『GODZILLA ゴジラ』
2014年09月02日

「ツナ食ってる場合じゃねえ!!」
あらすじ・・・
生意気な後輩が場所柄もわきまえず乳繰り合っていたので、怒ったゴジラ先輩がヤキを入れに来ます。
【ゆるふわ博士 ケン・ワタナベの名言9選+α】
■ 「なんだろね・・・」

ケン・ワタナベの今回の役どころは、各国の精鋭科学者たちにより組織された特別研究機関・モナークに籍を置く生物科学のエキスパート芹沢博士。
そんなケン・ワタナベが、ある日、フィリピンの採掘現場から急きょ呼び出されます。
地下深くぽっかりと開いた巨大な穴。 その奥に横たわる超でっかい骨。
骨のそばには卵が産み付けられたような痕が・・・。
そこで、現場責任者に「博士、あれは一体?」と聞かれた際、ケン・ワタナベが無い知恵を絞って発した一言がこちら。
「なんだろね・・・」
ここから始まるすべての事柄においてやることなすこと後手後手に回ってしまう、ケン・ワタナベ伝説の幕開けである。
■ 「15年前のデータがあったの?・・・マジで・・?」

ケン・ワタナベがフィリピンでぼんやりしていた頃、日本のとある土地にあるジャンジラ原子力発電所では、とんでもない悲劇が起きようとしていました。
フィリピンの採掘現場で目を覚ました「何か」が、大好物である放射線を食べに、ジャンジラ発電所へと向かっていたのです。
でっかい体を移動させる為揺れる大地。 否応なく引き起こされる地震。
震度に耐えきれなくなった原発は大崩壊し、そこで働いていたアメリカ人科学者のブロディさんは、同じく技術者として働いていた妻を目の前で喪ってしまったのでした。
それ以降ブロディさんは、事故の原因はただの地震ではないという確信のもと、日本に残り被災地周辺の調査を始めます。
その間ケン・ワタナベは何をしていたのかというと、実は、「何か」を追ってジャンジラ発電所跡地へたどりついておりまして。
「何か」はモナークにより「ムートー」と名付けられ、その成長を温かく見守られることに。
で、15年の歳月が過ぎ、活発化するムートーの活動になすすべなく困惑していたケン・ワナタベの前に、渡りに船とばかりに現れたのは、他ならぬブロディさん。 その手にあったのは15年前にブロディさんがつけていた電磁波のデータ。
まさか誰も記録なんてしていなかっただろうと、探す前から諦めていた貴重なデータを見たケン・ワナタベが思わず発した一言がこちら。
「15年前のデータがあったの?・・・マジで・・?」
探せよ! いや、探しとけよ!(当時原発に関わっていた研究員への聞き取り調査ぐらいしとこうよ、ケン!)
■ 「電源を・・ すべての電源を切ってください・・・」

ブロディさんのデータと現在起こっている地震のデータを見比べても、「あ、波形が一緒だ・・」ぐらいしか思いつかないケン・ワタナベ。
迷走が続く中、いよいよ
「電源を・・ すべての電源を切ってください・・・」
まあな! よくわからん時は一回電気を切るのもアリだわな! リセットボタンを押すとかコンセント引っこ抜くとか、そういうやつな!
■ 「そういうアレも出来たんだ・・・」

電源を切ったことで、ムートーの生体反応は消え、発電所跡地に静寂が訪れます。
ホッと胸をなでおろすも、一抹の寂しさを覚えるケン・ワタナベ。 ま、彼が育ててきたようなものですもんね。
その時、突如息を吹き返したムートーさんが、気合の一撃(電磁波パルス)を放つ!
一斉にダウンする電気系統。 制御不可能な状態に陥るモナークの面々。 そんな混乱の渦中で最高責任者ケン・ワタナベが満を持して放つ一言がこちら。
「そういうアレも出来たんだ・・・」
あ・・そっか・・ 攻撃能力があることは想定外だったのか・・ じゃあしょうがないか・・・ しょうがな・・しょうがなくねえよ!おい、ケン!
■ 「ゴジラは、何億年も前から生態系の頂点に君臨してきたバランサーだったのだよ!」

