦しい戦いが繰り広げられることに。 いいぞ・・・ フランス映画なのにそこはかとなく漂うVシネ臭・・・ヘッヘッヘ・・こいつぁたまんねえぜ・・・

・ フリーマンさんとスカ子がとんち合戦をするくだりがあるのですが、「物体の存在はどうやって証明するんだ」と聞かれたスカ子が「ここに車が走っている動画があるじゃろ・・・ 再生速度を速めるじゃろ・・・ もっともっと速めるじゃろ・・・ 車の姿が消えたじゃろ・・・ ・ ・ ・ わ か る な ? 」と言うと、フリーマンさんが「・・・ハッ・・! そうか・・時か!」って脅威の飲み込みの早さを魅せていて、その一連のやりとりの「わかりそうで全くわからん」感があまりにすごかったので、物理学を一から勉強し直したいと思います。

・ で、わかりそうで全くわからんというと、そのあと「時をコントロールする力に目覚めた」スカ子が、生きもの地球紀行したり2001年宇宙の旅に出かけたりするくだりも、破天荒すぎて全くわからなかったのですが、きっと人智を超越したということが表現したかったのだろうと思いますので、遥かフランスへ向けて「やるじゃん!ベッソン!」とだけ叫んでおこうと思います。  ベッソンへ届け・・・オレのモヤっとした想い・・!!

・  脳みそ100%になると、人間の細胞はその荷重に耐えられない。ではどうすればいいのか?消えないうちに、生きた証を後世に残せばいい。 というあらすじはとても納得がいくものの、やはりUSBメモリーがにゅっと突き出されると苦笑いしか浮かびませんし、CPH4をオーバードーズして覚醒、というのもむちゃくちゃすぎてついてゆけませんでした。 

・ なのですが、物体も、空間も、時をもコントロールできるようになったスカ子が素粒子レベルで分解され、結果的にこの地球上のあらゆるところに存在するものとなる、というクライマックスは、そのまま「神ってなあに?」という疑問への答えにもなっているように思えて、わたしはおもしろかったですね。 目に見えないし、困っている人を個別に助けてくれるわけでもないけど、常に人々のそばにいて、全てを統べているもの。 そうか、ベッソンさんにとって女性の究極形態とは神なのか・・・!(←極論であることは認める)

・ 宇宙の成り立ちや大きさについて、だとか、わたしたち人間も含め形ある物体を構成しているのは目に見えないほど小さな原子なんだ、などなど、時々考えてしまうけれどその度に壮大すぎてオエっとなる事柄について、スカ子を前面に押し出したかっこいい映像とディスカバリーチャンネルをダサくしたようなもっさい映像を織り交ぜつつ、それっぽく描いたベッソンさんには、これからもあまりご無理をなされませぬ程度に、独自路線を貫いて頂きたいものですね。 オレはきらいじゃないよ!こういうの! まあね・・出来れば次は、もうちょっと肉弾戦をね・・ 入れて・・・ね・・ せっかくスカ子使ってるのに座らせてるだけだけとかね・・・ 非常にMOTTAINAIよ!

・ 余談ですが、映画が終わってお手洗いに行きましたところ、自動洗浄センサーつきのタイプだったので、40%覚醒したスカ子さんになりきって、手をスッって、こうスゥッってかざしたら水がジャジャーっと流れまして、それはそれはいい気分でしたとさ。 触れずしておまわりさんやマフィアは倒せないけど、水は流せたよ! ありがとう、文明の利器!





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