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『ラブド・ワンズ』

2012年05月31日
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あらすじ・・・
こんにちは!ぼくブレントです!オーストラリアに住んでます!高校3年生です!もうすぐ卒業です!
半年前に、ドライブ中の事故でおとうさんを喪って以来哀しみと共に過ごしてきたぼくですが、時は待ってくれません!否応なしに卒業です!
ぼくがあの時よそ見なんてしなければ・・・ 
道路の真ん中でボケーっとしていた不審者にもっと早く気づいていれば・・・ 
超絶ドライブテクニックで華麗に回避していれば・・・  
そんな自責の念で、なんども自傷行為を繰り返してきたぼくが、心の傷も癒えないまま社会の荒波に放り出されるシーズン、それが卒業なんです!

で、卒業といえばプロムじゃないですか! 
高校生活最後のお楽しみであり、チラリズム全開のドレスに身を包んだかわいいジョノカーをエスコートして、ダンスフロアで体と体を密着させながら乳繰り合って、飲んで食ってハッパ吸っていい気持ちになって、なんかもうなんやかんやで超最高なイベント、プロムな訳じゃないですか! 
そりゃぼくもね、おとうさんの事で時々アンニュイな気持ちになっちゃいますけどね、それはそれ、これはこれ。 行かない理由が見つからない!

・・・ただね、いざ行くとなると、これがまたね・・「ホントにオレはそんな能天気な事をしていていいのか・・」とかね・・ 考えちゃうんですよね・・・ おかあさんもぼくに気を使ってか奥歯にものの挟まったような言い方しかしませんけどね・・ きっとおとうさんは「チャラついてんじゃねえよ」みたいに草葉の陰から思ってるじゃなかろうかとか、ね・・・
そこでぼくは、恋人のホリーが迎えに来てくれるまでの間、行きつけのフリークライミングスポットで一汗かく事にしました。
なぜかというとね、切り立った崖を登っていると、常に「死」というものを間近に感じ、自分が生きている事を実感出来るんですよね。
とうさん、こんなオレだけど、生きていていいのかな・・・ 
そんな風にハッパを吸いながら暮れなずんでいたぼく。
そんな夕暮れ。
一体誰が想像など出来たでしょうか。
まさか背後からクロロフォルムの染み込んだ布を持った怪しい影が、ぼくに忍び寄っていただなんて事を・・・!

で、目が覚めたら
ラブ2
こんなおじさんがいて

ラブ3
こんな同級生がいて

ラブ4
万事休す! と。


完全にアカン領域の色をしていますよね! 同級生の目も注射器の中身も!


ラブ
(※ とても他人とは思えない「もっさい」ビジュアルに好感度が上げ止まらない女子高生・ローラちゃん)

ということで、東京の超絶イケメンメガネ男子・ナマニクさんのご厚意により、今話題のマジキチ・ラブファンタジー『ラブド・ワンズ』を鑑賞させて頂きました! ナマニクさんありがとうございました! 毎日25通づつDMを送った甲斐が(ry

いやもう本当に素晴らしい作品でした!
「もしもジョン・ヒューズがアニー(『ミザリー』のヒロイン)を主役に『キャリー』を撮ったらどうなる?」と聞かれたならば、迷わず「その答えは『ラブド・ワンズ』に!」って答えるね! 聞かれたコトないけど!


ローラちゃんはごくごく目立たないタイプのJKなのですが、積極性だけは人一倍あるので、学園のキングをプロムに誘うという暴挙にでます。
で、当然の事ながらキングには既にクイーンがいて、あっさり断られてしまう。
ところが、どっこいくじけないタイプのアレだったローラちゃんは、おとうさんに頼んでキングを家にお持ち帰りしてもらうのでした~!ウフフ✩オッケー!
で、あとはもう刺したり削ったり逃げたり追ったりの大騒動なわけですが。

とにかくこのローラちゃん、ひたすらまっすぐな女の子だと思うのですよね!
世界は全部わしのものじゃい! みたいな真摯な想いが伝わってくる眼差しに、色んな意味でドキドキがとまりません!

ラブ7
(※ ただ牛乳を飲むだけのシーンでここまで「ヤバいモノを観ている」感を醸し出せるのはローラちゃんだけ!)


(※ 以下、内容に触れる記述あり)(オチバレはしていません)








まっすぐなゆえに、ゴチャゴチャと喚かれないよう薬品を喉に注射して声帯をやっつけちゃったり、隙をついて逃げようとしたブレントくんの足を床にナイフで打ち付けるローラちゃん。
「わたしのモノ」という事実を揺るぎないものにする為、ブレントくんの胸にフォークでグリグリとローラ印を刻み込むのもまっすぐさが成せるわざ。
おとなしくさせる為、脳天にドリルで穴をあけちゃうのも、勿論まっすぐだから。
その穴に熱湯を注ぎ込む事にしたのは、・・ええと、なんかおもしろそうだから。 自由と書いてフリーダム!

そんな、歪みない性格のローラちゃんを全力でサポートするおとうさんがまた、超憎めない顔のステキ中年でして。

ラブ5
(※ ムスメと彼氏(暫定)が揉めるたびにこんな切羽詰まった顔でトンカチ構えるんだからたまんないッスよね!)

「うちのムスメこんなにかわいいのになんで全然モテないの?!なんで?!」
という、純粋な疑問に悩まされているおとうさんは、自分以上に悩み続けているであろうムスメの為、一線も二線も超えて暴虐の限りを尽くします。
一見ヒドい、というかどう見てもヒドいおとうさんなのですが、ブレントくんがローラちゃんにそっけない態度を取るのをハラハラしながら見守っていたり、ローラちゃんが不手際でおとうさんに熱湯をぶっかけてもジっと我慢しれくれたり、上手にドリルが使いこなせなくても穏やかに使い方を説明してあげたりと、一挙手一投足から「子を想う」気持ちがひしひしと伝わってくるのですよ。
フリーダムなムスメが目の前で生着替えを始めた時、そっと瞳を伏せる仕草のなんとグっとくることか!
「あんな小さかったローラがこんな豊満バディに・・・」とか「今度こそなんとかしあわせになってほしい・・・オネガイダカラ・・」とか「あわよくば婿に入ってもらいたい・・」なんて具合に父の胸にこみ上げる万感の思い。

マジキチにはマジキチなりの愛情があるのだと、強く心に訴えかけられた気がしました。
いや、訴えかけられてもどうにも出来ないのですけどね。

ラブ6
(※ パ ー テ ィ せ な あ か ん ね ん !!)


メガフォンを執ったショーン・バイルンさんは本作が商業長編映画デビューなのだそうですが、ちょうどいい塩梅の緊張感といい、濃いキャラクターにバチーンとはまる個性的なキャスティングといい、緩急のつけ方といい、非凡な才能を感じる監督さんだなぁ、と思いました。
その時々のキャラクターの心境が一目で(というかひと聴きで)わかるような音楽の使い方もたのしかったです。
アガサは音楽について(ジャンルも曲名も)全く詳しくないのですが、「ワイルドな女の子が登場したらスローモーション&ギョーン!みたいなワイルドな音楽」とか「主人公が自己嫌悪でイジイジしている時はデケデケデケみたいなハードな音楽」といった感じで流れ始めるので、いちいちしっくりきてしまいました。
勿論、オリジナルサウンドトラックの方も実にいい仕事をしていましたので、ハラハラドキドキグチャグチャドロドロ関連の風味付けも万全ですよ!


