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『アベンジャーズ』

2012年09月24日
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はい、と言う訳で、かれこれ一ヶ月くらい前に「日本よ、これが映画だ!」というキャッチコピーで色んな人を怒らせたり興奮させつつも華々しく公開された超娯楽作品『アベンジャーズ』をやっとこさ観てきましたので、ちょっくら感想を書いてみますよ。

あらすじ・・・
神の国アスガルドから追放された邪神ロキ。 宇宙で最も凶暴な種族と恐れられる「チタウリ」と手を組んだ彼は、国際平和維持組織・シールドによって管理されているコズミック・キューブに目をつけた。 無限のパワーを持つといわれる超宇宙物質を利用して地球上にワームホールを開き、そこから招き入れたチタウリ軍団と共に、一気に地球を支配しようという魂胆だ。 まずは順調にキューブを奪い取り、シールドの有能な射撃手であるホークアイを洗脳したロキは、宇宙物理学の権威・セルヴィグ教授にコズミックパワー増幅装置を作らせる。 一方、地球の危機を察知したシールドの長官・フューリーは、女スパイ・ブラック・ウィドウと部下のコールソンに連絡をとり、天才科学者・ブルース・バナーと伝説の兵士・スティーブ・ロジャース、実業家のトニー・スタークを呼び集める。 実は、彼らは超人的な能力を持つヒーロー。 世界の平和を脅かすものに鉄槌を下す「アベンジャーズ」なのだ・・・!

と、ここまで書いてはみたものの、予備知識を持つ方なら「はいはいキタキタ」という内容でしょうが、そうではない、例えばうちの母にこれを見せてもポカーンとした薄い反応しか帰ってこないような気がしますので、そんな「うちの母」的な方にでもザックリ察して頂けるように、簡単な人物紹介カモン!

アイアン 名前【ヒゲ】 特徴【ほとんどロボット】 武器【爆弾とレーザー光線】

ソー名前【胸板】 特徴【神さま】 武器【鈍器】

ハルク名前【ずんだもち】 特徴【ずんだもち】 武器【すんだもち】

ブラック名前【フェロモン】 特徴【わがままバディ】 必殺技【うそ泣き】

ホーク名前【オムそば】 特徴【高校の時の同級生の藤原くんに似ている】 武器【弓矢】

長官名前【ハゲ】 特徴【サミュエル・L・ジャクソン】 必殺技【小芝居】

キャップ名前【キャプテン・アメリカ】 特徴【真面目】 得意なこと【長生き】

ロキ名前【もやし】 特徴【じと目】 すきなこと【お兄ちゃんとゴロゴロ】

チタウリ名前【チタウリ】 特徴【質より量】 必殺技【人海戦術】

つまり、胸板とゴロゴロしたいのにできなくてつまんなくなったもやしがチタウリに頼んで一緒に暴れたら、ハゲに招集されたヒゲとかずんだもちとかキャプテン・アメリカとかフェロモンとかに本気で怒られて、超ションボリするというお話ですね。 あと、付け足すとするならばオムそばおまえ何やってんのというトコロでしょうか。
「国際平和維持組織」なのにアメリカしか守ってない感たっぷり(というかアメリカの中でもニューヨーク界隈しか危機に陥っていない感)な描写、そして「きょうびアメリカ国旗の柄の衣装ってマズくない・・?」と空気を読むキャップに「いや、逆に今コレが必要なんですヨ!」と恥ずかしいコスチュームを強要するシールドメンバーなどから、「なにはともあれアメリカさいこう!」な雰囲気がバシバシ伝わってきて、深く何かを考えることなく安心して惚けている事が出来ました。

とにかく「おもしろかった」くらいしか感想が出てこない程、とことん娯楽に徹した内容で、「みんなだいすきスーパーヒーローが一堂に会したらどうなるかって・・・?・・・そんなの内輪揉めに決まってるんだよ!」と身も蓋もない小競り合いを延々1時間半続けられた日にはもう「ごちそうさまでした」としか言いようがないですね。
だってこういうのが観たかったから。 キャップの盾とソーのトンカチどっちが強いか!みたいなね、こういうのが。 ほんで結局のトコロ、素手喧嘩(ステゴロ)のハルクが一番強かったという。 ま、いいんですけどね!ソーは神さまじゃなくて、ただの宇宙人ですから!

各キャラの持ち味を活かしたエピソード。 
説教臭くならない程度に盛り込まれた「協調」というメッセージ。
1+1は2ではない、史上最高にでっかい1なんだ! みたいなキラキラした主張が、なんだかくすぐったいような心地よいような、でもとても素直に胸に響いてきて、ちびっこ諸君にも是非観てもらいたいなぁ・・と思いました。
あとほら、「仕事で協力するんならプライベート部分でも仲良くないとダメ」みたいな押し付けがましさがないのもよかったですね。
それが最も伝わってくるイキなラストカットが、日本とアメリカ版にだけにしか無いというのは、非常にもったいないと思いました。

欲をいえば、ヒーローたちが気持ちをひとつにして街をぶっ壊しはじめてからの展開が短すぎる(つまりそこまでが長すぎる)為、今までの単発作品に感じていた「壮大な前フリ感」がここにきてまたしても漂ってしまった点でしょうか。
やっとこさ本編(アベンジャーズ)にたどり着いたのに、キャラ紹介で終わっちゃったよ・・・と。
まぁ、その紹介パートがめちゃくちゃおもしろかったので、ホント「欲を言えば」なんですけどね!



