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『トロール・ハンター』

2012年11月29日
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(※ 夢だけど、夢じゃなかった!)


あらすじ・・・
河原でもないのにでっかい岩がゴロゴロしている場所ってあるでしょ、山裾とか。アレね、トロールがケンカした名残ね。石投げ合って、えいやーって。マジで。


(※ 感想の最後にトロールの画像を添付しておりますので、未見の方は是非本編をご覧になってからお読みください)



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(※ でっかいことはいいことだ!)

というわけで、ノルウェー産の新感覚POV『トロール・ハンター』を鑑賞しましたよ。
何で新感覚なのかというと、画像が超キレイだから!
いわゆる、自分ちのハンディカムでやみくもに撮りまくった「素人動画」ではなく、機材にこだわった「記録映画」なのですよね。
だから映像も(走る時以外は)ブレないし、ノルウェーの雄大な景色がこれでもかと収められていて、ちょっとした観光気分まで楽しめるという。 
カメラも不自然にまわしっぱなしにならないし、動揺したら天井とかが写しっぱなしになってしまう。物凄く本物くさい。イイネ!

で、そんな「記録映画」を製作したのは誰なのかというと、ノルウェーの西部にあるヴォルダ大学に籍を置く三人の若者たち。マイケル・ムーアに憧れるリーダーのトマスくん、でっかい収音マイクを片手にどんなトコロにもついてくる音響担当のハンナちゃん、撮影担当のカッレくんでして。
卒業制作なのか授業での課題なのか、当初「ノルウェーにおけるクマの密猟」をテーマに取材を始めた彼らは、怪しいハンター・ハンスさんの存在を知り、張り込みの末マイクを向けるものの、あっさり取材拒否。
そこでこっそりハンスさんのお出かけについて行きましたところ、人っ子一人いない山の奥を閃光が駆け抜け、血相をかえたハンスさんが叫びながら飛び出してきます。「トロールだぁぁぁぁあ!」、と。

学生たちはこのハンスさんの発言に半信半疑なわけですが、トマスくん自身が引っ掻かれて背中に傷を負ってますし、何より自分たちのカメラに収めちゃっているので、本来なら疑いようがない筈なのですけどね・・・。 おまえらの目は節穴か!
そして「オレは政府からの依頼を受けてトロールを監視している、この国ただひとりのトロールハンターだ」というハンスさんの香ばし発言の裏をとるべく、彼の行動に同行。
完全に本来の趣旨からは離れてますが、細かいことは気にせず、ハンスさんと一緒にあっちの森やこっちの丘陵でいろんな種類のトロールを目撃。 その生態を知る事となる大学生。 ていうか学校は?ねぇ、学校は? もう行かない方向なの・・・?あ・・冬休み・・とか・・? 

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(※ 日本でいうところの The・マタギ)

このハンスさんが、本作を2倍も3倍も魅力的にしている事は明白で、手作りの装甲ファッションや閃光弾、三脚がついたままみたいな紫外線ライトを有効活用し、うすら笑いでついてくる学生たちの安全に配慮しつつも、収めなければならない映像を押さえさせ、確実にトロールを仕留めてゆく姿に超絶シビれました。 
中の人の本業はノルウェーの人気コメディアンなのだそうですが、渋すぎる面構えや落ち着いた佇まいからは、普段ブーブークッションに座ってズコーとかやっている姿など想像もつきませんね。 ま、やってるかどうか知らないんですけどね。

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(※ ぬいぐるみ感あふれるクマちゃん)

トロール部分はもっぱらCGで描かれているのですが、風光明媚な景観に見事に溶け込み、安っぽさは感じられません。
夜行性の生き物なので、暗闇の中での撮影か、もしくは暗視モードに切り替えて撮影せざるを得ない、という条件も功を制していますね。
で、いざ写りこんでみたらみたで、体はもっふもふだわ顔は邪悪な友蔵さくらももこ)テイストだわで、ものすごく憎めないビジュアルだった、という点も良いと思います。
主食は?習性は?どんな種類がいるの?なんで紫外線に弱いの?などなど、細かい設定も定められており、そのひとつひとつが微妙にホントくさくて、なんだか微笑ましい気持ちになってしまいました。いや、居ないってわかっていますよ?でもね、もしかして居たりなんかしちゃったりなんかしたら、そしたらどうしますか? ああ!夢がある映画っていいなぁ!

そしてそんなトロールに関するリアル描写が続けられる一方、家畜被害の濡れ衣を着せられるクマちゃんは見るからにニセモノ・・・というか完全にぬいぐるみの質感だったりして、どうしてくれようかこの胸のときめきを。 ぼかぁ抱きしめたいよ!クマちゃんを!(※トロールは臭そうなので遠慮します)

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(※ けしからん!まことにけしからん!)

あとね、トロール以外の点で、アガサがもうひとつどうしても言っておきたい事。
それは、家畜殺害の現場をレポートしていた女の子のかわゆさ。そのコートのサイズの絶妙さ加減でありまして。
ほんの1シーンだけの登場で、本作に出てくる女性出演者すべてを凌駕してしまった、荘厳なまでのダイナマイトバディ。 おお・・神よ・・・!
だいたいねぇ、コートって普通からだを覆うのもじゃないですか!ボディラインを隠すくらいの、なんつうか「着膨れ」感すら漂うくらいの衣料品じゃないですか!それがなんですか!このピッタリ具合は!ドニーさんの皮ジャンかっつうの! 
横乳に沿って出来た服皺の丁度いい膨らみときたらもうね・・・ あたしゃこの衣装をあつらえた人に、ノーベル平和賞をあげたいよ!(←まだちょっとさくらももこを引きずっている)

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(※ 「毛がはえてて、こーんな口してて、こんなのと、こんくらいのと、こーんなに大きいのが寝てた!」 メイ談)

『となりのトトロ』や『指輪物語』などのファンタジーでもお馴染みの生き物・トロルを、とことん真面目に蘇らせた『トロール・ハンター』。
「実在する」ことを前提に作られた本作を観ていると、ばかばかしい事を全力でやることの尊さを再確認させられましたねぇ。
ありえない事なのに、出来上がった作品の完成度の高さから圧倒的な説得力を感じてしまう。
なんかすごくかっこいいよ・・監督もスタッフもさぁ!
これからは、何気ない見慣れた風景も、特別なものに見えてきそうな気がする・・・。 ほらご覧・・あの峡谷はトロルが流したおしっ・・ ええと、涙の跡だよ・・!