憧れの同級生を自分だけの王子さまに仕立て上げたい、という一転勝負モノ。 と 思 い き や ・ ・ ・  みたいな中盤からの怒涛の展開もおもしろかったですし、底なしの狂気の中にもキラリと光る親子愛には不覚にも胸が熱くなりました。いや、マジキチなことには変わりないんですけどね。
非モテをこじらせた結果、バービー人形を使って卑猥なポージングを取らせたり、スクラップブック上にオレ流「モテキ」を連載する事でしか満足できなくなってしまったローラちゃん。
彼女なりにひたむきに父を愛し、自分を愛す姿を眺めながら、「マジキチなんだけどただのマジキチじゃなかった!」っつうか「夢だけど夢じゃなかった!」っつうか、とにかく思わず拳を握って応援したくなるようなそんな不思議な呪い魔法にかかってしまったアガサだったのでした。

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(※ ラン!ローラ、ラン!)

ピンクのドレス、リボンのついたパンプス、ハートのペンダント、ローズのイヤリング、真っ白なお城にステキな王子様・・・というドリーミングな世界に憧れるスイートな女の子も、略奪、監禁、拷問、支配、バイオレンス・・・という荒々しい世界に魅了されるスキモノな男の子も、きっとお気に召すのではないでしょうか。
各所に散りばめられたホラー映画へのオマージュも最高ですよ!
残念ながら、現時点では東京のシアターNと大阪の第七藝術劇場の2箇所だけの上映となっているようですが・・ もしもお近くで上映される機会がありましたら、是非!


ナマニクさん、本当にありがとうございました!

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「今回のご提案はこちら!」 Bootleg Basic ・ 読感

2012年05月24日
ブオt-レグ

遡ること数週間前のゴールデンウィーク、東京で開催された「文学フリーマーケット」において一年ぶりにお目見えした映画評同人誌・Bootlegの最新号『Bootleg Basic』。
「今回買いに行けないんですよねー(チラッチラッ) まいったなーホントはちょう行きたいんですけどねー(チラッチラッ)どうしよっかなー(チラッチラッ)でもなーとは言っても誰かにお願いするだなんて図々しいにも程があるしなー(チラッチラッ)とてもじゃないけど自分からはお願い出来ないもんなー(チラッチラッ)」と一日あたり20通づつDMを送っていたトコロ、「わかりましたから!送りますから!絶対送りますからもう堪忍してつかあさい!」と何故か泣きながら郵送を確約して下さったなまにくさんのお蔭で無事手にする事が出来ました!
なまにくさん、本当にありがとうございました! 少なくとも、次の文フリまでDMは送りませんから安心してくださいネ!
(※経緯に一部脚色あり)


と、いうことで、隅から隅まで舐め回すように拝読させて頂きました『Bootleg Basic』の感想などをば・・。


■ 特集 シネフィルをめぐるキーワードを語る/映画について私が知っている二、三の事柄
古澤健さん真魚八重子さん侍功夫さん
映画ファンの間を定期的に賑わせる単語は? と聞かれると、あなたは何を想像するでしょうか。 
そうです、「シネフィル」ですね。
寄せては返す塩っぱい水のように、折に触れては炎上と鎮火を繰り返すデンジャラスなキーワード「シネフィル」。
「オレってシネフィルだからさぁ」「あーキミって確かに“シネフィル”っぽいよねー」「なんだとコノヤロー!!」 と、使い方によってはいく千いく万の人命が死と死の暗夜に落ちゆく可能性をも孕む言葉が本来意味していたのはどんなモノなのかを、現在もっとも勢いのある映画監督・古澤さんとライターの真魚さんが解説。 
どちて坊やとしておふたりをまとめる侍さんの合いの手が冴え渡る名コラムとなっております。

「シネフィル=ゴダールやトリュフォーの映画ばっか観ている人」、というのがアガサのざっくりとした「シネフィル像」だったのですが、その当のご本人たち(ゴダールやトリュフォー)が当時観ていたのはB級映画が多かったとの事にはビックリしましたし、「日本におけるシネフィル=映画評論家・蓮實重彦さんに傾倒した人」というもうひとつの「シネフィル像」も、その当のご本人(蓮實重彦さん)はどんな映画も幅広く鑑賞して面白ければきちんと評価する方なのだという事で、これまた新鮮な驚きでした。

後半に展開される「ゴダール映画のどこがおもしろいの?」論議も、映画の新たな楽しみ方が散りばめられており、「権威」とか「固定概念」にガッチガチになってしまった現代の映画ファンは必読の内容となっているのではないでしょうか。(もちろん自由気ままに映画を楽しむ方にもおすすめの内容ですよ!)


■ ~インディ・ジョーンズから『宇宙戦争』まで~/スピルバーグ作品で見る20世紀以降の戦争のすべて
速水健朗さん

スピルバーグと言えば? と聞かれると、あなたは何を想像するでしょうか。
そうです、「残酷描写」ですね。 
『E.T.』一本で「心優しい宇宙大好きおじちゃん」像を作り上げたスピルバーグですが、それ以外の作品で手を変え品を変えた残酷描写アラカルトを披露してきた事から、今ではすっかり「一見さりげない風グロの帝王」像としての印象の方が強いはず。 違うとは言わせない。いや、言ってもいいけど。
そんなスピルバーグのフィルモグラフィを、ライターの速水さんがじっくり紐解き、予想以上に多かった“戦争映画”ジャンルが意味するものを解説。
「なんでナチスの映画が多いのか?」「だってナチスはマニアックな乗り物の宝庫だったから!」という一文から伝わる、圧倒的な説得力ときたらね! 映画を観ていれば一同納得ですよね!

スピルバーグが戦争映画にこだわるのは、自らの祖先が味わった恐怖や戦争が持つ理不尽さを世に伝えたいから。
戦争を憎むからこそ、そのおぞましさをうっへっへ~みたいなテンションで徹底的に描き込むのだ。
つまり、「憎さ余って可愛さ百倍!」という事なのかなぁ・・と読後うすぼんやりと思ったのですが、今度スピルバーグに会う予定の人は是非聞いてみてください。
あと、タイトルどおり、「20世紀以降の戦争」のすべてもわかりやすくまとめられていますので、読み応えバッチリでしたよ。


■ 『ドン・キホーテ』の娘たち/フィクションのせいでいろいろとおかしくなってしまうヒロイン
宮本彩子さん

今回ブートレグに初参加の宮本さんによるコラムは、「『ドン・キホーテ』の娘たち」。
夜中に車高の低い車がわんさか集まり駐車場内をバターになるまで走り回るドンキでも、キティちゃんの健康サンダルにアディダスジャージの娘さんたちがコスメを買いに来るドンキでもなく、本来の意味でのドンキです。 ホーテの方のドンキです。

「元祖・虚構の現実の区別がつかなくなってアレな状態になった人」が色々な目に遭うおはなしとして有名な、17世紀に書かれた小説『ドン・キホーテ』。
その小説の影響を色濃く受けたとおぼしき文学(もしくは映画)のヒロインたちが、宮本さんの軽快な語り口で紹介されてゆきます。
小説に感化された『ボヴァリー夫人』、テレビドラマに魅入られた『ベティ・ザイズモア』、演じることから離れられなくなった『ラスト、コーション』など、ただ単にアレな人なのではなく、「フィクション」がきっかけでアレな人になってしまった感のあるヒロインの姿は、決して痛々しいだけではなく、時に観る者を魅了してしまう事もある。
それは彼女たちが「私たちにはできない事をやってのけるッ」からなのかもしれませんし、私たちの中には常に「フィクションへの憧れ」がくすぶっているからなのかもしれませんね。 みたいな事を思いながら、たのしく読ませて頂きました!