と、ここまでイイトコ無しだったケン・ワタナベですが、ついにその生物博士としてのポテンシャルが解き放たれることに。
発電所跡地を全壊させ、多くの死傷者を出しながらどこかへ飛んで行ったムートー。
その死傷者の中には、執念で事故を調べてきたブロディさんの姿も含まれていました。
15年前、母を喪ったショックと怪電波を放出する父のせいで、つらい幼少期を送ってきたブロディさんの息子・フォードさんは、父を信じてあげられなかったことを激しく悔います。
しかし、いつまでもクヨクヨしているわけにもいきません。 とにかく今は、逃げおおせたムートーを探さなければ・・。
というか、そもそもムートーってなんなのさ?
と、なにがなんだかさっぱり状態なフォードさんを前に、いちから説明を始めるケン・ワタナベが長年の研究から培った知識をベースに自信を持ってお送りする持論がこちら。
「何億年も前から生態系の頂点に君臨してきたバランサーだったのだよ!」
・・うん、で?
うん、うん、わかるよ、わかるけどさ、ちがうでしょ、今ゴジラの話じゃなかったでしょ? フォードさんが知りたいのはムートーの話でしょ?
百歩譲って、ムートーさんと縁の深いゴジラの説明からするとしても、「大昔から地球の生態系を調節してきたバランサーだった」ゴジラがうっかり起きちゃったとか、おっかないから水爆実験と称してゴジラを核攻撃してたとか、ぜんぜん辻褄あってないけど、大丈夫?
バランサーだったんなら、無理に攻撃なんかしなくてもよかったんじゃないの? あ、そうか、その当時はケン・ワタナベは関わってなかったのか、じゃあいいや。それはいいや。 それはいいんだけど、そもそもバランサーだったって証拠はあるの?誰が断定したの? ゴジラがそこ(地球上の生態系バランス)まで考えて捕食してたって保障はあるの? ちょっとこれ言いにくいんだけど、もしかしてだけどさ、それぜんぶケンの想像なんじゃねえの? おい!大丈夫かモナーク!
いや、大丈夫に決まってる。
ケン・ワタナベの溢れんばかりの専門知識があれば、ゴジラやバランサーといった話を踏まえた上、この先どう動けばいいか、切れ味鋭いシャープな提案をしてくれるはず。
で、で、どうすればいいの?
おせーて! ケンさん!
■ 「というわけで、お父上が生前何か仰っていなかったか、どんな情報でもいいからおしえてつかあさい・・・」

フォードさんに 聞 く の か よ ! !
■ 「よい席はお早めに・・・!」

父親の話を話半分で聞いていた割には、しっかりと記憶してくれていたフォードさんのおかげで、ムートーは逃走前、別の「何か」と対話していたことが判明します。
その正体はいまだ不明なものの、とりあえずお腹を空かせたムートーさんが狙うのは放射性物質を沢山含んでいる場所であろう、ということで、おおまかな逃走経路を割り出すアメリカ海軍。
そう、この時点ですでに、事態はモニークの手には負えないレベルに達していた為、海軍がその指揮をとることとなっていたのです。 日本政府とか自衛隊とか全く出てきませんけど、そこはほら、トモダチ作戦ってことでヨロシク!
ムートーの進行先がハワイであると計算した海軍は、一路航路を北東へ。
そして、予想通りホノルルが火の海に包まれた時、ハワイ沖に停泊する空母が生物反応をキャッチし、ついにアレが目覚めたことを示します。
アレは何? アレはアレ!と、てんやわんやの大騒ぎとなっている空母内で、ケン・ワタナベが目を輝かせつつ呟いた一言がこちら。
「よい席はお早めに・・・!」
ムートーが元気いっぱいになった以上、バランサーもジッとしちゃおらんだろう・・・ ということで、何を隠そう完全ゴジラ待ち状態だったケン・ワタナベ。
伝説の生き物を前に、はやる気持ちが抑えられないのはわからんでもありませんが、あからさまに興奮しすぎだろ。
襲来に備えて奔走する兵士たちを押しのけて、すかさず空母甲板の最前列をゲット!
せめて相棒の女性生物学者さんの席もおさえてあげてください! リメンバー・レディファースト!
■ 「1945年、8月6日の、午前8時15分です・・」

