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『17歳の肖像』

2011年04月25日
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オマエも教育してやろうか!!


あらすじ・・・(※ ネタバレしていますよ)
やあこんにちは、あ、突然声かけちゃってゴメンねw いや、怪しいものじゃないよ、全然怪しくない。って否定したら益々怪しいよねw   いやね、キミが持ってるそのチェロがね、この雨で水浸しになってるのが忍びなくってさぁ・・ ・・あ、そう?乗せてもいい? じゃ、チェロだけね、いや、さすがに見ず知らずの車だし、キミみたいな可愛くて聡明そうな女子高生が乗ってくれるだなんて思って・・・ でもやっぱ雨脚強いからなー・・・  ・・あ、乗る?どうぞどうぞ!
そっかー、キミ、学校でオケに入ってるんだー、いやー、音楽っていいよねー。 ちなみに今はどんな曲を練習してるの? あ、エルガーかエルガーねーエルガーはちょっとさー、いいんだけどさー、曲にバーミンガムなまりを感じるんだよねー。特にあのクレッシェンドの使い方とか・・ あ、トコロでキミって演奏会とか行っちゃってるの?行ったコトないんだー、へー・・ あ、ここが家?あ、そう。 じゃ、まあね、いつか演奏会行けるといいね。うん。

アレ? あ、なんだキミか!こないだのチェロの子ね!いやー奇遇だねー! あ、ちょうどよかった!いや、実はさぁ、今度の週末演奏会行くんだけど、よかったらキミも一緒にどうかなーって思って。 あの、ぼくの友達も一緒だし。グループだし。 あ、行く? じゃあねー、演奏会の後でご飯も一緒に食べに行っちゃうとか、アリ? お父さんに聞かないとわからない?だよねー! そっかそっか、まぁとにかく週末迎えに行こっか。 いやー、ホントまた会えてよかったよ!

演奏会どうだった?よかった?ねえ、よかった? だよねー!いや、ぼくはさぁ、キミみたいな若くて吸収力がいい子をどんどん応援したいんだよね。 知識の層と書いて、知層。あ、なんでもないです。 あー、絵画ねー。絵画もいいよねー。 ちなみにキミは誰の絵が好き? あーバーン・ジョーンズねー! 知ってる知ってる、バンジョのコトね。 ・・ああ、業界ではね、バンジョって呼んでるムキもあるんだよねー・・。 うーん、そうだねー、彼はどっちかというとアレ派のアレだよねー・・  そうそう、ラファエル前派ね!今言おうと思ったんだけどねw へー、他にもロセッティも好きなんだー。いやー、いい趣味してるわー見る眼あるわー。まぁぼくも若い頃ははまってたクチでさーw なんだかキミとぼくって似てるのかもしれないね!

ね! だから言ったでしょ? お父さんなら大丈夫だって! 超ウケるよねー!C・S・ルイスの名前出すだけでお泊り旅行オッケーとかww いや、嘘も方便って言うけどさーw お父さん、すごく素直な人なんだよきっとww いやー、それにしても充実した一日だったよねー。やっぱグループ旅行は健全でいいよね。 ・・あ、ここぼくらの部屋ね。いや、ほら、もちろん女同士の部屋っていうのも考えたんだけど、彼らも二人きりでゆっくりしたかったんじゃないかなーと思ってさー・・。 じゃあ、まぁ、ぼくらも、ゆっくりしてみる?どう? ・・あー、うんうん、わかるよ。 キミの言うコトは全て正しいよ。 ホント、まだ16歳なんだし、純潔っていうものは大切にしないとね・・うん・・クレバーな選択。ぼくも大賛成。  よし、わかった。 エッチはなしね。  エッチはなし。 エッチはなしなんだけど、せっかくのロマンティックな夜だから、ちょっとだけ見せて? え!いいの?!ありがとう!  あー・・・キレイだよ・・ぼくのミニーちゃん・・・  ・・え?「ミニーちゃん」ってほら、・・ミニー・・ミ、ミニーマウスってことだよ?  じゃ、じゃあさ、ぼくのコトは「バブラブ」って呼んでくれる? ちがうちがう!デイヴィッドじゃなくて!「バブラブ」で! ・・WOO・・イイヨー・・

いやー、いよいよ明日はパリ旅行だねー。 今回もお父さん、すんなり説得できてよかったねーw ぼく、そんなに信用あるのかなーw  ああ、どう?この部屋?今回はちょっと奮発してスイートルームを取ってみました! なにせほら、キミも無事、17歳になったことだし・・ もう、大人の仲間入りだよね・・ ・・だから・・ほら・・わかるでしょ・・? ・・大丈夫、痛くしないから・・ 怖くないよ・・ え?緊張する? ・・あ、いい事考えた! 試しにコレちょっと入れてみるってのはどう? このバナナを。    いやいやいやちがうちがう!そういうんじゃなくて! ほら、形も堅さも同じくらいだから・・いや、ぼくのがもうちょっと太くて長いけd・・いやいやいやゴメン!うそうそ! 冗談だってば! 入れないってばー!果物で処女消失なんてシャレになんなんじゃーん!わかってるってー! そうだね、やっぱ明日にとっとこうね、大切な初夜だもんね、パリに行くまでとっとこう。 フウ・・。

ぼくら付き合いだして、もう何ヶ月経ったっけ・・? まだ1年も過ぎていないんだね・・ でも、ぼくらはもうお互いの存在なしでは生きてゆけない・・。 ぼくはキミの知性や、キミの美しさや、キミの何もかもをぼくだけのモノにしたいんだ・・ ねぇ・・いいだろ・・? ぼくと結婚してくれないか・・?  いいの?! あ、うそ!やったー!  ・・あ、でも、学校は・・ あ、やめるの?ていうかもうやめてきたの? ああ・・そう・・じゃ、受験するって言ってたオックスフォード大学は・・ あ、もうどうでもいいの? ふ、ふーん・・ いや、うれしいよ!ありがとう!キミの決意は無駄にしないよ! それじゃあ、お父さんやお母さんも賛成してくれてる事だし、みんなでお祝いのディナーにでも行きますか! レッツドライブ! 