■ ゴアの飽食
ナマニクさん

なんでホラーを観るの? と聞かれる事があります。 
そしていつも、それに答えられずにいます。

ナマニクさん渾身のコラム「ゴアの飽食」は、「より残酷に!よりえげつなく!」で突き進んできたホラー映画がたどり着いた新たなジャンル「倫理観の切株」についての考察です。
首が飛んだり、内蔵がどろろーんとこぼれ落ちたりする映画は飽きた。 じゃあ、ただ首が飛ぶんじゃなくて複雑な装置を仕掛けた上で飛ばそう。 でもそれももう飽きてきた。 じゃあ被害者をバカっぽい若者じゃなくてもっと弱い者にしよう。たとえば、妊婦とか、幼児とか。
そんな風に「もっと、もっと」を重ねた結果、ホラー映画界では「タブー無き世界」が展開されるようになりました。
滑稽さもない、カタルシスもない、リアルで不快で非道徳的な世界。
でも、もともとホラーって、そういうものなんじゃないのだろうか。

本文中で取り上げられている『セルビアン・フィルム』について、「わたし、この内容だけは絶対にありえへんわ・・・」とぼやいたアガサに、世帯主さま(※ホラー映画を心から憎んでいる)がこう言った事がありました。
「オレからしたらお前が観てる映画なんて全部一緒だよ」と。
被害に遭うのが湖のそばのキャンプ場で乳繰り合うカップルだろうと、いたいけな子どもだろうと、はたからみれば同じ「人殺し」映画なのですよね。
もちろん、自分の中に「尺度」はあって当然だと思います。 観るも観ないもあなた次第。
しかし、「倫理感をズタズタに切り裂く」映画を作らせたのは、それを求めた私たち自身であるという事からは逃げられない。
その罪深さを自覚しているからこそ、私は「なんでホラーを観るの?」という問いに答えられないのかもしれません。

・・・てな具合にうんうん考えさせられる素晴らしいコラムでした。
一緒に掲載されている、古き良きゴア映画の始祖「ハーシェル・ゴードン・ルイス作品9番勝負」と合わせて読むと一層たのしいですよ。


■ 生まれ変わりに花束を
深町秋生さん

えげつないほどかっこいい女刑事が大活躍する犯罪小説『アウトバーン 組織犯罪対策課 八神瑛子』が17万部の大ヒット、続く第二弾『アウトクラッシュ 組織犯罪対策課八神瑛子2』もえげつないほど売れている、今もっとも熱い作家・深町秋生先生の映画コラムが読めるのはBootlegだけ!

ということで、深町先生が愛をこめて綴られているのは「偉大すぎる映画のリメイク版もけっこういけるよ!」というご提案。
『ピラニア3D』や『ドラゴン・タトゥーの女』など、良質なリメイク作品が世を賑わす中、深町先生が特に気に入っているという『新・仁義の墓場』と『新・仁義なき戦い』の2作品が紹介されているのですが、これが血や埃や煙草の匂いが漂ってきそうなステキレビューでして、思わず今すぐレンタル屋さんに走りたくなる事まちがいなし!近所にレンタル屋さんがないおともだちは迷わずディスカスに登録だ!
欲をいえば、文中ちょぴり触れられていた『ドラゴン・タトゥーの女』のレビューも拝見してみたかったのですが、そこはもうしょうがないのでスッパリ諦めて、で、まぁ代わりと言ってはなんですが深町先生の文章にもっと溺れたいあなたは5月15日に発売された最新作『ダウン・バイ・ロー』を購入してみてはいかがでしょうか。 全国の書店にて絶賛発売中ですよ。

ダウン
(おねだんは衝撃の760円ポッキリ!税込で!)



■ 人喰い映画祭【定食版】/アリからヘビまで、腹ぺこアニマル大集合!
とみさわ昭仁さん

古今東西300本の「人喰い映画」を網羅した超ためになる映画ガイド本『人喰い映画祭』の著者・とみさわ昭仁さんが、Bootleg用に書き下ろした「美味しいトコどり」の「定食版」。
「人喰い映画」の誕生から現在に至るまでを、代表的な作品を挙げつつざっくり紹介してくださっていて、まさに「Basic(基本)」という今回のテーマにぴったりなコラムなのではないでしょうか。
既に『人喰い映画祭』を読んだ事がある方も、「人喰い映画」に初めて触れる方も、大満足の内容だと思います。

とにかくね、「実在する生物が人を喰う」映画は「人が人を喰う」映画と違って鑑賞時の「後ろめたさ」がなくなるのがいいですよね! と、常日頃から肩身の狭い思いをしているアガサは思うわけですよ。
食べることは生きること! 
人喰い映画さいこう!!


■ 1999年の近未来 ~機動警察パトレイバー~
破壊屋さん

アガサには「観たいと思っているんだけどなかなか手が出ないアニメ」が2つあり、そのひとつは『エヴァンゲリオン』、そしてもうひとつがこの『機動警察パトレイバー』なのでありまして。
数多くの映画人にも影響を与えたであろう『劇場版 パトレイバー』をこよなく愛する破壊屋さんが、詳しく解説してくださっているこのコラムを、鑑賞前に読むか読まないかで実はまだ揺れ動いていたりします。
いや、正直言うと我慢できずに薄目を開けて読んじゃったんですけどね。
こちらは本編をきちんと鑑賞してから、もう一度じっくり読ませて頂こうと思います! おたのしみはそれからだ!


■ シャマラン絶対主義!
(真魚八重子さん)

未だに「どんでん返ししか能がない人」みたいに言われる事の多い不遇の鬼才・シャマラン監督を真魚さんが全力でフォロー!

アガサは真魚さんの文章表現がとても好きなのですが、今回のコラムも真魚さんからシャマランへの溢れんばかりの想いががっつりと込められた、とても愛すべき一本となっておりました。
「寂しい柔らかさ」という一文にオレは心が震えたよ! 
いや、ホントにどうしてこんな美しい言葉が生まれてくるのでしょうね・・・ 真魚さん超すげえよ・・・。

あと、「シャマランが好きだから」という大前提もあるもかもしれませんが、このコラムからは「映画を素直にたのしむこと」という事が強く伝わってきます。
それは、今回のテーマである「基本」そのものなのではないかと思うのですよね。
決め付けや先入観を捨て、自由に映画をたのしもう。
いつまでもオチの事ばかり気にして、シャマランの世界を斜めに構えて観るのはもったいない。
そうですよね! 真魚せんせい!


■ あの手この手で
(古澤健さん)

映画を観て「あのシーンのあのカットはこういう意図があるんだ」「いやそうじゃなくてこうに違いない」と活発に意見を交わすのもまた、映画のたのしみ方なのではないかと思うのですが、では、本職の方は映画をどんな風に観るのだろうか。

・・・と、アガサはつねづね思っていたのですが、そんな疑問に対するひとつの回答となっていたのが今回の古澤監督によるコラム。
『拳銃魔』『何がジェーンに起こったか?』といった映画の1シーンを具体例に挙げ、それがどのように撮影されたか、また、どのように編集されているのか、そして、それがどれだけ奇跡的なことなのかを、丁寧に説明してくださっている為、読んでいるだけで猛烈に勉強になりました。

作り手にとって、「自分が作る映画」の中に無駄なシーンなどないのではないかと思います。
何気ない、「ただ車が通りすぎる」ようなシーンであっても、いつ、どんなタイミングでどんな色の車がどんなスピードで走り、どんな風に通行人と交わるのかが計算されているのではないかと。
だから、映画のすべてのシーンは見過ごせない。 作り手の思いをしっかり受け止める為には、見過ごすわけにはいかない、と。
まぁ、それはちょっと肩の力が入りすぎかもしれませんが、とにかくこのコラムを読んだアガサは「映画作りってやっぱりすげえ!」と感動すら覚えてしまいました。

ちなみにですが、そんな古澤監督が橋本愛ちゃんを主演に迎え作り上げた新作『Another アナザー』は8月4日に全国一斉ロードショー、武井咲ちゃん主演の『今日、恋をはじめます』は12月公開予定ですよ!あくまでちなみにですけどね!