― 追記 ―

・ ロキとソーのやりとりを見ていた社長に「シェイクスピアかよ!」とつっこませたり、空から落ちてきたハルクを見た作業着姿のハリー・ディーン・スタントンに「エイリアンじゃないの?」とつっこませたりという、ちょっとしたお遊びシーンも楽しかったです。

・ 今回の作品を観て改めて思ったのですが、やっぱキャップさいこうですね!

・ もともと、ちょい悪タイプではなく真面目メガネタイプがだいこうぶつのアガサですので、キャプテン・アメリカことスティーブさんの「常に真剣そう」な眼差しが超グっときていた訳なのですが、本作におけるスティーブさんの「ぼっち感」というか「浮いてる感」はたまらんかったですね! そうでなくても周りとは異なる世代の人なのに、さらに周りみんな彼女持ち(もしくは元カノあり)で完全に取り残されてるスティーブ! かわいいよスティーブ!

・ なんかね、キャバ嬢に「数年前に患った病気が再発して入院しなければならないんだけどお金が・・」って相談されたら素直にお金渡しちゃって「本当は会ってお礼が言いたいんだけど面会謝絶なの・・」ってメールもらって我慢してその後も何回かお金振り込んじゃってたある日、街中でその女の子が別の誰かと腕を組んで歩いてるトコ目撃した時、「よかった、病気のキャバ嬢はいなかったんだ」って言いそうなんですよね、キャップって。 そういう所がだいすきです。

・ 元プレイボーイでエゴイストで鼻持ちならなかったけど今はケロヨン(グウィネス・パルトロウ)一筋で社会にも貢献してますよ!というスターク社長がちやほやされるのが、アガサは納得いかないのですよ。 更正した不良少年えらい!みたいな。  そうじゃなくてさぁ、最初からまじめで頑張りやさんで童貞のスティーブさんをもっと評価すべきじゃないのか!え?!

・ 今回仲間として共に闘った、ブラック・ウィドウとオムそばは、どちらも普通の人間であってキャップのような超人ではないはずなのに、一緒に並んでたらほとんど互角という所も物悲しくていいですよね。 ていうか、空を飛べない(飛んでみようという発想もない)キャップとは違い、軽々と敵の飛行マシンを乗っ取ってしまう普通人間コンビ。 おまえらもうちょっとキャップに気を遣えよ!

・ と、ヘタしたら「ただのへんたいマスクの人」と思われてしまいそうなキャップですが、いざという時にはヒーローたちの特性をきちんと把握してテキパキと指示を出すという、このギャップがね! 「仕事のデキるへんたいマスクの人」へと昇華する瞬間がね! 本当に愛おしいヒーローですよあなたは!

・ ということで、『アベンジャーズ』の続編はもちろんのこと、『キャプテン・アメリカ』の続きも早いとこお願いしたいものですね! 



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『バイオハザードV リトリビューション』

2012年09月15日
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(※あんな嫁いいな!増えたらいいな!)

前作までの感想
第1作『バイオハザード』 の感想
第2作『バイオハザードⅡ アポカリプス』 の感想
第3作『バイオハザードⅢ』 の感想
第4作『バイオハザードIV アフターライフ』 の感想


ポールが、壮絶に、やらかした!

はい。というわけで、「バイオハザード」と書いて「嫁自慢」と読む例のシリーズ最新作を観てきましたよ。
足掛け10年で描き続けてきた史上最強の女子・アリスの活躍もいよいよ佳境に入り、というか、そもそもずっと佳境の手前くらいで止まっていたものがやっと動き出してくれたというか、いやちょっと待てよ、じゃあ今まではまだ佳境に入っていた訳じゃなかったってコトなの?! ちょっとぉ!まじめにやってよアンダーソン!

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(※ペラっとした布っきれ一枚で、見えるか見えないかの限界に挑戦する嫁)

とはいえ、劇場に足を運び続けているこちらとしては、実はもうとっくにご存知だったりしますので、むしろ「やっと佳境に入ってくれてありがとう!」と声を大にして言いたいくらいなんですよね。
その上パンフレットを見ていたら「次で終わるよ!」と閉会宣言までしてくれているじゃないですか。
マジで? そんな事言いながら5年後ぐらいにリブートすんじゃないの? なんて意地悪な事を思ってみたりもしますが、ともかくポールいわく「終わりの始まり」的位置づけだったらしい本作。
過去のキャラクターや原作ゲームの人気キャラなどをわんさか盛り込んで、ちょっとしたバイオ祭りのような様相を呈しており、観続けてきたファンにとってはたまらない内容となっていたのでした。

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(※ みんなだいすきジル・バレンタインも大復活! ・・・ってアレ・・ジルさんってこんなだっけ・・・・)

エイダ
(※ イメージ的にはこちらがジルさんだと言われる方がしっくりきます)(※ ちなみにこの方はエイダ・ウォンさん)

シリーズ2作目でファンを虜にしたものの、その後まったく姿を現さなかったジルさんは、原作ゲームの設定を踏襲しめっきり老け込んだ姿「洗脳された」状態で再登板。
まあね、まあね、ジルさんは「死亡」していませんでしたからね、何も問題はありませんよね、雰囲気は激変しましたけどね!

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(※ そうそう、ミシェルさんもね、三白眼が緑の芝生によく映えるわー  ・・って死んでませんでしたっけ!1作目で!

なあんてビックリした体で紹介しちゃいましたけども、そもそも3作目の段階で「アンブレラ社のクローン技術は世界一ィィィイ!」と開き直られていましたので、全部想定の範囲内ですよ。過去に死んでいようと死んでいまいと関係ない。関係ないからホントに。ホントに。怒ってないですよ。・・・怒ってませんってば!!