・・え?何?ダ、ダッシュボード開けちゃったの? ・・あ・・そんで見ちゃったの・・ いやー・・マジでか・・・ うーん、ちがうんだけどさー、ちがうんだけど、全然そういうんじゃないんだけど、まぁ、確かに法的に妻がいるかいないかって聞かれれば、いるような状態と思われる可能性も無きにしも非ずなんだけど・・  ごめんごめんごめん怒らないですみませんごめんなさい・・ ・・はい・・ ・・そうですね・・ いや!妻には・・!  ・・ああ・・ご両親に説明ね・・ うん・・もちろんまた日を改めてきちんと・・ えっ・・今? いやー・・それはどうだろうか・・ あ、はい、ごめんなさい・・ ごめんなさい・・  あ、お腹痛い・・イタタタタ・・・ ごめんね・・今日のトコロはお腹が痛いので・・ほんと・・ほんとごめん・・サ ヨ ナ ラ ・・・

彼女との辛い別れから早数ヶ月。
一時期はぼくを探して、ぼくの友人の家に押しかけたりしていたらしい彼女ですが、今では学校にも復学し、オックスフォードの受験にも無事合格したと、風の便りに聞きました・・。
なぜこんな事になってしまったのか・・ 今でも悔やまれてなりません。 
ただ、ぼくは真剣に彼女のことを愛していたし、今でも大切に思っています。それは、嘘偽りの無い気持ちです。
ぼくはこれからもずっと、彼女との美しい思い出を忘れない。 
彼女にもどうか、幸せな人生が訪れますように・・・。



『17歳の肖像』は、男たちの夢とロマンの結晶なのか?

観終わった瞬間、この映画は「男性目線で見た理想の恋の終わり方」なんじゃないかと思ったのですよね。
というか、「理想の捨て方」であると。
なにせ、自分が熱烈に恋をして、恋された女の子が、
①大切なモノを捧げてくれて、
②思う存分愛を語り合って、
③ずぶずぶになるまで恋愛に浸って、
④でもって、都合が悪くなったら華麗に逃げて、
⑤その後も特に女の子から直接被害を被る訳でもなく、割りと潔く身を引いてくれて、
⑥で、その女の子も無事立ち直って新たな人生を歩んでくれますからねぇ。 
恋愛というのは、このように後腐れなく終わるパターンも無くはないのですが、多くの場合泥沼化するものなのではないかと思いまして。(片方が想いを残している場合はなおさら)
ストーカー化したり、訴訟沙汰になったり、罵詈雑言の地獄絵図になるコトも、決して珍しくはない。

本作のゲス男・デイヴィッドは、既婚者である事がバレた途端、そそくさを修羅場から立ち去り、関係者の家も避け、直接対決に至らないよう上手に逃げ回ります。 
しかし、それに対し、まんまとダマされていた女子高生・ジェニーは、一度だけ勢い余ってデイヴィッドの家を覗きに行くものの、その後は粘着するコトもなく、「してやられた」という現実を冷静に受け止めて、早々に人生を再スタートします。
現実だったらこうは行かないですからね! 
「会社にバラすからね!」とか「あかちゃん・・できたみたい・・」とか「ご主人は私の方がすきだと言ってました!だから別れてください!」とか「とにかくわたしは彼のそばから離れませんから!」とか言っちゃって家に上がり込んじゃって仕舞いには奇妙な同居生活まで始まっちゃって、ホント針のむしろ生活到来ですよご主人。どうしますかご主人。

と言う訳で、てっきり「男の人が夢想した後腐れないラブ・アフェア」なんだと思って観ていたのでした。
そしたらなんと、本作は実在する女性ジャーナリストの自叙伝を映画化したものだ、というではないですか! 衝撃の展開!

で、それを知った上で改めて考えてみると、確かにこのJKの落ち着きようは、女性によく見られる特性なのかもなぁ・・と思ったのですよね。

「初めての経験」は神聖なもの。 
若い頃はみなそんな風に思いがちなものですが、では実際に「初めての経験」が「キレイなままの大切な思い出」という人がどれくらい存在するのか。
これはあくまでアガサが知っている範囲の話ですが、結構「今思えば、なんであんな男と・・・ギリギリ(←歯を噛み締める音)」という人の方が多いものなのではないか、と。 
もちろん、実際にそれを経験した頃というのは、脳みそが若干ユルくなっている年頃ですので「あたい・・この人なら・・」っつってボワワーンっつって色んなモノが麻痺していただけで、別にイヤイヤという訳ではないのですが。
「何某かの熱病に冒されていたかのようになんとなく喪失した」という女の人って、男の人が思っているよりもずっと多いと思います。
そして、それを「私は穢されてしまった」と思う人よりも「今思えば不本意だけど、ま、しょうがないか。過去は過去だよ」と思える人の方が多いような気がするのですよね。 本作のジェニーのように。

女の人というのは生まれつき、自分が経験した「あまりたのしくない経験」を無かったことにして立ち直る、強靭な精神力を兼ね備えているのですよきっと。
体の構造上の問題とか、性別が持つ役割上の問題とか、そういう太古から脈々と受け継がれているモノに潰されない為に、遺伝子レベルで組み込まれているのではないでしょうか。
いや、全員がそうだとは言いませんよ。中には心を破壊されてしまう女の人もいるでしょう。
ただ、やはり女の人は強い。 逞しい。 儚いけれど、何度でも立ち上がる力を持っている。
女性ばんざい。 ジェニーばんざい。 あと、デイヴィッドはハゲろ。

