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『ニュースの天才』

2006年09月24日
20060923231550.jpg 2003年製作


今や、世界で一番リッチなニートに成りつつある、トム・クルーズ
そんな彼が、まだソファーの上で飛び跳ねる前に製作した、小粒でキリリと辛い作品 『ニュースの天才』 を観ました。

この作品は実際の事件に基づいて作られており、その元の事件は確かに記憶にあります。

あらすじ
アメリカ大統領専用機に、唯一置かれている雑誌としても名高いニュー・リパブリック誌
高い信憑性を誇るその雑誌で、事もあろうに記事を誇張・捏造し続けた、人気記者のスティーブン・グラス。
彼の嘘がばれ、業界を追放されるまでを落ち着いた語り口で綴る、社会派ドラマ。


今や、崇拝しているサイエントロジーを宣伝していると言うよりはむしろ、営業妨害している方が大きいようなトム・クルーズ
そんな彼も、チョット前は有能な映画人にチャンスを与えるべく、小作品の製作に熱心だった時があったんです。
つまり、結構マトモだった訳です。
で、ありまして、この 『ニュースの天才』 もすこぶるマトモないい映画だったのでした。

作品は、グラス記者が名を成し、暴走していく過程を、過去や現在入り混じって描かれます。
グラス記者と言う人は、多くの有名記事を書き、人気記者になったそうなのですが、この作品ではその成り上がりの過程はあまり描かれません。
メインは“ハッカー天国”と言う、彼の失墜のきっかけとなった記事が書かれ、その記事のハッタリ具合に目をつけたライバル雑誌が、一気に記事の穴を暴いていくくだりなのです。
ですから、グラス記者がどれくらいヒットを生み出していた時点でのスキャンダル発覚なのかが、ちょっと判りづらかったのは事実です。
出だしのペーペーなんだから、大目に見てあげれば・・・? と思っていたら、実は充分中堅どころの花形記者だったと言う事を理解するまでに、本編の2/3を費やしてしまいました。(それは嘘)

グラス記者と言う人は、周りへの気遣いを欠かさず、人当たりのいい、職場でも人気者の若者だったようです。
作品でもその点をかなり強調して描かれており、
そんな彼が何故・・・?
きちんと挨拶する、いい子だったんですよ・・・?
的な、犯罪者にありがちな2面性を臭わせています。

しかし、彼がやった事は明らかに確信犯(しかも悪質)であり、記事に出てくる人物を弟に演じさせたり、「架空の会社だ」と指摘されたら徹夜で偽の企業HPを作ったり、往生際の悪さと言ったら日本の政治家も真っ青です。

そう言えば、この作品のグラス記者の悪あがきを観ていたら、あの議員を猛烈に思い出しましたね。
覚えていますか?
060228nagata.jpg9月1日、民主党に帰って参りました


おそらく、当時日本で一番いさぎ悪かった永田(元)議員。
胡散臭さ120%の黒塗りメールを片手に、「これは間違いなくホンモンだ!」とつばを飛ばし、さらに追い詰められると「俺は嵌められたのかもしれない・・」と被害者ヅラし、責任を問われると「オレが悪いのか?!」と逆ギレしつつ、民主党にしがみついていた彼を見ていて、
小学生かよ?!
と思っていたものですが、この作品のグラス記者もまさにそれ。

ちょっと調べれば簡単にばれる嘘を、とことん真実だと言い張り、嘘を繕う為に更に嘘を重ね、その嘘がまた子供でも見抜けるような稚拙な嘘で、更に追及されると「・・僕は嵌められたのかもしれない・・」。
物語は、この嵌められたのか?自作自演なのか?に、グラス記者の上司が気付く所がクライマックスになるのですが、観ているこちらはどっからどう見ても自作自演なのが判りきっている為、当然見所は違う所になります。

その見所が、グラス記者の上司であり、ニュー・リパブリック社の編集者であるチャック。
前任者が余りにスタッフに慕われていた為、かなり肩身の狭い思いをしながら苦労していたチャックが、苦労に止めを刺すような“記事の捏造”を知り、いさぎは悪いが同僚には人気のあるグラス記者に振り回されながらも、最後には毅然とした態度で彼の暴走に終止符を打つ姿は、観ていて感動を覚えます。

グラス記者が、どうしてここまで暴走してしまったのか?
動機は一体何だったのか?
その点はハッキリされないので、想像するしかありません。
単なる目立ちたがり立った訳では無いように思いますが、それにしても精神構造はかなり子供じみているんじゃないでしょうか。
今は本も書いているそうです。
想像力の旺盛さを、充分に活かせる職に就ければ、J・K・ローリングを越える事も可能なんじゃないかと思うのですが・・・。

グラス記者を演じているのは、ダースなベイダーでお馴染みのヘイデン・クリステンセン。
抑揚がちと足りなかった気はしますが、記事の穴を突かれてもなお虚勢を張ったり、記事のネタを会議で発表して、それがウケた時の無邪気な笑顔などは、「ほんとにこういう人(子供っぽい人)だったんだろうな・・・」と納得させてくれるリアルさを感じました。
チャック役のピーター・サースガードや、元上司役のハンク・アザリアがとても素晴らしい演技を見せてくれて、そのお陰で作品が一気に締まったような気がします。

今や、100人規模で人命救助しないと、壊滅的なダメージを受けている好感度を持ち直す事は出来ないと思われるトム・クルーズ
今作もそうですが、彼の製作した作品は意外といいモノが多かったりします。
思い切って、製作側に回ると言うのも手かもしれませんね。
作品を見る眼はありそうですし・・・。
いい加減、ケイティの事はそっとしといてやれ! トム!
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 映画ファンにとってはショッキングなニュースが飛び込んできた。

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