■ 『片腕カンフー対空飛ぶギロチン』再考
マトモ亭スロウストンさん

映画秘宝にちょいちょい載っている印象の強い、伝説のカンフー映画『片腕カンフー対空飛ぶギロチン』。
しかし、アガサが観てきたカンフー映画というともっぱらジャッキー・チェンに集中しており、この映画そのものは観た事が無く、さらに勝手な印象から「片腕なんとかって、シリーズものなんだよね・・?しかもいっぱい出てるんだよね・・?」と思い込んでいた為、手を出す事を躊躇っていたのでした。 
けしからんですね。 この「自称映画ファン」は非常にけしからんですね。

というわけで、本編に対する知識ゼロの状態で読み始めた本コラムなのですが、過去4冊のBootlegでは見られなかったような、マトモ亭さんの真面目な一面があらわとなっている、とても読み応えのあるコラムとなっていたのでした。
いや、過去のマトモ亭さんが読み応えがなかったとか、そういうじゃなくて。読み応えは今までも十二分にあったのですけど、なんというか、今回は特命係長でいうと変身する前の実直な方の克典みたいなね、そういう様子の違いがあったのですよね。
ただの
(今までのマトモ亭さんの様子)(イメージ図)

『片腕カンフー…』をご存知の方はさらに映画をたのしめるでしょうし、そうでない方にとっても中国史の勉強になりますよ!そしてなにより、本編を観てみたくなること請け合いですよ!



■ 勝手に探そう! 再来俳優
永岡ひとみさん

毎回、個性的な執筆陣の合間で癒しの場を提供してくださっている、永岡さんによるイラストコラム。
今回は「第二の○○を探せ!」をテーマに、美少年俳優の代名詞だったブラピやリバー・フェニックス、使えるハゲことニコラス・ケイジ、クローネンバーグの女神ことヴィゴ・モーテンセン、脱ぎ専じゃないのに脱ぎまくってくれる美熟女ジュリアン・ムーアの後釜に座れる可能性がある役者さんが紹介されております。

ニコケイの邪悪さが格段にアップしている点が非常に気になりましたよ!いい意味で!



■ ギフトショップから忍び込め!『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』解体
(侍功夫さん)

昨年日本で公開され話題を集めたドキュメンタリー『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』について非常にきめ細やかな解析が為されている良質なコラムです。
アガサは「現代アート」というものには全く興味がなく、文中に登場するアーティストの名前も(村上隆を除いて)ほぼ知らなかったのですが、なるほど、かなりオカシなことになっているのですねぇ。

「価値のない物に後付けで意味をもたせる事で、さも高尚な作品であると思い込ませる。」
もともと「芸術」というものは、こちらの解釈次第でステキなものにもくだらないものにも何にでも成りうるモノだと思うのですが、その解釈すら自由にさせてもらえないほどの圧倒的な「価値観の押し付け」がまかり通っているのが現代アートなのだと。
で、そんな現状をギッタンギッタンにすべく、勘違いアート野郎(元古着屋さんのアーティスト・ミスターブレインウォシュ)を捧げ物の羊よろしく祭り上げ晒したのが『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』だったのだ、という。
もしもそれが本当にバンクシーの意図したものだったとしたら、世界的に晒し者にされたブレインウォッシュさんが可哀想すぎる気もしないでもないのですが、なんでもけっこう売れているアーティストさんになっているそうなので気にしないことにします。 儲かってるヤツは全員敵だ!

今回のテーマ「基本」からは、ちょっと離れているような『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ 解体』だったのですが、「価値観の押し付け」や「からっぽの作品から何を読み解くのか、または曲解してしまうのか」という点は「アート」と「映画」で共通しているのかもしれないなぁ・・・と、ふと思いました。
バンクシーのアートがまとめられたサイトをみた事があります。
後付けの説明も、権威による解説も、作家本人による注釈も何もありませんでしたが、目にするだけで胸がグっとつまってしまうような、とても力強い作品でした。
映画に対しても、まずは目に飛び込んでくる映像を、音を、全身で受け止めて味わいたい。
だって、「なんかわからないけど、とにかくグっとくるんだよ!」 でも充分たのしいじゃないですか。 
「権威が褒めたからいい映画」ではないじゃないですか。 ねぇ!

ということで、無理やり最初の「シネフィル論」に繋げて今回の感想は終了ということ・・に・・・



■ ~緊急提案、サムライクンフーは今、何をすべきなのか?~ 山田洋次地獄旅
(マトモ亭スロウストンさん)

終わってなかった!

『Bootleg Basic』の最後を飾るのは、いつものマトモ亭さんによる「緊急提案」。
ブイブイ言わせている方の克典です。 安心の高密度です。
もうね、何を隠そうアガサは毎回『Bootleg』を買うとマトモ亭さんによる締めのコラムから読み始めるんですけどね、今回も最高でした!
文章を読んでこんなにお腹がよじれるほど笑ったのはいつぶりだろうか・・・と思うほど、抱腹絶倒の衝撃コラム!

もしも山田洋次監督が読んだら、『セブン』のラストのブラピみたいな顔になってしまうのではないでしょうか。
今度山田監督に会う予定の人は是非渡してみてください。



魅力的な執筆陣による、新しい映画の楽しみ方に関する提案がぎっしり詰まった、とてもおもしろい本でした!
次回、vol.5もたのしみにしたいと思います!

ちなみにですが、そんな『Bootleg Basic』は輸入DVD専門店ビデオマーケットさんにて5月26日(土)より発売開始予定!通販もあるそうですので地方のぼくらも安心ですよ!あくまでちなみにですけどね!



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『貞子3D』

2012年05月15日
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あらすじ・・・

さだこゎ這ぃ寄った…… 動画ぉ見たみんながまってる……

でも……拡散されちゃってて… ミラー動画まで……多ぃょ…

もぅつかれちゃった… でも…… 見たら呪われるって… みんなの期待…… ぁきらめるのょくなぃって……

そもそも… ホントゎ成仏してた……ケド… 「復活しないとダメだょ」って… ぃわれて……

さだこゎ……がんばった…… 井戸… 結構深ぃケド……

でも……ネイル…われて……イタイょ…… ぁ…… クラウド対応してるんだった……

……テレビもブラウン管じゃなくなったし… 液晶モニター… スマホとか超狭ぃ……

でも……さだこゎみんなのトコロに……これからも……ズッ…ズッ……って…… ズッ友だょ……!!