原題の『An Education』が示すように、人生にとって非常に貴重な指導を受けたジェニー。
その教えを無駄にするか活かすかは、全て自分次第なのだというコトをしっかり教えてくれたラストは、観る人にとっても、有り難い教示になったのではないでしょうか。

それから、教育といえば本作に登場するジェニーの担任・スタッブズ女史。
ケンブリッジを卒業し、将来有望な少女たちを指導する道を選んだスタッブズ先生のことを、艶やかな恋に浮かれるジェニーは「オールドミス」と見下し、「何の面白味も無い無意味な人生」と貶します。
そして大方の予想通り、ボロ雑巾の如く捨てられたのち、学生生活に復帰することを望んだ時、躊躇いつつスタッブズ先生の家の門を叩くのですが、そこで先生の家が自分の理想そのままである事を知り、衝撃を受けます。
知性に溢れ、品がよく、シンプルで心地よい部屋。
軽蔑していた自分の愚かさに気付き、心から助けを請うジェニーに、スタッブズ先生は一言「その言葉を待っていたのよ」とつぶやきます。
教育というものは、教師ひとりでは出来ないのだ、と。
教える側と教わる側の双方が本気になって、初めて成果が生まれるのだ、と。
改めて思い知らされる、とても美しいシーンでした。

本作には他にも素晴らしいシーンがあります。
中年に捨てられて落ち込むジェニーの部屋を訪ねた父親が、悪党と見抜けなかった自分を責め陳謝している時、ジェニーはドア越しに聞こえる父親の弱弱しい声に嗚咽してしまうのですよね。
確かにこの父親は、学歴コンプレックスやら虚栄心やらの塊で、口八丁手八丁のデイヴィッドにコロリと懐柔されてしまうのですが、娘に対してはいつも自信満々で、弱気なトコロを見せたことなどありませんでした。 それは、父親としての威厳であり、プライドだったと思うのです。バカなプライドですけどね。
そんな父が、娘を前に、素直に非を認め謝罪する。 自分の狭小さを自嘲気味に話す。
ジェニーは、それを聞いた時、自分の愚かさが父親の最後の砦をぶち壊してしまった事を知り、そして思い切り泣くのです。
すれ違ってばかりだった父と娘が、ようやく心を通わせるこのシーンは、とても素晴らしかったと思います。
代償は少なくなかったけど、オールオッケーでよかったよ!


それにしても、デイヴォッドのアレやコレといった手口ときたら、どれも「中身の薄っぺらさ」が透けて見えるようなありきたりなやり方ばっかりで、いくらJKとは言え、ジェニーおまえマジでもうちょっとしっかりしろよ!と喝を飛ばしたくなってしょうがありませんでした。
「知性溢れる大人の魅力」っつっても、よく見てたらデイヴィッド全然大した知識披露してないからね!
エルガーうんぬんの事くらいで、あとの絵画の薀蓄とか色々なのは、デイヴィッドの友達のダニーだから殆ど! デイヴィッドはさも「オレ知ってるよ」的なしたり顔で頷いてるだけ!
実は違法スレスレ(というかアウトのもある)な商売を生業にしている、という点も、早い段階で明らかになるのに華麗にスルーするジェニー。 おい!それは「大人の知的な魅力」って言わないだろ!落ち着いてよく考えろ!
しかし、そんなこんなも「ミニーちゃんプレイ」と「バナナプレイ」に比べればかわいいものですけどね! 処女相手にバナナプレイっておまえどんだけヘンタイやねん!!! 
あと、処女じゃなくても、付き合い始めて初めてのナニでバナナ持ち出してきたらしばき倒しますからね!ぼくは!


少なくともジェニーは、「ベッドに入った途端へんなあだ名を強要する」男や「料理をしないのにきゅうりやナスやバナナを常備している」男は要注意だというコトは、しっかと肝に銘じたことでしょうから、ホントいい人生勉強になったと思いますよ! 
全国のみんなも気をつけようね!

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『エルム街の悪夢 (2010年版)』

2011年04月22日
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はいはい、誰得誰得。

あらすじ・・・
真夜中のダイナーで、突然自らの喉を切り裂いたディーン。
「これは現実じゃない・・!これは現実なんかじゃないんだ・・!」と叫びながら絶命した恋人を前に、悲痛な叫びをあげるしかなかったクリス。
しかし、彼女もまた、ディーンのお葬式の日を境に、奇怪な現象に苦しめられることとなる。
夜毎おとずれる悪夢。 夢の中で彼女に襲い掛かる謎の男。
以前クリスとつきあっていたジェシーは、日に日に衰弱して行く彼女を守ろうとするのだが、夢に落ちたクリスは突如空中を飛び回った挙句腹部を引き裂かれて死亡。
その一部始終を見ていた為、容疑者として警察に連行されるジェシー。
その直前、「自分たちの身に何か異様な事態が起こっている事」、「一連の事件の犯人は、夢の中にいるという事」を友人のナンシーに伝えるのだが、その後勾留されていた留置所内で睡眠中、体から血を噴き出して死亡してしまう。

立て続けに友人を3人亡くしたナンシーだったが、実は彼女もまた、コトが起こる以前から、夢の中に出てくる謎の男の存在に悩まされていた。
その男は、赤と緑のストライプのセーターを着ており、焼け爛れた顔と目深に被った帽子、それに鉤爪をつけた手がなんとも不気味な中年男性。
次に狙われるのは自分かもしれない・・。
そんな不安に襲われたナンシーは、自分に想いを寄せてくれているクラスメイト・クエンティンに声をかけるが、何を隠そう、クエンティンもまた恐ろしい夢に苦しめられていたのだった。
5人を結ぶ点と線とは一体・・・?
そして、鉤爪の男の真の目的とは・・・?


えーとナニナニ、リメイク版『エルム街』のメガフォンを執ったのはPV畑出身でこれが長編初挑戦のサミュエル・ベイヤー、企画を仕掛けたのはマイコー・ベイ率いるプラチナム・デューンズ、と・・・・ 

・・・・

・・バ ー カ ! お ま え ら バ ー カ ! !