官庁の下請けとして劣悪な労働条件を飲まされている職人さんの嘆きだったり、自然に生きるモノと人間との共存だったりと、実は「トロール」という特殊な設定を取り除いてもなお、充分我々の身に思い当たる問題が描かれており、社会派映画としても見応えたっぷりだったりします。
山から降りてくるクマが悪いのか、自然を破壊した人間が悪いのか、お互いに傷つけ合わず生きてゆく術はないのか。 トロールハンターの生き様から学ぶ事は多い・・・  ・・かもしれない!

非常に素晴らしい作品でした!
わたしは大好きです、この映画!

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『この子の七つのお祝いに』

2012年11月26日
この子の七つの

あらすじ・・・
マンションの一室で、ひとりの女性の惨殺死体が発見される。
彼女は、次期首相候補と噂される大物議員の私設秘書・秦一毅の邸宅で家政婦をしていたものの、つい先日解雇されたばかりだった。
ルポライターの母田耕一は、政界を影で操っていると評判の女占い師・青蛾がこの事件に一枚噛んでいると推理。
後輩の雑誌記者・須藤と共に青蛾の正体を追うのだが・・・。



(※ 以下ネタバレです)

・ 「トラウマ映画」として名高い増村保造監督の傑作『この子の七つのお祝いに』を観ました。何を隠そう初見です。(別に隠してないけど)

・ 代名詞の如くつきまとう「岩下志麻のセーラー服姿」もさることながら、本作の見所はなんといっても岸田今日子。 岸田今日子先生渾身のジト目なのであります。 

・ 家族で渡った北京で両親を亡くし、一人ぼっちだった岸田今日子先生。 そんな最中、上海の軍事工場に勤めていたものの終戦で職を失い、さらに戦犯者として追われる身であった高橋佳哉(芦田伸介さん)と出会い、強制収容所送りにならない為結婚。 日本へ送還されたのち女児を出産。親子三人幸せな生活を送っていたのですが、ある日愛する愛娘がネズミに齧られて死んでしまいます

・ ネズミに齧られて死んでしまいます。 

うわあ

・ 哀しみの余り精神を病んでしまう岸田今日子先生。 一方、酒に溺れていた夫は、民家の軒下で元嫁に再会。実は彼は上海に行く直前、別の女性と婚姻関係を結んでいたのです。 こわれゆく妻を見捨て、元嫁のおうちに転がり込んだ芦田伸介さんは、彼女との間にちゃっかり子どもまでもうけ、巨額な手切れ金と共に先生に離別を宣言。 奥さん、この人鬼でっせ!

・ 何もかもをうしなった岸田今日子先生は、鬼の居ぬ間に赤ちゃんを誘拐。 ネズミ用語でいう所のチュウされた娘の名前をつけ、我が子として育てることを決意するのでした。 ネズミ用語のくだりについてはあまり気にしないでください。

・ そしてここから怒涛の「岸田今日子式英才教育熟」がスタート!

・ 手切れ金があったのでお金には苦労していなかったはずなのに、食費を切り詰めては「うちがこんなにまずしいのはおとうさんが私たちを捨てたからなのよ~」と貧乏アピールする今日子先生。 恨みつらみの一歩は食い物から、ですよね先生!

・ ひもじさで子どもの思考力を低下させたら、次は「おかあさんは体が超弱いんだけどそんなかわいそうなおかあさんを捨てて出て行ったおとうさんの事をアナタどう思いますか~」と病弱アピール。 ホントに病気なのはあなたの心、ですよね先生!ホントは毎食どんぶりめし3杯いけるクチですよね!

・ そして毎晩就寝前になると、一枚の布団に親子でぎっちり入り込む今日子先生。 齢6歳の少女相手に、鼻息のかかる距離での「この子の七つのお祝いに」独唱です!
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( ※ イ メ ー ジ 図 )

・ 本作で娘役を演じていた子役さん、正直演技の面では「おかあさーん、おかあさーん、うえーんうえーん」レベルでからきしでしたが、あの至近距離で今日子先生に「いきはよいよいかえりはこわい~」とウタわれて、よくぞ正気を保てたな、と。 なかなかどうして、相当肝の据わったお子様だと思いますよ!

・ 最後の仕上げとして、娘が7歳の誕生日を迎えた朝、手首と喉元を掻っ切って自害する今日子先生。 朝起きたらおふとんが(粗相以外の意味で)びちょびちょだった時の子どもの気持ち、わかりますか?  しかも子どもにはとっておきの振袖を着せておくという念の入よう。 「おまえは二度と振袖を着て何かを祝うような気持ちにはなれないでしょう・・それもこれもぜんぶおとうさんが私たちを捨てたから~」と一生消えないトラウマを植え付けてフィニッシュです。 

・ かくして立派なPTSD患者となった娘は、おとうさんの身元に繋がる唯一の物証である「手形」を徹底的に研究。 類まれなる手相鑑定のスキルを駆使し、復讐という名の代理戦争へとその身を投ずるのでありました。 嗚呼、居た堪れない。 しかも本当の親子ならまだしも、今日子先生は憎い相手の子をさらい、その子を洗脳して実父を殺させるのですから、なんというか、二度手間なわけですよ! もうさー!直接やりゃいいじゃん! しかし「親子共々地獄へ一直線」がモットーなのだからしょうがありませんね。 いいかよく聞け!今日子先生の辞書に「ほどほど」という四文字は無いぞ! 

・ 『キャリー』の母親よりもおっかなく、『ブラック・スワン』の母親よりも哀しい、岸田今日子演じる「母・真弓」。 彼女をそこまで追い詰めてしまったのは自分だ、と、ものすごくあっけなく告白してうなだれる父・高橋佳哉の姿が無性に虚しく、その場に居ない母に尚すがるしかない娘(岩下志麻)が不憫でなりませんでした。 いや、不憫なんて言葉じゃ片付けられない。 今日子先生の亡霊に取り憑かれ、愛する人まで手にかけてしまった娘は、この先一体どうやって生きてゆけばいいのか。 母が残した「業」の呪縛はあまりに深い・・・。

・ 早い段階で「岩下志麻意外に犯人が考えられない」状態になる(というか出てきた瞬間「あー」ってなる)為、ハラハラドキドキ感はあまり無いものの、圧倒的オーラを放つ志麻姐さんのドスの効いた「おがあざん・・おがあざん・・ぐら゛いよ゛・・・ごわ゛いよ゛・・・」という叫びに震え、岸田今日子さんのじっとりとした眼差しに射抜かれるという、とても心地よい2時間弱でした。 豪華俳優陣の色気ある演技も素晴らしかったですよ!