ワンさん
(※ という事で、同じく1作目からサイコロステーキ隊長も再登板。)

ルーサー_convert_20120914235256
(※ こちらは前作から引き続き出演の、バスケットの人ことルーサーさん。 ひとつの作品に似たようなハゲをツーペアで仕込むとか、アンダーソンってばハードル高い事するよね!)(※時々見分けがつきませんでした)

リオン
(※ おまえ誰やねん!)

今回はなんと、原作ゲームの超人気キャラであるレオン・ケネディさんも満を持しての登場・・・ ・・と思いきや、絶妙におっさん臭いわ大した活躍はしないわで、正直わしはこんなレオン見とうなかった!

ウェスカー_convert_20120915011424
(※ オレっすか? ウェスカー!)

もちろん、バイオハザードのいちばん悪いヤツことウェスカーさんも、CGなのか実写なのか判別しにくいご尊顔を披露。 ていうか、金髪でサングラスだったらもう、その人がウェスカーさんって事でいいんじゃないかという気がしてきました。 
もしも次回作辺りで中の人が竹内力になっていても、誰も気づかないと思います。
もしもの話ですけどね。 もしもというか、願望ね。 そんで、エンディングテーマも竹内力にしちゃいなよもう!

1作目でT-ウィルス撒き散らして以降、ずっとのんきに研究を続けてきたアンブレラ社。
みんなその真意を知りたくて、アンブレラ社は正味の話、何をどうしたいのかを知りたくて、きっとアリスもそこんトコをハッキリさせたくて闘ってきた訳ですが、今回ついに明らかとなったその真実。
蓋を開けてみれば「ああ・・・うん・・まあそうなんだろうけども・・・」くらいのリアクションしか出来ない真実ではありましたが、広げすぎて端っこの方がビロンビロンになってしまった風呂敷をポール・アンダーソン監督がどう畳んでくれるのか、貧乏な家のカルピスみたいにシャバシャバの味だった本作の汚名をうまいこと返上してくれるのか否か、早くもちょこっと心待ちにしている私がいます。

いや、汚名ってサクっと書いちゃいましたけど、きらいじゃないですよ!ぼくは! 
きらいだったら今まで飽きずに観続けてこないもん!
ていうかむしろ好きですよ! ポールとならおいしいお酒が飲めそうな気がします!

ただし、過去シリーズの早い時点で飽きた方には全くおすすめ出来ませんので、そういう方は出来れば我々をそっとしておいてあげてください。 
よいこのみんなは、文句を言う為に観るのとか悪趣味だからやめようね!アガサからのお願い!

という事で、いつものように(嫁とバイオシリーズへの)愛情あふれる、ほほえましい作品だった『バイオハザードV リトリビューション』。
来たるべき「すべての終わり」まで見届ける覚悟のある方は是非劇場へ。
なお、3D効果は(武器が何度か飛んでくる程度で)ほとんど実感できませんでしたので、もしもご鑑賞される場合は2Dでも充分かと思いますヨ。



(※ 以下ネタバレ)


■ 『バイオハザードV リトリビューション』のすきだった点
・ なんだかんだ言っても、ゲームのキャラがスクリーンを闊歩する姿は観ていて気持ちがいいものですなぁ
・ 特にエイダの再現率はすばらしい
・ カルロスも再登板!(しかもアリスの旦那さま役)
・ チェーンソーおじさんも登場!
・ 鎌みたいなのを持ったアリスと竹やりみたいなのを持ったジルの一騎打ち
・ スーパースロー映像で飛んだり跳ねたりする嫁。
・ 意識が朦朧としている時特有の「アワワ・・・」演技をこれでもかと披露する嫁。
・ 出会って5秒で即母性を発揮する嫁。
・ オスプレイ墜ちてるじゃん!
・ 細菌兵器の宣伝の為に作られた「世界」をT-ウィルスがすさまじい勢いで飲み込んでゆく情景が、とても絶望的でとてもよかったです
・ いたずらに大きい事で有名なパンフレットも、今回は過去シリーズの丁寧な解説本となっていて非常にありがたかったですよ
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(※ 左がバイオのパンフ。右は一般的なサイズ。 よっ!収納泣かせ!)

■ 『バイオハザードV リトリビューション』のすきではなかった点
・ ウェスカーがなんとなくええ人っぽい!
・ おい!クレアとクリスどこ行った!
・ アンブレラ社っていくつ支店持ってるの
・ オスプレイ墜ちてるじゃん・・・
・ クローンを量産しすぎて、人の命の重みが全く感じられなくなってしまった
・ 当然「生死をかけた闘い」にも説得力が無くなってしまった
・ 世界の名だたる都市を舞台に派手な事をしているのに、ものすごいスタジオ感(まぁスタジオなんだけど)

■ 『バイオハザードV リトリビューション』まとめ
・ 「アリスはT-ウィルスに対する抗体を持った特殊体質みたいだよ!」→「丈夫そうだからもっとキツい菌を植えてみるよ!」→「強くなりすぎたよ!」→「薬で中和させるよ!」→「やっぱ強い方がいいからもっかい菌を植えるよ!」 ウェスカーはアレか!アホの子か!!
・ 前作のおしまいの辺りまでは、たしかアンブレラ社でひみつの研究に携わっていたはずのウェスカーが、アリスがアンブレラ社に捕まってちょこっと寝てる間に、アンブレラ社から寝返って、レジスタント組織を作って、エイダやレオンに指令を下して、アリス奪還の段取りを整えるとか・・・ アリスが寝すぎたのかウェスカーの仕事が早すぎるのかさあどっち!
・ 「アリスのアグレッシブすぎる細胞に治療薬のヒントが隠されている」という事はかなり最初の頃からわかっていた筈なので、本来だったら「めんどくさいから人類みんな絶滅な!」とか言わずさっさとアリスに協力を仰いでお薬の開発を進めていればよかったんですよね。 「アリス計画」ってのも、結局「アリスをとことん強くしたい」計画なのか「アリスをつかって人類を救いたい」計画なのかよくわかりませんでしたし・・・
・ でも、開発のキモであるはずのアシュフォード博士もアイザックス博士も死んじゃって、もうあたまがいい人残ってないんですよね・・・残ってるのは脳筋タイプばっか・・・じゃあしょうがないか・・・
・ あれ・・でも2作目の時点で、治療薬完成してませんでしたっけ・・・前作の途中でもアリスに中和剤注射してたし・・・ レッドクイーンはアレか!アホの子か!!

