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すきもの主婦が選ぶ2015年ベスト110 (69~50位の巻)

2016年05月31日
はいはい! サクサク行きますよ! サクサクと!


前回書いたシロモノ・・・
すきもの主婦が選ぶ2015年ベスト110 (110~90位の巻)
すきもの主婦が選ぶ2015年ベスト110 (89~70位の巻)



69位 『アナベル 死霊館の人形』 
あらすじ・・・
出産を控えた幸せな新婚夫婦のもとに、おっかない顔をした人形がやってきます。

「出産間近の若夫婦」というトコロから『ローズマリーの赤ちゃん』を、「邪教を信じる犯人の魂が人形に」というトコロから『チャイルド・プレイ』を感じさせる、ありそうでなさそうでやっぱりありそうな人形ホラー。
偉大なる先輩方と大きく違うのは、全身黒塗りの悪魔がガッツリ登場するトコロでしょうか。 
天井を縦横無尽に駆け回ったりする、とてもアクティブな悪魔くんです。 かわいいです。
最後は、「わたしに取り憑いて一緒に死になさい」と人形を抱いた女性が唐突に窓からダイビングするという『エクソシスト』を感じさせるシーンで幕を閉じて、ホント、ジェームズ・ワンさんはホラーがすきなんだなぁ・・と親近感しか湧かない一品。



68位 『96時間/レクイエム』
あらすじ・・・
殺傷能力の高いお父さん・リーアムがみたび家族を救います。

リーアム・ニーソンがじゃんじゃん人を殺すシリーズ第三弾。 というか、最近のリーアムさんはこのシリーズ以外でもじゃんじゃん殺すタイプの映画、増えてますが。
めちゃくちゃ殺していておもしろかった(←誤解を招く表現)第一作、まだまだ殺し足りてなかったらしき第二作、そして案の定作られた本作ですが、過去のアレらはなんだったのかというような大雑把な内容に。
まず、奥さん死にますし。 しかもすげえサックリと。
退場の仕方があまりに唐突、そしてあまりに余韻がなさすぎたので、ぼかぁ途中まで「こいつはどっこい生きてるパターンなのだ」とひたすら自分に言い聞かせていましたよ。 まぁ、どっこい違いましたけどね。
いくら人気シリーズを長引かせたいからといって、誰でも殺していい訳ではない、と思うのですよ。
積み重ねてきたものを「主人公を発奮させる」ためだけに台無しにしてしまうのって、そのシリーズを愛してきたファンの想いを踏みにじることと等しいのではないか。
少なくともわたしは、奥さんが死んだ時点で本作に対する関心が半減しましたよね。

『M:I-2』でトムの影武者をムシャクシャしながら演じていた、寝取られ王ことダグレイ・スコットさんが、またまた奥さんを元夫にとられそうになってムシャクシャする役に扮していて、「ダグさん、苦労が絶えませんねぇ・・」と思いました。
ただし、過去作にも登場していた(しかも顔が認識できるぐらいの出演量で)役を突然別の役者さんに変えるのは賛成できませんな。
たとえそれが、寝取られ王ダグさんでもね! すげえ説得力はあるけどね!



67位 『サイレント・ハウス』
あらすじ・・・
幼い頃住んでいた別荘を再訪した少女が、さまざまな怪現象に遭遇します。

長い事ほったらかしにしていた別荘を売りに出すことを決めた父親。 
娘と弟を連れて改装にやってくるのですが、娘はなんだか浮かない顔。 
それもそのはず、この別荘には彼女の隠された過去が封じ込められているのです・・・。
ってことで、封じ込められていた過去を取り戻した少女が、父親と叔父をフルボッコにするお話です。
どうしてフルボッコなのかというと、彼らは実の娘を虐待していた(そして見て見ぬふりをしていた)から。 
胸くそですね~。 よくある一軒家ホラーかと思ったら胸くそ映画なんですよね~。

少女は幼い頃、父親から受けていた性的虐待から自分を守るため、別人格を生み出していた。
成長過程において、その記憶は封印された。 
もしくは、精神疾患として治療を施され、別人格は影を潜めていた。
しかし、おぞましい記憶の源である別荘に足を踏み入れたことで、過去と向き合い、痛ましい傷を負ったもう一人の自分を受け入れる覚悟を決める。
色々と無理があるお話ではありますが、少女が自らのトラウマに物理的に立ち向かうクライマックスは、たとえそれが間違った解決法であろうと、応援せずにはいられなくなりますし、元凶を葬った彼女が少しでも心の平穏を取り戻してくれることを祈るばかりです。 虐待、アカン!



66位 『エスケイプ・フロム・トゥモロー』
あらすじ・・・
仕事をクビになったお父さんがディズニーリーゾートで現実逃避します。

以前書いた感想



65位 『フライト・ゲーム』
あらすじ・・・
航空保安官のリーアム・ニーソンさんが、テロリストに仕立て上げられそうになって困惑します。

こっそり飛行機に乗って、不届き者がいないかどうか抜き打ち調査する航空保安官のリーアムさん。
そんな中、誰かから「金を振り込まないと機内の乗客を一人ずつ殺す」というメールが送られてきたからさあ大変。
うそだろうと思っていたら、きっちり飛び出す死体。 飛行機と言う超密室でテンパるリーアムさん。
あとは延々、「お前が犯人だな!」 → 「ごめん違った」 → 「どうしよう」 → 「お前が犯人だな!」 の繰り返しなので、それはそれでおもしろいものの、単調でもあるのが玉に瑕。
「アメリカが安全だなんて嘘っぱちだ!」ということを世界に知らしめたいがためだけに、いつどの飛行機に乗るかわからないはずの航空保安官の隣の席を抑えていたり、その他もろもろの段取りを寸分の狂いもなく仕込んでいたりと、やたらと手際がいいこのテロリスト。 
予知能力者かなんかかっていうぐらい先を読むので、たぶんアレだ、彼はその才能と情熱を他の何かに注いだ方がいいと思う。



64位 『イントゥ・ザ・ウッズ』
あらすじ・・・
森の中で、赤ずきんちゃんとシンデレラと牛を売りに出かけたジャックが、パン屋の夫婦と出会います。

「おとぎばなしのその後を描いた・・」というキャッチコピーから、勝手に「マジモンのその後」なのかと思っていたのですが、いざ鑑賞してみたら真っ只中からのスタートでズッコケそうになりました。 
ただ、その真っ只中が実に人間くさく、「ドキッ!善人だらけのおとぎ大会!」的な勧善懲悪なノリではなく、それぞれの登場人物がそれぞれに「己が目先の幸せのためなら他人の犠牲には目をつぶろう」というディズニーにあるまじき自己中心っぷりを披露するので、パンチの効いた物語がすきだったらたのしめるのではないでしょうか。
一方、「目標」を失った人々が、迷走や哀しい別れの末に、ありふれた日常のなかに埋もれていた「幸せ」に気づくラストはというと、いかにもディズニーらしい気もしますが、そこに至るまでに、女にだらしない王子が出てきたりサックリ人が死んだりしており、そこはかとなく辛辣でもあるのでわたしは「あり」だと思います。
こじれまくった親子関係についての描写も印象深く、母の呪縛から逃れた娘(ラプンツェル)と逃げられなかった娘(魔女)のその後はかなりしんどかったですし、「親」にならなければ幸せではないという固定概念にがんじがらめになって、結果愛する妻を亡くしてしまうパン屋の主人もまた、「親子」というものの呪縛に縛られていたのかなぁと、なんとも重々しい気持ちになってしまいました。



63位 『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編] 始まりの物語』
あらすじ・・・
平凡な中学生・鹿目まどかが、謎の転校生・暁美ほむらと出会い、今まで知らなかった「魔法」の世界を知ります。



62位 『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [後編] 永遠の物語』
あらすじ・・・
親友や周りの少女たちが契約を結び魔法少女となる中、ひとりそうなることを躊躇い続けていたまどかが、たいせつな人を守るため魔法少女になります。

やわらかな絵柄と「マミる」という言葉ぐらいしか知らなかったまどマギを、WOWOWさんが一挙放送してくれるというのでちびっこたちと鑑賞。 
かなり入り組んだお話だったので、小学生に理解できるのだろうか・・・と思っていたのですが、小学生だけではなく中学生の琴線にも触れまくる何かがあったらしく、わたし以上に繰り返し観ていました。
なんつうか、日曜日の朝に、プリキュアという魔法少女たちが「ぜったいあきらめない!」「ぜったいにまもってみせる!」ってよく口にしているんですけど、それはそれで真実の言葉なんでしょうけど、実際あきらめずにやろうとしたらこういうことになっちゃうのかなぁ・・・と思ったりしました。 
何かをまもるって、何かをすごく犠牲にすることでもある。 それはファンタジーだけじゃなく現実でも同じこと。

ちなみに、まだ新編を観ていないおかあさんなので、ちびっこたちから「いいかげん観ればいいのに」と言われ続けています。 心が元気な時に観るからもうちょっと待っておくれ・・・



61位 『コロンビアーナ』
あらすじ・・・
両親をマフィアに殺された少女が、美しく成長したのち殺し屋になります。

少女! 殺し屋! 復讐! 強い少女! 強い女性さいこう! めっちゃ強い女の人にボッコボコにされたい! という、ベッソンによるベッソンのための集大成的作品。 まさにベッソンの「すきなものだけでいいです」。
救いのないラストがすきです。



60位 『俺たちスーパーマジシャン』
あらすじ・・・
落ちぶれたマジシャンコンビが再起を図ります。

才能はあるけれど無駄にプライドが高くて努力が嫌いなマジシャン・スティーヴ・カレルさんと、彼の幼馴染で誠実なマジシャン・スティーヴ・ブシェミさんが、人気の絶頂とどん底を味わい、再び表舞台に返り咲くまでのサクセスストーリー。 
栄光・挫折・転落・再起、というハズれようのない内容で、しかも役者がカレルさんとブシェミというんですから、なんの心配もなく鑑賞できますよね。 じっさいとてもおもしろかったです。
驕っていた自分を反省し、再生を決意するきっかけが、子どもの頃憧れていたマジシャンとの出会いというのが、主人公がド級のクズなだけに少し弱い気もしましたが、ブシェミがかわいいのでもう他のことはいいです。 久しぶりに激カワなブシェミを観ることが出来て、ぼかぁしあわせです! 
カレルさんとブシェミさんにプレッシャーを与える新進気鋭のマジシャン(といってもマジックはせずひたすら体を張るだけですが)を演じるのはジム・キャリーさん。 
これまた久しぶりに直球コースを行くエキセントリック演技を魅せていて、ほんわかした気持ちになりました。
老マジシャン役のアラン・アーキンさんもすてき!