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すきもの主婦が選ぶ佐野史郎映画ベストテン

2012年11月21日
晩秋だ!蒜山で初冠雪だ!ベストテン企画だ!

てな具合に、先日大人気ブログ・男の魂に火をつけろ! 様の「ホラー映画ベストテン企画」にちゃっかり乗っからせて頂いたアガサなのですが、今回はさらに便乗して、というか寄り道をして、「これだけは決めておかねばならないベスト」、否、「オレの人生のベスト・オブ・ベスト」というべき10本を選んでみようと思います。

そう、佐野史郎さん出演作ベストテンをね!

1986年のスクリーンデビュー以来、100本を超える作品に出演されてきた佐野さんですが、テレビドラマの例のアレの印象が強すぎて「映画・・・? 佐野史郎って何か出てましたっけ?」なんつって思っていらっしゃる方も少なくないのでは。 ちがうんですよ! 「何か」もなにも、いっぱい出てるんですよ! しかも脇じゃなく主演でね!
というわけで、沢山の出演作の中からアガサが独自の目線で選んだ魂の10本は以下のとおり。


1 『夢みるように眠りたい』(1986年)
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(林海象監督/深水藤子さん、吉田義夫さん、遠藤賢司さん、他)

映画初出演にして堂々主演を務めた記念すべき作品。
同時に林監督のデビュー作でもある本作は、全編モノクロ&サイレントで製作され、古き良き日本映画への愛が溢れかえる、切なくも美しい「活動写真」となっております。
謎の大富豪からの依頼を受け、誘拐された桔梗という女性を探す、名探偵史郎。
ゆでたまごをもしゃもしゃ食べる姿にキュン死必至です。
「夢みるように眠りたい」というタイトルの意味が映像とリンクするラストシーンも素晴らしい。


2 『カラオケ』(1999年)
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(佐野史郎監督/段田安則さん、黒田福美さん、他)

佐野さん初監督作品は、意外にも「普通」の物語だった!

大方の期待(というかイメージ)に反し、佐野さんが描いた風景は、少し懐かしく、どこにでもある情景。
平凡な毎日の中にふと落とされた「同窓会」という非日常が、せわしくも生きる大人たちの心をさわさわと波立てる様を、優しい眼差しで描いた秀作です。
詳しい感想はこちら


3 『ぼくらの七日間戦争』(1988年)
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(菅原比呂志監督/宮沢りえさん、生徒、先生、他)

アガサが「佐野史郎」という俳優さんをはじめて認識したのは、『はいすくーる落書き』という学園ドラマでして。
陰湿でこわい先生役を演じていた佐野さんが、レンタルビデオ屋さんの店内で流れていた『ぼくらの七日間戦争』の映像を観ながら「宮沢さん元気かな・・」みたいな事を呟くシーンがありまして、それを見た瞬間、当時高校生だったアガサはなんだか訳もなく興奮してですね。 
「あっちではあんな先生でこっちでもこんな先生で・・同じ人なんだけど別の人!」みたいな。パラレルワールドに迷い込んだような感覚に陥って、そんな「遊び」をしてしまう佐野さんという役者さんに、物凄く惹かれてしまったのでした。 マジでけっこんしてほしいよね!(←さりげなく盛り込んでみた)
そんな想い出の詰まった本作は、今よりも3割くらい細い佐野さんの体型が眩く、神経質に叫ぶさまが非常に愛おしい、最高のオレ得映画なのであります。 
あと余談ですけど、宮沢さんもかわいいよ!


4 『さよなら、こんにちは』(1990年)
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(福田陽一郎監督/南果歩さん、露口茂さん、他)

佐野さんが大都会の真ん中で南果歩さんと愛をさけぶロマンティックラブコメディ。(ホントは叫ばない)
海外だったらトム・ハンクスとメグ・ライアンが演っていそうな、不器用な男女のすれ違い劇場。 ありえないようで実は(ドラマ的には)ベタな出会いに戸惑う史郎。恋に奥手でもじもじする史郎。自分に自信が持てずいじいじする史郎に壮絶キュン死必至。(←2回目)


5 『毎日が夏休み』(1994年)
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(金子修介監督/佐伯日菜子さん、風吹ジュンさん、他)

通勤拒否のおとうさんと登校拒否のムスメさんがそれぞれのしがらみを断ち切り、家族で手に手を取って社会貢献してゆこうとするほのぼのコメディ。
「エリートサラリーマン」で「容姿端麗」で「女性社員の憧れの的」だったおとうさん役を演じる佐野さんの、圧倒的説得力ときたら! あるよ説得力!あるったらあるの!
いや、何を隠そう佐野さんはこの手の役柄が結構多いのですよね。ホントですよ。変質者ばっか演じている訳じゃないのですよ。
本作でデビューを果たした佐伯日菜子さんの神々しいまでの可憐さも必見。


6 『青春デンデケデケデケ』(1992年)
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(大林宣彦監督/ちっくん、大森嘉之さん、浅野忠信さん、明石のタコ、他)

大林監督作の中でも一二を争う名作(※アガサ調べ)に、佐野さんもちょこっと登場。
主人公のバンド小僧たちが楽器代を稼ぐ為バイトするかまぼこ工場の、エキセントリックな先輩役として作品に爪痕を残す史郎。 ラストのライブシーンでの輝きは、主人公たちのそれをも凌ぐ・・・!(※あくまでアガサ調べ)
作品そのものもとにかくとても素晴らしく、何かに夢中になる学生時代特有の高揚感、異性間で繰り広げられる甘酸っぱい情景に、きっとあなたも胸を締め付けられるはず。
浅野忠信さんのギター少年っぷりにも悶絶。 ギター+眼鏡=至高!