ということで、擬音的な意味での「ズッ友」こと山村貞子さんが全国のネットユーザーの元にズズっと駆けつける話題作『貞子3D』を鑑賞してきましたよ。
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(悠々這い出せていたブラウン管時代)

12年ぶりに復活を果たしたシリーズ最新作。
過去に一時代を築いた「リング」というタイトルを捨て、「貞子3D」という身も蓋もない題名になっている事からもわかるように、今回の目玉はとにかく「飛び出せ貞子」。その一点勝負だった訳ですが、いやぁ、実に気持ちのいい勝負でしたねぇ!
「飛び出す以外の事なんて、もうこの際どうでもいいんだよ!」
という、正しいのか間違いなのかはさておいた、非常にまっすぐな想いのもと撮影されたであろうびっくらかしシーンの連続に、忍び寄る眠気も吹き飛びました。
パソコンのモニターやスマホの画面や街頭の大型ビジョンから、貞子がちょいちょい飛び出すの飛び出さないのって奥さん。
「貞子=テレビの画面から出てくるひと」という固定イメージを文字通りの意味で再現する為だけに、成仏したはずの貞子を復活させてしまうというスタッフの無邪気さ。 キライじゃない。オレはキライじゃないよ!
『リング』『呪怨』に代表されるようなじっとりとしたホラーから大きく方向転換し、細かいことにこだわらずひたすらギミック重視で突き進んだ本作。 まるで遊園地のお化け屋敷に迷い込んだような感覚を味わえるのではないでしょうか。

砕け散るガラス、一斉に羽ばたく無数の蛾、ゆっくりと落下する黒髪の美少女などがデジタル感剥き出しのテカテカとしたビジュアルで描かれている為、テレビの画面で観てしまうとかなり不自然さが際立ってしまうのではないかと思うのですが、それもこれもすべて、大きなスクリーンで飛び出し効果を堪能して貰いたい・・・という作り手の情熱が込められているからこそのモノ。
もしも「そのうち観るかもな・・」と思っていらっしゃる方は、そのうちではなく是非劇場でご覧頂けたらと願うばかりです。
そうでないと、壮絶ガッカリするかもよ! そうでなくてもスーパーガッカリする内容なのに!


( 以 下 ネ タ バ レ で す )

・ 先に述べたように、飛び出し効果に関してはおなかいっぱいになれるのものの、ストーリーの方はというと「どうしてこうなった!」というハチャメチャな展開のオンパレードでしたよ。

・ ネット上でアーティスティックな活動をし、そこそこ人気を博していた雰囲気イケメン・柏田清司。 彼は他のアーティストを名指して批判した事から自分自身が壮絶にdisられ、大炎上の末ニコニコ動画の生放送中に自殺してしまいます。

・ すると、生放送を観ていた5人の視聴者が突然自殺。

・ 5人も・・・ というか5人しか見てなかったのか。

・ 元人気アーティスト&炎上物件の割には、スッカスカに過疎ってんのな!

・ それはさておき、実は柏田の自殺中継はただの当てつけではなく、壮大な計画の一端だったのです。 その計画とは、昔「呪いのビデオ」で一世を風靡した伝説の磯っ子・貞子を復活させる事。

・ 長くなりそうなのでかいつまんで説明すると、要は
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「オレをdisりやがって・・・世の中ぜんいん酷い目に遭え!」「おい!貞子!女の子の体を提供してやるから、それ使って復活してあいつらに仕返ししろ!」「結構な数提供してんのに、なんでいつまでたっても復活しねえんだよ!ああん?!」「女の子さらってくるのも疲れんだよ!ネットに釣り動画ばら撒いてやるから自分で探せよ!」「さくさく逆アクセスしろよコノヤロウ!」「人違いでした だぁ?!自分でなんとかしろよ!」「見つけたんならさっさと憑依するなりなんなりして復活しろよ!」「・・って乱暴に言ってごめんね・・それもこれも全て、オレがマジ貞子の事信頼してるからなんだよ・・・」 
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「ううん・・あたしこそごめんね・・・もっとがんばるから・・」
みたいなお話だった訳です!

 お も て た ん と ち ゃ う !!

・ イケメンにいいように利用されて、なんかもう完全にだめんず臭いんスけど! おい貞子!目を覚ますんだ貞子!

・ で、ハイパー磯っ子パワー全開の貞子を受け止める事ができるのは、これまた強力なサイキックでなければならないわけで。

・ 呪いだのなんだのと言いつつ、けっきょく超能力バトルになってしまう点は過去4作と共通しているので、特段違和感はないです。 

・ とはいえ、子どもの頃から「制御不可能な超能力」に振り回されてきたはずの石原さとみが、いざクリーチャー化した怨霊と闘うとなると、サイキックパワーを使う事なくただ単にワーキャー泣き叫ぶだけのゆるふわ女子に成り下がってしまい、とてもじゃなくけど超能力バトルって雰囲気でもないので、やっぱり違和感ありまくりです。 

・ 過去のテンションからかけ離れている為、てっきり「今までのアレは無かった事にする戦法」なのかと思っていたのですが、途中で登場した石原さとみの恋人の名前を聞いてビックリ。 なんと恋人は「安藤孝則」だったのです!

・ 説明しよう!「安藤孝則」とは、『らせん』で貞子の現世転生に一役買った医者・安藤満男(佐藤浩市)が、事故死した我が子を蘇らせるため貞子の子宮を借りて作ったクローン人間なのである!

・ 今までのアレ(「リング」シリーズ)と全部繋がってたー!

・ ていうか「安藤孝則」でわかるか?フツー? どんだけ「リング知識」求められるんだよ!

・ アガサはたまたま「リング」シリーズを観直したばかりだったので、「ん・・・?安藤・・?」と思ったものの、この情報だけで『らせん』のアレとつなげるってハードル高すぎじゃね?  と思っていたら、今回の映画化に原作者の鈴木光司さんががっつり協力していると知ってこれまたビックリ。

・ どうやら鈴木さんは「貞子復活」の打診を快諾し、自らも、映画の公開と合わせて本作の原案となる小説『S(エス)』を発表された模様。 こちらは映画のストーリーとは違った形となっており、『らせん』と『ループ』の間に位置する物語となっているとの事です。

・ てことは、なんだかんだあっても結局最後は「コンピューター上に作られた仮想現実での話だからね!(←いちおう反転)」で終わるということなんですね! 確かに本編でも謎めいた女性が「この世はすべて作り物なんですよ・・」って言ってたし! ま、とどのつまりは何でもアリってことだな!オッケー!

・ 貞子によって再生された安藤孝則がそうとは知らず自らの生みの親と対峙してしまう、という設定はなかなかおもしろいと思うのですが、脚本の中でそれが活かされていたかというと、これが実に微妙でして。 というか、何もかも微妙なんですよね。 サイキックさとみの実力も、クローン人間・安藤孝則と貞子の関係も、動画を観て死んでゆく人の「死亡タイミング」も、そもそも貞子が何をしたかったのかも。 つじつまも統一感も何もないのですよ。  過去の「リング」シリーズにもつっこみドコロは山ほどありましたので、重箱をつつくような事は野暮かなぁ・・と思うのですが、それにしても今回のはちょっとハチャメチャすぎましたねぇ。 おらなんだかガッカリしたぞ!

・ まあね、まあね、ホラーではなくアトラクション感覚で観れる映画として作りたかったのでしょうから、その目的は大いに達成できていたと思いますよ。 恐怖に打ち震える事はなく、ビックリドッキリしながらたのしく鑑賞できましたし。

・ プロ野球の始球式に貞子を登場させたり、巨大なハリボテの貞子を乗せた車で都内を走行したり、渋谷のスクランブル交差点を大量の貞子に練り歩かせたりという、意表をついた宣伝を行う事で「貞子はこわくない!むしろワロス!」と、これまでのおっかなかったイメージを一新させ、今まで『リング』シリーズを観た事のなかった「非ホラー層」のお客様までもを取り込む事に成功したコトもすばらしいと思います。

・ 要は、自分が映画に何を求めて行くか、に尽きるのですよね。 「ストーリーや情感が肝心!」という方にはまったくもっておすすめ出来ないペラい作品ですし、「3Dメガネで臨場感あふれる貞子を味わいたい!」という方には大満足の逸品です。 ちなみにアガサは「貞子をスクリーンで観れるチャンスを無駄にしたくない!」というスキモノですので、ガッカリな気持ちなんてものともせず普通にたのしみましたよ! ごめんなみんな・・・!オレは参考にならないブログNo.1を目指す!

