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『ことの終わり』

2006年09月26日
20060926001926.jpg  1999年作品 


その確かな演技力によって、ハリウッドの“中堅女優部門”の中で不動の地位を築いていたジュリアン・ムーア
しかし、2004年に出演した世紀の問題作 『フォーガットン』 の影響で、彼女の方向性に疑問を感じた映画ファンが25ポイント増加。(当社統計により)
変わって、同じく演技派としてメキメキ頭角を現してきたローラ・リニーが、“中堅女優部門”の頂点をも視野に入れ始めて来た今日この頃。
ジュリアン・ムーアの今一度の巻き返しを期待しつつ、今回のレビューを終わりたいと思います。

終われるか!ってぇの!!

秋の夜長に、心ときめく恋愛映画シリーズ。
今回も奮発して、長文レビューで参ります。

あらすじ
第二次大戦下のイギリス。
政府高官の妻・サラ(ジュリアン・ムーア)と不倫関係にあった、作家のベンドリックス(レイフ・ファインズ)。
激しい恋に身を焦がしていた二人でしたが、ある日突然サラはベンドリックスに別れを告げます。
別れが納得出来ないベンドリはサラへの愛を恨みに変えて、ネチネチと暮して来ました。
別れから2年が過ぎ、戦争も終わった頃、偶然再会する2人。
動揺を隠せないサラに対し、「ここで会ったが100年目」と言う様相のベンドリでしたが、そんなベンドリにサラの夫・ヘンリー(スティーヴン・レイ)は、サラの不貞疑惑を口にします。
「オレを捨てといて新しい男かよ
嫉妬でさらに粘着質さに磨きがかかったベンドリは、興信所にサラの浮気調査を依頼。
って、あなた旦那でもないのに・・・。
「オレは彼女の元愛人だ」って、よそ様に日中堂々と言い切る事じゃないですよね・・。

調査の為なら盗みも辞さない、仕事熱心な探偵さんの働きで、次々と明らかになるサラの秘密。
しかし、その秘密が全て明らかになった時、2人の上にさらなる悲劇が待ち受けていたのであった・・・!


判りやすくキーワードで言い表すと、
 禁じられた恋
 大胆ベッドシーン
 天啓
 誤解が解けて再び愛し合ったと思ったら
 不治の病

と言う展開です。

そもそも、サラはどうして別れを決意したか?
それは、ある日の情事の後に2人を襲った空爆。
アパートに落ちた爆撃で、死んだ(かに見えた)ベンドリに直面したサラは奇跡を起そうと、「彼を生き返らせて下さい!もし生き返らせてくれたら、彼とは2度と会わないと誓います!」と、神様に祈ったのです。
苦しいときの神頼みとは、まさによく言ったもので、私もよくそう言うありえない交換条件を苦し紛れに思い浮かべる事はありますが、それは勿論奇跡は起こりっこないとあきらめ半分だから。
しかし、サラの場合は、なんとホントに生き返った(蘇生した)ので、ホントに別れを実行するしかなかったのです。
そりゃそうです。
約束を反故にしたら、何があるか判りませんよ。
なにせ相手はG・O・Dですから。

別れてからも、ずっとベンドリを想い続けて来たサラ。
再会した時は当然チャンス!と思いましたが、なにせ自分は神様に、奇跡と引き換えに別離を誓った身。
易々とヨリを戻す訳にはいかんのじゃい!

一見すると、なんじゃそりゃと言うような理由ですが、そんな理由にすら説得力を持たせるような繊細な演技で、「会いたいけど会えない」そんな苦しい心のうちを表現してくれたジュリアン・ムーア。
神の奇跡、神の存在、「全ての物事には全て理由がある」というキリスト教的教えと不倫愛とが、微妙なバランスで織り成される内容は、事前に予想していた“メロドラマ路線”とは少し違っていましたが、私は面白かったです。

ただ一つ、どうしても納得が行かなかったのは、最大の重要ポイント、
何故サラはベンドリにそこまで惚れ込んだのか?

美しく、機転も利いて、非の打ちどころの無いような女性のサラに、ベンドリがゾッコンになるのは至極当然の成り行き。
ですが、そのベンドリの方はと言うと、見た目こそパッと見イケメンですが、よくよく見るとなんだかちょっとゲイっぽい。
そして、なにより突き抜けて嫉妬深い。

“一人の女性を一途に愛し続ける”と言えば聞こえはいいですが、要は独占欲が度を越えている超粘着質男
『こたえてちょーだい!』に投稿すれば、間違いなくオンエアされるでしょうね。

では、そんな粘着っぷりの一部を、ちょっとだけご紹介。
《情事の後で、サラの身支度を整えさせてあげながら》
20060926000942.jpg←ベンドリ(以下ベ)「君のストッキングに嫉妬するよ」
 
20060926000059.jpg←サラ(以下サ)「なぜ?」

ベ「君の足にキスを浴びせられるからさ」
サ「まぁ
ベ「君のガーターベルトにも嫉妬するよ」
サ「どうして?」
ベ「一日中君に触れていられるからさ」
サ「・・じゃあ私の靴にも嫉妬する?」
ベ「そうさ」
サ「なぜ?」
ベ「君を連れ去るからさ・・」

うまい!

いや、誰がうまい事言えと言うたんじゃい!

(注:写真は本作からの抜粋ではありません。)


こんな事言われて、ドン引きになる代わりに目がハートになってしまうサラは、きっと今で言う所のだめんずと言うやつなんでしょうね。
川合俊一ではなくて、倉田真由美に今すぐお便りを!

まぁ余談は置いておいて、このちょっとひねりの効いた作品を手懸けたのは、これまたひとくせある変化球ラブストーリー『クライング・ゲーム』のニール・ジョーダン。
映像の美しさにも、是非酔いしれて下さい。

ジュリアン・ムーアには、この際『フォーガットン』の事は忘れてもらって、真っ直ぐ前だけを向いて歩いていってもらいたいものですね。
やれば出来る子なんですから。(←何様?)
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