7 『あふれる熱い涙』(1992年)
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(田代廣孝監督/ルビー・モレノさん、戸川純さん、他)

嫁不足に喘ぐ東北の農村に嫁いできたフィリピン人妻ルビー・モレノさんと、その寡黙すぎる夫のすれ違い。
17歳の少年に子どもを殺された被害者遺族の佐野さんと、加害者家族戸川さんのこんがらがった愛。
「誤解」や「偏見」にがんじがらめになって苦しむ2組のカップルが辿り着く、それぞれの結末とは・・・。
佐野さんがまたもや「知的」で「ハンサム」で「モテてモテてしょうがない」役に扮し、哀しみを越え前に進もうともがく男性を熱演。かっこよすぎて目眩がするので、横になって鑑賞することをおすすめします。
微かな、しかし確かな希望を感じさせるラストは、製作の段階から脚本にも深く関わっていた佐野さん発案だそうで、なんつうか、天は二物も三物も与えちゃった?って感じ?みたいな?
奥さんの石川真希さんも、劇中の「奥さん」役でサブリミナル的に出演。


8 『ちぎれた愛の殺人』(1993年)
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(池田敏春監督/横山めぐみさん、余貴美子さん、他)

『人魚伝説』の池田監督と『死んでもいい』の石井隆脚本による猟奇サスペンス。
もはや定番といっていい「知的」で「フェロモンの塊」で「なんかもうゆく先々でモテまくる」大学教授役の佐野さんが、怪奇俳優の面目躍如というべき怪演を披露しています。
映画が作られたのは、タイミング的に「冬彦」さんやインスマス面のすぐ後の頃だったと思いますが、「みんなが求める(キモくて不気味な)佐野史郎像」にきっちり応えたばかりか、「いや・・あの・・・そ、そこまでやってくれなくてもよかったんだけど・・・」と若干引くぐらいのロン毛女子コスまで盛り込んでおり、そんな佐野さんの役者魂に圧倒された覚えがあります。


9 『ゴジラ2000 ミレニアム』(1999年)
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(大河原孝夫監督/村田雄浩さん、阿部寛さん、ゴジラ、タコ型宇宙人、宇宙怪獣オルガ、他)

幼少期に東京から松江へと居を移した佐野さんが、慣れない環境の中不安な日々を送っていたその当時出会った『キングコング対ゴジラ』。 
その造形と迫力に瞬く間に夢中になり、以来自他ともに認める熱狂的なゴジラファンとなったのだそうです。 なんかね、紙じゃ足りなくて、襖にでっかくゴジラの絵とか描いていたらしいですよ。子どもの頃。なんだよそれ。かわいらし過ぎるだろ。

そんな佐野さんが満を持して登板した『ゴジラ ミレニアム』。
作品としては頭のてっぺんからしっぽの先までツッコミ所の塊で、ゴジラが大活躍するまで(本編のほぼ3分の2くらい)やたらとダラダラしている為ノルにノレない生殺し状態が続き、非常に退屈な内容なのですが、それらの不満を吹き飛ばすかのようにきらめく史郎が画面の隅で飛び回り、観ているこちらは明日にときめく状態で、最終的には「史郎が(ゴジラに出演出来て)幸せそうだから、まぁ、それでいいや・・」と大納得してしまうという、奇跡的な1本に。
ちなみに佐野さんはこの後2本のゴジラ作品に出演。 ゴジラリスペクトな特撮映画『長髪大怪獣ゲハラ』でも輝きまくっておりますので、ホントにね、よかったね!と言いたいですね、ぼかぁ!


10 『LSD -ラッキースカイダイアモンド-』(1990年)
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(橋本以蔵監督/網浜直子さん、中村れい子さん)

10本目は映画ではないのですが、どうしても外せないオリジナルビデオ作品を。
あたまのおかしいカップルが街中で拉致してきた若い女性を虐めに虐め抜くお話なのですが、本当にただそれだけなので、観ているうちにこちらの頭までなんだかおかしくなってきそうに。
演じていたご本人である佐野さんをして「観終わったら気持ち悪くなった」と言わしめた狂気の作品。
ダンボールからニョキっと飛び出す史郎はこわいを通り越してKawaii!といっても過言ではないのではないか。いや過言か。よし、けっこんしてくれ。





いかがでしたでしょうか、佐野史郎映画ベストテン。
あなたの心には何が残りましたか。
アガサの心にはあーんな史郎やこーんな史郎が残りましたよ。 というか今回の記事を書くにあたって、廃盤になっていない作品を立て続けに観直したので、夢にダンボ-ル史郎が出てきました。 もちろん、ありがたいこってすよ!

入りきらなかった作品は、緑のスライムがデンデロリーンってなって佐藤浩市がキャッってなる怪奇映画『感染』、ジェームズ・スペイダー級の色気を発揮するもあっさり退場してしまう『帝都物語』、弟にしたい俳優ナンバー1の異名を欲しいままにした(※アガサ調べ)『寝取られ宗介』、佐野さんが大好きだった原作の世界観を自ら見事に体現してみせた『ゲンセンカン主人』などなど。
ま、それ以外のどの作品も最高にすてきなのですけどね! 順番なんかつけらんねーな!

ただひとつ、こんなアガサですがどうしても好きになれない作品がありまして、なぜこんな作品を作ったのか、なぜこんな作品に出演されたのか、出来ることなら佐野史郎さんを小一時間問い詰めたいのがこちら、『完全なる飼育 赤い殺意』。
小学校の下校途中に誘拐され、以来10年間犯人である中年男に監禁され続けてきた少女が、たまたまその家に迷い込んできた傷を負ったホストの男性と体の関係を結び、性の喜びを知り・・・ という物語なのですが、とにかく不快です。車の窓から手を伸ばし少女を拐う史郎も不快ですし、安っぽいポルノみたいな性行為のシーンも不快。
実際にこういう監禁事件は起きていますし、そういう痛ましい現実から目をそらさない事は大切だと思うのですが、「暴力」「支配」「抑圧」からの「解放」という荒々しい流れは合間にはさまれたポルノ部分によって澱み、「性の解放」と「心の解放」も一緒くたにされてしまって、なんだかとても虚しくなりました。
これを観終わってしばらくの間は、危うく史郎の事まで嫌いになりそうでしたからね・・。
今でも「もう二度と観たくない」作品として忘れられない1本です。(そう思わされている時点で、若松監督の思うツボなのかもしれませんけどね!)


それではみなさんも、よい佐野史郎映画を!




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すきもの主婦が選ぶホラー映画ベストテン

2012年11月08日
秋だ!紅葉だ!ベストテン企画だ!

と、いうことで、今年もまた大人気ブログ・男の魂に火をつけろ! 様の恒例企画「映画ベストテン」が発表されましたよ!

ホラー映画ベストテン - 男の魂に火をつけろ! ホラー映画ベストテン - 男の魂に火をつけろ!



アガサも2009年に開催された「ゼロ年代ベストテン」以降、2010年の「続編映画ベストテン」、2011年の「スポーツ映画ベストテン」に参加させて頂いてきたのですが、なんと今年のお題は「ホラー映画ベストテン」! 待ってました! よっ!大統領!!