・ 大型ビジョンから貞子の髪ファッサー! とか、クケケケケ・・って鳴きながらM字開脚でピョンピョン跳ねてくるカマドウマ状態の貞子! とか、純粋におもしろかったですし。 あいつらアレなのな!井戸に落とされた時はスカート履いてたハズのなのに、M字でもパンツ丸見えにならないようズボン仕様に変わってんのな!(←後ろからのシーンの時凝視した) どんな配慮やねん!

・ 橋本愛ちゃんが可愛すぎて悶えた。

・ 人間の好奇心を巧みに利用し、常にその時代に合った宣伝方法と媒体を選ぶスゴ腕メディアクリエーター・貞子が次に打つ手は何なのか。 今後も適度に注視してゆきたいと思います。



関連記事
『リング』(シリーズ1作目)・感想
『らせん』(シリーズ2作目)・感想
『リング2』(シリーズ3作目)・感想
『リング0 バースデイ』(シリーズ4作目)・感想



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『リング0 バースデイ』

2012年05月11日
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あらすじ・・・
・ 昭和40年代の伊豆大島。 とある小学校を訪れた記者・田中好子は、一人の女性教師から彼女が10数年前に受け持っていた生徒についての奇っ怪な逸話を聞く。 生徒の名前は山村貞子。 「伊豆大島に志津子あり」と謳われた伝説の超能力者・山村志津子の一人娘にして、のちに「呪いのビデオ」を生産し現代人を恐怖のるつぼに叩き込む事になる、最強のサイキック・貞子です。
・ 実は、ランちゃんミキちゃんで言うところのスーちゃんこと田中好子は、愛する婚約者が「山村志津子の千里眼を検証する会」の最中不審な死を遂げて以来、その原因は貞子にあるに違いない、と断定して独自の調査を進めていたのです。
・ その頃、渦中のひと貞子はというと、東京の小劇団で研修生をしていました。

・ 舞台稽古中の看板女優をじっとりと見つめる貞子。
・ よりにもよって、舞台のど真ん中に腰を据え、看板女優の演技を凝視する貞子。
・ やりづれー。
・ 稽古後、貞子の粘着っぷりを愚痴っていた看板女優は、他の団員と話をしているうちに奇妙な事に気付いてしまいます。 どうやらほとんどの劇団員が、貞子が入団して以来「ふちの欠けた井戸が出てくるおっかない夢」を見ているらしいのです。
・ 「アイツなんかおかしいんじゃね・・・」と危機感を募らせる看板女優。
・ しかし、そんな彼女は公演初日を控えたある日突然死してしまうのでした。
・ 演出家の一存により、代役として大抜擢される貞子。
・ 劇団に吹き荒れる、ねたみそねみひがみの嵐・・!
・ そんな中、ただ一人貞子に好意的な態度をみせる、音響担当の田辺誠一。
・ 親切な田辺誠一に対し、「わたし・・なぜだか時々記憶がなくなっちゃうんです・・・」と胸襟を開いているうちに、なぜか朝チュンしていた貞子。
・ ホントになぜなんだか全くわからない。(そこまでの流れが)
・ すっかり彼氏気分の田辺誠一。
・ おもしろくないのは、そんな田辺誠一と友達以上恋人未満な関係だった劇団員・麻生久美子。 いやまあ確かに彼氏ではなかったけども。 ほら、微妙なニュアンスみたいなものがあるじゃないですか。 「これはイケるな!」みたいなのがさぁ・・・。

・ 色々な思惑が蠢くなか、貞子の居場所を嗅ぎつけたスーちゃんが、新作公演の取材という名目で劇団を直撃。
・ 「主演女優」を激撮すべくカメラを向けると、貞子の気功砲を喰らい粉々に砕け落ちるフラッシュ。
・ 持ち帰ったフィルムを現像してみると、貞子の背後にガッツリ写り込んだ髪の長い少女の白い影。
・ 劇団員の写真を見てみると、なんかもう知らない間に全員呪われちゃってます。
・ おおざっぱな展開だな!
・ そんな中、スーちゃんの元を訪れる伊豆大島の小学校教師。 
・ 教師いわく、「実はこないだは内緒にしてたんスけど、むかし彼女のおうちを家庭訪問した時、髪の長い白い服の少女が天井を這い回り、冒涜的な角度でこちらを覗いていたのを見ちゃったんスよね」
・ ははーん、貞子は2人いるんだな・・・ と察するスーちゃん。
・ 察しがいい人ばっかり出てくるので、実にサクサクと物語が進みます。

・ その頃、公演初日を控えたステージ上では、貞子にベタ惚れ状態の演出家が貞子の出自をネタに自分とネンゴロになる事を強要して、こっぴどくフラれていました。
・ しつこく食い下がる演出家に突如殴りかかる田辺誠一。
・ どこに居たんだよ田辺誠一。
・ 揉み合いの末に演出家を殺してしまう田辺誠一。 自らも傷を負ったので、とりあえず貞子のかかりつけの病院へ。
・ 自首を考えていた誠一の目に、貞子が手かざし療法で入院患者の病を治している光景が飛び込んでくる。 「これはひょっとしたら・・ 自首しなくて済むかもしれん・・・!」 とばかりに、ステージに戻ることを提案する田辺誠一。
 
・ そしていよいよ迎えた本番の朝。 ステージに戻った貞子と田辺誠一は、袖に放置していた演出家の死体を大道具の陰に隠し、舞台の成功を祈る。
・ え、そんだけ?!(蘇らせるとかじゃないのな)
・ スーちゃんはというと、麻生久美子を懐柔し、貞子の出演場面に合わせて「山村志津子の千里眼を検証する会」の録音テープを流す作戦を決行。
・ お芝居の真っ最中にヘンな音声が流れ始め、騒然となる会場。
・ 音声に反応するように現れた志津子の亡霊を見て青ざめる貞子。
・ 雑に隠してあった演出家の死体を見つけてしまい青ざめる団員。
・ 全ての責任を押し付けられ、暴徒と化した団員から暴力的制裁を加えられた貞子は帰らぬ人となってしまう。
・ もう一人の貞子を殺さない限り劇団員にかかった呪いは解けない、と吹聴するスーちゃんに丸め込まれた団員たちは、ラブワゴンに乗り込み、伊豆にある伊熊博士の別荘に向かう。 そこで伊熊博士の口から語られた、途方もない事実。 「実は貞子は2人いるのじゃよ・・!」
・ うん・・・ それもう知ってる!
・ 一方、なんとなく一行について来たものの、貞子の死を受け入れられず涙に暮れるばかりだった田辺誠一は、ただのしかばね状態だった貞子の体が再び脈を打ち始めるのを目の当たりにする。
・ 果たして貞子と田辺誠一の愛は成就するのでしょうか・・? そして、もう一人の貞子の正体とは・・? 