ハワイを経由して、アメリカ本土に上陸を果たしてしまったムートーとゴジラ。 しかもムートーはいつのまにかつがいになっていました。
これ以上の被害を出すわけにはいかないアメリカ海軍提督は、いつものアレ(核弾頭)をエサに、ムートー・カップル&ゴジラ共々海上へおびき出し、一気に爆破で吹き飛ばしてしまおうという作戦を立てるのですが、それを聞いたケン・ワタナベは、古びた懐中時計を重々しく差し出します。
「時計の針が止まっているじゃないか」と聞く提督。 そこでケン・ワタナベが一言。
「1945年、8月6日の、午前8時15分・・ 父の形見です」
ここはグっときました! もうなんだったら、今作の中で一番よかった!
日本人だから言える、父を原爆で喪った芹沢博士だから言える、この一言。
「いいのか?」と。 「一にも二にも核爆弾。 なんかっつったらヌークリアウェポン。 おまえらハリウッドは、ホントにそれでいいのか?」という深い問い。(ハリウッドの作品なんだから自問自答か)
まぁ、結局使われちゃうんですけどね!(しかも倒すべき怪獣がいなくなった後で爆発だけしちゃう)
■ 「Let Them Fight!」

核弾頭誘導作戦が見事に頓挫し、万策尽きて珍しく弱気になった提督から、「ホントにゴジラの方が強いの・・?」と聞かれたケン・ワタナベの一言がこちら。
「人間の“傲慢さ”が、自然をコントロールできるものと思い込ませてきた・・ でも、そうじゃなかった・・・ もう・・ね・・・ ほかに方法もないし・・・ しょうがないと思いますよ・・・ それでは殺っていただきましょう、ゴジラさんおねがいします!」
前半はかっこいいこと言ってるけど、要するにゴジラに丸投げ宣言キター!!
■ 「(ゴジラ・・・なんで死んでしもたん・・・)」

で、実際に殺りあってもらった結果、ムートーとゴジラが相討ちになってしまって、ショック状態になった時の心の一言がこちら。
その時、ケン・ワタナベの胸に去来していたのは、「ゴジラごめんね」という悔悟の念か、はたまた「やっぱ2対1じゃ分が悪かったか~」という勝負師としての感情か。
なんだかもう、どっちでもいい気がしてきました。
■ 「(もう帰っちゃうの・・・?)」