『テキサス・チェーンソー』の成功に気をよくし、『13日の金曜日』の失敗は気に留めなかったマイコー・米が、次に目をつけたのは『エルム街の悪夢』。
きっと知らない人など居ないと思いますがいちおう説明しておきますと、『エルム街の悪夢』とは80年代から90年代に作られていた大人気ホラー映画で、シリーズ7作と番外編1作の計8作品がリリースされております。
(参考までに・・・1作目の感想 2作目以降はこちらからどうぞ)

で、せっかくリメイクするんだから、と思ったのか、さすがにリメイクするからには、と思ったのかは神のみぞ知るですが、ともかく気合を入れて改変しちゃったんですよね。 真の主人公たるKING・オブ・変態ことフレッド・クルーガーの顔を。

エルム  まおう
(※ 新・フレディと例のあの人。 だいたい一致。)

なんなんすか!このヴォルデモートの出来損ないみたいなフレディは! 
フレッド・クルーガー(オリジナル第1作目での名前はフレッドです。 フレディと呼ばれるようになるのは2作目以降。ちなみに本作ではフレディ・クルーガー。)の魅力と言えば、顔の中心部に大きく位置する鉤鼻と、狡猾そうな瞳、ウィットに富んだヘンタイトークと根拠のない自信、そして類稀なるユーモアのセンスなんですよ。
それをどうしたら、こんな陰湿そうな小男になっちゃうのか。 説明できるもんならしてみろこんちくしょう!

まあね、まあね、でもまぁ百歩譲ってみようじゃないか。
確かにオリジナルと全く同じものを作るのでは意味がない。 みんな忘れてるかもしれないけどアガサは一生忘れない、あのガス・バン・サント版『サイコ』の悲劇だけは繰り返してはならない。
今の時代だからこそ、邪悪なキャラクターの内面も深く描き込んで行こうではないか。
ただの「アイコン」としてではなく、なぜ彼が邪悪な世界に身を落としてしまったのかを解き明かすことにより、この物語をより一層恐ろしく哀しいものにして行こうではないか。

と言う訳で、新生フレディさんは顔が雑魚キャラっぽくなっただけではなく、その経歴も大胆に改変。
その昔、フレディさんはスプリングフィールド(エルム・ストリートがある街の名前)の幼稚園に庭師として勤めておりました。
ナンシーたちが在籍していたその幼稚園で、子どもたちに惜しみない愛情を注ぎ、慕われもしていたように見えたフレディさんでしたが、親たちは徐々に我が子の異変に気付き始めます。
堅く口を閉ざしていた子どもたちでしたが、ある日ついに自分たちが受けていた恐ろしい現実を告白する。
その現実とは、優しく親切な庭師のフレディおじさんが、自分たちをひみつのどうくつに連れ込み「とてもイヤなこと」をしていた、という事。
怒り狂った親たちは、コトを事件化して可愛い我が子につらい思いをさせる事よりも、自らの手で終わらせてしまおうと決意し、フレディを廃工場へと追い込みます。
そして、「自分は無実だ!」と訴えるフレディの声に耳を貸さず、工場に火を放ったのでした。

フレディは本当に、罪を犯していたのか?
自分たちは本当に、フレディに「イヤなこと」をされていたのか?
過去のことがどうしても思い出せないナンシーとクエンティンは、証拠もなくフレディを焼き殺した親たちに激しく詰め寄ります。
そうか、そういうことだったのか。
フレディが自分たちを襲うのは、「真実を話さなかった」事に対する報復だったのか・・・。
「理不尽な私刑」に対する、抗議の声だったのか・・・ なるほど・・そりゃいかん・・そりゃいかんわなぁ・・


・・・・と思っていたんだけど、フレディが当時根城にしていた秘密の隠れ家を探索していたら膨大なロリ写真が出てきたのでアウトの巻!!


・・なんなんじゃい・・・


・・なんなんじゃい・・・このオチはァァッ!!


もうねぇ、アホかと。おまえら全員アホかと。
まず、親がアホ。 ちょっと家捜しすれば証拠なんてザックザク出てくるのに、怒りに任せて焼き討ちとかすごいアホ。 復讐は、新たな復讐しか生まないんだよ! (ま、アガサが同じ立場だったら焼き討ちしますけどね!)
あと、フレディもアホ。 要するに逆恨みじゃんか。 無実の罪でもなんでも無いんじゃんか。 ペドの完成形な訳じゃんか。 なのに何「秘密を探り当てて欲しい」的なニュアンス醸し出してるの?
「オレは本当は何もしていなかったんだって事を思い出せ」じゃなくて「オレは根っからのロリコンなんだって事を思い出せ」っておまえバカ。
まぁ、一番アホなのは脚本家と監督とマイコー・米ですけどね! ようじょがだいすきだったフレディに女子高生を襲わせるというその一貫性のなさが致命的!!

「ひょっとしたら無実の罪だったんじゃ・・・」という展開自体は、なかなかよかったと思うのですよ。
オリジナルから大胆に路線変更して、シリアス一辺倒にするというのなら、そのまま「非業の末期を迎えた事により、ダークサイドに堕ちてしまった平凡な中年男性・フレディさんの虚しい復讐劇」で行けばよかったのになぁ、と。
被害者だった少年少女が一転加害者に。
罪の意識に苛まれ、でも仲間を喪った怒りも捨てきれず、悶え苦しむ高校生とフレディが対峙した時、果たしてどんなドラマが生まれるのか。  そういうお話が観たかったな、ぼくは。 せっかく作り直したんだから。
ほんで、なんだったら最後の最後に「ジャジャーン」って「やっぱりロリ写真あった!」っていう方が、「無実の可能性うんぬんかんぬん」も活きたんじゃないかと思うのですよね。
ま、要するにグダグダなんだよ!!バーカ!ほんとバーカ!! 