59位 『アタック・ザ・ブロック』
あらすじ・・・
太陽風に乗って宇宙を漂っていたゴリラ型エイリアンが地球に舞い降りて、それを団地の悪ガキが撃退します。

真面目に生きている看護士さんが、帰り道で団地の不良少年に絡まれるオープニング。 
この子どもたちがホントにヤな子どもでですね! なにせわたしは「不良」にトラウマがあるものですから、全然ノレなかった! 観続けるのが苦痛なぐらいキライでした!
ところが、観続けているうちに、そんな彼らがどんどん頼もしくなってゆき、気が付くとかっこいいとすら思うようになってしまっているという。 憎い映画ですねぇ。
大人たちが怖気づく中、「ゴリラ型エイリアン」という不条理で暴力的な存在にひるむことなく立ち向かって行く少年たち。
それは彼らの中に「怒り」があるからなのでしょうね。 
不寛容な社会に、無責任な大人に、暗澹たる未来に対する「怒り」。
赤十字でアフリカの子どもたちの支援をしているというボーイフレンドの話をする登場人物に、「白人」貧困層の少年が「なぜそいつはイギリスの子どもは助けないんだ?ああ、そうか。ここは南国じゃないし、肌も白いもんな」と返すシーンがすごくグッときました。
子どもたちは、大人の欺瞞に気づいている。
そして、それに真っ向から逆らおうとしている。
自分がどうして、だんだん彼らを「かっこいい」と思うようになったのか、最後にはものすごく納得していました。



58位 『グラスホッパー』
あらすじ・・・
アホが起こした事故で恋人を喪った教師・鈴木が、アホの父親とその一派への復讐をふんわりと願います。

繊細すぎる殺し屋たちと、一般人すぎる鈴木と、エキセントリックすぎる女ヤクザによる人間模様。
まず、繊細すぎる殺し屋たち。 これがホントに繊細! 
目を見つめただけで相手を自殺に追い込める特殊能力を持つ浅野忠信さんは、過去に自殺させた人間の呪縛にがんじがらめ。
殺し屋斡旋業者に拾われて一流の殺しスキルを身に着けた暗殺少年・山田涼介さんは、昼夜を問わずなぞの耳鳴りに悩まされる日々。
暗殺少年を斡旋する暗殺業者・村上淳さんは、だいすきなミュージシャンの言葉を糧にしなければ生きてゆけない。
そして、道路や駅やいろんな場所でターゲットの背中を突いて事故死させる押し屋・吉岡秀隆さんは、顔が常に繊細。 っていうか、生きているだけで繊細。 吉岡くん=繊細。
こんなやつらが殺したり殺されたりするんですけどね、マジで誰と誰を掛け算すればいいのか、もうオーダー前からおかわりコールが止まないという状態でね。 ごっつぁんです! マジでごっつぁんです!
浅野さんと山田さんによる、殺り合いからのキャンピングカーでキャハハウフフとか、「オレたちがそんなもんで喜ぶとでも思っているのか・・・! そんなもんで・・・ ・・ありがとう公式・・!!」って叫びたくなりましたよね。 村上さんはひたすらかわいそうでしたけども。

ストーリーは正直、無理やりすぎて全くノレない内容でした。
鈴木が巻き込まれてゆく違法ドラッグのからくりや黒幕の思惑が、冒頭からガンガン説明されてゆくので全くワクワクしないし、鈴木を「いい人」に描きすぎたせいで、彼の怒りや慟哭が伝わってこず、クライマックスへのカタルシスも皆無だし、殺し屋の話と自警団の話と鈴木のふんわり恋バナとが絶妙にアンバランスだし、ホント残念。
ではなぜこんな上位に入れているのかというと、それはもう全て本作の吉岡くんがすばらしすぎたからに尽きるわけで。かあさん、吉岡くんの「押し屋」は、ものすごくゾっとしたわけで。
あの伝説の毛髪量そのままに、ただそこに佇んでいる吉岡君。
ちっとも怖そうな顔じゃないし、口の端を意味ありげに上げたりもしないのに、超こわいんですよ!ヤバい!吉岡くんヤバい!これはプライベートで二・三人殺してる顔ですよ!(※例え話)
悲しんでいるのか楽しんでいるのか集中しているのか退屈しているのかわからない、得体のしれない圧が全身から伝わってくるんです! いやぁ、ホントに吉岡くんよかったなぁ! これからはもっと猟奇的な役も演ってくれないかなぁ・・!



57位 『ジェサベル』
あらすじ・・・
なんやかんやあって実家に戻ったジェサベルが、元カレと一緒に自らの出生の秘密を解き明かします。

パッケージ写真が一番こわいタイプの超巻き込まれ型ホラー。
婚約者が事故で亡くなり、彼との子どもも流産してしまったジェサベル。 
疎遠になっていた父親の元に身を寄せてはみたものの、怪我人(ジェサベル)相手にやたらツンケンしまくる父ちゃん。 そして活動を開始する泥まみれのおばけ。
ジェサベルが元カレと共に調べてみた結果、すでに亡くなっているジェサベルのお母さんは、その昔ブードゥー教の神父さんと浮気をして、赤ちゃんを産んでいたようなのですね。 
当然お父さんは激オコで、あろうことか怒りに任せて赤ちゃんと神父さんを殺害&放火していたらしい、と。 
今いるジェサベルは、その直後お父さんがどこかから引き取ってきた養子だったのです。
ショックを受けたお母さんは、黒魔術をつかってジェサベルが18歳になった時、亡くなった赤ちゃんの霊に乗り移らせるよう呪いをかけましたが、ジェサベルが実家を出ていた為乗り移りは延期。 
今回里帰りのタイミングで改めて乗り移りを開始したと、そういうことなのだそうです。

ほうほう。
なるほどなるほど。
そういうことね。
・・うん・・・
・・お母さんも赤ちゃんもそれでいいのかよ。 呪うべきは父ちゃんじゃねえのかよ。

ジェサベルを演じていたのは『プリデスティネーション』のサラ・スヌークさん。 
演技は言うまでもありませんが、自然なやわらかさを感じさせる豊かなちちもすばらしかったです。



56位 『マラヴィータ』
あらすじ・・・
証人保護プログラムでヨーロッパを転々としていたデ・ニーロ一家の元に、マフィアの刺客が現れます。

デ・ニーロおじさんのたのしいセルフ・パロディかと思いきや、意外としっかり陰気な物語でした。
転校早々いじめに遭う息子。
誰とでもヤル女だと思われてしまう娘。
近所のおじさんからイヤミを言われる父。
スーパーで露骨な人種差別を受ける母。
学校から拒絶され、教会からも拒絶される一家は、最終的に彼らと和解するのではなく、断固たる姿勢で拒絶し返す。 右頬を撃たれたら、そいつの家にガソリンを撒いて火をつけろ。 それがデ・ニーロ一家の生きざまなのです。
流血の中、水を得た魚のようになっていく父親と、初めて自分の手を血で染めた母子の表情が対照的だったのが印象深かったです。
彼らはこの先も、永遠に終わらない逃亡生活を続けるしかないのだろうか。
なんと救いのない悲惨な話なのだろう。 (※褒め言葉)



55位 『キョンシー/リゴル・モルティス』
あらすじ・・・
落ち目の俳優がびんぼう団地で悪霊に襲われます。

わたしが小・中学校時代(つまり数十年前)に一世を風靡していた『霊幻道士』シリーズ。 
ユーモアと恐怖のバランスが非常に優れたストーリーはもとより、メインキャラクター・キョンシーの、額にお札を貼り付けたそのビジュアルや、おっかない顔でピョンピョン飛び跳ねるという斬新なスタイルや、息を止めたら回避出来るといったおもしろルールだとかが、子どもから大人まで幅広いハートをガッチリキャッチし、本家シリーズはもとより台湾で作られた『幽幻道士』シリーズも大いにヒットしたものでした。 
当時の映画誌は毎号のようにテンテンちゃんの特集が組まれていましたからねぇ。 月曜ロードショーもテンテンちゃんが主な飯のタネだったんじゃないでしょうか。
で、そんな人気(があったのにリメイクされることなく時間だけが過ぎ去っていた)作品を超リスペクトして作られたのが本作『リゴル・モルティス』なわけですが、これがものすごい雰囲気バツグンな作品だったのですよね!
キョンシーはより禍々しく、道士はより悲哀たっぷりに、その他のゴーストはとことん美麗に、ワイヤーアクションもふんだんに取り入れられ、当時を知る大人はもちろん、知らないホラーファンをも満足させるクールな新世代キョンシー映画になっていた。

なっていた。 なっていたんですよ。
なっていたんですけど、大オチがねぇ・・・

16歳で銀幕デビューを果たし、キョンシー映画でヒット作を連発していた俳優が、妻子に逃げられ人気も翳り、ついには生まれ育ったびんぼう団地で首をくくる。 最期の瞬間、彼の脳裏をよぎったのは、走馬燈ではなく自らの輝かしいキャリアが投影された壮大なゴシックアクションホラー白昼夢だった・・・!
ってどういうこと?! あのかっこいいガウンのおじさんも、やさぐれ道士も、夫想いの奥さんも、かわいそうな双子も、子どもも、みーんな落ち目の俳優の妄想の材料にされてただけってことなの?!
なにそれかなしい!
観たものすべてが夢オチだったのか、現実の果ての夢オチだったのか、そこいら辺は含みを持たせた作りにはなっていますが、もし夢オチだったら虚しすぎますし、そうなってくると『霊幻道士』シリーズの俳優さんを多用した(一部のファンをグっとさせる)キャスティングも、「あーこの映画すべてが監督の夢の結晶なんだなぁ」とおいてけぼりにされた気分になるというか、なんつうか、すきすぎるのも罪なのかなぁと思ったりしました。 
雰囲気は申し分ないので、余計にオチの「こういうのがオレたちの夢だったんス!」という「えっ?言いたいことそれだけ?」感が勿体なかったです。



54位 『地下に潜む怪人』
あらすじ・・・
どうもこんにちは!考古学者のスカーレットです!今日はここカタコンベにやってきました!複雑な作りのため、入ったっきり出てこられない人もいるというカタコンベですが、なんでもパリのチンピラの中にしょっちゅう不法侵入を繰り返している不届き者がいるらしく、今日はそいつに金に物を言わせてガッツリ案内させちゃおうと思いますので、ご安心ください! ではいってみましょう! カタコンベに隠された伝説のお宝・賢者の石に迫る! 世界、ふしぎ発見!