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『プロメテウス』

2012年09月13日
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あらすじ・・・
ものすごく昔の遺跡を調べていたんですよね!
そしたら共通したモチーフの壁画が何箇所からも発見されて、ははーん・・こりゃ呼ばれてるな、と。 
ここに描かれた星座は、我ら人類に対する道しるべだな、と。 
「いつの日にか来られるようになったらおいでよ!」「カモンジョイナス!」というメッセージだな、と。 
そういう事なんだと思って宇宙船をこしらえて行ってみたら、フルボッコにされちゃいました!どうしよう!


映画好きな人でなくても知っている超有名かつ超面白いSFホラー映画『エイリアン』。
その「前日譚」として企画された・・・と聞いていたのがいつの間にか「そんなんじゃないよ」と別モノ扱いとなり、そっか別なのか・・と思っていたらいつの間にか「でも関係なくもないかもよ」と同じ釜の飯で育ったくさいニュアンスを感じさせてくるようになり、結局のトコロ繋がりがあるのかないのか親子どんぶりなのか他人どんぶりなのかハッキリしないままシレっと公開されていた『プロメテウス』を観てきましたよ。

大きな船に集められた、一見エキスパートには見えない風のエキスパートたちが、こんもりとした謎の建造物の中で(デュロっとした未知の生物との)出会いと別れを繰り返し、時に泣き、時に笑い、時に寄生されながら淘汰されてゆく。
で、あとはなんというか、ボガーン!とかプシャー!とかブワワー!とかなってキラキラ天体ショーがあったりして、SF小説の表紙みたいなキメ絵も満載で、宇宙船の室内インテリアなんかもホントもうセンスさいこう!って感じな映像の連続で、ちょっとした疑問は残るものの、めくるめく2時間強を過ごす事が出来ましたよ。

という訳で、以下その疑問について記しておこうと思います。
(※ただし、早くも続編の製作が決定しているとの報道があったように、これらの疑問に対する答えは次回に持ち越しなのでしょうから、これはあくまでアガサがぼんやりと考えた事をまとめておく為の、備忘録的なアレだと思って一笑して頂けるとありがたいです。)


■ ピューと吹く!ファスベンダー

宇宙船からアンドロイド開発まで、幅広く手掛ける世界的巨大企業・ウェイランド社。 
「人類の起源」を辿る為の一大プロジェクトにおいて、最も重要な役割を担わされたのがアンドロイドのデヴィッド(演じるのはマイケル・ファスベンダーさん)なのですが、とにかくこのデヴィッドが素晴らしいわんぱく小僧でして。
「人間」であるクルーがコールドスリープ状態でいる中、ひとり黙々と機内のメンテナンスやクルーの管理をこなすデヴィッド。
アンドロイドだから孤独を感じる事はない。
アンドロイドだから喜怒哀楽もない。
ところが、目的の惑星に到着し、件の建造物を探索し始めたデヴィッドは、どことなくテンションがおかしいご様子。
クルーのみんなが不気味な巨像を見て「やべー!やべー!」と興奮している傍らで、こっそり怪しげな物体をお持ち帰りしてみたり、その物体の中身をこっそりクルーのメンバーに飲ませてみたり、そのメンバーとまぐわった女性クルー・エリザベスの体調変化をワクワクしながら見守ってみたり、勝手に建造物を探検してコントロール室を発見してみたり、起動させてみたり、フエ吹いてみたり。
喜怒哀楽がないどころか、完全に楽しんでいるのですよね、一連の状況を。

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(※ 読める!読めるぞ!みたいなテンションになってしまったファスベンダーさん)(※イメージ)

デヴィッドは要するに、何がしたかったのかのでしょうか。
自身の創造主であるウェイランド社長の指示は、「人類の創造主=エンジニアを探すこと」だったはずです。
デヴィッドが2年4ヶ月もの航海の間、古代語をはじめとした様々な語学の勉強に勤しんできたのもその準備のひとつ。
ならば、クルー全員でその目的を果たせばよかったのではないでしょうか。
怪しげな物体を持ち帰る必要など無かった。
なのにデヴィッドがそれをしたのは何故なのか。

アガサが思うに、デヴィッドはエリザベスに興味を抱いていたのではないか、と。
長旅の間、眠っているエリザベスの記憶をちょいちょい盗み見ていたデヴィッドは、「ファーザー・コンプレックス」な点や「子孫を残す事が出来ない」点という自身との共通点を知り、エリザベスに特別な何かを感じはじめてしまったのではないか。
それは、人間で言うところの「恋」みたいなものだったのかもしれませんが、ともかく、デヴィッドはエリザベスに子どもを生ませてみようと思ったのではないかと思うのですよね。
自分が持って帰った「種」を植え、エリザベスの「お腹」で成長させてみたらどうなるだろうか、と。
あとはええと、エリザベスならなんとか生みきってくれると踏んだのかもよ! 
ほら、あいつ頑丈そうじゃん!