近年、人気シリーズの看板を借りて商売しているにも関わらず、「いや、うちはあのお店とは一味も二味も違った、オリジナリティ溢れる味をお出ししますから」と自信満々に謳い、結果本家の足元にも及ばないようなお粗末な味しか提供できず、双方の名を汚すようなリメイクが後を絶ちません。
リメイクするな、とは言いません。
今の技術、今の価値観だからこそ生まれる新解釈で、新旧合わせて愛されるような映画になれば、それは素晴らしい事だと思うからです。
しかし、ネームバリューだけをあてにしたような安易なリメイクは、誰にとっても得にはならないのではないでしょうかねぇ。
数年前からアナウンスされている『ヘルレイザー』や、最近明らかになった『チャイルド・プレイ』のリメイク版が、誰得ではなく皆得映画になる事を切に願っております。 ホントに。


-追記-

・ 本作の主要キャストである、ナンシー、ジェシー、クリスは、旧シリーズ1、3,7作に出てきたヒロイン・ナンシーと、2作目の主人公ジェシーと、3,4作目のヒロイン・クリスティンから来てるのかなぁ、と予想。 ヘンなトコ拘ってんのな。 だったらロバート・イングランドさんのカメオ出演くらい許してやれよ!

・ お風呂でへんたい行為とか、部屋の壁を使ってへんたい行為とか、天井に血がたまってゴボゴボとか(正確に言うと今回のは血じゃなくて赤いカーペットが液化したものだけど)、学校の廊下をズルズルとか、ちょいちょいオリジナルの名シーンを再現しているのですが、だったら口からムカデとか電話口からベロベロ~とかもやって欲しかったですねぇ。 ナンシーが携帯電話を使うシーンがあったので、「クルー!」と思ったら「コナイー!」でガッカリしました。

・ オリジナルでのナンシーは、仕事人間の父(保安官)と酒びたりの母という、分かり合えない家族に囲まれ、孤立無援の闘いを強いられる、という設定でした。 これは、敵を夢魔ではなく学校のいじめっこに置き換えても普通に通用する設定で、ホラーという枠を使いながらも実は普遍的な家族の問題を描いていた事がよくわかります。そして、そこが魅力でもあった訳ですよね。 本作に足りないのは、自信満々なフレディやアリジナリティ溢れる殺し方ではなく、深みのあるストーリーだったのかもしれないなぁ・・と、ぼんやり考えてしまいました。

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『エンジェル ウォーズ』

2011年04月19日
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あらすじ・・・
「今日はザック・スナイダー監督にお越し頂きました。 監督、本日はどうぞよろしくお願いいたします」

「あ、はい、ですね、むふふw ええとよろしくおねがいしますww」

「本作は監督にとって初めてのオリジナル作品ということなのですが、その誕生の経緯などお聞かせ頂けますでしょうか」

「そ、そうですね、これはですね、かれこれ8年ほど前になるのですけど、まぁそのいわゆる美少女系のですねwまぁ闘いというおおまかに言えば闘いの物語をダンスに絡めたイメージがですね、いや、闘いというのはリアルな闘いではなく、あくまで魂が自由を勝ち取る為の葛藤というかですね、まぁそういうもののメタファーでありwデュフフww」

「監督は日本の文化に多大な影響を受けていらっしゃるそうですが、具体的にはどういった作品がお好きなのでしょうか」

「おっとジャパニーズカルチャーキタコレww いや、むしろぼくはジャパニーズカルチャーの中で生きていたいというか、おおよそキライな要素が見当たらないというかwwフヒョヒョw まぁそうですね、クロサワのサムライムービーは言うまでもなく、ハヤオミヤザキのアニメーションもたまらんですよねwwwナウシカのアレはスカートなのかチュニック的なものなのかそしてノーパンなのかアリパンなのか、そういった永遠の謎にむしろ寄り添っていきたいというかwwいや語りすぎw語りすぎだからコレwデュフフww いや、ジャパニーズアニメの何が素晴らしいといって、なんといってもセーラー服にサムライソードという組み合わせの妙。これに尽きる訳ですよ。そして絶対領域の存在、これを除く訳にはいきますまいてwミニスカとオーバーニーとの間に生まれた黄金比。つまり、4:1:2.5という比率が」

「監督が本作に込めたメッセージをお聞かせください」

「オウフwwwいわゆるストレートな質問キタコレですねwww その、本作は抑圧された少女の精神世界を反映させた空想世界というメタSF的な側面がですねwwwダン・シモンズの影響によりwwww ドプフォwwwついマニアックな知識が出てしまいましたwwwいや失敬失敬www つまり、闘う少女とそこに垣間見える萌えのメタファーというですねw5人の少女が持つ文学性を洗練された形式美でもって表現する点に拘ったことによってww おっとっとコレ少し専門的すぎましたかねww つまり、ナチやドラゴン大魔神といったキッチュなキャラクターは、彼女達の向き合わざるを得ない仮想敵のメタファーでありww彼女達が身にまとうコスチュームはその薄さも含めて彼女たちが持つ力の儚さや美しさを表しているのでありww決してふとももをさらけだす事のみに集中するものではなくwww フォカヌポウwww拙者これではまるでふとももフェチみたいではござらぬかwwwwコポォ」

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(※ イケメンオタクのザック監督。 ふとももだいすき。)