「誰をどう巻き込もうと、わたしはわたしが気になる事柄を納得いくまでとことん調べたいのである!」という超自己中女によるミラクル・アドベンチャー・トレジャー・ハンティング・ストーリー。
入った穴から出られなくなったり、通ったはずの道が別の道に通じていたり、下にもぐったはずが上に出ていたり、まるで違う次元に迷い込んだかのような摩訶不思議な探索が繰り広げられますので、もうこの時点で「出られないオチ」を覚悟していたわたし。
しかし、物語は予想外の方向へ。 
怪奇な展開ですっかり忘れていた「賢者の石」ゲットのための謎解きミステリーが、突如始まったのです。 
石板を動かしたりと、もっともらしいことをする主人公。 
そして、ついに問題の石を手に入れるスカーレット。 
その後さらに、死霊っぽいのが出てきたり、石像が襲い掛かってきたりと、ホラー映画の名に恥じないビックリドッキリ描写が続き、最後は天地が逆転して終劇。
結局、罪の意識に囚われていた人々が、普通は入ることのない特殊な世界の中で「罪悪感」と向き合うこと自らを赦し、ふたたび日常へと戻るというだけのお話なんでしょうね。 
最後まで「罪」や「過去」を拒否したものは、そのまま業火に焼かれた、と。
トラウマが物体化してあるべきではない所にあられれるシーンや、悪霊を物理的にしばき倒しながら進むシーンとか、すごくおもしろかったです。
あと、「私はラブ・リーガル」がすきだったわたしとしましては、守護天使フレッド役を演じていたベン・フェルドマンさんの姿をホラー映画で拝めたところから、かなりポイント高めになっております。



53位 『ターミネーター: 新起動/ジェニシス』
あらすじ・・・
サラ・コナーとカイル・リースとシュワちゃんが、もう何度目かわからないけれどまたもや審判の日を回避します。

シュワちゃんが元気なうちに続編を作って、そこにマーカスを出してさらに訳がわからなくしてほしい。

以前書いた感想



52位 『AFFLICTED アフリクテッド』
あらすじ・・・
世界一周旅行にチャレンジした難病を患う青年が、不死身の身体を手に入れます。

「情熱大陸」か「アナザースカイ」か、というようなオシャンティな前振りから一転、ゲボゲボブシャブシャのバンパイヤアクションへという思い切った振り幅がたのしめる一品。
POV作品ではすっかりお馴染みの、無限に放電し続けるバッテリーだとか、常に現場の一部始終がギリ映る角度を保持するカメラだとか、そういったアレコレが気にならないぐらい、勢いとスピードと疾走感とイケイケドンドンパワーに満ちた作品。 あ、だいたい同じ意味か。
華のないパンクブーブー佐藤みたいな主人公と、その誠実な親友役を演じていたおふたりは、そのまま監督も兼ねているとのこと。 
ありそうでなかったPOVとして、とてもおもしろかったです。



51位 『ミック・テイラー 史上最強の追跡者』
あらすじ・・・
オーストラリアが生んだ最強のアレなおいたん、ミック・テイラーが、またもや海外からの観光客をいびり倒します。

かの傑作『ウルフ・クリーク』の続編が、なんと「ウルフ」も「クリーク」もついていない状態で堂々リリース! 
という、誰得なのかさっぱりわからないゴアゴアかっぺ物語『ミック・テイラー』ですよ。 今回もめちゃくちゃおもしろかったですよ。
前作同様、というか、数多のホラー映画動揺、
・ 湖を見かけたらなにはさておき泳がなければならない
・ 国立公園だろうと私有地だろうと、テントを張ったら即座におっぱじめなければならない
・ 夜中に不審なおっさんがテント前に車を横付けしたら、無視せず対応しなければならない
・ 不審なおっさんには丸腰で立ち向かわなければならない
・ たとえ彼氏がおっさんの気をそらしてくれて、なおかつ目の前にナイフが転がっていても、一切反撃せずボケーっとしていなければならない
・ 逃げる時は道の真ん中を走らなければならない
というお約束をきっちり守り、おいたんのえじきになってゆく若者たち。 
なんと今回は若者だけではなく、オーストラリアのお巡りさんやオーストラリアの住民やオーストラリアの国獣・カンガルーまでも血祭にあげるおいたん。 久しぶりの続編に、やる気がみなぎりすぎています。 全編ぶっとおしで「んなアホな」のつるべ打ちです。 いや、いいんですけどね。
で、今回は拷問シーンにもちょっとしたアレンジが加えられており、相手がきゃわいい女の子ではなくむっさい男の子だからなんとか工夫しないと、と思ったのかどうだかわかりませんが、オージー横断ウルトラ指切断クイズを突然開催。
この辺のくだりなんかもうね、製作陣から「どうですかおまえら?おいたんかわいいでしょ?こういう破天荒な展開、すきなんでしょ?」って言われてるみたいで、ホント癪にさわりましたよね。 いや、すきなんですけどね。

でも、おいたんがイギリス人旅行者に「おまえらイギリス人が植民地政策で~」って怒り出すのはちょっと違うんでねえかな。
アボリジニ
(おいたんの理不尽なキレ方にこの画像を思い出したわし)



50位 『マイ・インターン』
あらすじ・・・
起業して一代で会社を大きくした若き経営者のアン・ハサウェイが、豊かな人生経験を持つデ・ニーロからいろいろアドバイスされます。

仕事と夫婦生活の両立にてんやわんやするアン・ハサウェイさんを、リタイア後の余生を使ってもう一旗揚げようとギラつくデ・ニーロさんが応援するという、とってもとっても舌触りのいいお話。
個性的なキャスト陣に、女性の社会進出や子育てといった社会問題をバランスよく語らせ、最終的にすごくいい話に仕上げているので、観ている間はホントくつろぎます。 
なんの苛立ちもないし、ぬるま湯に浸かったみたいな状態でスクリーンのシートに深く身を預けていられる。 
それはまるで、デ・ニーロおじさんの包容力に癒されるアンハサのように。

ただ、このお話を男女逆にしてみると、様子は少し変わってきまして。
「起業した夫を支えるため、有望と言われていた仕事を辞め家庭に入った妻。 家事育児の疲れやストレスは溜まる一方だが、一日中仕事に明け暮れ家族と関わる時間が持てない夫には、そんな妻の愚痴を聞いてあげる余裕などない。 もっと自分の時間が欲しい。 自分もキャリアに復帰したい。 このままでは自分という存在に自信が持てない。 不安と不満から別の男性に走る妻。 でも、やっぱり最後は自分の行いを恥じ、夫に謝罪し、今まで通り専業主婦としてがんばることを誓う。」
どうですか。 すごく昔ながらにありがちな、「妻が自分の人生を犠牲にして夫を支える」系の話になりませんか。
なんかね、女性目線で観ても男性目線でみてもハッピーな結末になるのかと思ったら、女性だけに寄った結構不公平な選択になっていて、いろんな意味で「おもしろいなー」と思いました。
社長と平社員は立場が違うのかもしれませんが、どちらも仕事に復帰したいのならそれを実現するためにどこで折り合いをつけるか考えた方がいいと思いますよね。 それは主夫だろうと主婦だろうと同じじゃないでしょうか。

あと、「デ・ニーロおじさんが人生経験から若いもんにありがたい知恵を授ける」っていう内容なのに、よくよく聞いてみたら大したこと言っていないという点もおもしろかったですよね。
「メールじゃなく実際に会って話せ」とか「賃貸物件はよく見て決めろ」とか「睡眠は大事」とか「大物客を訪ねる時はパリッとしたシャツを着ろ」とか、それもう普通の常識なんじゃねえの。 
わし40代だけど、全部「お、おう」って内容だぞ。
普通のことを含蓄あるように聞かせるデ・ニーロおじさんの「賢者オーラ」すごい。
一方で「尊敬する人物は?」と質問されて「ジュールズ社長(アンハサ)でございます!」とナチュラルに提灯持てるトコもすごい。

トップ俳優二人の競演が目玉の作品とはいえ、デ・ニーロおじさん以外のシニア世代が全く使えないし見せ場もないのは残念でしたねぇ。 まぁ、それを言ったら若者もほぼ全員使えないんですけどね!
デ・ニーロおじさんが醤油をどうやって落としたのかがいつまでも気になるので、続編ではその辺りの謎も解明させてください。(無いと思うけど)


いかがでしたでしょうか、今回のベスト69位から50位。
ベスト110もやっとこさ折り返し地点を過ぎましたよ! なんとなく終りが見えてきたような錯覚を覚える!いける・・このペースならいける・・・!

では次回、49位からの巻でお会いしましょう!(たぶん近日更新します)(あくまで予定)




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すきもの主婦が選ぶ2015年ベスト110 (89~70位の巻)

2016年05月30日
2016年も半分が過ぎようかという今日この頃ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。(以下略)
先日の更新からかなり間が空いてしまいましたが、今回は2015年ベスト110の続編、89位から70位までの発表です!

前回書いたシロモノ・・・すきもの主婦が選ぶ2015年ベスト110 (110~90位の巻)


えっ? 間違ってないですよ?! 2016年の上半期ベストではなく、2015年のベストですよ?!
間違ってない! オレは何も間違ってない! 去年出来ることは翌年にやるんです! それがわたしという人間なんです!とことん自分に甘いんです!

はい、ではもう引っ張るほどのことでもないので、サクサク行きますね!



