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『バイオハザード:ザ・ファイナル』

2017年01月17日
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ポールが!やるだろうやろうだろうとは思っていたけど!案の定!やっぱりまた!シリーズ最大レベルで!盛大にやらかした!!


過去シリーズのおさらいはコチラで・・・
5分くらいででわかる『バイオハザード』のおはなし。(シリーズまとめ)


はい、というわけで、ついに、というかやっとその広げ過ぎた風呂敷が畳まれる運びとなった『ポールの嫁自慢』こと『バイオハザード』最新作を観てきましたよ。
15年という決して短くはない時間をかけ、アンブレラ社の支離滅裂な計画を幾度となく描くことで、現代社会が抱える闇やそう遠くない未来に訪れるかもしれないカタストロフィを容赦なくスクリーンに映し出してきた、SF映画界の旗手ポール・W・S・アンダーソン監督。
すみません、うそです。 速攻で謝っちゃいますが、「支離滅裂」からあとの文章はだいたいうそです。 
なんかね、最後ですし、ちょっと賢そうなこと書いてみようかなーと思っただけなんです。 でも、無駄ですよね。 だって、この映画ばかなんですもん。

この映画、すっげえばかなんですもん。
(最大級の賛辞)

「結局アンブレラ社は何がしたかったんだ」「どうやってゾンビ禍を収束させるつもりなのか」「シャワールームで目覚めたミラジョボの右肩についていた傷あとはなんだったのだ」という、(どうせ有耶無耶にされるだけなんだから)気にしていてもしょうがないけど、すっきり忘れてしまうには物語の肝の部分すぎてどうにも無視しきれない謎。
今回、一点を除いてそれらの謎はすべて解決しました。 残された一点については、「たぶんポールも忘れている」説を強く推していきたいと思いますが、さておき、とりあえずほとんどは解決しました。
『マッドマックス』のような世紀末アクションに、『ミスト』のような人間心理の脆さが生み出す恐怖に、ゾンビ映画の小汚さ絶望感。
数々の名作映画のエッセンスを散りばめつつポールが9か月かけて練り上げた回答は、観客の心の中に斬新な感情をかき立てるものでした。
そう、「か・・・過去シリーズとのつじつま、全部放棄しよった・・・!」という感情を!

「シリーズ5本分の前フリも、世界観も、ウィルスの設定も、あれもこれもぜーんぶ一旦忘れようぜ!な?いいだろ?!」と言わんばかりの豪傑な脚本でお送りした『バイオハザード:ザ・ファイナル』。
最後だからなんでもありだとでも思ったのかポールよ。
とにかく終わらせとけばいいんだよね、いう誘惑にかられたのかポールよ。
いや違う。 ポールは最終章を考えるにあたり、ある境地に達したのです。
「せっかくだから、美しい思い出を残しとこう」という、あふれんばかりの家族愛に。

要するに、今回のバイオハザードはこんな映画だったのでした。
ミラジョボ
うそだと思うでしょ?! まさかと思うでしょ?! 「これただのたのしそうな家族団らんじゃん」と思うでしょ?! だいじょうぶ、マジでだいたいこんな感じですから!

ここのとこ描写が少なかった「ゾンビの大群」を出し、絶望的な状況下においても勇猛果敢なサバイバーたちを出し、ゾンビいぬもわんさか出し、宿敵ウェスカーとの腐れ縁に終止符を打ち、お馴染みクレア・レッドフィールドの見せ場も用意し、アリスたちを「ハイブ」という最終章に相応しい舞台に誘えば、最低限すべきことは成し終えた、とばかりにあとはもう延々、
「うちの嫁どう?」
「今回も抜群に強いうちの嫁どう?」
「うちの嫁、老けてもいけるっしょ?」
「うちの嫁に世界がひれ伏すトコ、観たくない?」
「うちの嫁さいこうだけど、実はうちの娘もかわいいってっ知ってた?」
「てなわけで、うちの娘どう?」
「かわいいだけじゃなく演技もいけるクチのうちの娘、どう?」
「うちの嫁とうちの娘のツーショット、ガチでさいこうっしょ?」
というポールの家族自慢が続く『ザ・ファイナル』。 最後の最後にぶちかましてくれたポールに、どうして怒りなど湧こうものでしょうか。 
よくやった、ポール。 今までも「嫁のクローンがオリジナルの嫁と渋谷に殴り込み」といった、ある意味(ポールにとっては)夢のような画を世界中にお届けしてくれたけれど、今回は「自慢の嫁 博覧会」だけではなく愛する娘の成長アルバムまで劇中に盛り込むとは、ポールは親バカの鑑なのではないでしょうか。 まさか、全世界公開の映画で、自分ちのホームビデオを使っちゃうとは! 親バカ・オブ・ザ・ワールドの称号はぶっちぎりでポールに決まり!