その1・すきなものだけでいいです

「かわいい女の子が、ふともも成分たっぷりの服を着て、怖そうな敵をぎったんぎったんにしたら最高だと思いませんか」

もちろんそうですとも。 アガサも完全同意です。 とりあえずかわいけりゃいいんですよ。かわいいは正義!
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大金持ちの家に生まれ、何不自由なく育ったものの、お母さんが病死してしまったせいで遺産狙いの継父に命を狙われる事になる幸薄い主人公・ベイビードール。
無実の罪を着せられ、精神病院へと放り込まれた彼女を待ち受けるのは、「感情を取り除く」と評判のロボトミー手術。残された時間はたった5日。
そんなベイビードールと共に、精神病院からの脱出に挑む少女たちは、厳格な家庭環境に反抗した結果病院送りとなってしまったロケットとその姉スイートピー、他、「黒髪」のブロンディと、アジア系美少女・アンバーの4人。
5人ともムチムチボディで、その割にはスレンダーなふとももで、ベビーフェイスにボリュームたっぷりなつけ睫毛というギャル系アイメイクで、いかつい銃器を軽々と担ぎ上げて闊歩しちゃっやりなんかしちゃったりするので、アガサなんかはもう訳もなく「バンザーイ!!」と叫びたくなってしまうのですが、中でも一番グっときたのはアンバーちゃんなのでありまして。

いつも心細そうなんだけど、ここぞという時にはがんばるアンバーちゃん。
空想世界ではメカに滅法つよいアンバーちゃん。
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もうアレだ、アンバーちゃんが持ってるロリポップの棒になりたいよ、ぼかあ!

出来ればアンバーちゃんの殺陣も見てみたかった。
出来れば邪悪なオーク役になってアンバーちゃんにフルボッコにされたかった。
余談だけど、ベイビードールは気を抜くとギャル曽根になるから気をつけろ。


その2・キメ画

ザック監督といえば、偏執的なクローズアップとクドいのにクセになるスローモーションとバチンとキマった構図ですよね。
凝りに凝った絵作りは色彩を抑えめに処理された映像とも相まって、まるでルネッサンス絵画のよう。 ビーナスか!おまえがビーナスなんか!
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(※ す ご い 火 。)
ベイビードールとその仲間たちは、脱出に必要な4つのアイテムを手に入れる為、空想世界で闘う事になります。
まずはベイビードールが単独で大魔神と闘い、2回戦からはナチスやドラゴンや機械人間を相手に総力戦。
基本的には、どの闘いに於いても、美少女たちの無双っぷりが堪能できるのですが、あまりに強すぎて少々間延びしてしまう部分がありました。 
弾を撃てば必ず当たるし、太刀を振れば必ず倒れるんだもんなー  ・・いや、その強さが心地よいのもまた事実なのですが。
しかし、そんな風に「なんかさっきの闘いと展開同じじゃね・・」と気持ちが緩んだトコロを見計らったかのように、ビシっとキメ画が飛び込んでくるので問題なし! 寝た子も起きますよ。いや、寝てないですけどね。
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(※ す ご い 大 魔 神 。)


その3・入れ子構造

本作に登場する世界は3つ。
ベイビードールが継父に嵌められ、ロボトミー手術を待つばかりの現実世界と、
つらい現実を直視しない為、病院を娼館にリ・イマジネーションした空想世界と、
その両方から逃げ出す為に必要な、4つのアイテムを手に入れる闘いの世界。
ベイビードールの意識が娼館に移行する瞬間、彼女はまさにロボトミー手術を施される寸前だったので、「もしや娼館から後の世界は全て、ベイビードールが正気との境に見た走馬灯のようなモノなんだったりしたらどうしよう・・・」なんてちょっぴり心配していたアガサ。 まさかの夢オチなんてこと、ないよなぁ・・と。
しかし、すべての闘いを終え、ベイビードールに残酷な現実が降り注いだ時、少女たちが空想世界で行った叛乱が、実は現実にも行われていたのだという事が明かされた瞬間。 その過酷過ぎる闘いに思いを馳せ、胸が熱くなってしまいました。
つまり少女たちは、空想世界である娼館だけではなく、精神病院内でも、地図を盗んだり、小火騒ぎを起こしたり、傷害事件を起こしたり、脱走したりしていたのですよ。職員の気を逸らしながら。
ちなみに、娼館での気の逸らせ方は、「ベイビードールが披露する超扇情的なダンスで、見る者をジュクジュクにしたりギンギンにしたりする」というモノ。

・・まさかとは思うけど、踊ったのかリアルでも!!

いや、空想世界だったからこそ、表現出来ない程完璧なダンスで、みんなをスーパー賢者タイムに陥らせることが出来たと思うんですけどね。
衣装だってふともも丸出しだったり総スパンコールだったりする訳ですし。
そういった手助けの無い現実世界で、ベイビードールは一体どんな撹乱作戦を行ったというのか。 
踊ったのか。まさかのまさかで踊ったのか。 もしもガチで踊ったんだったとしたら、その踊り、なんとかDVD-Rに焼いて貰えないだろうか。いや、個人で楽しむだけだから。絶対流出させないから。お願いします。

(※ この、「空想世界で踊っていた瞬間、現実世界ではどんな行動をとっていたのか」という部分は敢えて描かれていないので、「わー何してたんだろー踊ってたのかなあーえへへー」とのんきに考えていたのですが、こちらのレビューで指摘されていた内容を拝見して目から鱗が落ちました。 DVD-Rに焼いてくれとかふざけちゃってどうもすみません。)


その4・でも、やるんだよ

ベイビードールとロケット&スイートピー姉妹以外の女の子が、何故入院する羽目になったのか、その経緯は明らかにされません。(そもそも、この精神病院の患者の中に、果たして本当に病んでいる少女が何人いるのかも定かではありませんし)
ただひとつ、ハッキリしているのは、彼女たちが無力だという事。
その言葉にも、細い腕にも、何の力も宿ってはいないという事。

「自由」って一体なんなんだろう。
私たちはみな、お約束のように「自由」を求めようとします。
もしかしたら、とうの昔に手に入れてかもしれないにも関わらず、呪文のように「自由」という言葉を唱えてしまう。「自由」にこだわりすぎて、不自由になっちゃってるんじゃないかという程に。