89位 『あなたとのキスまでの距離』
あらすじ・・・
中年男性が若い女の子にボーっとなって、嫁からゴミクズを見るような眼差しを向けられます。 実際ゴミクズです。

2015年観た中で、一番邦題に騙された作品かもしれません。 
そこのあなた!「あなたとキスまでの距離」というロマンティックなタイトルに釣られたら痛い目にあいますよ!

とにかくね、よくあるアレなんですよ。 
恋人の予期せぬ妊娠で夢を諦めた男の前に、若く聡明で才能があって美しくてちょっと影があり男性経験が少なめなおぼこい留学生(イギリスからというトコがまたミソなんですよね!)が現れて、順調にうつつを抜かすというアレ。 
まただわー!またこのパターンだわー!

このパターンの何がズルいって、たいがい「妻は現実主義者で夫の夢に理解がない」っていう設定なトコなんですよね! 
そもそも、夫が結婚せざるを得なかった(っていう視点もマジでズルい)のも彼女の妊娠がきっかけですし。 
いや、言うまでもないんですけど、妊娠って女だけで出来るもんじゃないですからね。 
ちょっとお聞きしますけど、そのややこ、誰が種付けしたんですかねぇ? ねぇ?
でも、それもこれも、夫の視点だと「そんな気はなかったのに」になっちゃうんですよ。 
「ホントはまだやりたいことがあったのに、責任をとるため夢を捨てた」って、犠牲者ヅラし始めちゃうんです。 
あーやだやだ。 「妻にだってやりたいこととかあったのかも」なんてこれっぽっちも考えようとしないんだもんなー。 クズいよなー。

で、嫁と娘(留学生と同い年)に隠れて逢引きしていた夫なのですが、まんまと娘にみつかっちゃって、ショックを受けた娘は交通事故に遭うわ、事実を知った嫁からは蔑みの目で見られるわ、自業自得な展開がじゃっかん「不幸なオレ」テイストで描かれるわけなんですよね。 どこまでいっても中年のファンタジーなんだなぁ。
一家をハチャメチャにしてしまった留学生は、心の傷を抱えたまま強制帰国。 
なぜか家族という形にこだわる妻により、離婚ではなく結婚生活を続行させられることになった夫は、作り笑顔で家族のポートレイトに参加。 
誰一人として幸せにならないという超鬱エンディングへ・・・。

結局、この夫が家庭に留まったのって、最初に出来ちゃった結婚した時と同じで、自分の意志でも選択でもないんですよね。 娘であり妻のため。 つまり、「誰かのせい」なのですよ。
だから彼は、この先も一生現実に向き合うことなんて出来ない。 
ずっと「あの時あっちを選んでいれば・・・」と未練たっぷりで生きてゆくのです。 
そんな人生でいいのか。 夫もだけど、奥さんもいいのかそれで。
ホントね、これ下手にカップルや夫婦で観たら地獄みたいな空気になりますからね、気をつけなはれや!



88位 『もしも君に恋したら。』
あらすじ・・・
男女間の友情が成り立つかどうか試してみたカップルが、成り立たずに恋人になります。

伝説のメガネ小坊主ことダニエル・ラドクリフさん主演のロマンティック・ラブストーリー。
出会った瞬間から好きだったのに、先手を打った相手の女の子から「男女でも親友になれるよねー」と言われたがために告白できず、それでも「フラれて縁が切れるよりはそのまま男友達の地位をキープする方がマシ」とばかりに恋心を封印して頑張るラドクリフさん。
わかる、わかるよラドクリフ。
学生時代、すきになった男子からことごとく女として見てもらえず、挙句「おまえってオレの友達の中で一番信頼できるわー」とか性別を超えた親友宣言されちゃったわしには、ラドクリフの気持ち、すげえわかるから。 
すげえやさしいカタチで戦力外通告されるの、かなしいんだけどちょっとうれしいんだよな。 
だからもう、そのままでいっか、ってなるんだよな。 
でもやっぱ、物足りないんだよな。 わかるわー。 ちょっと泣いてきていいかな。

女の子に頼まれて入った試着室では、相手の肌を見ないよう目をつぶるぐらい一線を引いたつきあいをしていたのに、海に行ったら真っ裸で入っちゃう大胆さが謎。 
洋画を観ているとよく見かける光景ですけど、外国ではマッパで海入ったり湖入ったりするのって日常茶飯事なんですかね。 デリケートな部分にバイキン入るかもよ!気をつけて!



87位 『ハウンター』
あらすじ・・・
被害者のおばけのみんなが一致団結して加害者のおばけをやっつけます。

おばけ屋敷モノをおばけ目線で描いたハートウォーミングなサスペンスミステリー。 
「実は生きてるパターン」や「実は死んでるパターン」の映画が割と沢山作られている中、さらにひとひねりしてループものの要素も入れ込んじゃうという盛り沢山な内容に。 
観終わったあと、監督が『CUBE』のヴィンチェンゾ・ナタリさんだった事に気づいてビックリしました。 



86位 『オールド・ボーイ』(リメイク版)
あらすじ・・・
20年間監禁された男がシャバに出て犯人を捜します。

韓国の同名映画をスパイク・リー監督が華麗にリメイク。
ちょこちょこと改変点はあるものの、近親相姦やきんしんそうかんやキンシンソウカンなどの胸くそポイントはそのまま、というかさらにバージョンアップされていて、いろいろと合点がいきやすい仕上がりに。
オリジナル版の「知りたくなかった真実から目をそらす」という究極の開き直りみたいなラストを、「一生自分の罪と向き合って贖罪の日々を送ります」というさわやか(?)なラストに変えたのは、ハリウッドの良心なのか、それとも限界なのか・・。



85位 『パラサイト・クリーチャーズ』
あらすじ・・・
アルプスの山奥で気象の調査をしていた人たちが、突然変異した遺伝子組み換え動物に襲われてヒーヒー言います。

SFの名作『蠅男の恐怖』を彷彿とさせる、郷愁溢れる着ぐるみモンスターが愛おしい一品。 新種の微生物に右往左往している最中、大臣の視察が決まって迷惑この上ない表情を浮かべる調査隊。 どこの国でも上のわがままに現場が振り回されるのはお馴染みの光景なのかもしれませんね。
ただ、この作品に出てくる女大臣は超武闘派でスーパー出来る人なので、「ええぞ大臣!もっとやれ!」と、他の映画ではあまり感じることのないカタルシスを味わうことが出来て、そこは非常にたのしかったです。

あと、犬人間の赤ちゃん超かわいい。



84位 『メイズ・ランナー』
あらすじ・・・
記憶を消され、高い壁に囲まれた少年だらけのコミュニティに放り込まれた少年が、他の少年たちと共に壁の向こうの巨大迷路に挑戦します。

で、でたーw 選ばれし一人の子どもが世界を救奴~www

毎度おなじみ救世主ネタです。 
特別な役割を与えられた子どもが、すごい幸運に恵まれ、過酷な環境を生き抜いて、その他の子どもたちに希望を与えるアレです。 
この世界には人口を消滅させかねない危険なウィルスが蔓延しており、科学者たちはそんなウィルスに対し奇跡的に抗体をもっていた子どもたちに、あえてストレスを与えてみるという実験を施すことで、人類救済のカギを見出そうとしているのですよね。
つまり、本作に登場するムチャな設定は、なにも彼らをやみくもに苛めようと用意されたのではなく、全てよかれと思って揃えられたものばかり。
あえての記憶消去、あえての女人禁制生活、あえての自給自足、あえての「蠅の王」状態、あえての毒グモ、あえての巨大迷路なのであります!

・・う、・・うん・・ ・・費用対効果低すぎじゃね・・・?



83位 『メイズ・ランナー2: 砂漠の迷宮』
あらすじ・・・
迷路から脱出した少年たちが、他の少年たちと一緒に砂漠を横断します。

やっとの思いで迷路を抜け、屈強な兵士たちに拾われて一安心・・と思ったら、連れていかれたのは他ならぬ、子どもを使った生体実験でお馴染みのブラック企業・WCKD(ウィケッド)の本拠地だった!
というわけで、一難去ってまた一難なシリーズ第二弾。 今回も砂にゾンビに山賊に傭兵と盛り沢山です!
ウィルスに対する抗体を持つ人たちが、製薬会社からひたすら逃げると言う構図は、映画版バイオ・ハザードのミラジョボ姐さん(アリス)みたいに見えなくもないのですが、施設に残って大人に協力して、なんとか薬を作る方向でがんばった方がいいんじゃないですかね・・・。 まぁ、生体実験はごめんですけどね・・。



82位 『ポンペイ』
あらすじ・・・
ヴェスヴィオ火山が大噴火して、ポンペイが灰に埋もれます。

たった一晩で人口一万人の都市を飲み込んでしまった歴史的な大災害を、『バイオ・ハザード』シリーズのポール・W・S・アンダーソン監督が最新のVFXと豪華キャストで描いた、残酷&無情の全員死亡エンターテイメント。
「両親をローマ人に殺されたケルト人男性が、縁あってポンペイでグラディエーターをしていたトコロ偶然仇に再会。 そして訪れる運命の一夜・・・」というわかりやすく燃えやすい内容で、あの有名な世界遺産をもとに、よくぞここまで話を膨らませたなぁ・・と感心してしまいました。
よっ! さすがはおポール! エンタメ界のベーキングパウダー!

途中でザバザバ津波が押し寄せ始めた時は、「あれ・・・?ヴェスヴィオ火山ってそんなんだっけ・・・?ふしぎ発見では火砕流って言ってなかったっけ・・・?」と思ったのですが、最後にどっさり火砕流が押し寄せていて「そうじゃろうそうじゃろう」と不思議な安心感がありました。 っていうか、ホントにあんなレベルの津波あったのか。 盛った? おポールちょっと盛っちゃった?
盛ったかどうかはさておき、復讐という大きなテーマをベースに、同じ奴隷仲間との絆、さらにええとこのお嬢様との恋まで詰め込んで、それでも散漫になっていないというバランスの良さはなかなかのものだと思いました。
よっ! さすがはおポール! エンタメ界のタニタ食堂!