■ 待ちわびた・・・丹念に育んだ種が時とともに成長し・・・遂にはこの俺に牙を剥く!

本編の冒頭、地球とおぼしき惑星の上空を漂う巨大な円盤が映し出されます。
そこから降り立ったと見られる、山海塾をより一層マッチョにしたような男性。
彼が真っ黒な液体を口にすると、みるみるうちに体は溶け始め、滝壺に崩れ落ちたその残骸が水と混ざり合い、水の中のなんらかのDNAに変化を与えるトコロが描かれるのですが、きっとこれがリドリー・スコット監督が考えた「人類の起源」なのだろうと思うのですよね。(もしくは、「どこかに存在する、とある惑星の、生き物の進化に劇的な影響を与えた要因」なのだと)
進化を続けた生き物は、のちに「人間」となって尽きない好奇心と飽くなき探究心により更なる知識を手に入れ、ついには自分たちが生まれた理由を知る事を欲するようになる。

「どうやら、我々が誕生したのは別の惑星に生きる創造主が一枚噛んでくれたお陰らしい」
「生まれさせる事が出来るって事は、死なせない事も可能なんじゃねえの」
「じゃ、いっちょ行ってみんべ!」
そう考えたひとりの男(ウェイランド社長)。
しかし、やっとたどり着いた惑星で、たったひとりだけ冬眠ポッド内で生き残っていた創造主(エンジニア)は、成長した我が子を思わぬ方法で歓迎します。

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(※ 「見て見て!」とばかりに必殺マッハパンチを繰り出してみるも、ムキムキの創造主に「スロー過ぎて眠っちまうぜ・・」と軽く捻られちゃったみたいな状態のファスベンダーさん)(※イメージ)

エンジニアは要するに、何がしたかったのでしょうか。
自分たちに似せた生き物を生み出したのは、その遺伝子の中に特定の惑星の存在を知らせるような情報を残したのは、一体何故だったのか。
人間たちはすくすくと育ち、遥かな宇宙へと赴く術も、特定の惑星を探し出す知恵も手に入れました。
そしてがんばって辿り着いた。
果たしてエンジニアはそこまで予想していたのでしょうか。
特定の惑星が最凶生物兵器の保管場所だったのは、いつか来るであろう人間を滅ぼす為だったのでしょうか。

なんかね、アガサにはこのエンジニアさんたちの行動が、すごく場当たり的に思えたのですよね。
場当たりというか、衝動のおもむくままにというか。
「こんなに優秀なオレの遺伝子なんだから、あっちこっちにばら蒔いときたいわー」みたいな、子孫を残したいという本能のままというか。
で、特定の惑星の星図を遺伝子に残しておいたのは、「おまえらがここに来れるだけの高度な成長を果たせるかどうか・・・見ものだな・・フフ・・」という親心だったような気がするのです。

「こんな遠くまで来られるものか・・いや・・・しかしあいつらならやってくれるかもしれぬ・・・その時こそ、真の最強生物が誰なのかを思い知らせてやりたいものだな・・・アレ・・?・・なんだかオレ・・さっきからあいつらの事ばっか考えちゃってる・・・」
エンジニアさん・・ひとはそれを恋と呼ぶのですよ!


蓄えまくった知識を総動員して、睡眠状態のエンジニアさんを呼び覚まし、褒めて貰いたがっている子犬のように嬉しそうに目を輝かせるデヴィッドを、どこか愛おしいような眼差しで見つめ、「そうかそうか・・・ここまできたか・・・・よしよしイイ子だ・・・イイ子・・グワッ!」みたいに締め上げるエンジニアさんの背中に、オレはオーガを見たね!

■ シャーリーズ・セロンさんは電気羊の夢を見たのか?

ウェイランド社長の一粒種(たぶん)であり、ウェイランド社の幹部兼今回のミッションの責任者であるメレディスさん。(演じるのはシャーリーズ・セロンさん)
整いすぎた容姿と切れ味抜群の知性、そしてなにより100歳超のウェイランド社長に比べ歳が離れすぎている娘、という事から、彼女もまた人間ではなくアンドロイドなのではないかという疑惑がちょいちょいチラつかされていました。
メレディスさんは要するに、どっちだったのでしょうか。

ええとね、たぶんだけど、人間だったんじゃねえの! だってほら、恐怖を感じてたもん! アンドロイドはね、「嬉しい」「楽しい」までは理解出来ても、恐怖までは学習できないと思うんだ! だって死なないから!  ちがうちがう!投げやりになってないよ!そろそろまとめに入りたいとか、そういうんじゃないよ!

■ まとめ

・ ひとつずつ画面上に浮かび上がる線。 意味を持たない記号のように見えたそれが徐々に形をなし、 PROMETHEUSという単語が出来上がった瞬間の快感はまさに、初めて『エイリアン』を観た時のそれでした。 テラかっこいい!

・ 会社説明会の時に流れるサントラとか、チ○コみたいな形の椅子に腰掛けたスペースジョッキーとか、宇宙船のクルーのお腹に植え付けられた異物とか、アンドロイドの首もげシーンとか、思っていた以上に『エイリアン』していて楽しかったです。

・ とは言いながらも、実は前半(正確に言うとクルーが寄生虫みたいなのに襲われる辺りまで)かなりの睡魔に襲われてしまいまして、眠気覚ましのミントタブレットをガリガリ噛み砕きながらの鑑賞となりました。 お陰で鑑賞後は舌がビリビリしていましたヨ!

・ ほんで、よくよく考えてみたら、『エイリアン』もフェイスハガーにフェイスをハグされる辺りまでは大体睡魔との闘いになっていた事を思い出したので、まぁ、しょうがないのかもネ!(私の場合はね!)(もっとね、ガンガン闘って欲しいんですよね!)