実はちょっと疲れて寝ていただけだったゴジラ。 さすがは生態系のプロ!(←ちょっと違う)
闘う相手もいませんし、街を荒らすことなく静かに海へを帰ってゆくのですが、そんなゴジラの背中を見つめつつケン・ワタナベが抱いたであろう思いがこちら。
おいおいおい! なんて目してんだよ!
大好きだった人と離れ離れになる時みたいな目してんじゃないよ!まったく!
恋愛か! それは恋愛感情なのか!! 大丈夫だよ、聞くところによると早くも次回作決まったみたいだし! ケン・ワタナベは有名人だから、次もお声がかかるだろうし!そしたらまた、ゆるふわ博士としてビックリしたり困った顔したりしてればいいじゃない! GODZILLAをガッジーラじゃなくゴジラって呼べばいいじゃない!
っていうか そ れ で い い の か ケ ン ・ ワ タ ナ ベ !
- 追記 -
・ 日本の原子力発電所なのに、指揮をとってるのがアメリカ人で技術班のリーダーもアメリカ人。事故が起きたのち管理するのは海外の組織で、そこが再び破壊されたのち指揮下におくのはアメリカ海軍。 どういうことなんだってばよ!
・ いろいろと、しくみがわからない。
・ シャッター一枚でふせげるメルトダウンが、ここにあります。
・ 原発全機崩壊してたけど、シャッター下してたからおとうさんは無事でした!
・ 避難区域に入り込んで逮捕されるブロディさん。 普通に警察署から出てきます。 どういうしくみなんだよ!
・ 再び避難区域に入り込んで捕まっちゃうブロディさんとフォードさん。 ただし今度はモナークの研究所に連行されます。 だから、どういうしくみなんだよ!
・ 15年前ムートーは、放射線の匂い(?)に釣られて日本に来ちゃったそうなのですが、他の国にも原発あるよ! ていうか、ロシアとかアメリカとか行けば、核兵器わんさか持ってるよ! そっちの方が食べやすそうだよ!
・ ムートーが放射線を食べるしくみがわからない。 ボンベみたいなのを噛んだり丸飲みしたりしてたのはまだわかる気がするけど、空気中の放射線どうやって食べたの? 吸ったの? ダイソン並に吸うの?
・ ボカーン(壊れる) → チュンチュン(朝片付けする) → ボカーン(壊れる) → チュンチュン(朝片づける) の繰り返しすぎじゃね? なんで日中動かないの? 夜行性なの?昼間は寝てるの? じゃあ昼間に攻撃すればいいじゃない!
・ 「ムートーってさ、放射線好きじゃない?だから列車で海岸近くまで核弾頭運ぼうぜ!」から、裸同然の列車がムートーに襲われるまでのくだりは、あたまおかしすぎて超おもしろかったです。
・ で、結局ヘリで輸送するという。 だったら最初から空輸し(ry
・ なんとか船には乗せたものの、バサーっとやってきたムートーが核弾頭くわえてすたこらさっさと逃げていきました。 さあ、どうしましょうか。 ではこうしましょう。 ムートーの電磁波パルスが効かないぐらいの上空まで飛行機で行って、そこからパラシュート部隊で現地入りして、核弾頭を解除しましょう。そうしましょう。
・ 「先生!解除できなかった場合はどうすれば?」
・ 「みんなで海岸線まで持っていって、沖合で爆破しましょう。」
・ (あ、 ・・・人力で運ぶんだ・・・)
・ 「ワン!ツー!スリー! 飛べー!イエー!!」 というシーンですが、あたまおかしすぎて超おもしろかったです。
・ Q「モナークはどうしてムートーを早めに処分しておかなかったの?」 A「放射線をいっぱい食べてるから、下手に殺したらブワーっつって放射線が飛散しちゃうかなーと思ったし、それになんとなく、成長したらどうなるのかなって思って・・ だもんで見守ってました」 ←危険生物に対する視線が温かすぎるだろ。 ムツゴロウさんか。
・ そんなムートーですが、見た目がカマドウマみたいでなかなかキツかったです。
・ ムートーが生殖相手をいたわるような仕草を見せたり、キスし合ったり、草原の上で「あははうふふこぉらまてまてー」とじゃれ合うシーンがある為、「ゴジラひどい!」「ゴジラの嫉妬醜すぎてキモい!」なんて声も聞こえてきましたが、知らない間に害虫が家のタンスの裏とかに卵を産み付けていたらと思うとイヤすぎて泣きそうなので、ゴジラ先輩がんばって!
・ ていうかカマドウマじゃん。 カマドウマと鈴虫足して二で割ったみたいじゃん。 勘弁してくださいよ・・・
・ バランサーとかなんとか言われていましたが、ゴジラ先輩にはそんな大層な気持ちなんて無かったんじゃないかと思いました。 だって「名前にGODが・・」って、それ人間がつけた名前じゃんか。 勝手に神様扱いして、勝手に行動を「自分たち寄りだ」と解釈して、そのうち痛い目に遭うんじゃないスかねぇ。
・ ゴジラ先輩はただ単に、自分より強いやつが許せない「若い芽は早めに摘み取る主義」ってだけなんじゃないでしょうか。 ムートーが本格活動を始めてからわずか数時間で「おまえらなにやっとんじゃーい!」とナックルパンチをお見舞いしに駆けつけるゴジラ先輩にシビれました。
・ ストイックなゴジラ先輩が、地球のどこかでムートー同士の会話にこっそり聞き耳を立てていたのかと思うと胸が熱くなりますね。
・ 「怪獣同士、出るとこ出てハッキリさせようや」というゴジラ先輩に非はない。 むしろ、「こんな所に巣作りやがってー!」とガソリン撒いて火を放つフォードさんの方がマジ鬼畜だと思いました。
・ とにかく、尻尾でカマドウマをどつき倒すゴジラ先輩の姿や、マウス・トゥ・マウスで吐しゃ物を流し込むゴジラ先輩のえげつなさに心打たれました。 ホントにかっこよかったです! また次もがんばってください! ね、せんぱい!