アガサは、「自由」とは「自分の意志で生きること」だと思います。
誰かにお膳立てされた楽園で、のほほんと暮らす事は自由なんかじゃない。 願いがなんでも叶えられるのが自由なのでもない。
愛したり、憎んだり、悲しんだり、悩んだり、迷ったりしながら、時には理不尽な感情に振り回されながらも、自分でこうと決めた道を進むのが、「自由」なんじゃないかなあ、と。
だから、「自由であること」とは「闘うこと」でもある。

絶望に支配され、ただ「生かされて」いるだけの日々を送ってきた少女たちは、新しく入ってきたベイビードールに触発されて、もういちど「自由」を手に入れることを決意します。
その選択の先にあるのは、ただの敗北かもしれない。
自分たちの命がけの抵抗は所詮、悪あがきに過ぎないのかもしれない。
それでも少女たちは誓う。 
死にながら生かされるくらいなら、生きて死ぬ方がマシだ。とばかりに、闘う事を誓うのです。
無駄かもしれない。 でも、やるんだよ!と。

これが応援せずにいられるかっていうんですよ! 
ふともも丸出しでがんばる女の子は世界の希望です!


なんかね、甘っちょろい話かもしれないし、辻褄の合わない部分も多々あるかもしれない。 でも、少女たちの闘いは無意味ではなかったと思うし、ベイビードールは誇りを持ってロボトミー手術を受け入れたんだと思うのですよ。 スイートピーが手に入れた「自由」は、5人全員で勝ち取った自由だから。 あまりに哀しい勝利でしたけどね。

スイートピーを乗せたバスは、パラダイスという名の看板を通り過ぎ、遥か彼方を目指す。
きっと彼女はこれからも、沢山の苦難を乗り越えて行かなければならないだろうと思う。
でも、それもまた、自由な証。 
操られず、自分の手で、足で、勝利を掴みとって欲しいと願いました。

と言う訳で、アガサはだいすきです。『サッカー・パンチ』!


-追記-

・ 本作は、1960年代という設定で描かれているのですが、同じく1960年代の精神病院を舞台にした『17歳のカルテ』や『カッコーの巣の上で』とは、かなりその姿がかけ離れている様に感じてなりませんでした。 どっちかというと、1920年代を舞台にした『チェンジリング』に近いような・・。 女性の「力」が圧倒的に弱いという点も含めて。 もしかしたら、ゾンビ兵士化したナチスを仮想敵にしつらえたかったから、60年代という設定にしたのかなぁ・・なんてのは勝手な妄想すぎますかね。 ただ、空想世界を際立たせる為にも、現実世界はもう少しリアルだった方がよかったような気が。 

・ 『マトリックス』や『インセプション』など、沢山の映画を思い起こさせる本作なのですが、アガサはやっぱり『未来世紀ブラジル』とがっちり印象が結びついてしまってたまりませんでした。大魔神とかねー、やりたかったに違いないよねー。 最後にスイートピーを乗せたバスが遠ざかって行くシーンまで被らせているし。ただ、その後ヘビー級のオチをつけたギリアム監督と違って、ハッキリとした希望を映し出して終わらせたザック監督は、たぶん、SじゃなくM。

・ なんでMかというと、少女たちを甚振りぬく用務員(精神病院のカゲ番状態)が、ザック監督そのものなんじゃないかと思ったから。(この世界を支配する用務員=映画を支配する監督) 
少女たちを意のままに操っていた用務員さんなんですが、ロボトミーを受けて空虚な器になってしまったベイビードールを前にはらはらと涙を流してしまいます。 
彼もまた、檻の中でちっぽけな虚栄心にすがって生かされていただけの存在だったのではないか、と。 そんな時、ぎらぎらと生きようとするベイビードールの姿を見て、嫉妬や憧れや独占欲や憎しみと言った、複雑な感情に襲われてしまったのではないか、と。
もしかしたら用務員さんも、自由を求めていたのかもしれない。ベイビードールに激しく叱咤されたかったのかもしれない。 もしかしたら、踏まれたがっていたのかもしれない。ピンヒールで。
と言う訳で、この映画にふとももが沢山登場するのは、全部ザック監督の「ああ・・あれに挟まれてもがいてみたい・・」という願望だったのではないかと思ったのでありました。 オレはキライじゃないよ!そういうの!

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『マチェーテ』

2011年04月15日
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あらすじ・・・
有能なメキシコ連邦捜査官・マチェーテは、長年追い続けていた麻薬王の罠にかかり、愛する妻と娘を惨殺され、自らも生命の危機にさらされる。
九死に一生を得てアメリカに密入国し、日雇い労働者としてその日暮しの生活を送るしかなかったマチェーテ。
そんなある日、路上ファイトの腕を見込んだ謎の男性からとある依頼が舞い込む。
その内容は、「不法移民に厳しい上院議員・マクラフリンを暗殺せよ」というもの。
失うものの無いマチェーテは、報酬の15万ドルをメキシコ移民によって結成された裏組織に譲り、打ち合わせ場所へと向かうのだが・・・。



クエンティン・タランティーノさんとロバート・ロドリゲスさんがすきなものだけを詰め込んだ、ボンクラ映画の金字塔『グラインドハウス』から3年。
その作中、フェイク予告篇として観客の目を楽しませた『マチェーテ』が、ロドリゲスさんご本人の手によってまさかの長編映画化されたとの事!えらい!決めた人えらいぞ!!
タイトル・ロールのマチェーテさんに扮するのはもちろんこの人、ダニー・トレホさん。
かお
(※ The・顔!)