・ 人類に対してエンジニアがした事と、人間に対してデヴィッドがした事の根っこは同じなんだろうなぁ、と思いました。 この黒い水を飲ませたらどうなるものか。危ぶむなかれ。危ぶめば進化はなし、みたいな。 要は「好奇心」なのかなぁ・・と。 迷わず飲ませよ!飲ませばわかるさ!

・ 飲ませてアカンっぽかったら無かった事にしちゃえばいいじゃない!

・ で、誰に飲ませるのかってなった時、わざわざエリザベスの彼氏を選んで一服盛った理由は、やはりその先にあるエリザベスの存在が大きかったのではないかと思う訳で。

・ 創造者と人間、人間とアンドロイド、アンドロイドとエイリアン、という「父と子」の関係性が本人たちの意志とは裏腹に壮絶に拗れぶつかり合う本作は、SFなのだけれどなんだかとっても人間臭くっておもしろかったです。 

・ 余談ですが、なぜキリスト教って「神」を「父」と呼ぶのでしょうね。 おい!お母さんどこ行った!

・ 雑な扱いを受けた「母(エリザベス)」がデヴィッドを連れて向かった先で、今度はどんな小競り合いが待ち受けているのか。 2~3年先に予定されている次回作の公開を楽しみにしたいと思います。 



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『インフェルノ』

2012年09月05日
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あらすじ・・・
・ 衝撃! 知る人ぞ知る錬金術師兼一級建築士のバレリさんが伝説の魔女三姉妹に依頼されて作ったお屋敷は欠陥住宅だった!!

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(※耐久性無視で隠し通路や床下収納を増設した結果、とっても崩れやすくなりました)

・ NYの小洒落たマンションに住むローズさんは、近所の古本屋さんで購入した「三母神」という本を読んで驚愕します。 なぜなら、そこに紹介されていた「魔女に依頼されて作った家」と自宅マンションの風貌が瓜二つだったからです。

・ 家を作った張本人・バレリ氏の日記をもとに書かれたというその本には、魔女の家がどうかを見分けるポイントが紹介されており、1つ目は「ご近所周りがけっこう臭い」2つ目は「地下に魔女の絵がある」3つ目は「その鍵は君の靴底の下に・・・」というものだった。

・ なんで3つ目のトコだけちょっと金田一少年の事件簿みたくなっちゃってんの・・。

・ 「そう言われてみれば、うちの近所モウレツに臭いわ・・・!」 と、まず1つ目の「臭さ」を確認したローズは、マンション脇にあった蓋を開け地下室に潜入。 水没していた地下2階部分にダイブすると、2つ目の「魔女絵」もチェック。 しかし、戻ろうとした瞬間、どこからか腐乱した死体が浮かび上がってきて、彼女の体に絡みつくのでした。

・ 命からがらマンションに着くと、地下から壮絶に何かが崩れ落ちる物音が・・・  ・・そう、地下の主柱がポキっと折れたこの時から既に、マンション倒壊の序章は始まっていたのです・・!



・と、いう訳で魔女三部作の第2部にあたる「3人の母はつらいよ・NY旅情篇」こと『インフェルノ』を鑑賞しました。 ドイツのフライブルグにあるバレエ鬼宿学校を舞台にした『サスペリア』と、ローマに世界中の魔女が集まって大騒ぎする『サスペリア・テルザ』の真ん中にあたる本作は、魔女とのお付き合いの中で深淵に魅せられ、頼まれれるがままにお屋敷を作ったものの、なんかもう色々とイヤになってしまった錬金術師のおじいちゃんが、自由の為に闘い、自由を勝ち取り死んでゆくまでの一代記となっております。 ちょっと盛ってますけど、だいたいそんな感じです。

・ とは言っても、本編のほとんどを割いて描かれるのは、かわいい女の子が出てきては死ぬ。また新たな女の子が出てきては死ぬ、という繰り返し。 時々おっさんも死にますが、女の子のねちねちとした殺され方に比べれば随分あっさりとしたものです。 アルジェントさんは素直さが魅力!

・ 殺害シーンはすべて自ら黒手袋を嵌め行なっていたという変態の鑑・アルジェント。 白眉だったのは、主人公・マークの姉・ローズさんが、逃げ込んだ地下室で謎の人物に追い詰められ、半分割れた状態のガラスがはめられた窓枠に押し付けられるシーンです。 あわやギロチンの如くガラスが落下するのでは・・・?!と思った瞬間、ローズさんの喉元すれすれで止まるガラス。 一安心・・・ と気持ちが緩んだトコロを見計らって、ガラスをつかみ無理やりローズさんの首にスライドさせる黒手袋。 断末魔の叫びをあげるローズさん。 もっかいガラスを引上げ、再び落とす黒手袋。 かわいい女の子はとことん虐め抜くアルジェントさんスゲー!!変態力(へんたいりょく)たけー!!

・ NYとローマを縦横無尽に駆け回り、「三母神」という本を読んだ(もしくは興味を持った)人物を殺しまくる謎の人物の正体とは一体・・・  なにかというのは大した問題ではないのですが、一応書いておきますと暗黒の母さんなんですよね。魔女っ子三姉妹のうちのひとりです。 で、そもそも魔女っ子三姉妹とはなんなのか?なんで命を生み出さない宣言してるのに「母」って言っちゃってるのか?と言いますと、それは彼女たちが「死神」だからなのだ!ババーン!ねえねえ!ビックリした?!ねえ、ビックリした?!