ラクーンシティから始まったアリスの旅は、ネバダから渋谷、アラスカからラスベガス、そしてロシアのカムチャッカを経てついに出発点であり終着点でもあるハイブへ。
数奇な運命に踊らされ続けたアリスと、行き当たりばったりの展開に翻弄され続けたわたしたちは、15年という月日の中、それぞれが成長し、この壮絶に矛盾した物語をつべこべいわずあるがままに受け入れるようになりました。 
いろいろあったけど、おもしろかったです。
これで本当に最後なのかと思うと、ちょっぴり寂しい気もしますが、あのポールのことですから、きっとこれからもミラジョボさんの美しさや逞しさを余すことなく世界に知らしめるための布教活動に精を出されることでしょう。 ええ、もちろんそうでしょう。 
わたしとしては、「最終章とは言ったけど、最終回とは言ってない」としレッとした顔でポールがシリーズをリブート(もしくは再開)させる可能性を全く期待せずに、待たずにいようと思っております。 マジで。 待ってないから。 もうお腹いっぱいだから。 
なにはともあれ、ありがとうポール! おつかれミラジョボ! これからも家族なかよくね!!




(※ 以下ネタバレしています)

・ 「シリーズ最終章! すべての謎が明らかに!」と銘打っているにもかかわらず、過去のシリーズでやってきたことをほとんどスルーしているという大胆すぎる映画なので、なんとシリーズを一本も観ていなくてもなんとかなります! やったねポール!画期的!

・ なにせ、T-ウィルス誕生秘話からして、今回初出のエピソードになってますからね!  T-ウィルスを開発したのはジェームズ・マーカス教授! 理由は、娘が患っていたプロジェリアという難病を治療するため!
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(マジか・・・!)(画像はシリーズ2作目でT-ウィルスを作った張本人とされていたアシュフォード博士)

・ マーカス教授はシリーズ3作目でニチアサ怪人と化していたアイザックス博士と共に、アンブレラ社の設立に携わっていた、いわば創設者のひとりでもありまして、娘のために作った細胞再生ウィルスが世界中の病気の人々を救っていることにホクホク顔でした。 意識の高いお父さんでよかったですね。 しかし、順風満帆かに見えたアンブレラ社に、大きな問題が立ちはだかります。 ウィルスの副作用の発覚です。

・ ウィルスを使用した男の子が、ある日突然心拍停止となり、その直後アンデッドとしてよみがえるという症例がアンブレラ社に報告されました。 T-ウィルスは魔法の薬ではなかった。 悪魔の薬だったのです。 マーカス教授は問題を公にし、ウィルスの使用停止を訴えました。 意識が高いままのお父さんでよかったですね。 しかし、相棒のアイザックス博士は、マーカスとは別の方向に意識が高い人間だった。 悪魔のウィルスからアイザックス博士が読み取ったメッセージ。 それは「地球のゴミを一掃するチャンス」というもの。

・ 聖書とT-ウィルスを無理やり結び付け、自分が現代版「ノアの箱舟」を作るんだ、と息巻くアイザックス博士。 意識が高いようにも見えますが、じっさいは一部の富裕者層から「箱舟」の乗船料として巨額のおぜぜを受け取りたかっただけなのかもしれません。 めんどくさいおっさんです。

・ と、いうね! 今までおくびにも出してこなかった新設定を、最終章で突然ぶちこんでくるポールね! ええんか! それ出して来たら、過去のアリスの設定とかもぜんぶへんな感じになってまうけど、ええのんか!

・ 「アンブレラ社の一介の特殊部隊員かと思われていたアリスが、実はプロジェリア病を患っていたマーカス教授の娘のアリシアのクローンだった」とかいう新設定! 嫁だらけだったバイオハザードをさらに嫁まみれにするためだけの新設定の、このやらかした感ね! すげえよポール、おまえホントにすげえ男だよ・・・!!