とはいうものの、何を隠そう過去のベストテン企画の際も、勝手にホラー縛りを自らに課してきたアガサなものですから、実は今回で3回目のホラー選出となります。 
なぜ待てなかったのかオレ!堪え性のなさ部門都道府県別ナンバー1か!

なんて己の先走り感を責めてもしかたないので、過去のベストを今一度観直し「ホラーとは何か?」「本当の恐怖とはどのようなものなのか?」と自分をこっぴどく問い詰めた末に絞り込んだ、アガサの2012年度版ホラーベストテンはこちら。


1 『エクソシスト』(1973年)
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(ウィリアム・フリードキン監督/リンダ・ブレアさん、エレン・バースティンさん、カラス神父、他)

説明不要の大傑作。 
初見は中学生の時。 両親に隠れて、真っ暗な部屋でこっそり観ていました。
リーガンちゃんの豹変っぷりよりも(まぁそれも怖いんですけど)、病院の検査のシーンとか、「宇宙で死ぬわ」からのジョンジョロリーンとか、カラス神父が見るおかあさんの夢とかが非常におそろしくてですね。
中でもサブリミナルで挟み込まれる悪魔の顔は超トラウマ級で、夜うなされるわ白昼夢は見るわ、目を閉じるたびにあの顔がパっと瞼に浮かんでしまい、幼いわたしはもうひたすら泣きそうだったのでした。
ショッキングな悪魔憑きの部分だけではなく、作品全体から漂ってくる「絶望」にひどく戦慄した思い出の作品です。


2 『オーメン』(1976年)
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(リチャード・ドナー監督/グレゴリー・ペックさん、超こわい乳母、黒犬、他)

これまた説明不要のオールタイムベストですね。
子ども心に「切株」というものを深く印象づけた首ちょんぱシーンは言うまでもないのですが、とにかく徹底して「信じる者が救われない」ストーリーが続けられてゆく事の恐ろしさといったらねぇ・・・。
アガサのフェイバリットシーンは、緑が美しい河沿いの遊歩道で、ブレナン神父がグレゴリー・ペック演じるアメリカ駐英大使に「あなたのお子さんは悪魔です」と淡々と告げるシーン。 困惑した大使が立ち去った途端、一天にわかにかき曇り、落ち葉が不穏に舞い上がる。 怯える神父は近くの教会に駆け寄ります。(もちろん、そうなる事を見越して待ち合わせ場所を選んでいたから)  しかし、柵を越え扉を叩いても、神はその懐に迷い子をかき抱いてはくれない。 雷鳴が轟き、助けを求める神父の声は無情に断ち切られる。 彼の命を奪ったのは、他ならぬ「教会の上に立てられた避雷針」だった。  
この一連のくだりの美しさと救いのなさは、本当にすばらしいと思います。


3 『ドラキュラ'72』(1972年)
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(アラン・ギブソン監督/クリストファー・リーさん、ピーター・カッシングさん、無軌道な若者たち)

先の『エクソシスト』『オーメン』と共に、アガサのホラー原体験となっているホラーの古典。
初見は(たぶん)6、7歳の頃。
チャラい若者たちが、よせばいいのに遊び半分でドラキュラを復活させてしまうというストーリーだったのですが、きれいなチャンネーの手から滴り落ちる鮮血と怪しげな儀式は、幼心に「ばか!ばか!そんなことしたらドラキュアいきかえっちゃうじゃんか!」と強烈なストレスとして焼き付き、それ以降数年間に渡って首に毛布を巻きつけないと寝られなくなるという呪縛に悩まされる事に。 真夏でもタオルケットで首元を覆って寝ていましたからね!おへそは丸出しでしたけどね!
今でこそネタ扱いされる事の方が多い「クリストファー・リー」ですが、当時は本当に怖かったんですよ!洒落にならないこわさだったんだから!


4 『悪魔のいけにえ』(1974年)
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(トビー・フーパー監督/マリリン・バーンズさん、ソーヤー一家、他)

なぜかジェイソンに持たされてる感の強いチェーンソーの本来の持ち主、レザちんの記念すべきデビュー公演。
そのド派手な外見とは裏腹に、とても繊細なメンタルの持ち主であるコトや、オシャレに敏感であるコト、家族だいすきで甘えっ子なコトが赤裸々に紹介される記念作です。
とにかくもう、全編通して狂いっぱなし。
延々響き渡るヒロインの叫び声に、観ているこちらの神経までおかしくなってしまいそうな大傑作。
家族の食卓のシーンにおける、「訳がわからなすぎておそろしすぎて笑えてくる」現象に、誰か名前をつけてくれ!


5 『シェラ・デ・コブレの幽霊』(1964年)
(ジョセフ・ステファノ&ロバート・スティーヴンス監督/マーティン・ランドーさん、幽霊、他)

『サイコ』の脚本家であるジョゼフ・ステファノさんが製作したものの、あまりの怖さからお蔵入り。 
その後日本でも一度だけテレビ放送され、当時の視聴者に多くのトラウマを植えつけ、『女優霊』『リング』にも影響を与えたといわれる伝説のホラー作品。
作品に漂う禍々しい空気に体が竦められ、小さなシーンの積み重ねによりジリジリと高められた緊張感が、今観ても充分すぎるほどえげつない幽霊のビジュアルによってドカーン!と爆発する瞬間に感じる歓び。
ホラー映画の原点として外せない1本です。


6 『ローズマリーの赤ちゃん』(1968年)
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(ロマン・ポランスキー監督/ミア・ファローさん、ジョン・カサヴェテスさん、他)

「我が家」という安全地帯にずかずかと侵入してくる隣人への不快感、あてにならない夫への不信感、そしてお腹に宿った我が子への不安。
疑心暗鬼という名の地獄に陥ってしまった若妻ミア・ファローが、みるみるうちにやせ細ってゆく姿が、何よりホラーな名作です。
彼女の恐怖はパラノイアにすぎないのか。マタニティ・ブルーをこじらせただけなのか。
ミアが見る悪夢のシーンに翻弄され、誰を信じればいいのかわからなくなる終盤から狂気のラストまで、ひとときも気が抜けません。
母・ミアがみせる最後の表情は圧巻です。

(ちなみにミア・ファローさんはリメイク版『オーメン』において猛烈におっそろしい乳母役を演じているのですが、オリジナル版の乳母さんに負けない狂気を発揮しておりますので、そこだけ見所ですよ。それ以外の見所は無いですよ。)