81位 『REC/レック4 ワールドエンド』
あらすじ・・・
ゾンビだらけのアパートから生還した唯一の女性・アンヘラたんがゾンビっぽくなったりゾンビっぽくならなかったりします。

5年ぶりの公式続編でアンヘラたんのウザさがひざびさ全開!
消防士の密着取材で訪れたアパートで、ゾンビっぽい感染者に襲われ、絶体絶命のピンチに陥っていたレポーター・アンヘラたん。
その後、パート2のラストに巨大ナメクジみたいなぐんにゃりとしたものを飲み込んで、すっかり感染完了した彼女のその後を描いたのが、今回のワールドエンドなわけですが、大層なサブタイトルから漂っていた不安が見事実を結び、過去のシリーズの楽しかった思い出まで全部ひっくるめて黒歴史に変えちゃうようなスットコ作品に。

ナメクジをおなかに抱えたアンヘラたんが連れていかれた先は、そこいらへんの病院ではなく海上の要塞。 というかボロっちい貨物船。
外観とは裏腹に、中には神父兼科学者であるおっさんたちが感染者の最新治療法を研究するための設備が一式揃っていて、というか、ここで治療法が見つけられなければ船員もろとも文字通りの意味で吹っ飛ばされるという、かなり肩の荷が重めな施設となっております。
で、連れてこられたアンヘラたんは、「おまえのおなかに感染源がいることはわかってんだぞ」とばかりに麻酔無しのきっつい手術を受けそうになるのですが、どっこい寄生虫はすでにアンヘラたんから別の人物へと移動しており、じゃあその人物は一体誰なのかというサスペンスな展開が繰り広げられるのかと思いきや、いやまぁ繰り広げられるのですが、正直想像はつくというか、同時進行する船内パニックが目新しくなさすぎてドキドキしないというか、要するにガッカリなんですよ! もうね、ガッカリ! このスットコどっこい!
オカルト方面なのか感染方面なのか、それともスリザー方面なのか・・とクヨクヨしていたあの頃が懐かしい。
ていうか、ゴスペル設定どこいったんだよ! 続きモノなんならちゃんとやろうよちゃんと!



80位 『劇場版 MOZU』
あらすじ・・・
倉木ーッ! オレだーッ! けっこんしてくれー!!

感想は近日更新予定です。



79位 『ムカデ人間3』
あらすじ・・・
刑務所の所長が経費削減のため囚人をムカデ状につなぎます。

つなげて・・ しまったのですね・・・!!

と、いうわけで、衝撃的な内容で全世界を驚愕させたカルト映画『ムカデ人間』の最終章となる『ムカデ人間3』ですよ。
1作目では3人だけだったムカデ構成員が一気に4倍になっていた2作目。
実はその時点で、次回作での構成員は500人になることがアナウンスされていたのですが、正直半信半疑だったのですよね。
だって500人ですよ、500人。 百足なのに500。 いくらなんでも盛り過ぎなんじゃねえの・・・トム・シックス監督・・。 
そして完成した3作目。 ホントにつないじゃった。 それはいい。 そこはいいんですよ。 有言実行、すばらしいじゃないですか。 ただ、ただね。 つないだムカデ、動かないんでやんの。

そうなんです。 わたしは本作を観て心底ガッカリしたのです。 なぜなら総勢500人で作った巨大ムカデ人間がピクリとも動かなかったから。 マジかよ! ぞわぞわと蠢かなくて、なんのためのムカデなんだよ!
ハイター博士・・・じゃなかった、ビル所長のマシンガン下ネタトークがメインとか、期待外れにも程があるだろ!
えげつないグロシーンもいちおう盛り込まれてはいたけれど、なんかクドくて笑えない。 笑わすつもりで作ってるのかどうかわからないけども。
マーティン・・じゃなくてドワイトのシーンだけが唯一の箸休めで、あとはずっと単調なエログロナンセンス。 
ビル所長というキャラクターでアメリカを皮肉ることで、ちょっとした毒を込めているのかもしれませんけどね、もうね、わかったから。 そこまでしつこくやんなくてもいいから。
あと、ムカデ人間の1作目でカルト映画界にその名を刻んだ北村昭博さんの出演シーンが、ちょいちょい不自然だったように思うんですけど、もしかして沢山カットされたりしてたのでしょうかねぇ。 
観ていたいシーンが少なくて、減らしてくれていいシーンが多すぎる、というのが、わたしの『ムカデ人間3』に対する素直な感想です。 過去2作がすごかっただけに、寂しい最終章になっちゃったなぁ。



78位 『ロボコップ』(リメイク版)
あらすじ・・・
真面目な警官が瀕死の重体に陥り、真面目なロボットに生まれ変わります。

めちゃくちゃ陰気やで~!
バカがつくほど真面目なロボコップが汚職警官や犯罪者をやっつけるというお話はさておき、機械の身体の中、人間のそれのまま残っている部分を見せられるシーンがあまりに無情で、ずっとその痛ましい姿が目に焼き付いてしまって・・・。 なんかもうつらい。
豪華すぎるキャストがさらに哀しさを誘う。(わたしの)



77位 『オープン・グレイヴ 感染』
あらすじ・・・
死体の山の中で目を覚ました男が、失われた記憶を取り戻すため右往左往します。

感染パニック+記憶喪失+ほのかな恋+疑心暗鬼からくる内部分裂=良質な世紀末人間ドラマ
シャールト・コプリーさんが人類滅亡の危機を救う最後の砦としてがんばるお話でした。
「ロッジに集まった男女6人全員が記憶を失っている」という謎だらけのオープニングでグっと惹きつけておいてから、誰が本当のことを言っているのか、一体彼らは何のために集められたのか、と疑問のつるべ打ちで一気に緊張感を高め、「もったいぶってもったいぶってハイ!真相ドーン!」なクライマックスまでたのしく鑑賞出来ました。
せつなすぎるラストシーンもよかった。



76位 『デビルズ・ノット』
あらすじ・・・
ウェスト・メンフィスで起きた殺人事件の真相に、正義の調査員が迫ります。

数々の映画が作られている「ウェスト・メンフィス事件」の何回目かの映画化。
過剰にドラマティックに煽り立てるのではなく、当時の弁護士や調査員や遺族の置かれた状況や苦悩を淡々と描いていてとても誠実な作品になっていると思います。
ただ、わたしはこれを観るずっと前に『ウエスト・オブ・メンフィス 自由への闘い』を観てしまっていたので、どうしてもそちらの印象の方が強くてですね・・・。
正直、観終わって「えっ?これだけ?」と思ってしまったのですよね。 この作品はこの作品でよく出来ていたと思うし、しょうがないことなんですけど、観る順番って大事なんだなぁ。
静かな演技の中に、被害者の母の葛藤やもどかしさや後悔や痛みを存分に詰め込んだリース・ウィザースプーンさんはさすが。
諦めない調査官を演じたコリン・ファースさんもすごくよかったです。



75位 『リーガル・マインド 〜裏切りの法廷〜』
あらすじ・・・
酒飲んで暴れて親権を取り上げられたベッキン姐さんが、名誉挽回とばかりに殺人事件の再審に挑みます。

殺人事件の数があまりに多すぎるからなのか、正義に携わる人たちも感情や私生活に左右されるひとりの人間でしかないということなのか、とにかく出てくるキャラクターがみんなどこかマヒしているのですよね。
で、そんな中で、とても知恵の回る人間が犯罪を犯したら。
そのからくりは誰が暴いてくれるのか。
冤罪を生むシステムも、人の善意を利用して裏を書こうとする卑怯者も、常にわたしたちの周りにいるのだよなぁ・・と思い、作品自体はフィクションとはいえ、なんだかもやっとした気持ちになりました。



74位 『クライモリ デッド・パーティ』
あらすじ・・・
ヤク持ってフェスに向かっていた若者たちが、食人3兄弟に出会ってひどい目に遭います。

いつの間にかシリーズ5作目を迎えていた人喰い3兄弟のほのぼの放浪記。
今回はピンヘッド兄貴の中の人、ことダグ・ブラッドレイさんをゲストにお招きして、テキチェンのホイト保安官とハンニバルのレクター博士を混ぜて芋焼酎で割ったような悪酔い必至なボスキャラを演じてもらっています。
年に一度のロックフェス開催でテンションガチ上がりになり、危機意識のかけらも残っていない田舎の町を舞台に、「おっぱい」と「言うことを聞かない若者」と「殺戮」とが、回転すしのレールに並べられたネタのごとく流れては消えるので、正直単調であることは否めません。 
目玉である「殺戮」部分に関しても、日曜大工でこしらえたかのような大雑把なファラリスの雄牛や臓物セルフ食いといった斬新なものがある一方で、四肢を紐で引っ張りハンマーで叩いてさらに車で轢く、といった結局何がしたいのかよくわからないものなんかもあって、かけなくていい所に手間をかけすぎな感じがすごい。 
あと、ちょいちょい「語り」のシーンが入るのは、ブラックユーモアを散りばめてセンスの良さを醸し出したかったのか、もしくはホラーレジェンド・ダグさんの魅惑の低音ボイスを最大限活かしたかったからなのかもしれませんが、ちょっと狙いすぎて鬱陶しいですよね。 
そもそも、いくら中の人がダグさんとはいえキャラ的にはぽっと出のおっさんに、我らが人喰い3兄弟がやたらとへいこらしているのも気に入らない。 それでいいのか人喰い3兄弟。 自立していたんじゃなかったのか人喰い3兄弟。 おまえらのプライドはどこへ行ってしまったのだ。
マンネリ打破のためのダグさん投入が裏目に出ちゃったかなぁ。



73位 『るろうに剣心 京都大火編』
あらすじ・・・
影の人斬りとして、政府に都合よく使われ捨てられた藤原竜也さんが、京都に火を放ったり、でっかい船でザバーンザバーンってなったりします。

「武井さんがあまりにうざったくて、映画はおもしろいんだけどあまり観返す気が起こらない」とまでわたしに言わせた劇場版『るろうに剣心』。
第一弾の大ヒットを作られた第二弾での武井さんはどんな感じになっていたのでしょうか。
と、いうことで今回の『るろうに剣心』。 
心配されたその内容は、「剣心行っちゃダメ!」「剣心殺さないで!」「剣心マイフレンド!」の3本立てとなっております。  ま た か !
えっ、えっ、もしかして武井さん(薫どの)がうざったかったのって、わたしだけなの? みんなは薫どの、だいすきだったの? 薫どののくだりで、きちんとハラハラドキドキ出来たの? イライラムシャクシャじゃなくて?