1991年に小説が発行されて以来、ドラマや映画など様々な媒体に形を変え、沢山の人々を恐怖のるつぼに叩き込んできた『リング』シリーズ。
井戸と言えば貞子、黒髪白ワンピと言えば貞子、クルーと言えばきっと来るのが貞子、と、広く認知される事となった元祖スクリーム・クイーン(※ただし叫ばせる方)の知られざる過去に肉薄した本作は、原作者・鈴木光司さんによる短編小説「レモンハート」をベースにちょい足しを重ねた結果、原形を留めない衝撃の1本となっておりました。
何が衝撃って、ストーリーもさることながら、何より貞子に扮している仲間由紀恵の棒っぷりがね、観る者にちょっとした呪いをかけるレベルなんですよ!「おまえはだんだん眠くなーる・・・!」という呪いをね!

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(気 功 砲 !)

ドラマや映画での端役を経て、本作のオーディションを射止めた事から一気にブレイクへの道をひた走ることになった(らしい)仲間由紀恵さん。
まだまだ女優としては駆け出しの状態だった(今が成熟しているのかどうかはわかりませんが)仲間さんでも安心して演じて頂けるように、今回の貞子は「普通バージョンと邪悪バージョン」の2種類が存在していた、という衝撃設定を採用。
伝説の超能力者・山村志津子が「海からきたばけもの」との間に産み落とした天然モノの磯っ子・貞子。
彼女は、産まれた当初こそひとりの人間だったものの、途中の段階で「普通」と「邪悪」のふたつに分離してしまう。
「普通の」方の貞子は、強い霊能力を持ちながらもすくすくと成長し、一方「邪悪」な方の貞子は薬によって成長をとめられ、育ての親である伊熊博士の別荘内に監禁された。
「邪悪」な貞子は監禁状態をものともせず、折に触れては「普通」の貞子の身の回りに災いをもたらし、「普通」の貞子は不幸の連続だった過去から生まれ変わるため女優への道を目指すように・・・。
仲間さんは当然のごとく、この「純真無垢な普通バージョン」担当で、彼女が本来もつ清楚な雰囲気を壊すことなく、トレードマークの黒髪を活かした「今までにない貞子像」を作り上げた・・・はずだったのですが、いや、確かに雰囲気も黒髪もばっちりだったのですが、とにかくそれ以外が致命的なんですよね。 それ以外のすべてが。

「邪悪バージョン」がちょっかいを出してくるせいで、常に周りから「ヘンな子」扱いされ、誰からも理解されずひとりぼっちで生きてきた「普通バージョン」の貞子。
ところが、ほとんど変わることのない表情や、一本調子の台詞回しからは、「普通じゃない人生を強いられてきた」貞子の悲しみも絶望も孤独も、何も伝わってこないのですよ。
「悲しみを帯びた瞳」は「辛気臭い表情」にしか見えませんし、「陰のある佇まい」も「ボケーっとしている人」にしか見えない。
彼女にはじめて優しく接してくれた田辺誠一との間に生まれる儚い愛も、「あれ・・・いつのまに・・・」と突拍子もない展開に感じられてしまう始末。
もうね、抑揚のないシーンの連続を前に睡魔との戦いに必死で、正直「グッド貞子」とか「バッド貞子」とか置いてけぼりでしたもんね。
あと、そんな「新人女優」の呪いが蔓延したのか、共演者の麻生久美子とか田辺誠一もどえらい「棒」だったという。 (役者としてのキャリア的には)おそろしい話やで!

「特殊能力」×「無理解」=「血の海」 という『キャリー』っぽい悲劇に、「種族を超えた純愛」をプラスしたかったのかなぁ・・・ という気はするのですが、色々な残念要素が祟って、成功には程遠い出来栄えとなっていたのではないでしょうか。
「貞子が2分割しちゃったよ!」という奇抜な展開もねぇ・・・。 
「薬で成長を止めた」というのならば、「邪悪な貞子」は実体を持つ存在なのだと思うのですが、その割には神出鬼没で霊体っぽさ満開でしたし。
一度は死んだ「普通の貞子」が「邪悪な貞子」と合体する事で復活する、という終盤の展開を見ても、やはりふたりはそれぞれ別の実体ではなく、精神的な意味合いで分離していただけなのかなぁ・・と思うのですが、だったら別荘にあった「結合双生児」のイラストや「監禁用のテレビ部屋」はなんだったのか、という事になってしまうじゃないですか。 ごめんなさいね!細かいトコロが気になる性格で!
  

ということで、今回改めてシリーズを通して鑑賞してみたのですが、ホラー路線から早々に離脱した原作と違う展開を取り入れるたびに、辻褄の合わなさっぷりが際立ったり「要するになにがしたかったのか」がわからなくなったりしていて、ホントもったいないなぁ・・と思いました。
オカルトならオカルトだけを突き詰めて、妙に「不幸な生い立ち云々」で装飾する事無く、どうどうと「得体の知れない邪悪な存在」として描ききった方が、「ホラー映画」としては良かったのではないか、と。
だってほら、正体なんかわからない方がおもしろいじゃんか。
湿っぽいのは出自だけにしておくれよ! 磯っ子なだけに!

明日からいよいよ、実に12年ぶりに製作されたリングシリーズ最新作『貞子3D』が公開となる訳ですが、今までのあれやこれやは潔く全て「なかった事」にし、とことん性悪で粘着でいかにも成仏しなさそうな貞子となっている事を切に願いますね!
取ってつけたような裏設定や因縁話はもういいから、びっくらかしに専念してくれればいいと思うよ!ぼくは!


でででん
(※ 本作中いちばんのショックシーン・・・ぬーん!って物陰から飛び出す貞子)

すみません、
(※ か ん ぜ ん に 一 致 ! ! )






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『リング2』

2012年05月08日
リング

あらすじ・・・
・ 松嶋菜々子と真田広之が発掘した白骨化死体の身元確認に呼ばれてきたザドック山村さんちのおじいちゃん。
・ 刑事いわく、死体が見つかった井戸は30年間明けられた痕跡がなかったものの、中の死体そのものの死亡推定時期はほんの2,3年前だったという。
・ 突然死した真田広之の恋人だった中谷美紀は、彼が死の直前、元妻・松嶋菜々子と共に追っていた「呪いのビデオ」の事がとっても気がかり。
・ 一方、失踪中の松嶋菜々子に代わり「呪いのビデオ」の調査を続けていた同僚・柳ユーレイは、リアルJKの深田恭子からビデオのコピーを入手。
・ 「こわいから絶対見ないつもりだったのに、昨日うっかり見ちゃったの・・ だからおじさんも絶対見てね!自分以外の人に見せないと、呪いが解けないから! 絶対だよ!」 とことさらに念押しする深田恭子。
・ 「もちのろんだよ!」と言いながら引き出しに直行させてしまう柳ユーレイ。クズい!