7 『サスペリア』(1977年)
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(ダリオ・アルジェント監督/アリダ・ヴァリさん、ウド・キアさん、バレエ寄宿生、他)

雰囲気番長。 
細かいことはわからないけど、とにかく美少女が怯えまくって派手派手しくて怖ければいいんだよ!というダリオさんの美学に酔いしれる逸品。


8 『ハイテンション』(2003年)
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(アレクサンドル・アジャ監督/セシル・ドゥ・フランスさん、マイウェン‎さん、殺人鬼)

本作に関しては、もっぱらその「オチ」の「フェアかアンフェアか」という点にばかり話題が集中し、この映画の「おそろしさ」が蔑ろにされているような気がして本当に悲しい私ですよ。
声を大にして言いますが、アガサは『ハイテンション』が大好きですし、鑑賞している最中こんなに手汗が尋常ではなかった映画はここ10年の間で本作のみです。
血の量と恐怖がなかなか比例しないホラー映画界(やりすぎると可笑しくなってしまう事もしばしばですので)において、心と体を同時に痛めつける事に成功した傑作。
『アレックス』や『変態村』を観た上で本作を観ると、殺人鬼が出てきた瞬間「うわあ・・・」と恐怖が倍増すること請け合いです。


9 『屋敷女』(2007年)
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(アレクサンドル・バスティロ&ジュリアン・モーリー監督/アリソン・パラディさん、ベアトリス・ダルさん、他)

すきっ歯×ハサミ=最凶ホラー。 という事で、フレンチホラーからもう1作品。
先に挙げた『ハイテンション』にせよ本作にせよ、フランス産のホラーは痛みの表現が実に秀逸だと思いますねぇ。
おびただしく流された血の濃い匂いが画面から染み出てくるような、豊潤なゴア描写。
タブーなんてこの世に存在しないかのように、思いつく限りのありとあらゆる残酷な行為が仕掛けられ、観ているだけで息苦しくなってしまう。
しかしその裏にある「女」の哀しみに気づいた時、ひたすら圧倒され、同情を抱くことすらおこがましいような気がして、ただただ言葉を呑むしかなかった。
最高に痛ましくて、最高におそろしい映画。


10 『ネクロマンティック』(1987年)
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(ユルグ・ブットゲライト監督/死体、うさぎ、他)

今回10作品を選ぶ際、最後まで迷ったのが本作を入れるかどうかという点でした。
『ネクロマンティック』はホラーなのか? ただのエログロナンセンスなのか?
本作は、アガサが今まで観た映画の中で最もおぞましく、なぜこんなものがこの世に存在するのか理解したくない1本です。
出来ないんじゃなく、したくない。 観ちゃったけど、観なきゃよかったとも思わないけど、理解したくない。
その感情は恐怖に近いのかもしれない、と思ったのですよね。 
この映画に登場する「世界」は自分の住む「世界」にも存在しているのだという事を、到底受け入れる事ができない。 恐ろしくて出来ない。
理解できない(したくない)モノを拒絶する事が恐怖の根源だとするならば、本作は私にとって確実にホラー映画です。
と、いうことで『ネクロマンティック』。 よいこのみんなは絶対観ちゃダメですよ!





結局有名タイトルばっかりですよ!だってホントにこわいんだもん!

今回「ゾンビ映画」を一切カウントに入れなかった為、8本くらいまでは割とさくさく選ぶ事ができました。
最後まで迷ったのは、『デッドゾーン』を入れるか否か。
オールタイムベストに入る程だいすきな映画なのですが、「ホラー」の印象よりも「報われない愛」の印象の方が強いのですよね・・。

という訳で、以上、私の人生に大きすぎる影響を与えた10本でした。


入りきらなかった作品は、ピン兄貴のデビュー作『ヘル・レイザー』、まちゃまちゃそっくりな人形がおっかない『サスペリア PART2』、ふくろう仮面がキモこわい『アクエリアス』、最後のアレが反則な『キャリー』、夜中にトレイに行くのがこわかった『ノロイ』、寒いわ怖いわで震えまくる『P2』、ラストに夏八木勲が山頂でワーッハッハッハするシーンがトラウマ必至だった『八つ墓村』、堤大二郎の目ヂカラとしっかりしたゴア描写に感心しまくりだった『DOOR』、ただひたすら犬がこわい『クージョ』などでしょうか。
キング作品中映像化に成功している部類に入る『クージョ』ですが、原作のラストと大きく異なるエンディングがとても「いい」と思います。 
あとは、最近の作品ですと『スペイン一家監禁事件』『ビー・デビル』『マカブル 永遠の血族』あたりもかなりいいホラーでしたYO!


ではワッシュさん、集計の方大変かとは思いますが、どうぞよろしくお願いいたします!



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『パラノーマル・アクティビティ4』

2012年11月01日
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パラノーマル姉妹を知っていますか? 
姉のケイティと妹クリスティで構成されたこの姉妹ユニットは、幼い頃から山羊爪系悪魔と縁深い人生を送る、ホームビデオ界のスーパーアイドルです。
そんな彼女たちの活躍が始まったのは、今を遡ること4年前。
たった1万5千ドルで産声をあげたシリーズは、本数を重ねるごとに制作費も跳ね上がり、近作では500万ドルにまで達しているといいます。 どうですか。 こういう豆知識どうですか。 いらないですか。そうでしょうね。じゃあ本題に入ります。(※早くも投げやり)

【シリーズおさらい】
『パラノーマル・アクティビティ』(第1作目)
・・・ケイティと恋人ミカの家に山羊爪系悪魔が参上します。
『パラノーマル・アクティビティ第2章/TOKYO NIGHT』(第2作目)
・・・アメリカ旅行中、うっかりケイティを轢いてしまった日本人女性・春花が、どうやら連れて帰ってしまったらしき山羊爪系悪魔に迷惑行為を繰り返された挙句、弟・幸一ともども呪い殺されてしまいます。
『パラノーマル・アクティビティ2』(第3作目)
・・・ケイティとミカの家に山羊爪悪魔が参上していた同時期、実はケイティの妹クリスティの家でも怪奇現象が多発しており、地味な悪魔的嫌がらせの末、豹変したケイティの襲撃に遭い一家総倒れ。1歳になる赤ちゃんのハンターくんを連れ去られてしまいます。
『パラノーマル・アクティビティ3』(第4作)
・・・ケイティとクリスティ姉妹の幼少期まで遡り、山羊爪系悪魔とのなれそめが描かれます。

はい、というわけで、前作のラスト、謎の組織に取り込まれたパラノーマル姉妹がその後一体どうなってしまったのかを気にしつつ、シリーズ最新作の感想ドーン!