もうね、世間の評判はわかりませんけど、わたしは薫どののくだりが全部かったるくってダメでしたね。 他のキャラクターの登場シーンはどれもおもしろかった。 今回の殺陣もかっこよかった。 なにより、宗ちゃんがさいこうだった。 でも、薫どのが出てきた瞬間気持ちがサアーッと引いちゃうんですよ。
剣心の「生きる」支えになっているのならよいのですが、足を引っ張ってるだけにしか見えないんだもんなぁ。



72位 『るろうに剣心 伝説の最期編』
あらすじ・・・
剣心が運命的な再会を果たした師匠と山奥のコテージでお茶をしばきます。

これは福山マサジのマイ・フェア・レディやで!
身寄りのない少年・剣心を保護し、自分好みの剣客に育てるマサジ。 
食事はもちろん、服もマサジが調達するし、考え方とか生き方にも多大な影響を与えていきますよね、そりゃあね。 
寝食を共にしてますからね。 
染まれ・・染まれ・・・汚れを知らない佐藤健・・・ ひとおもいにマサジ色に染まってしまえ・・・! 
技を習得した剣心が再び旅立とうというシーンで、マサジが見せる「行っちゃうの・・・?」みたいなあまえんぼ顔に、わたしのなかのロマンティックが暴れだして止まりません! おいかあさん!白飯おかわり!おひつで!

その他のお話としては、明治政府がとことんクズだったり、の割には使い捨てにされた殺し屋たちが何故か仇であるはずの政府ではなく打倒剣心だけを目指していたり、なかなかどうしてわけのわからない部分が多かったのですが、声だけで「まさに物理的な意味で燃えてる」様を表現した藤原竜也さんがすごく(ビジュアル的にもメンタル的にもフィジカル的にも)強かったので、まぁ、満足か満足でないと聞かれたら満足でしたよ、わたしはね。

たぶん感想を読んで下さっているみなさまにおかれましてはどうでもいいでしょうけども、本作のエンディングののち、わたしの脳内でのみ、マサジがタケルを迎えにくる別エンディングが幕を開けてしまったことをご報告させていただきたいと思います。
いいぞ~ こっちのエンディングもいいぞ~。(白飯を炊きつつ)



71位 『ブルックリンの恋人たち』
あらすじ・・・
突然の事故で昏睡状態になってしまった弟のもとにやってきたアンハサお姉ちゃんが、弟が憧れていたミュージシャンとねんごろになります。

ケンカ別れしたまま半年音信不通だった弟が、交通事故に遭った。
そんな知らせを聞いて急遽アフリカから帰国したお姉ちゃん(アン・ハサウェイさん)は、弟が残していた日記を読んだり、すきだった音楽に触れたりすることで、自分が否定してきた彼の人生を見つめ直すことになります。
ええ話や・・・ 心にじんわりと染み入るええ話に、アンハサの確かな演技、ブルックリンの絵になる風景、シャレた音楽が重なって良質な一品に・・・!

と、簡潔にしめたいトコだったのですが、裏の目玉である「ワンフーのドリームストーリー」が強烈すぎて、なんつうか、ぼかぁそわそわしてしまったですよ。
だってね、ここで描かれているのって主に
「憧れのアーティストがいちファンである自分と本気の恋に落ちる」
「憧れのアーティストが自分のために曲を書いてくれる」
「憧れのアーティストが自分との恋愛を通して人生観を変えてしまう」
「憧れのアーティストが自分と別れたあとも未練たっぷりでいてくれる」
なんですよ! ドリームにも程があるじゃないですか! そんなもん、ファンがいちばんなりたいポジションでしょうよ! お嬢さん、間違えさんな! これは誰にでも出来ることなどではないのです! アンハサだからこそなしえた偉業なのですぞ!
夢物語は夢物語でいいとして、「憧れのアーティストとベッドでいちゃつきながら、彼のファンが書いた痛いファンレターを一緒に音読する」っていう部分だけは夢は夢でも悪夢の類になっちゃうので、勘弁してほしかったな!
「わーこいつこんな事書いてんのー」とか言われてたら超ショックだからさ! まぁ、言われてるんだろうけど! そこは知らないままでいたいじゃない! 夢見る少女でいたいじゃない!



70位 『マチェーテ・キルズ』
あらすじ・・・
マチューテが宇宙の一歩手前まで行きます。

ダニー・トレホさんが手斧で悪いやつを切りまくる、説明不要のドタバタ凶暴コメディ第二弾。
大幅に増えたCGも含め、前作以上にめちゃくちゃ雑な出来栄えですし、お話もあっちゃこっちゃ飛びまくってものすごくとっ散らかっていますが、「まぁ、マチューテだもんなぁ」の一言で腑に落ちてしまうのがすごい。
トレホさんが動けるうちに、宇宙のお話も撮っちゃってもらいたいものです。
ところどころで、トレホさんが真田広之さんに見えてしまったのですが、それは真田さんに失礼なのかトレホさんに名誉なのかよくわからないので、わたしの胸の中だけに留めておこうと思います。(書いちゃいましたけど)



いかがでしたでしょうか、ベスト89位から70位という微妙なランキングは。
みなさんのお好きな映画、入っていましたか?

では次回、69位からの巻でお会いしましょう!(たぶん近日更新します)(あくまで予定)




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『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』

2016年05月11日
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※ 以下、どこもかしこもネタバレを含んでいます。


あらすじ・・・
ヘルムート・ジモ大佐はその日、家族を喪った。
母国ソコヴィアで繰り広げられた、危険な人工知能ウルトロンによる人類滅亡計画と、それを阻止しようというアベンジャーズとの闘い。
あまりに強大な力を持つウルトロンによって、壊滅的な被害を受けたソコヴィア。
その中に、ジモ大佐の家族がいた。
憧れのアイアンマンを間近で見て、純粋にはしゃいでいた彼の子どもも。
特殊部隊に属していた自分の「家にいれば大丈夫」という言葉を信じ、自宅から出なかった妻も。
留守がちだった自分に変わり、義娘と孫を守っていた父親も、みなヒーローたちの闘いに巻き込まれ、亡くなってしまった。
犠牲になったのは一般市民だけではない。 アベンジャーズと共にウルトロンに立ち向かっていた者の中にも、死傷者は出ていた。
誰もがみな被害者で、誰もがみな犠牲者。
では誰が、一体誰が加害者なのか。
ナチスの残党なのか。 気まぐれに地球に攻め込んでくる異星人なのか。 暴走する人工知能なのか。 人助けの名のもとに過剰な破壊行為を繰り返すアベンジャーズなのか。 数十億人を救うためなら、いくらかの命が失われても仕方ないと思っているアベンジャーズなのか。

ヘルムート・ジモ大佐はその日、なすべきことを悟った。
アベンジャーズに、あの思いあがったヒーローたちに、彼らが重ねた罪の重さを教えてやるのだ。
何人助けようと、おまえらは所詮ただの人殺しに過ぎないのだということを自覚させてやるのだ。
自分が味わったのと同じぐらいの喪失と絶望を、彼らに与えてやるのだ。

と、いうことでジモさん一年間みっちり時間をかけて復讐計画を立てました。
元・特殊部隊とはいえ、ただの人間である自分がアベンジャーズに挑んでも普通に負けるだろうから、内輪揉めで殺し合わせ方が手っ取り早いとふんだジモさん、まずはアベンジャーズのリーダーであるキャップをストーキングして弁慶の泣き所であるバッキーちゃんの存在を掴み、「バッキーちゃんに重大な罪を犯させる」作戦を実行してキャップに揺さぶりをかけ、尚且つ、たとえどんな容疑がかけられていてもキャップならバッキーちゃんをかばうに違いないというトコロまで察し、けれどもキャップ以外のメンバーはそこまでバッキーちゃんに肩入れしないだろうからキャップとの間に溝が生まれるだろうと予想し、案の定バッキーちゃんを保護しに出かけたキャップがアイアンマンと対立しはじめたので、しめしめとばかりに第2段階「バッキーちゃんと同時期に開発され、いまだ冷凍睡眠状態のままの暗殺部隊をよからぬことに利用するため探しに出掛ける」作戦に出て、それを止めるべく自分を追ってシベリアに来るであろうキャップと、なんだかんだでキャップを手伝いにくるであろうアイアンマンとが相討ちを始めるように、第3段階「超極秘資料であるアイアンマンの両親暗殺事件の映像をジャストなタイミングで流す」作戦でとどめを刺します。

ひとつでもズレたり予想と違うリアクションがあったら一発アウトな作戦ですが、なあに、そこはそれ、元エリート特殊部員のジモ大佐ですから。 
根気と努力で見事成功させてみせますよ。
すべては家族と自分のため。 アベンジャーズをぎゃふんと言わせるためなら、民間人を何人巻き込もうと構いませんとも。
そう、他でもないアベンジャーズがそうであるように。



キャップ!!! バッキーちゃん!!! キャップ!!!! バッキーちゃん!!!!

ほんとに、こんな感じの声にならない叫びで鑑賞後のわたしの脳内が埋め尽くされましたよね! 
キャップ!バッキーちゃん!わしゃずっとこれが、こういうのが観たかったんじゃ・・・!!!