・ だったら「死神三姉妹」でいいじゃない・・・

・ ため息の母ことサスペリオルム!涙の母ことラクリマクリスティ!暗黒の母ことテネブラルクアンシエル! オレたち三人あわせてビジュアル系死神三姉妹!(※一部事実と異なる表記があります)

・ 死神っていちおう名前に神さまってついてるのに、汚れ仕事は全部手作業なのな。 ・・・マーテル、おまえかわいいトコあんじゃん・・(おでこコツン)

・ シリーズ3部作全てに於いて全焼・倒壊してしまった魔女屋敷。 あまりに脆いそれはきっと、最後の最後で良心を取り戻したバレリさんからの贈り物だったのではないか。 設計の途中でちょちょっと手を加え、いざとなったらぶっこわれるように仕込んでおいたのではないか。 「わしはしょせん囚われの身なのじゃよ・・・」と最後の力を振り絞って告白するバレリさんの姿から、そんな邪推をしてしまったアガサだったのでした。

・ ま、たぶん全然そういうんじゃないと思いますけどね! だって!お屋敷は!最後燃える方が!絶対かっこいいじゃない!!

・ ローマのパートで主人公をやたらとガン見する超絶美女が登場しまして、意味ありげにうろついた挙句そのままどっか行ってしまうのですが、今思うとあの人は涙の母ことラクリマルムさんだったのですね。 てことは、この頃はまだ元気だったって事・・なのか・・?(でもサスペリア・テルザの冒頭では封印されてましたよね・・)

・ あと、皆既月食が始まってから終わるまでの間に、近所の野良猫を始末しようとした古本屋のおじいちゃんが、ドブネズミの大群に襲われるというショッキングな事件が起こるのですが、その幕引きがとても意外なもので、なんと助けを求めるおじいちゃんの叫びを聞いて駆けつけたホットドッグ売りのおじさんは、手に持っていた包丁でネズミではなくおじいちゃんをひと突きしてしまうのですよ。 ちなみにおじさんは物語の本筋とは何の関係も無い人物ですよ。 どうかしてるぜ!

・ で、アガサはこの犯行が月食の間に行われた点に着目。 きっとおじさんは、月の魔力に取り憑かれたに違いない。 ネズミが猫殺しのおじいちゃんを襲ったのは、トムとジェリー的な、なんつうかほら、仲良くケンカしな!的な、そういうKIZUNA精神からに違いない。 そう思った訳ですが、あとでアルジェントさんのインタビューを見てみると「あのシーンに意味なんかないヨ!」とか「うそうそ!魔女パワー魔女パワー!」とか、煙に巻く気満々な発言をされているようなので、もうあまり、深く考えない事にします。

・ 赤と青を基調としたライティングが今回も美しかったので、今度我が家の外壁に赤セロファンで覆った懐中電灯を並べるという実験をしてみたいと思います。 めざせ!新・魔女っ子三姉妹!


関連感想:シリーズ第1作『サスペリア』
           第3作『サスペリア・テルザ 最後の魔女』



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『メランコリア』

2012年09月01日
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(※私と放電)

物事には必ず「終わりの時」がやってくる。
そんな事はわかっている。
それなのに、なぜ、人はその「時」を悲しんだり恐れたりするのだろうか。
それはそのタイミングを、自分で選ぶ事が出来ないからなのかもしれない。
「まだ終わってほしくない」
「まだ終わりたくない」
「まだ終わるわけにはいかない」
そんな個々の願いは、いつだって無残に打ち砕かれる。

命もまた然り。
いつかは必ず終わるものだけれど、往々にしてその「時」を選ぶ事が出来ない。
誰かに残されてしまう事や、誰かを残してしまう事。 それはときに、自分自身の死よりもつらいのではないかと思う。

しかしもしも、もしも誰一人残る者がいないとしたら?
「終わりの時」がいちにのさん、で、この地球上に一斉に訪れたとしたら?
それはもしかすると、これ以上ないほどの完璧なハッピーエンドなのではないのだろうか。

という、ネガティブシンキングが1周も2周もして最終的にポジティブシンキングになっちゃった!みたいなディザスター・ムービー『メランコリア』を鑑賞しました。

物語の主人公姉妹の名前がつけられた2パートで構成された本作。
第1部の「ジャスティン」では、有能なコピーライターのジャスティンが、リッチでハンサムで優しい男性・マイケルと結婚し、その披露宴を姉・クレアの夫・ジョンの豪邸で行う様が描かれます。
が、この披露宴は新郎新婦を含めた出席者全員にとって悪夢のような一夜となってしまう。
まずは、主役の2人の到着が遅れた為、披露宴が2時間遅れでスタート。(もちろん出席者は全員待ちぼうけ)
会場に着いた2人を急かす姉を尻目に、愛馬の顔を見るべく馬小屋に直行する新婦・ジャスティン。(もちろん出席者は待ちぼうけ)
なんとか宴は始まったものの、早い段階から目が泳ぎ始めるジャスティン。ザ・心ここにあらず。
来賓のみなさんのかったるい挨拶が終わり、友人代表による楽器演奏が始まると、ふらふら~っと庭に出てゆき、そのままゴルフカートで脱走するジャスティン。(もちろん出席者は全員待ちぼうけ)
死んだ目のまま戻ってきたジャスティン、今度はケーキカット直前に客間へ閉じこもり、そのまま長風呂を浴び始める。(もちろん出席者は(ry
クレアやジョンの説得も虚しく、時間だけが悪戯に過ぎてゆく。 飲むしかない出席者。
やっとの事で出てきたジャスティンを迎え、(みんな大人なので)なにごともなかったようにケーキカット開始。
その後もちょいちょい白目になったり、グリーンに連れ出した部下を押し倒してコマしたり、上司に暴言を吐いたりしながら出席者完全無視の結婚披露宴は続くのですが、なんとか全スケジュールを終えたジャスティンを残し、出席者はもちろん、ウェディングプランナーも、夫も、父も、姉も、誰もかもがそそくさとその場から立ち去ってしまうのでした。