(※ 早速ですが、以下「空気が読めない人か!」というくらいネタバレしておりますので、はなから鑑賞するつもりのない方や、むしろネタバレが知りたいんだ、という方のみそのままご覧ください。)


あらすじ・・・
2006年9月某日。  妹クリスティの家を訪問し、甥っ子のハンターを猫可愛がりするケイティ。
2006年10月某日。 妹クリスティの家を深夜に訪問し、一家を惨殺したのち甥っ子のハンターを略取し、そのまま消息を絶つケイティ。

2011年11月某日。 ボーイフレンドのベンと深夜のビデオチャットに耽る15歳の少女・アレックスは、向いの家に救急車が駆けつけるのを見かける。
2011年11月某日。 病院に運ばれたらしい向いの家の主・ケイティに代わり、彼女の息子・ロビーを数日間預かる事になる。
2011年11月某日。 弟のワイアットとロビーが親密になる。
2011年11月某日。 ベンとのチャットが終わり、そのまま寝落ちしてしまったアレックスのベッドに、ロビーがシレっと忍び込んで添い寝をかましていた事が、チャットをこっそり録画していたベンの手柄により発覚。 キモい。どちらかというと、アレックスの寝顔動画をオカズに何らかのアクションをキメていたであろうベンがキモい。
2011年11月某日。 ベンはさておき、ひとつ屋根の下にいるロビーの方も要注意という事で、ワイアットと母・ホリーと自分のノートパソコンのカメラ機能をオンにし続け、一部始終を録画しておく作戦を開始する。
2011年11月某日。 夜毎の怪奇音とロビーによる深夜徘徊に疲労困憊のアレックス。
2011年11月某日。 2、3日の約束だったはずが、1週間を過ぎても家に居座り続けるロビー。 しかし母・ホリーも父・ダグも一向に気にしていないご様子。 
2011年11月某日。 ロビーがワイアットの体に妙なマークを描き込む。 三角形の中に○が描かれたそれは、同居を始める以前から、ロビーがたびたび落書きしていたマークだった。 不審に思ったアレックスとベンがグーグル先生にお伺いをたてた所、「悪魔に男の子を捧げるぞー」という意気込みを表すシンボルである事が判明。
2011年11月某日。 深夜の物音で目覚めたアレックスが窓の外を眺めると、主が不在のはずのお向かいさんちの駐車場に車が大集合していた。 スマホのカメラで撮影しつつ不法侵入を試みるものの、いかにもオカルトルッキンなBBAに遭遇し、慌てて自宅へ駆け戻るアレックス。
2011年11月某日。 アレックスの真横にシャンデリアが落下する。即座に上を見上げると、階段の踊り場で佇むロビーの姿が。 父・ダグに相談するも、まったくとりあって貰えず落胆するアレックス。
2011年11月某日。 ワイアットを連れ立ったロビーが自宅に向かっている現場を押さえたアレックス。 慌ててワイアットを連れ戻そうとすると、目の前に入院していたはずのケイティが現れる。 いつの間に退院していたのか・・と訝るアレックスに「お母さんによろしく」と怪しく微笑みかけるケイティ。
2011年11月某日。 無事ロビーがケイティの元に戻り、安穏な生活を取り戻すと思いきや、全く収まる気配のない怪奇現象。 ワイアットはお風呂に引き摺り込まれ、アレックスは母・ホリーに一服盛られ昏睡している間に、見えない手によって宙高く浮かび上げられる。
2011年11月某日。 さんざん奇妙な現象が起こり続けているにも関わらず、15歳の娘と6歳の息子を残し夜遊びに出かけるダグ&ホリー夫妻。 大人のクセしてバカ。 / 深夜1時近くになっても帰宅しない両親の居ぬ間に、ベンとのビデオチャットに勤しむアレックス。 チャットを終えたその時怪奇音が聞こえた為、発生元を辿って車庫に向かうと、突然すべてのドアがロックされる。 / 密閉された空間の中、カギも無い状態でなぜか車のエンジンがかかり排気ガスに包まれるアレックス。
2011年11月某日。 昨晩の出来事を聞いたダグが色々反省し、アレックスを伴いランチに出かける。 問題山積みのポルターガイストハウスなのに。 ランチに行っちゃうの。 お〜ま〜え〜は〜ア〜ホ〜か〜(※横山ホットブラザース) / 白昼堂々ケイティがワイアットを迎えに来る。 怯え泣きしてバスルームに隠れるワイアット。 / 家の掃除をしていたホリーの耳が怪奇音をとらえる。 その時、ホリーの体が宙を舞い天井まで飛ばされたかと思うと、激しく床に叩きつけられる。 / アレックスを心配したベンが勝手に家に上がり込む。 / 自分ちの如くアレックスの部屋に侵入したベン。録画されていた監視映像をチェックしようとした瞬間、背後に立っていたケイティに頚椎を粉砕される。 / 夜が更けて帰宅したアレックスとダグ。 ケイティに連れられ向いの家に歩いてゆくワイアットを見つけ、ダグがその後を追う。 / 自宅に戻ったアレックスが、自室で事切れた状態のベンを発見。 / 錯乱状態で向かいの家に駆け込んだアレックス。 邸内引き回しの刑に処されている父・ダグを目の当たりにする。
2011年11月某日。 ワイアットを探すアレックスの前に、ずいぶんと面持ちの変わったケイティが立ちはだかる・・・。


【『パラノーマル・アクティビティ4』で忘れてはならない事】
・ 魔女コミュが総若返り
・ 未だ男児ゲットならず
・ 悪魔の威厳は風前の灯
・ というかもはやベビーシッター扱い
・ Xbox 360のキネクトというゲームシステムを作動させたまま室内の電気を消し暗視モードのカメラ越しに見たら、部屋がめっちゃキレイ
・ 次までにスペイン語を勉強しておく方がいいのかもしれない