去年初めて『シビル・ウォー』の予告を観た時から、ずっと泣いていまして。 
バッキーちゃんの肩にそっと手を置くキャップ。 キャップを愛おしそうに見つめるバッキーちゃん。 アイアンマンの両側に立ち、怖ろしいほどに息の合ったコンビネーション攻撃を繰り出すキャップとバッキーちゃん。 キャップに並んで全力疾走するバッキーちゃん。 そんなバッキーちゃんを守るため、仲間であるアベンジャーズのメンバーに背を向けるキャップ。 
かなしい!でもたまらん!これ絶対つらいやつ!でもたまらん!はよくれ!この本編はよくれ!! 
そんな揺れる想いを体じゅう感じたあの頃。

で、ついにお目見えした『シビル・ウォー』。 
世の中に100点満点という概念があるとするならば、『シビル・ウォー』は250点満点です。 
これはもはや、意味が通じるかどうかの問題ではない! わたしの心の中がそれぐらい暑苦しい状態になっているということなのです・・!
とにかく、本作はバッキーちゃんに始まりバッキーちゃんに終わりますからね。 
どういうことかというと、1991年、洗脳を施され極秘任務に就かされるバッキーちゃんで幕を開け、2016年、再び冷凍睡眠装置に入るバッキーちゃんで幕を閉じるのです。 
どうですか、この「感想の序盤ですでに大オチを書いてしまう」という暴挙。 
大胆でしょう。 大胆と言えば、逃走生活の途中なのに市場に果物を買いに来るバッキーちゃんも相当大胆ですよね。 ていうか、かわいいですよね! 
プルーンを手に取って「これ熟してるかなぁ・・・」って思案するバッキーちゃん! 
ウィンターソルジャーとしてやらされてきた暗殺はさておき、やってもいないテロ行為の容疑で全世界から追われているとは露知らず、のんびり市場を散策するバッキーちゃん! 
なんだったらもう、このバッキーちゃんの何気ない一日だけをみっちり2時間ぐらいの長編映画にしてくれても、わたしは全然かまいませんよ! やるか?! おはようからおやすみまでのバッキーちゃん密着ドキュメンタリー、いっちょやってみっか?! なんやったら「情熱大陸」とかでもええんやで?

新しい服を買ってくるたびに、いちいち左腕の袖をチョキチョキ切ってノースリーブにするバッキーちゃんとかも出てきます! 
ジャケットは袖切るの大変だから、大き目のサイズを買うバッキーちゃん! 
お風呂から上がったら、錆びないようにクレ5-56を吹き付けるバッキーちゃん! 
なにそのバッキーちゃん!! ぎゃわいいいいいいいいい!!

『シビル・ウォー』に出てくるのは、きゃわいいバッキーちゃんだけではありません。 残酷な現実をひたすら真摯に受け止めようとするバッキーちゃんの痛ましい姿も、もちろんそこにありました。 

本作の大きなテーマは「復讐」でした。 
アイマンマンに怒りの声をぶつけるソコヴィアの犠牲者遺族。 
謎のテロリストに父王を殺された若き王子。 
限りなく人災に近い災害で何もかも失った元特殊部員。 
両親が事故死ではなく暗殺されたと知った二代目社長。 
行き場のない憤りと癒しようのない悲しみに支配された人々がよすがにするのは「復讐」。 
いつか必ず罰を与えてやる、という仄暗い正義心。

怒りを抱くことは誰にも止められないし、また、止めるべきでもないと思います。 
それは人として当然の反応で、時には救いになることもあるかもしれない。 
でも、直接なにものかに報復するとなると話は別で、それはまた新たな被害者と復讐者を生み出すことにつながってしまう。
それがわかっていてもなお、復讐を止めることが出来なかったジモ大佐と、攻撃の手をゆるめることが出来なかったアイアンマン。 
一方、黒い豹のコスチュームに身を包んだ王子は、一度剥き出した殺意を心の奥に封印した。 
なぜなら、復讐が人にもたらすものの虚しさを目の当たりにしたから。

(一般人を巻き込みすぎの)ジモ大佐が異常だとか、アイアンマンが大人げないとか、そういうことではなく、・・・いやもちろんそこに関して言いたいことは沢山あるのですが、わたしが唸らされたのはブラックパンサー陛下の人格者っぷりというか、徳の高さというか、この世から無くならないであろう「諍い」への、ひとつの道筋というか。 
どれだけ納得がいかなくとも、どれだけ相手が憎かろうとも、誰かが収めないとこの不幸は終わらない。 
だったら自分が終らせよう。 
闇雲に仕返すのではなく、公平な裁きに任せよう。

そして、復讐という選択肢をとらなかった人が本作にはもうひとり登場します。 そう、バッキーちゃんです。

バッキーちゃんの運命は、あまりに非情で、あまりに過酷でした。 
病弱な親友を含む多くのアメリカ国民を守るため戦地へ赴き、そこで敵の捕虜となり、さらには怪しげな人体実験の被験者とされてしまう。 
死を覚悟していたバッキーちゃんでしたが、ある日、か細かった親友が別人のようなたくましい姿となって自分を救いに来てくれました。 
驚きながらも、見た目はともかく中身はまったく変わらない親友との再会を心から喜び、共に母国のために闘おうと誓ったバッキーちゃん。 
しかし、数々の成果をあげていた最中、敵の狡猾な罠にはまり、列車から振り落とされてしまいます。 
死んでもおかしくない程の傷を体中に負いながらも、なぜか命は助かっていたバッキーちゃん。 
その後彼を待っていたのは、ヒドラによる人体改造と徹底的な洗脳でした。 
冷徹な暗殺者ウィンター・ソルジャーへと作り替えられたバッキーちゃんは、ヒドラの傀儡として数えきれない暗殺を実行してゆくことになります。 
少しでも正気を取り戻しかけると、すぐ施される再洗脳。 
自由な意思も、反抗する機会すらもない数十年間を、バッキーちゃんはいったいどんな気持ちで過ごしていたのか。 

完全な傀儡ならまだよかったでしょう。 
良心も大切な人の記憶も何もなければ、死んでいるのと同じ状態なら、まだ楽だった。 
でも、バッキーちゃんは覚えていたのです。 
洗脳は完璧でしたが、記憶の消去は万全ではなかった。 
絶対にそばにいると決めた親友の存在も、重ねさせられた非道な殺人行為も、全てバッキーちゃんの中には残っていたのですよ。
それがどれだけの苦痛だったか。 どれだけ残酷なことだったか・・・。

なぜバッキーちゃんがこんな目に遭わなければならなかったのか・・・・ そう思うだけで、わたしはつらくてかなしくて、心が引き裂かれそうな気持ちになりました。 
バッキーちゃんは全て覚えていた。 ヒドラはそれを、忘れさせてくれなかった。 
親友を殺そうとしたことも、共にヒドラという敵に立ち向かっていた科学者兼企業家とその妻を殺させられたことも、なにもかも抱えて、自分を責めて、誰にも救いを求められず、たったひとりきりで暗闇の中生きてきたバッキーちゃん。 
さぞかし恨んだことでしょう。 
ヒドラを、運命を心の底から憎んだことでしょう。 
でも、バッキーちゃんは報復ではなく、なにもかもを受け止めることを決めた。

洗脳されていたとはいえ、殺したという事実は消えないし、それは間違いなく自分の罪だ、と。 
誰かに責任を押し付けてしまえば楽なのに、というか、バッキーちゃんに責任なんてないというか、むしろ完全に彼も被害者なのに、「事実」から逃げず、ひたすら真摯に向き合い続けたバッキーちゃん。 
冒頭の市場のシーンは、とても愛らしいシーンでもあったけれど、同時にとてもかなしいシーンでもあったのですよね。 
キャップに連絡をとろうと思えばとれたのに、「たすけて!」って言えば絶対駆けつけてくれることはわかっていたのに、だからこそ常に孤独でいることを選んだバッキーちゃんの覚悟がね・・・ホント・・・ ホントマジで・・・ バッキーちゃん・・・(嗚咽)

そしてキャップもまた、そんなバッキーちゃんのことを理解していたし、信じていた。 
「前作『ウィンター・ソルジャー』の時、どうして自分を川から救い出してくれたのか?」とバッキーちゃんに問うキャップ。 
でも、本当はわかっていたんですよね。 
『ファースト・アベンジャー』でヒドラの工場から脱出する際、燃え盛る炎の中「先に逃げろ」と叫んだキャップに、「絶対にお前を置いてなんて行かない!」と答えたバッキーちゃん。 
キャップには、あの頃のバッキーちゃんと今のバッキーちゃんは何も変わっていないとわかっていたのだと思うのです。 
操られていても、中身は親友のジェームズ・ブキャナン・"バッキー"・バーンズだと。 
自分が命を預けることができ、命を預かることができる相手だと。 

バッキーちゃんは、犯罪者の自分が正義のヒーローであるキャップを頼ったらどうなるか、どれだけキャップに迷惑をかけるかわかっていたから頼らなかった、 
キャップは正義のヒーローである自分が暗殺者であるバッキーちゃんをかばったらどうなるか、どれだけアベンジャーズに迷惑をかけるかわかっていたけど、迎えに行かずにはいられなかった。 
そこにあるのは、キャップとバッキーちゃんのお互いへの揺るぎない愛情と信頼なんですよね。 
キャップはバッキーちゃんを裏切らない。 バッキーちゃんもまた、キャップを裏切りたくない。

本作の最後、自ら冷凍睡眠に入ることを決意したバッキーちゃん。 
それは彼の贖罪でもあり、二度と大切な親友を傷つけたくない(洗脳状態に陥るか否かを自分でコントロール出来ない以上いつでも起こりうる)からでもあり、数十年間続いた苦しみからの解放でもありました。 
どこまでも誠実なバッキーちゃん。 
なにがあってもキャップを守りたいバッキーちゃん。 
少し休んでほしい。 悪夢にうなされることなく、安らかに過ごしてほしい。 
再びわたしは泣きましたよね。 っていうか、バッキーちゃんのシーンはほぼ泣いてましたよね。

ただ、このままバッキーちゃんが寝ていたら、同世代の友人がひとりもいなくなってキャップかわいそうなので、なるべく早めに起床していただきたい・・! 
ブラックパンサー陛下のラボも相当最新鋭っぽいですけど、ここはやはりスターク社長が開発中のBARFですよね! 
トラウマ治療装置がうまいこと機能するようになれば、バッキーちゃんが脳に植え付けられたダメージも、社長のご両親に対するかなしみも、みーんなまとめて解決できるはず・・・! 
ほんでみんなで宇宙ゴr・・・ ・・サノスをやっつけようぜ!!

「キャプテンアメリカ」シリーズはいったんここで終了し、次にキャップ関係者が登場しそうなMCU作品は2018年の『ブラックパンサー』かなぁ・・という雰囲気ですが、あと二年もバッキーちゃんが眠ったままなのかと思うと、というかそんなバッキーちゃんを毎日見舞いに行きそうな勢いのキャップを思うと気が気ではありませんね! 
やっぱりここは、一旦MCUを離れてでもいいのでバッキーちゃんとキャップの日常に密着したなにがしかのアレを早急にお願いしたい! 「情熱大陸」とかでもいいから!