・ ためしに、今回新たに加わったアンブレラ社の成り立ちを過去シリーズに当てはめてみましょうか。 
「マーカスの娘・アリシアは一旦ウィルスが効いて老化の進行が食い止められたものの、ふたたび発症して急激に老化し始めた」
→「アイザックス博士が独断で、難病の遺伝子だけを取り除き若い女性の状態にしたアリシアのクローンを作成」
→「クローンをアリスと名付け、なんとなくハイブの警備員に任命」
→「老アリシアはそのままアンブレラ社の大株主として会社に残り、アイザックス博士は念のため自分のクローンも数体作成」
→「オリジナルである自分は低温保存装置に入り、腹心の部下であるウェスカーにすべてを託し、満を持して箱舟計画を発動させる」
→「同じく低温保存済みのアンブレラ社幹部数千人を除いたすべての人類を滅ぼすため、アンブレラ社の警備を担当していたスペンスにT-ウィルスを拡散させる」
→「成り行きでアリスもハイブ行き」
→「アリスが思っていたよりも強かったおかげでハイブから脱出」
→「クローンのアイザックス博士が、せっかく生き残ったからという理由でアリスをとことん強化させる」
→「T-ウィルスによって世界の人口がバンバン減少する」
→「アンブレラ社の社員もバンバン減少する」
→「地球上の生き物がヒト以外もバンバン感染する」
→「クローン・アイザックス博士がゾンビを飼いならそうとして失敗する」
→「アンブレラ社の秘密基地がバンバン壊滅する」
→「ウェスカーがアリスみたいに強くなろうとした結果口から触手を出せるようになる」
→「ヒトがただゾンビになって静かに死んでゆくのではなく、あっちこっちを火の海にしながら死んでいったので、都市機能や文明が死んでゆく」
→「ヒトも地球も死んでゆく」
→「そんな中、絶対生き残るアリス」
→「強くなりすぎたのが原因と、アリスのウィルスを無効化させるウェスカー」
→「最後っぽさを演出するため、やっぱりもう一度強化させる」
→「でも本当は他の生存者たちと一緒に殺すつもりだったので、強化させたというのは嘘で、実は無効化されたままだった」
→「無効化されていても普通に強すぎて生き残るアリス」
→「なんどゾンビの中に放り込んでも生き残っちゃうのは、ウィルス云々のせいではなくアリスが自分をオリジナルだと思っている、その揺るぎないアイデンティティにあると考えたオリジナル・アイザックス博士が、アリスをハイブに呼び戻して彼女のオリジナルであるアリシアと対面させてガッカリさせる案を思いつく」
→「どっこい、アリスはたいしてガッカリしないし、アリシアも死にゆく自分の人生をアリスに託そうと決意を固めちゃって、何もかも裏目に出るオリジナル・アイザックス博士」
→「アリシアにアンブレラ社の幹部を皆殺しにされちゃうアイザックス博士」
→「自分のクローンに反撃されちゃうオリジナルのアイザックス博士」
→「なんだかんだで結局生き残るアリス」

・ (自分で書いててアレですけど)なんかもうやだ。

・ 要するに、「人類がT-ウィルスで滅びるのを10年ぐらいじっと待っていたら、自分のクローンが勝手に色んなプロジェクトを立ち上げてアリスを強化させちゃって、ウェスカーに仕切らせようと思ったらウェスカーも強くなりたがっちゃって、爆弾で一気に終わらせようと思ったらアリスに殴り込みかけられて死んじゃったアイザックス博士の壮大なしくじり人生」を描いていたのが本シリーズだったわけですね。 しくじりすぎだろ。 っていうかどこに勝算があったんだよ・・・

・ アンブレラ社の幹部の数千人も、「インフラはキレイに残したまま、T-ウィルスで人類だけを死滅させますので、そのあときれいになった地球で人生やり直しませんか?」ってアイザックス博士に持ち掛けられて「イイネ!」してる場合じゃないでしょうよ。 「で、おいくら万円?」って乗り気になってんじゃないですよ。 頭働かせないさいよ。 百歩譲って、奇跡的にインフラが無事だったとしても、ヒトが何億人も死んでるんですよ。 あっちこっちガイコツだらけだし、畑はボーボーだし、水は汚染されているし、動物も感染してるし、食料とかどうすんですよ。 何もかもいちから開墾ですよ。 いいか、おまえらのその世界にTOKIOはいないんだからな!!

・ ということで、ストーリーに関してはホントにもうきりがないのでおしまいにします。

・ ローラが予想以上にローラだったので、早々の退場はしょうがないと思う。 だって、画面に映るだけでローラなんだもん。 出ても出てなくても全く支障ない役割ではありましたが、セリフもあるし死に顔も2秒ぐらい映してもらえたし、もういう事ないですよね! よっ!ハリウッド女優!

・ ストーリーに関してはおしまいってさっき書きましたけど、前作のラストを経ての、今作冒頭のマンホールパカーはあんまりだと思います。 おい!マンホール! マンホール!おい!!

・ 馬の鼻先にニンジン戦法とばかりに、ゾンビの鼻先にぶらさげられたヒトを、死者たちが素直にテクテク追いかける姿がかわいかったですね。 すぐそばに新鮮なヒトがいても、装甲車に引っ張られる弱りかけのヒトの方についてっちゃうゾンビ。 走らされているのはヒトなのかゾンビなのか。 あ、どっちも人間だった。

・ ほとんどのシーンがやけくそみたいなノリで作られていてとてもたのしかったです。 今までもそうでしたが、今回はマジもんでやけくそですよ。 「最後」って人を追い込む奮い立たせる魔法の言葉なんだなぁ。

・ シリーズ4作目の頃だったか、来日したミラジョボさんが「まだまだずっと続けるよ!うちには娘もいるし、次世代にバトンタッチするまでやるよ!」と語っていた記憶がありまして。 今回残念ながらシリーズは一旦の終幕を迎えてしまいましたが、家族ネタ満載であった本作を観てみると、ミラジョボさんの目標はあながち未達成というわけでもないような気がしますので、ええと、その、なんだ、ミラさんよかったですね!!(←投げやり) 






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