まあね、一言でいえば、 そんなに気乗りがしなかったのなら、何故けっこんしようと思ったジャスティンよ! てコトになるのですけどね。
ジャスティンはジャスティンなりに、「幸せ」になろうと努力していたと思うのですよ。
周りが求めるように、お姉さんに望まれるように、お父さんの期待に応えるために、「笑顔」を顔に貼り付かせて「幸せ」にたどり着こうとがんばった。
でも、無理だった。
みんなが思う「幸せ」は、彼女にとっては「死の宣告」に等しかったのではないか。
お姉さんとお義兄さんがセッティングした「幸せな結婚披露宴」は、ジャスティンにとって「世界の終わり」だったのだと思います。
そして、そんな「終わりの時」にジャスティンの傍に寄り添っていれくれる人は、誰も居ない。

続く第2部の「クレア」では、式から数週間過ぎたある日、鬱状態が悪化して日常生活を送る事すら出来なくなってしまったジェスティンを姉・クレアが自宅へ招き入れる所から始まり、なぞの巨大惑星・メランコリアが地球に衝突するまでの5日間が描かれます。

自分自身では制御できない衝動によって、お膳立てされた「幸せ」をぶち壊してしまったジャスティンは、当初一人で歩く事も食事をする事も出来ないほど憔悴していましたが、地球へと接近してくるメランコリアと比例するかのように、日毎精気を取り戻して行きます。
その一方、テキパキと披露宴を執り行っていたクレアは、メランコリアが地球にぶつかるのではないかという恐怖に苛まれ、情緒が不安定になって行く。
夫のジョンは彼女を怯えさせまいと自信満々に振る舞うも、陰では非常時の食料やエネルギーを備蓄。
みんなその「時」をおそれて暗い顔になっている。 
ジャスティンを除いて。

ということで、第1部では「(ジャスティンにとっての)世界の終わり」、そして第2部では「(みんなにとっての)世界の終わり」が怖いほど美しい映像と共に淡々と映し出されて行くわけですが。
第2部でジャスティンが驚くほどに冷静なのは、既に「世界の終わり」を経験しているからなのではないかと思いました。
それは、「自分の結婚披露宴」であり「脳裏に現れては消えるイメージ群」であったりするのですが、ともかく、今までずっと「どこに居てもどこにも居れなかった」ジャスティンにとって、「世界の終わり」など騒ぐほどの事ではなかった。
そしてジャスティンは、「どこに居てもどこにも居れなかった」のは自分だけではない、という事も見抜いていた。
誰もが心に抱えているからっぽな部分。
それを無理矢理に満たしたり、満ちているフリをしたりして生きている醜悪な生き物。
こんなもの、滅んでしまっても仕方ない。
ジャスティンは心の中で、そんな風に思っていたのではないでしょうか。

しかし、「ヒャッハー!地球上のやつらぜんいん絶滅しろ!」なんてただ皮肉っぽく思っていた訳でもない。
愛しい存在である甥・レオを安心させる為に嘘をつく時だけに見せた、苦しそうな、悲しそうな表情。 
純粋な瞳を向けるレオを強く抱きしめ、涙をこらえるように顔を歪ませるジャスティンを観て、彼女は決してその「時」を待ち望んでいたわけではなかったのだなぁ、と思いました。

そしてジャスティンは、「終わりの時」をせめてステキに迎えようと考えたクレアの提案に、ハッキリとNOを突きつける。
一度目の「世界の終わり」の時には出来なかった拒絶をし、愛する者と一緒に、心穏やかにその「時」を迎えようとする。
最後の最後になり、取り乱す余り息子の手を離し、頭(自分自身)を抱えるクレアとは、あまりに対照的な姿を見せるジャスティン。
ああ、やはりこれは、ハッピーエンドだったのだなぁ。
ジャスティン(ラース・フォン・トリアー監督)にとって、これ以上ない幸せな「終わりの時」だったのだろう。 そんな気がしました。 

第2部で描かれる世界は、実はジャスティンの精神世界(想像の世界)だったのではないか、という見方も出来ます。
第1部で言及された事とは異なる情景があったり、彼女たちが暮らす邸宅の敷地以外の場所が全く登場しなかったり、地球滅亡の危機の割にはものすごくまったりとした時間が流れていたり、もしかしたらそう(現実ではない)のかなぁ・・と思う部分は沢山ありました。
ただ、現実だったのか心の中だったのかは、あまり関係ないのですよね。
心に病を抱えたジャスティンが、周りとの軋轢から負ってきた傷を癒し、苦悩を捨て、自分の意思で人生を選択するまでの過程。
そしてたどり着いたハッピーエンドが、本作だったのではないかと思いました。

何の仕事をしているのかさっぱりわからないけど超お金持ちなキーファー・サザーランドさんのゲスっぷりや、出てきただけで胡散臭いステラン・スカルスガルドさんと息子のアレクサンダーさんによる男前親子夢の競演や、嫌味ったらしいウェディングプランナー役のウド・キアーさんなどなど見所も満載。
あと、なんと言っても、常にジト目でこちら(カメラ)を見つめてくるキルスティン・ダンストさんの情緒不安定さ加減がね、悪夢のようで素晴らしかったです。 (←褒めてます。全力で褒めてます。)
躁鬱の切り替えといい、第2部での達観したようなジト目といい、彼女なしでは本作は成り立たなかったのではないでしょうか。
本当に見事でした。

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(※渾身のジト目)


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