・ 縁あって、一緒に「呪いのビデオ」の調査をする事になった中谷美紀と柳ユーレイは、初期の犠牲者であるJK・竹内結子の死に立ち会ったという佐藤仁美の元を訪ねる。
・ 彼女は、竹内結子のあまりの死に様に精神のバランスを崩し、事件以来失語症を患ったまま入院生活を続けているのだという。
・ ここでマッドなサイエンティスト・小日向文世登場! コヒさんはこう見えてもオカルト・超常現象どんとこいで、佐藤仁美の体に起こっている不思議な変調についてさまざまな実験にためしてガッテンしているという。
・ すげえ胡散臭い目でコヒさんを見つめる中谷美紀。
・ 1週間放置された生ゴミを見るかのような眼差し。
・ 説明に躍起になるコヒさんの話を遮って退室してしまう中谷美紀。
・ 「このゴミクズが・・・!」とでも言いたげな一瞥をくれる中谷美紀。
・ と て も こ う ふ ん し ま す ね !
・ 部屋から出たトコロ、たまたま看護師さんに連れられた佐藤仁美と遭遇。 テレビを異様に怖がる佐藤仁美に配慮して、衝立を配備した上でのおさんぽだった筈が、いきなり衝立を払いのけ、テレビに歩み寄る佐藤仁美。
・ その時、テレビの画面が激しく乱れ、耳障りなノイズと共に井戸の映像が・・・。
・ 精神病院のみなさーんこーんにーちはー! わたしたち、いま会える終末ヒロイン山村貞子です!よろしくおねがいしまーす!
・ いま会いたいわけではなかったのに。
・ 錯乱状態に陥る佐藤仁美に駆け寄る中谷美紀。 腕をつかんだ瞬間、脳内に「呪いのビデオ」のイメージ映像が雪崩込んでくる。
・ 実は中谷美紀には、生まれつき『デッドゾーン』的なアレがナニしていたのだ。

・ 駅をブラ散歩していると、松嶋菜々子とその息子に遭遇する中谷美紀。
・ 「呪いのビデオ」を見てしまった息子を助ける為、自らの父親にビデオを見せた松嶋菜々子。 その結果父親は死亡。 息子は助かったものの、一連の騒動以来ショックから失語症を患ってしまい、世間から身を隠して生活していたのだという。
・ 佐藤仁美と息子の症状が似ている事に気づく中谷美紀。
・ つまり、貞子の呪いから助かった者は言葉を失い、尚且つなんらかの特殊能力に目覚めてしまうという事なのだろうか。
・ 松嶋菜々子もそのパターンのはずなんスけどね。
・ 柳ユーレイの密告で駆けつけた刑事により、参考人として連行される松嶋菜々子と息子。
・ 「逃げるのよ・・・!」とテレパシーでエールを送る中谷美紀。 それに応えるように念動力で刑事を絞め殺そうとする息子。
・ ちがうちがう、そうじゃない、そうじゃないんだよ。
・ 息子を奪還し、警察署から脱げ出す松嶋菜々子。 しかし、命懸けで守った我が子は既に魔物に取り憑かれている事を悟り、静かに死んでゆく。
・ 重要参考人の死に動揺する警察は、残された少年と中谷美紀が手に手を取って旅行に出かけようとしても完全スルー。  
・ かくして、少年の保護者となった中谷美紀は、彼を連れて貞子の故郷・伊豆大島へ。
・ 浜辺でやさぐれる山村のおじいちゃんから、貞子の出生秘話を聞いた中谷美紀。 そこに実験機材一式を持って現れる、ハードM氏こと小日向文世。
・ 果たしてコヒさんは、半分貞子に乗り移られた少年の魂を救えるのか・・ そして今度こそ貞子を成仏させる事が出来るのでしょうか・・・?




原作では、オカルト→科学サスペンス→SF と形を変えて紡がれていった『リング』シリーズ。
2作目の『らせん』までは同じベクトルで進んで行ったものの、諸事情から見送られた『ループ』に代わり、完全オリジナルで製作されたのが本作『リング2』な訳でして、ホラーなんだか科学なんだかよくわからんけどひたすらジトジトしていた『らせん』を潔く「無かった事」にして突き進む姿勢は好感が持てました。
というか、まぁね、乳繰り合わないのがいいですよね! 中谷美紀が純潔なままなトコロがね!

リングシリーズはすべて観ていたつもりだったのですが、今回この『リング2』を観てみたら、全く覚えのないシーンばかりで、どうやら自分が観ていたのは『ザ・リング2』の方だったのだな・・と言う事に気づいてしまいました。
要するに、初見だったので新鮮な気持ちで楽しめましたヨ。 (中谷美紀も乳繰り合いませんし!)
原点回帰とばかりに、1作目と同じ中田秀夫監督&高橋洋脚本コンビが復活。
全編に漂う磯臭さも、より一層身も蓋もない感じで表現されていてたのしかったですねぇ。
「人や物に触ると、その過去が読み取れてしまう」という中谷美紀のスーパーナチュラルパワーの設定が上手に活かされたドッキリシーンは、ふいに流れるでっかい音量と相まって肝をキュン・・・と冷やしてくれましたし、コヒさんに向ける蔑みの眼差し、少年に見せる慈愛に満ちた微笑み、一条ゆかりの漫画に出てきそうな「クワッ」と目が見開いたビックラ顔など、中谷美紀の様々な表情を堪能する事も出来、その筋の方にはたまらない仕上がりになっているのではないでしょうか。 出来れば踏みつけてほしかった。(ローファーの踵で)

のちのJホラーブームの火付け役となる『呪怨』に影響を与えたと思われるシーンも多く、さすがは『女優霊』の中田監督だなぁ、と感嘆した反面、「貞子の怒りを少年から発させ、それを中谷美紀を介しプールの水に流し込み、なんかビリビリーってやって成仏させる」という意味がわかるようで全くわからない解決方法やそれを実行する為の道具のインチキくささには苦い笑いが浮かんしまいました。
つまりアレか。 数の子を水に浸して塩分抜くようなものか。 貞子は数の子なのか。かずのこ(ピー)んじょうなのか!
(※塩分を抜くときは真水じゃなくて塩水に浸す方がうまくいくよ。これマメな。)

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(俊雄を彷彿とさせる白っぽい少年)(このあとダミアンみたいにおっかなくなります)(ただしリメイク版の方のダミアン)

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(実験の為、はずかしいかっこうをさせられる中谷美紀。 これはこれですばらしい。)

『らせん』でちょこっと科学な要素を取り入れた結果、ホラーとしては中途半端な内容になってしまった(そもそもホラーにするつもりは無かったそうですが)のですが、仕切りなおした今回まで、こんな風に「科学的な方法で呪いを解くよ!」と押し切られてもねぇ・・・。
で、結局貞子の呪いが放射されたプールに落っこちた中谷美紀と少年は、なぜか貞子の想い出のつまった井戸へと転送され、もはやこれまで・・・!となるのですが、そこにタイミングよく現れた真田広之のお蔭でさっくりと助けられるという・・・。
まあね、真田くんも中谷美紀に負けじ劣らずのサイキックですからね。

・・・

うん・・・、だったらもう、最初からヒロユキサナダが貞子とサシで闘えばよかったんじゃ・・・
 ゲフンゲフン



「ビデオを見る」・・・呪われて一週間後に死ぬ
「ビデオを他の人に見せる」・・・呪われないけど貞子に取り憑かれる
「ビデオを見た人の死に目に遭う」・・・声を失って、尚且つ貞子に取り憑かれる
「ビデオを見ていないけどもともと超能力がある」・・・すごい色々巻き込まれて、怨霊退治させられる
と、今まではバラバラだったビデオ被害者の設定は整ったものの、そのどこにも当てはめてもらえずひっそりとトラックに轢かれて逝った松嶋菜々子を思うと、胸が痛みますね。 ていうか、なんで出演依頼を承知しちゃったんだろう。 まだ「承知しました」の人じゃなかったのに。まだ「承知しました」の人じゃなかったのに。(そんなに大事じゃないけど2回言ってみました)

貞子が念写したビデオテープにまつわる『リング』騒動は、真田広之の活躍にてひとまず幕引きとなり、シリーズ最後は、そんな貞子の生い立ちが華麗に描かれた前日譚を残すのみとなりました。

という訳で、次回シリーズ第四作『リング0 バースデイ』感想に続きます。(たぶん)

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(磯臭さを取り戻した貞子。 ケーロケロ、ペータペタ!足っていいな、かけっちゃお!)




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