前回の続きかと思いきや、シリーズ2作目の後日談としてスタートした今回のパラアク。
後日談というか、5年後ですけどね。
ケイティが悪魔的な何かに憑依され、ハンターくんを略取した5年前のあの日。
その足で魔女コミュに行くと思うじゃないですか。
幼少期、ばあさんによからぬ事を吹き込まれたものの、嫌な記憶として封印してすくすくと成長し、でも再び家に現れた山羊爪系悪魔によって覚醒させられたケイティだもんで、いっぱしの魔女気取りなんだと思うじゃないですか。
エロイムエッサイムとか言っちゃう系なのだろうと、雰囲気にのまれちゃう系なのだろうと、そう思うじゃないですか。
嗚呼それなのに、魔女っ子ケイティは折角連れ去ったハンターくんを見知らぬ夫婦に託し(養子にし)、5年もの間別の子どもと共にあちこち放浪していたのですよお客さん。

あかん コピー

アレックスの母・ホリーは、もしや魔女コミュの一員なのでは?
と、思わせるような不自然な言動がありました。 たとえば、いくらお隣さんが急病で入院し、他に身寄りが無かったとしても、見ず知らずの子どもを自分ちに住まわせるか?とか。(※しかもママ友だった訳でもない) 娘が一生懸命不審な出来事について相談しているにも関わらず、全く聞く耳を持とうとしないのは何故か?とか。
しかし、それも終盤、一切関係無かった事が明らかとなります。
そう、ホリーはケイティによって盛大にブン投げられるからです。

思わせぶりな展開はそのままスルーされ、過去の作品からの不都合な謎もそのまま放置され、魔女コミュだけが若返り、ケイティが無双っぷりを発揮する。
一体なぜ、こんな事になってしまったのか。
わしが愛したパラアクは、もう戻ってこないのか。(愛してたのか!)

大体ねぇ、今に始まったこっちゃないんですけど、悪魔が何をどうしたいのかがさっぱり判らないのですよね!
三角形に○のシンボルってなんやねん! どっかで見たよ!ぜったいそれどっかで見た事あるよ!

死の秘宝
と思ったらこれですよ! 透明マントと蘇りの石とニワトコの杖! はいガッツリ死の秘宝!
今オレはパラノーマル・アクティビティに、ハリポタ絡みでやっかいな訴訟に巻き込まれるという呪いをかけた!

このシンボルをどこかに描いたら男児をゲット出来るのか、はたまたただの気合入れなのか、「男児はここですよー」の合図なのかが、前作以降謎のまま。
今回さらに「男児をゲット出来る3つの方法」という、ゆるふわ恋愛映画の邦題みたいな文言も飛び出し、「その1、シンボルを描く」「その2、めいっぱい描きまくる」「その3、処女の血を捧げる」なんつって言い始める始末。あれ?じゃやっぱり気合い入れなのか。
ていうかもうさぁ、普通に子作りに励むか養子をもらうほうが早くね? そうじゃね?
あと、前回からの引き続きなのですけど、男児ゲット出来た暁に彼らは何を行おうと考えているのか。
悪魔的教育を施して、悪魔界のプリンスにでもするってか?
そうそう、念力集中ピーキピッキドカーン!てアホか!!

ま、いちばんアホなのは、そんなパラアクの初日の初回上映にいそいそと駆けつける私なのかもしれませんけどね! ごめん、なんだかんだ言ったけどパラアク嫌いじゃないんだ、オレ。

矛盾だけを詰め込んだようなストーリーにニヤニヤしながら横槍を入れるのも楽しいですし、なにより「今回はどんなびっくらかしを用意しているのだろう」と予想するのがたまらない。
そして予想通りぶん投げられる豊満バディ。
エンドクレジットを眺めていると、沢山のスタントマンの名前が連ねられている事に気づく。
まさか・・・まさかあのぶん投げはワイヤーアクション・・・? オーレン・ペリ・・こわいこ・・!(※調べてみましたが真偽のほどはわかりませんでした。すまんかった)
毎回毎回ホームビデオを回し続けていた不自然さも、今回は「ノートパソコンのチャット機能」を使用させる事で「あー現代っ子だもんねーやるよねーそういう事ねー」と腑に落ちさせる事に成功。 ・・成功、してましたよね。
結果的にはいつもと同じ事なのですけれど、最近のツールを取り入れて飽きさせないように頑張る姿勢って、それってステキやん。

正直なところ、さすがにもうこのホームビデオ姉妹物語に終止符を打たせてやりたい。と思っていた私なのですが、「これはマジもんの流出ビデオです」という建て前をとっぱらい、ポルターガイスト方面から魔女コミュ方面にシフトチェンジしてきた今回の最新作を観ると、この調子で、なんだったらもういっそのこと定点カメラさえも排除して、限界まで突っ走って貰いたいなぁ・・・という願望が芽生えてしまったのでした。
そうさ。オレが愛したパラアクは今もここにある。 彼らの行く末を、最後まで見届けようではないか。
クライマックスの魔女大集合シーン、オレはすごく怖かったよ! これからも、がんばれパラアク!



― 追 記 ―

・ エンドクレジットが終わってから、衝撃のおまけ映像が始まるのですが、これがすごい! 「スペイン語でまくしたてる男性(キリスト教ショップ?みたいな所でカメラを回している)が、店の奥にある秘密の教壇を映そうとした瞬間、オカルトルッキンなBBAに立ちはだかられて退散。」という中途半端にもほどがあるおまけ映像がノー字幕で垂れ流されるよ! 何言ってるのかさっぱりわかんないよ! 誰に対する挑戦なんだよ!

・ その直前、魔女コミュの館でアレックスが探索していた部屋の窓一面に新聞が貼られている光景が映るのですが、それがどうもメキシコの物っぽかったのですよね。 なので、魔女コミュとメキシコになんらかの関係があるという、『パラアク5』への前振りではないかと思うのですが、それにしてもこのおまけは酷い。 せめて字幕をおくれよ!わしらスペイン語わからないよ!

・ キネクトを持っている人は暗視モードのネタやってみるといいよ! すごくキラキラするよ! ためしてガッテン!

・ 相変わらず、ポルターガイスト開始の合図とばかりにヴゥー・・ンという重低音が鳴り響く場内。 もう慣れたよ・・・と思っていても、やっぱり大音量で「バン!」って物が動いたらビックリするんだよ。しょうがないよ、人間だもの。 体は正直なんスよ。 ビックリと恐怖は違うと言われるかもしれないけれど、幽霊の何が怖いって、こちらの予想しないタイミングでヌっと出てくるから怖いんじゃないでしょうかねぇ。 それって、結局ビックリなんですよね。 大音量だからズルいとか、ヌルっと出てくるから正攻法とか、自分の中のハードルなだけのような気がします。

・ で、私はどちらもオッケーです。 ドキドキしたりうははって笑ったり、今日も楽しい映画館でした。



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