あと、「キャプテン・アメリカ」シリーズが始まった頃、主演のクリス・エヴァンスさんがキャップとして契約していたのは6作品だけで、となるとキャップがキャップであるのは残り一作、『アベンジャーズ3』しかないことになってしまうのですが、去年あたりからエヴァンスさんの心境に変化が表れ、契約更新も夢ではなくなってきているようなので、是非これからもキャップとバッキーちゃんの二人三脚物語を紡いでいって頂きたいものですね! 
なんだったら、既に9作品分契約しているバッキーちゃんに二代目キャップを襲名して頂いて、Wキャップという超オレ得な黄金タッグを結成(略



- 追記 ―

・ いちゃいちゃするエージェント13とキャップを生暖かい眼差しで見守るバッキーちゃん(とファルコン)かわいい!

・ というか、ファルコンとバッキーちゃんがすごくいい関係になりそうな感じで、そこもホッとしましたよね! なんだろうなぁ!やっぱキャップの周りにはいい人が集まってくるのかなぁ! 「共通の友人がキャップ」って、それもう絶対に気が合いそうじゃん!

・ もちろんブラックパンサー陛下も含めて仲良しグループですよ! みんなでドライブとか行けばいいじゃない! 海行ってビーチフラッグ対決とかすればいいじゃない! ムキになって爪を出す陛下と空飛んでズルをするファルコンとイジケるバッキーちゃんのもとに「焼きそばやけたよー」ってキャップがごはん持ってくる15分ドラマ、毎朝8時から放送すればいいじゃない!

・ もうあれだ、キャップの新しいシールドもバッキーちゃんの新しい腕も、陛下に頼んでヴィブラニウムで作ってもらえばいいじゃない! カンカンカーンっつって! 友人価格でお安く分けてもらえばいいじゃない!

・ それにしても、ヒドラの洗脳って水に浸かったぐらいで解けるものなのか・・・ 意外と再々洗脳し直してたのかもしれんな・・。 大変だねヒドラも・・・

・ 結局キャップは、最初から一ミリもブレていないんですよね。 誰もが「死んだ」と判断した親友を「生きている」と信じ、組織に背いて単身助けに行った『ファースト・アベンジャー』と、誰もが「非情な犯罪者」と判断した親友を「真実の姿は違う」と信じ、組織に背いて単身迎えに行った『シビル・ウォー』。 キャップの信念はずっと同じなのです。  友達を信じ、仲間を信じ、個々に出来ることを全力でやるのみ。 たとえその結果、誰かを巻き込んで(もちろん巻き込みたいわけではない)しまっても、そのせいで憎しみをかっても、全てを受け止める覚悟をしている。 完璧ではないけれど、善人でい続けるために。 彼の中の善良性を信じ、血清を託してくれた、アースキン博士との約束を守るために。

・  怒りに我を失ったアイアンマンに対し、「I can do this all day.」と拳を構えるキャップの姿。 相手が悪党ではなく仲間であることのかなしみもあるものの、これほどシリーズのラストに相応しいシーンはないと思いました。 キャップはこれからもキャプテン・アメリカであり続けるのでしょう。 たとえ盾をもっていなくても。

・ 両親を殺されたと知り、気持ちの収拾がつかなくなっているスターク社長。 そんな場面でまで冷静さを求めるのは酷すぎるかもしれません。 けれど、「母の仇!」という気持ちと「我儘なキャップに代わりアベンジャーズを引っ張って行くのは自分だ」という気持ちがごっちゃになり、どんな言葉にも耳を貸せなくなってしまっている社長はあまりに危険すぎる。 とはいえ、アーマーを身に纏ったアイアンマンの頬を叩いても彼は止まらない。 キャップは最後の手段として、シールドで起動装置であるリアクターを破壊するしかなかった。 その行為が、キャップにとってどれほどつらい決断だったことか。 胸にシールドを突き立てられた社長よりも、突き立てたキャップの表情の方がより激しく傷ついているように見えて、「なんでここまでしなければならなかったのか・・・」と無念でなりませんでした。 

・ あくまでわたしの解釈ですが、この時の社長もまた、驚きとショックに入り混じり、幾分バツの悪そうな表情を浮かべていたように思えたのですよね。 アーマーが止まったことで「やりすぎた」という状況を飲み込み、苦しみとかなしみと罪悪感で歪むキャップの眼差しを見て、叱られた子どもにも似た表情になっていた社長。 その後キャップに「盾は置いていけ。お前には持つ資格なんてない」と吐き捨てるのも、なんかすごく子どもっぽいというか、ホントは社長もそんな事言いたいんじゃなくて「ごめん」って言いたいんだけど、それを言ったら負けたみたいになるから、「まだオレの方が正しい」ということを表すため放った一言だったんだろうなぁ・・と。 本当にシールドをあっさり捨てて、「親友」であるバッキーちゃんを支えながら自分を置いて立ち去るキャップを見ながら、社長はどれだけ傷ついただろう。 

・ でもね、すごく社長もかわいそうなんですけどね、やっぱりキャップのことを仲間だと言いながらも、最後の部分ではキャップの話には耳を貸さず自分の判断を優先した社長もね、残念だったと思うのですよね。 キャップはバッキーちゃんを含め、みんなのことを信じた。 ワンダのことも、ホークアイのことも、初対面であるアントマンのことすら信じた。 一方、社長はキャップのこともワンダのことも信じられなかったのではないでしょうか。 だからワンダを閉じ込め、キャップを「正してやろう」と追い込んだ。 

・ 先日観た『バットマンvsスーパーマン』もそうでしたけど、なんでヒーローって人の話を聞かないんだろうなぁ。 いや、ヒーローではなくても、人は概して他人の話を聞かないものですけどね。 ちょっと落ち着いて小一時間話し合えば、解ける誤解はあるだろうし、キャップのことを本当に信頼していたのなら「あいつがそういうんなら、ちょこっとバッキーちゃんのこと調べてみっか・・・」ってなるんじゃないかと思うのですけどね。 この辺りは、人を使う立場で生きてきた社長と、人に使われる立場だった(実際は言うこと聞かずに自分の判断で動いていましたけど)キャップたちならではの違いなのかもしれませんけどね。

・ 要するに、『シビル・ウォー』に足りなかったのはワンダー・ウーマンさまってことですかね! もうおまえら全員ワンダーウーマンさまに一回シバいてもらいなさいよ! 「おまえらバカなんじゃね?」ってピカピカ光る縄で締め上げてもらいなさいよ! 縁起物ですよ!

・ いろいろとかなしみの深い結末となってしまいましたが、こんなことになってもなお、社長の精神状態を案じ、仲間のために動こうとしているキャップがいれば、まだまだ仲直りのチャンスはあると思いますし、あとは社長がどれだけ大人になれるかの問題かなぁという気がしますので、ええと、なんだ、次回『スパイダーマン ホームカミング』でピーター・パーカーくんにしっかり指導してもらって、なんとかがんばれ社長! 

・ ホント、社長がピーターに言ったという「自分が正しいという思いこみは危険」って、今日一のおまいうなんですよねぇ・・・。 社長しっかりして!  ケロヨンペッパー・ポッツとも縁が切れたことだし、なんだったらメイおばさんと付き合って新しい価値観を見つけるのもいいかもヨ!

・ それにしてもメイおばさんがマリサ・トメイさんとはな・・・ だったらベンおじさんはクリスチャン・スレイターさんぐらいにしとかないとな・・! (と思ってしまうわたしは『忘れられない人』だいすきっ子)

・ 【映画を観ているスパイダーマン・ファンの気持ち】
 ピーター 「半年前この力を身につけて・・」 
 ファン (半年・・?じゃあベンおじさんは・・?)
 ピーター 「できることがあるのにしなかったせいで、不幸なことが・・」
 ファン (ベンおじさんだ・・!ベンおじさんだ・・・ ザワザワ)

・ 空港でオールスターが繰り広げる大乱闘シーンの「祭りだワッショイ感」な!

・ 巨大化するアントマンから漂うスーパー戦隊シリーズ臭な! さいこうだなおい!

・ スパイダーマンとアントマンがおいしすぎて、ホント、MCUの世界って幸せだなぁと思いました。 あっちでもこっちでも繋がっているって、ステキやん・・・!

・ 「個人個人で判断して行動に出るのではなく、部外から第三者の意見も取り入れよう」というのが、今回アベンジャーズが決断を迫られたソコヴィア協定の内容だったわけですが、「第三者っつったって、その部外者が正しい判断力を持っている保障なんかないじゃないか。 信用できない組織ではなく、自分たちの道は自分たちで決めよう」と異議を唱えるキャップと、「いやいや、独断に頼るのではなく外の判断も仰ごうよ」という賛成派のアイアンマンが真っ向からぶつかってしまうものの、クライマックスでは他でもないそのアイアンマン自身が、自分勝手な判断で復讐に走るトコロがとても皮肉でしたねぇ。

・ で、しでかしたテロ行為に対し、個人的な報復ではなく第三者による公平な裁きを受ける予定となったジモ大佐もまた、死刑になって終り、というのではなく、きちんと公的機関に拘束されることで、自らの行為を振り返りつつ贖罪の日々を送ってゆくのか、というと全くそんな雰囲気ではなく。 結局、正義とはなんなのか、どんな風に行うのが正解なのか、よくわからないことに・・・。

・ たぶんきっと、ブラックパンサー陛下の選択が一番希望があるのでしょうね。 公平な裁きに委ねたところで、肝心な法に裏切られることも多々あるだろう。 けれど、それでも私的制裁に走るのではなく、客観的な視線から冷静に判断するべきなのだろう、と。 そのためにも、信頼できる第三者が必要なのですが、さて、ヒドラが根深くはびこるMCUの世界で、そんな機関は存在し得るのでしょうか。 

・ アベンジャーズの正義はこの先どんな方向へ向かってゆくのか。 たとえそこにあるのがますます苦くつらい展開だったとしても、わたしはまだまだ期待することをとめられそうにありません。  そう、キャップがキャップでいる限り・・・!




関連感想
『キャンプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』(キャップ1作目)
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(キャップ2作目)
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(ソコヴィアが登場する前作)






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