出演作の全てに於いて、その独特の面持ちで確実に観客の心にサムシングを植えつけて来た男・トレホさん。 
数多くの作品で血の花を咲かせてきたトレホさんが、ついにつかんだ「主役」の栄光。 
瓢箪(オモシロ企画)から駒(映画)だったとはいえ、その脇を飾るのはガッツリ本気の大物キャストで、ノリだけで作ったとは思えないような贅沢な仕上がりとなっております。
とはいえ、やっていることはというと「おっぱい!切株!大爆発!」という中学生の夢と希望がたっぷり詰まった内容に。
しょっぱなから生首はごろごろと転がるわ、チャンネーのパイオツはぷるんぷるんと揺れるわ、悪党の腹を掻っ捌いて引っ張り出した腸をロ-プ代わりにバンジージャンプするわ、と、とてもじゃないけどお子様にはお見せできないようなオモシロ映像のオンパレードで、心の底から拍手喝采を贈ってしまったアガサなのでした。

ただ、愉快な切株描写は前半に集中しており、後半にも心躍るアクションはあるものの、CG処理された血糊がメインな為若干の物足りなさを感じるのも事実。
そんなあなたに朗報です! 物足りない時は本作のもうひとつの見所、コスプレ天国をとくとご堪能頂けばよいのです!

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(※ 獣と化した白衣の天使・モナ&リサだッッ!)

リンジー
(※ 神に愛されし復讐の女神・セレビッチ・ザ・エイプリルだーーーッ!)

ロドリゲス
(※ そんでもって、範馬勇次郎が乱入してきて台無しにする、と。)

なにこの「ワカッテル」感!
こういうのって、ほんとセンスの問題だと思うんですよね。
いや、言葉を変えよう。趣味の問題だと思うんですよね。
ビッチであればあるほど燃え上がる、というか、貞淑さと野蛮さが渾然一体と化した時のフェロモンマジヤバい、というか、とにかく最高ですよコンチクショウ! ロドリゲス、お前とはうまい酒が飲めそうだ!!

ちなみに、特典映像の中にあった削除シーンには、こんな暗殺者も登場。

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(※ それはまるで、邪悪な大木凡人。)

ロドリゲス監督がメガホンを執った『プラネット・テラー』で、片脚マシンガールに扮していたローズ・マッゴーワンさんが演じる、静かなる暗殺者ブーツ・マッコイ。
残念ながら本編では全てカットされ、存在すら明らかにされなかったのですが、007シリーズの悪役・ブロフェルドばりに猫を掻き撫でながら登場しておきながらアッサリその猫を撃ち殺したり、唇から覗かせたカミソリで相手の首筋を掻き切ったりと、とてもおいしい役どころだったのですよね。
女の子の活躍が目に楽しい映画だっただけに、出来ればマッコイさんにも本編出演して頂きたかったです。
あと、メキシコの麻薬王(スティーヴン・セガール!)に常に付き添っていた謎のアジア系少女も、デボン青木さんみたいでかわいかったなぁ。 ていうかもうこの際デボンでいいじゃんか。ほんでセガールと一緒に日本刀持って暴れればいいじゃんか。 もしくは、いっその事セガールさんちの文子さんとかね。 惜しい!実に惜しい!!

もちろん、女優陣以外の面々も、前述のセガールさんやデニーロさんやドン・ジョンソンさん、全国のぼんくら男子のアコガレ↑・サビーニ大先生などなど、濃いメンツが大集合。
盛れるだけ盛ったと思われるキャスティングに、胃酸が出まくりの105分間となること必至です。


おこがましいのを承知で言う書きますが、トレホさんが主役を張る時代が来るだなんて、過去に想像したことはなかったのですよね。
いや、どんな映画に出ても、主役以上の存在感を発揮するトレホさんですので、主役でなくても主役級というか、わざわざ主役ですよーってアナウンスされなくてもある意味出てくるだけで主役、というか。
正直、イケメンからは程遠く、ずんぐりむっくりで武骨成分120%なビジュアルのトレホさんが、アイドル的ビジュアルのジェシカ・アルバさんと唇を重ね合わせているのを見ていると、なんとなくむず痒いというか。
違う違う!トレホさんをdisってるんじゃなくてね! なんか「ヤバイもん見た!」感があるんですよ!

で、もしかしたらこの『マチェーテ』って、アメリカ版『刑事物語』なんじゃないかなぁ、と。
片山刑事(鉄矢)がソープで裸の女の子に迫られてるシーンを見た時の、あの「ヤバイもん見た!」感とかね。 
怒りが沸点に達し、闘いに身を投じるずんぐりむっくりの主人公とかね。 誰かと一緒に居ても、どこか孤独な雰囲気を漂わせているトコロとかね。 油分の多そうな長髪なトコとか、あと、ずんぐりむっくりなトコとかね。
凶暴さ加減では敵わないものの、なんだか他人とは思えない、遠い親戚なんじゃないかと錯覚してしまうような「同系統の男臭さ」を感じてしまったアガサなのでした。
(なんだよ、結局体格しか似てねえじゃねえかよ! という苦情はナシナシの方向で)

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(※ ちがーう!木のやつー!!!)

エンディングでアナウンスされる続編『殺しのマチェーテ』と『続・殺しのマチェーテ』の実現にちょっぴり期待するのと同時に、フェイク予告集にあった『感謝祭』の方も、是非イーライ・ロス先生に長編化して頂きたいものですね!

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お花見に行ってきました。

2011年04月10日
都知事選にガッカリしたり、あかりんの卒業にしんみりしたり、花見自粛ムードに憤慨したり、自粛ムードの自粛に翻弄されたり、うそつきな人の多さにげんなりしたり。

そんな中でも、楽しく過ごそうとする人たちはいるし、前だけを向いて重い足を引きずってでも進もうという人たちもいるし、決して挫けずに立ち上がる人たちもいる。

「こんなん困難なんて言えないよ」

「戦い勝ってこその新境地を目指せ 敵は自分の中にあった 叶えたいビジョンに限界はないんだから」



という訳で、自粛せずにお花見に行って、ももいろクローバーの「Chai Maxx」を踊ってきましたよ。




ついにロケに手を出してしまった。

次はもう、脱ぐしかないのかもしれない。


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